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【アト・サインの日誌】

   ―――5月中旬
   ラサ北部『白兎の湖』周辺

司書の言葉に迷わず僕は、「やるぞ」と一言告げた。
この僅かに流れるマナの道標は時間とともに消え去る可能性が高い。

おそらく、この周辺に複数、砂に埋れた道があるのだろう。
時間の流れと共に消え去った過去の王国は、正確にこの魔力の道を辿れるように地図とカレンダーを用意していたに違いない。
となれば僕らがこの魔力の流れた道を当てたのは偶然以外の何物でもなかった。
そして、安全のためにこの偶然を見す見す逃そうという提案は、同意できないものだった。

赤と青のコントラストで彩られていた夜明けの空が徐々に水色に支配されていく。
地平線の向こうでは黄金の光が顔をのぞかせていた。
砂漠の日の出、それは自然が生み出した美術品。
しかしそれは数時間後に僕たちの体を焼き尽くすことを宣告する、死神の芸術でもあった。

改めて、石の道に顔を近づける。
自分だけでは感知できないマナの通り道。
予め分けてもらった司書の髪の房を通り道に近づけて反応を見る。
髪の毛はまるでそこに磁力があるかのように、魔力の流れに沿って靡いた。
となれば、靡く方向の逆方向、そちらに魔力の源泉、つまり遺跡の入口があることになる。

このまま砂をかき分け続けて道をたどることを考えたが、この石の道を見つけるだけでも結構な深さの砂を掘り起こす必要があった。
現実的ではない、となればここで連れてきた司書の出番となる。
司書には魔力の流れに集中してもらい、この道の示す直線上を、蛇行するように歩いてもらう。
ダウジングの応用だった。
道に対して蛇行して進めば、曲がり角を発見できるという考えに基づいてのことであった。

司書が実際に蛇行しながら砂の上を歩き、道の直進方向に対して感じる魔力が弱まった所で、そのポイントを掘り起こしてみた。
結果、丁の字型の道の接続部を発見した。
片方には魔力は流れているが、もう片方には魔力が流れていない。
なるほど、このような構造の道を幾重にも重ねることによって、通用口への道を簡単に発見できないようにしていたのだ。

再び、魔力の方向に対して司書が歩く、
魔力が途切れたらその地点を掘り起こし、進路を確認する。
これを5,6度繰り返しているうちに、太陽が登りきった。
灼熱の砂が二人の体から容赦なく水分を奪い、目眩と頭痛を引き起こす。
だがここまで来て、引き下がる訳にはいかない。
僕達は発掘を強行した。

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