『灰塚霊園　ご案内』

大切なご家族からお夕飯の魚まで、とにかく焼きマス。
もしくは埋めマス。大切なご家族から黒歴史ノートまで。
息を引き取った方に限りマス。
生きてる者を甚振る趣味はございませんのデ。

ーーーーーーキリトリ✂️ーーーーーー

自殺の名所と噂されていた場所を数年前に召喚された旅人が整備し、
花や木を植えて霊園にした。
夜になると一層不気味な雰囲気になる。
奥の小屋には青年と中年が住んでいるらしい。
前者は（自称）良い子なので夜は寝ていることが多い。

ーーーーーーキリトリ✂️ーーーーーー

■　小屋の主がぐだぐだしながら過ごしているだけ
■　独り言がメイン。他、RP会話など（１：１RP）
■　話しかけると、お菓子や珈琲、酒を出してくれる。
■　灰にしたい・燃やしたいものを持ち込むと対応してくれるかもしれない

（月の光さえ届かぬ夜の出来事だ。こんな暗闇の中、ましてや森の奥地を訪れる者などそうは居ないだろう。油断していた男は、小屋の外で切り株に腰掛け、焚き火をしながら仕事を行っていた）

……暗い所で作業してるとお化けが出そうで怖いなぁ。
よーし、気を紛らわす歌っちゃおう。
おばけこわくなーい♪全然こわくなーい♪どっからでもかかってこーい！

（ヘンテコな歌の中に、時折　パラパラ、と何かが燃え落ちる音が聞こえる）

（微かに響く歌声を耳聡く捉えた者がいた。何かが燃える臭いを辿る鼻があった。
　長い尻尾を揺らした影は誘われるように音もなく霊園に忍び込む。
　暗がりに煌々と躍る火と照らされた男を見付ければ好奇心に金目が光った）

はぁい、おばけでぇす。

（だから音をさせないように後方に近付き、そう声を掛けてみよう。
　おばけと名乗るには随分明朗な声色だったけれど）

へあっ！？な、何だい今の声は……。まさか本当に……
わーなんだよもー！本当に来る奴があるかー！
やだー！ホラー小説みたいな展開やだー！！
これって後ろ振り返ったら絶対何か居るパターンじゃないかー！ギャーッ！
（見て確かめる勇気はないようで、大げさな叫び声を上げている）

（更に騒ぎ出す背中に少し目を丸くして、それからくすくすと笑いだす）

あら、酷いわねぇ。どっからでも、なんて言うから招かれたのに。
そう邪険にされるとおばけでも悲しいわ、つい呪っちゃいそう。

（完全に面白がっているのか、殊更声を潜め囁くように呟こうか）

ひええっ、呪うなんて言わないでおくれ、幽霊さん。法螺吹いたことは謝るから！
ウーム……どうすれば機嫌を直して貰えるだろうか。あ、そうだ！（閃いたようにぽむっと手を叩き）

珈琲を淹れてあげよう！キミ、口はついてる？付いてないのなら香りを楽しむと良い。
とっても美味しいよー？それがなんと、タダで飲めちゃう！お得でしょ？
どうだろうか？それで許しては貰えないかな。
と、いうか……今、この恐怖で支配された脳では、それしか案が浮かばない！

まぁ、素敵な申し出ね。
口も鼻も付いてるわ、そして香りの良い珈琲も大好きよ。

（答えながらひょいと彼の横を通り過ぎて視界に入る。
　切り株に腰掛けている彼を見下ろしてにっこりと微笑んで見せた）

ぜひご馳走になりたいわ。
美味しい一杯を淹れて頂ける？怖がりな色男さん。

（無論、女の脚は2本しっかり地面についていた）

（ポカンとした顔で目の前に現れた彼女を見つめつつ、自分の頬を抓って夢ではないことを確かめる）
…… 夢じゃなかった！恥ずかしい！穴があったら入りたい！！

（コホン）こんばんは、お嬢さん。
ああ、約束通り珈琲は淹れて来るよ。味には自信があるから、期待して待ってておくれ。
ついでにランプとか取って来ようかな。暗くてよく見えないし、幽霊はもうこりごりだからね！
（と、両手で顔を覆いながら小屋の中へと入って行った）

（頬をつねる仕草にまた咽喉奥で笑いを零した）

幽霊じゃなくてごめんなさいね。
なんだかとっても楽しそうに怖がっていたものだから、つい。

（人の悪い笑みを浮かべながら小屋に入っていく背中を見送ろう。
　楽しみにしているわ、と声をかけて。
　そうして焚火に近付けばひょいと勝手に薪を足した。秋の夜長は冷えるのだ）

（暫くして戻って来ると、彼女にマグを手渡した）
むしろ幽霊じゃなくて安心したよ。
はい、こちらは口止め料になります。（ふわりと立ち上る湯気から、苦みを含んだコーヒー独特の香りが広がる）

ついでに、コイツで暗いのとはオサラバだ。確かこの辺に……あった。
（男は慣れた手つきで灯油ランタンに火をつけ、ポンプを押した。やがてそこに柔らかな光が灯り、周辺を照らし出す。よく見れば焚火の側に衣類や書籍などの物が積み上がっていた。先程聞こえたのは、これらを燃やす音だったらしい）

これで良し、と。今なら君の顔がはっきり見えるよ、美人さん！
ああ、そうだ。挨拶が遅れちゃったけど、僕はまぁ……ここの管理人ってところかな。よろしく！

（指さす先には『灰塚霊園』と印字された看板がぶら下がっている）

（小屋から出てきた彼の手から湯気立ち上るマグを受け取った。
　スン、と鼻を鳴らして微笑みを零す）

良い匂い、素敵な口止め料ね。
これは黙っている価値があるわ。

（悪戯っぽく笑いながらゆっくりと珈琲を啜る。
　体の芯から温まるような心地良さに金目を柔らかく細めた。
　ランタンの灯りに数回瞬きをした後、積まれている物に視線を向ける）

リノよ、よろしくね管理人さん。
でも霊園って死体を収める場所だと思っていたけど…、これも霊園のお仕事なのかしら？

（不思議そうに首を傾げる。
　熱い珈琲をまたゆっくりと口にして）

それは良かったー。

うちは火葬場も兼ねているからねぇ……これも大切なお仕事の一つなんだ。
積んであるのは主に遺留品。中には、元カレの贈り物とか、呪いの人形とか
……そんな物も混じってるけど。
いずれも燃やして処分するか、魔法の灰にして遺族や持ち主の元へと戻すのさ。

リノさんもどうだい？大切なご家族からお夕飯の魚まで！燃やせるものなら何でも燃やすよ。
嬉しかったこと、楽しかったことも、嫌な思い出も全部まとめてレッツファイアー♪

（「隙あらば」といった感じで宣伝を挟みつつ、積んであった中から本を手に取って焚火の中へと放り込んだ）

（珈琲を啜りながら詰まれた遺留品を眺める。
　傾げていた首を元に戻して）

なんだか…ヒトじゃなく、思い出の火葬場みたいね。
呪いの人形を思い出といって良いのか疑問が残るけど。

（宣伝にはひょいと肩を竦める。
　軽薄な笑みで目を細めて）

そうねぇ、是非ともとお願いしたいところだけど…。
生憎と燃やせるほど物も多くないのよね、今度は魚でも持ってくるわ。
灰じゃなく良い焼き加減にしてもらえたら嬉しいわね。

ところで魔法の灰って、普通の灰と何か違うのかしら？
撒いたら花でも咲くの？

勿論、その時は最高に美味しいものを焼くよ。

ほほう……お客さん、魔法の灰に興味がおありですか。
なーんて！気になるようにわざと言ってみたんだけどね！
じゃ、早速だけど実演させてもらおうかな（ノリノリで準備を始めた。商魂逞しいにもほどがある）

（その辺に咲いていた野花を引っこ抜いてきて）まずは、この花を僕の右手で握りつぶしまーす。
（薄手のグローブを外すと白骨化した手が現れる。その手でグッと握ると、花はあっという間に灰になった）

はい、とりあえず灰が完成！
これだけじゃ何の変哲もないただの灰だけど、こうして地面の上に撒けば……
（地面に撒かれた灰はみるみるうちに固まり、やがて見覚えのある球体へと変形した）

じゃじゃーん！なんと、花が種になって戻ってきちゃうんだー。こんな感じで、土の上に撒くと
ドレスは布に、本は紙に……古き物が新しくなって生まれ変わる、それが魔法の灰なのでーす！

…………ちらっ（カンペから視線を移し、リノさんの方を見た。言葉こそないが「どうだい？ちょっと欲しくなっちゃったりしないかな」と言っているような気がする）

（何か始まったようだ。目をひとつ瞬かせながら詰まれた衣類の山に腰掛ける。
　観客はお行儀よくするものだ）

あら、まぁ。

（するりと手袋から引き抜かれた白い骨、ごつごつとした男の骨格に軽く目を見開く。
　何かの手品を見ているような、そんな心地で灰へと変わる花を眺めた。
　それが土の上で種へと戻る様を見て珈琲を零さぬように拍手をひとつ）

すごいわねぇ、どういう原理なのかしら。
新しく、というけれどかつての姿に戻ったともとれるし…。

（呟きは途切れる。なんか視線をもらった。
　何かを訴えてくる目に少し考えを巡らせて）

……でもお高いんでしょう？

（頬に手を当て、首を傾げて合いの手を入れる）

そうだねぇ。簡単に言うと、僕は手の中で時間を操っているのさ。
握ったものを忽ちの内に腐らせ、燃やし、新しいものとして蘇らせるんだ。

それがですね……初回のお客様に限り、半額の500Gで販売中！
今なら恋愛成就のお守りまで付いてくる
たいへんお得な商品となっております。この機会にぜひお買い求め下さい！

……よし、こんなもんか。ここまで付き合ってくれてありがとう。
お客さんが来たらとりあえず宣伝を挟むのが決まりなんだ。
一応、商売だからね。（満足げに呟き）

さて、僕の話はお終い。せっかくだ、君のことも聞かせておくれよ。
今更だけど、リノさんはどうして此処に？お散歩のついでかな。

あらまぁ、なんて良心的。
お守り付きでそのお値段なんてお得だわ、見逃せない逸品ね。

（そこまで付き合ったあたりで耐え切れなくなったのかころころと笑いだす。
　夜の霊園に女の笑い声がしばし響いて）

あぁもうやだ、面白いヒトね。
こんな不思議な旅人さんに会えるんだもの、夜の霊園も悪くないわ。
随分便利な手についても教えてもらったしね。

（落ち着く為にまた珈琲を啜る。
　楽しい宣伝タイムだったわ、と目を細めて肩を竦めた）

そうね、月に呼ばれて夜を楽しんでいたところよ。
そしたら霊園から賑やかな声がしてつい入り込んじゃったの、我ながら良い選択だったわ。
こんな場所に霊園があるなんて知らなかったんだけど、いつからやってるの？

まさかの反応！あああ、なんかもう今なら顔から火どころかマグマ出せそう！！
良いね、ロマンチックで。そういうの好きだよ。
せっかくの時間を僕の歌のせいで台無しにしちゃったよね！ごめん！（わっと両手で顔を覆い）

えぇっと……正確には覚えてないけど数年前ぐらいじゃないかな。
訳も分からないまま突然この世界に放り出されて、塒を探している時にこの場所を見つけたのさ。
何があったかは知らないけど、元は人骨や動物の死骸が転がる荒れ地だったんだよ。
それを整備して、花を植えて霊園にしたんだ。
樹木葬ってやり方でね……あの木や花の下には名前も知らない誰かが眠っているんだ。

別に良いのに、楽しい事は好きよ。
でもマグマまで出せるの？旅人ってほんと不思議な身体の構造してるわよねぇ。
もっと寒くなったら存分に噴火してみせてちょうだい。

（寒いのは苦手なの、とヒトの悪い笑みを零して）

あぁ、元々そういう場所だったのね。随分木々が生い茂ってると思ったけど……。
なるほど、良い養分でステキな花が咲きそう。

（視線をぐるりと周囲に向ける。
　鬱蒼とした森の暗闇は獣の目には穏やかなものとして映った。
　苦労したのねぇ、と何ともなしに呟いて）

でもお化けなんて怖がるのによくそんな場所を霊園にしようと思ったわね。
物好きというか、なんというか……そんな便利な手を持ってるなら適任なんでしょうけど。
ヒトに言えないものを燃やしにくるヒトも多そうね？

た、例えだよ！そんなの無理だってばー！
期待させて申し訳ないけど、僕はごくフツーのおじさんだからね！？

そ、そりゃあ、オバケは恐いですけど……（もにょもにょ）
あまりにも可哀想で、見て見ぬ振りは出来なかったんだ。

死と同時に罪が洗われ、清らかな魂となって土に還るのなら
生前がどうあれ、死者は皆平等に扱われるべきだと思うんだよ。

……こんな寂しい場所置いてけぼりにされていた彼らも同じ。その権利がある。
僕なりに彼らのために出来る事をやりたいと考えた。それで、この霊園が出来たんだよ。

人に言えないもの、ねぇ……灰にしたことがあるのは
何だか難しいことが書いてある極秘の書類だとか、元恋人からのプレゼントくらいじゃないかなぁ。
跡形も無く消した時には皆とても喜んでくれたよ。その後依頼人がどうなったかは知ったこっちゃないけどね！

フツーのおじさんの手はそんなガイコツしてないと思うわ…。
マグマが出ないのはちょっと残念、見てみたかったのに。

（マグを口元に運ぶ。程よく冷めた苦味が舌に沁みるのに目を細めて。
　黒豹の耳が彼の言葉を聞くように傾けられた）

なるほど、まるで聖人のようね。
もしかしてご職業は神父サマだったりするのかしら？もしくは牧師サマ？
まぁ何にせよ荒地に転がるよりは花を咲かせた方が死骸も喜ぶのかもしれないわね。

（この寒い時期、花らしい花が見えないのが少し残念に思われる。
　春先、芽吹くやわらかな蕾を夜闇の影に想像した）

あら、やっぱり活用されてるのね。だって便利だもの。
うっかり地面に撒かなければ秘匿されたままだし、良いわねぇ。
旅人ってほんと、面白い人が多くてステキ。どんな世界から来たのか気になるところね。

えーそうかなー？この世界じゃごく普通な部類だと自覚してるんだけどなー。
って……せ、聖人？神父だって！？冗談じゃないよ！
神に祈りを捧げるなんて馬鹿らしいこと頼まれたってやるもんか（と、やや興奮気味に返して）
僕は人が好きだから、人の意思を尊重して彼らのやり方で埋葬しているだけだよ。
良いかい、神にも色々居るけどね……
その中でも、救済の神なんて信じなくて良い！あれ詐欺だから！
祈りを捧げれば　死後は桃源郷に行けるとか真っ赤な噓だから！！

元居た世界？ここに比べれば、とても退屈な世界だよ。そもそも魔法なんて存在してないし。
カオスシードによく似た種族が平凡に暮らしているだけさー。

そういうリタさんは？どこの出身なのかな。

あら、神様に何か恨みでもおあり？こわぁいお顔。
言われずとも信仰で救われるほど実直でもないのよ、安心してちょうだい。

（人の悪い笑みを唇に乗せ揶揄うように目を細めた。
　興奮する様をどこか楽しげに眺めている）

退屈で平凡、結構なことじゃない。色々と仕事がしやすそうだわ。
でもウォーカーの人に自分の世界のことを聞くと大抵この世界より平和だっていうのよね。
同じような世界から召喚された人が多いのかしら。

私？ラサっていう砂漠の国の出身よ。
オアシスの綺麗なところよ、機会があったら是非来てちょうだい。
お客様には優しいわよ、あそこ。

ほっ、良かった。余計なお世話だったね。
まぁ昔ね！色々とあったのさー（誤摩化すように笑い）

確かに！仕事はしやすかったかな。……そうだねぇ、僕の世界の場合
「平和」っていうのは「大半が平穏に暮らしていた」って意味で。
ごく一部では、争いや殺し合いが頻発していたよ。
同じ人間同士なのに、仲良く出来ない人達も居たんだ。悲しいことだよ。

それはどうだろう？確かめるには、結構深いところまで聞いてみないとだ。
こっちに宇宙とか次元とか並行世界とか、そういう理論は存在するんだろうか。
あー……あるいは、8分違いのパラレルワールドみたいな。
確率的には低いと思ってるよ。実は僕も兄以外、同じ世界の人間には出会えてないんだ。

ああ、聞いたことがあるよ！確か、夢の都って呼ばれてるんでしょ？
サンド・バザールには一度行ってみたいと思ってたんだ！
リノさんも商人なのかい？何か売ってたりするのかな！（目を輝かせ）

あらま、その『色々』が知りたいところだけど…。
でもあんまり食い下がると珈琲を飲ませて貰えなくなりそうだし、止めておくわ。

（そう笑いながら残り少なくなってきた珈琲をゆっくり味わうように飲んだ）

そうねぇ、闘争は動物の本能だから仕方ないんじゃなぁい？
こっちはそっちの世界よりそれが少しだけ露骨なだけかもしれないわ。
だって自然淘汰の摂理は大体どこの世界でも根本にあるものだし。
その闘争で糧を得ているヒトだってゴマンと居るわ。

パラレルワールド、たまに旅人から聞く言葉ね。
少しだけ次元のズレた世界の話だったかしら、ほんと世も末よね。
まぁでも色々な場所から来てくれてた方が面白くて良いわ、退屈しないし。

（商人か、と問われればちょっと違うわね、と答えながら空のマグを横に置いて）

武力を商品にした傭兵ってお仕事よ。
戦争でも起こす予定があれば是非声を掛けてちょうだい、サービスするわ。
武力もまた夢の都の主力商品なの。

魅力溢れるミステリアスな男を目指してるんだ。故に多くは語れないのさ…（フッ）

傭兵かー格好良いなぁ！憧れちゃうなぁ！
なるほど、そういえばあそこは傭兵も多いって言ってた気がするよ。

実際、戦争ってのは儲かるらしいからね。一部の人にとっては嬉しい出来事なんだろう。
面倒だし、そんなの起こすのも参加するのもご免だな！そんな物騒な事より
酒好きの僕としては、リノさんのような綺麗な人にはお酌をしてもらいたいかなーなんて

……っ、っっ、これセクハラ発言だよね！？ごめん！
おじさんの戯れ言と聞き流して！！（また顔を赤くして縮こまった）

ふふっ、まぁ結局儲けるのは商売人なんでしょうけどね。
でも私みたいなのにとっては良い娯楽みたいなものかしら。
楽しいわよ、戦争って。

（頬を染める様を見てまた小さく笑う。
　するりと立ち上がれば縮こまる彼の傍へと歩みを勧めようか）

可愛い戯言をありがとう、ミスタ・ミステリアス。
美味しいお酒と一緒に誘ってくれるならいつでも歓迎よ。

（ご馳走様、と笑って傍らを通り過ぎよう。
　途中、長い尾が悪戯に彼の足を擽ってから離れていった。
　軽薄な笑みを残し黒豹はまた静かに宵に紛れて去っていくだろう）

（別れの言葉を言う余裕もないまま、彼女が帰って行った方を向いて呆然としながら）
不思議なお姉さんだったなぁ。さて、僕も一仕事終えたら戻らないと。
……今度はとびきり美味いワインを用意して待ってみようかな。

（焚火の煙か、あるいは人魂か。ゆらりと漂う白い煙が、末広がりに空に上って薄れていった）

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（寒さも和らいできたある日のこと。いつもの様に小屋の前の切り株に腰掛けながら、男は熱心に手元の地図を見ている）

ぜんっぜんわかんない。なにこれ、なんなの。北ってどっち？南南西ってどれ？
めんどくせー！地図なんて大嫌いだバカヤロー！！

まぁでも、仕事だからやらなきゃな。
えー……、この前事件が起きたのはココとココ？　それから……。

（赤ペンで『誘拐』『事故』『殺人』と細かに記入していき）

ふう、情報屋さんに教えて貰ったものはこれで全部か。
人が死んだ事件を集めてるけど、彼らでも拾い切れない案件がいくつかあるみたいだ。
……イレギュラーズの子なら知ってたりしないかな。

おっと、溟くんはお昼寝中か。おっかないし、静かにしてよう。