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ギルドスレッド

Blood's castle

【RP】何気のない或日

その日は何の変哲もない晴の日――つまるところ、昼寝日和だった。

木々の葉の間から差す陽光は優しく揺れていて、見る者の心を癒す。
いつもは忙しなく走り回る動物たちも、思わず木陰で微睡んでしまうような。そんな陽気であった。

*****

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……探求心があるのはよいこと。
(悪くはない、と頷いて)

…………じゃあ、貴方は何が知りたい?
(起き上がればするりと木の根に腰かけなおした)
そう言ってもらえると助かるよ。
(大きく安堵の息を吐く)

えっと、特に指定は無いけど……。
(暫し、首をかしげて考え込む)
普段はどんなことをしてるのかとか、好きな物とかそういうのを教えてほしいかな。
………?
……特に何もしていない。歩いたり、寝たり……好きなもの、は、よくわからない。
(首を横に)
何もしてないか。……自由気ままに生きられるというのは少し羨ましいな。
まあ、仕事が無い時の自分も似たようなものだけどね。(苦笑しつつ)

よくわからない?……どういうことなのか聞かせてもらってもいいかい?
(おや?少し戸惑う表情をしながら)
……何かに拘束されるのが面倒だと感じるのなら……そうね、頃合いを見てやめるべき。
(彼の顔を見てそんなことを言う。
 『頃合い』になる時分に未だ面倒だと感じてしまうのならば、
 きっと、それは向いていないのだろうから)

そうね……特にない、ということ……?
(何故か首を傾げる)
そうできれば楽なんだけどね。生憎その頃合いというのが中々来ないらしい。
もし限界だと感じたら、即座にやめる気ではいるんだけどね。
(まあまだしばらくは大丈夫そうだよと肩を竦める)

(考え込む仕草をしながら)
……例えば、美味しいと感じる食べ物や嬉しいと感じる物事。
一緒にいると楽しい人とかそういうのは無いのかな?
……それなりに楽しんでいるのね。
(そう受け取ったようだ)

……美味しいものはある。
それ以外は、よく分からない。感情を置いてきたから。
楽しい……と言うよりは夢の為って感じかな。まあ、当たらずとも遠からずだね。

感情を置いてきたからわからないか。……それじゃあしょうがないね。
なら、その美味しいと感じるものだけでも教えてくれればうれしいな。
(理由を尋ねそうになったが、不躾かと思い直し言葉を飲み込んだ)
…………展望があるのはいいこと。

……クレープ。魚と肉。
そうだね。目的をもってると人生退屈しなくて済むし、達成できるととても嬉しい。
もっとも自分のはいつ達成できるかもわからないけどね。

クレープはいいね。肉や野菜を巻けばご飯になるし、生クリームと果物を巻けばデザートになる。アレは素晴らしい食べ物だね。
あとは魚と肉……。(猫っぽいのと関係あるのだろうかと猫耳や尻尾に目を向ける)
……果てのないものね。
(ふむ、とひとつ頷いて)
………目的を追いかけることは……そう、「楽しい」こと?

……甘くないクレープは新鮮。今度作らせよう。
…………(じとー
人や目的によるとしか言えないけれど。(少し考え込む)
……「楽しい」と思えることもあるんじゃないかな。
少なくとも自分はそう感じる時があるよ。

私も食べる前は合わないと思っていたんだけど意外と……。
……えっと……その視線はなんだろうか?
……そう。なら、いい。ありがとう。
(何かに納得したかのように、
 色違いの瞳はこくりと頷いた)

…………失礼なことを考えられている気がする。
えっと、どういたしまして……でいいのかな。

いや、大したことは考えていない……はず?
見た所、猫の獣種か旅人の様だったから、好みもそれに関係するのかなと思っただけだよ。
いい。(頷き)

………………私は吸血鬼。
ああ、なんだ。吸血鬼だったのか。
…………………………え?そうなの?
(驚きの余り言葉を失っているようだ)
…………そう。
(こくり、と頷いて。若干のジト目で見ている)
あっ、すまない。(こほんっ…と咳払い)
存在することはしっていたが、初めて会ったのでつい。

…(深呼吸)…少し聞きたいことがあるんだけど。
やはり生きるのに血は必須なのかい?
それと、今は昼だけど問題なく動けるのかな?
ああ、あとにんにくはやっぱり苦手なのだろうか?
(表情こそ変わらないが、目を輝かせながら)
…………。
(構わない――答えかけたその言葉は遮られた。
 何やら唐突に、根掘り葉掘りと聞き始めた彼は興味ありげで、
 何が彼をそこまでさせているのか……私には、よく分からない)

……個体によって全てが違うもの。あまり参考にはならない。
私には必須。日光は問題ない……にんにく?
(首を傾げ)
にんにくという食材は一部では吸血鬼の弱点として扱われるんだよ。
でも今の反応からすると特に君には効果がなさそうだね。
…………なるほど。個体によって色々違うのか、
それでも十分参考にはなったよありがとう。

急に色々聞いてすまなかったね。昔会うことに憧れてた存在に
こうして出会えるとは思わなくて、思わず興奮してしまった。
(少し恥ずかし気に頭を掻きながら)
そう、個体によりけり(こくりと頷き)
……食物が苦手……困った吸血鬼(どうぞく)もいたものね。

…………憧れ。吸血鬼に?
(かくり)
ひとえに人と言っても様々な人種があるように、
吸血鬼にも様々な特性や弱点があるんだろう。
にんにくが苦手な個体もかわりに強い力があったりする……かもしれないし。

ああ、文献に出てくる彼らは皆とても強大な力を持っているからね。
……最も、それこそ子供の頃の話だけど。
(どちらかというとそれ等を倒す英雄的な存在に憧れてたのだが、
さすがに吸血鬼である彼女にそこまで言うのは躊躇った)
……そういうもの?
(難しいのね、と独り言ちた)

…………力に憧れているの?
(ぽつりと、唐突にそんなことを聞く)
そういうものなんじゃないかな。ましてこの世界は他の世界から様々な人が来るからね。
どんな存在がいてもあまり不思議じゃないかもしれないな。
(軽く苦笑する)

憧れてるというか憧れてたというか。
……もしそんな風に生まれていたら今よりずっと楽に生きられたんじゃないかなって。
そう思う時がよくあるんだ。
…………そうね。確かに、そう。
(街角には、ヒトの形をしていない者も多く居た)

……力がないことが、貴方を困らせた?
(前半の納得の言葉に微笑み、しかしその後の質問ですぐに苦笑しつつ)
当たらずとも遠からずかな。
……言ってしまえばよくあることで。自分に近い誰かと――
僕の場合は兄と比較されることがよくあってね。
兄は剣聖と呼ばれるくらい剣の扱いに長けてたのに、僕は才能ゼロでからっきし。
そのことで周りから色々言われたり、相応の苦労はあったからね。
…………。
(黙ってその言を聞いていた。
 成程、比較は確かによく聞くもので、
 された方はたまったものではないのだろう)

……確かに、貴方に『力』があれば、あなたがした苦労はなかったかもしれない。
まあ無い物をねだってもしょうがないし、今はそこまで気にしてないけどね。
(咳ばらいをする)
…………自分の事を話すなんて柄にもない事をしてしまったな。
今のは他の人には秘密にしておいてもらえると嬉しいんだが。
…………秘密は守る。
けれど……貴方に力があったとしても、貴方はきっと苦労した。それだけは覚えて置いて。
うん、信じるよ。

それは、うん。おそらく力があっても何かしら面倒な事が色々あったんだろうね。
……というよりひょっとして、君にそんな経験があったりでもしたのかな……?
(首を傾げながら)
……そう。
(尾をゆらりと揺らして、
 問いにあっさり頷いて見せた)

……だから、貴方はどちらでも“苦労”をした。
きっと、どちらになっても、もう片方を夢想した筈……隣の芝生は青いもの。
ふふっ、やはり当たりか。少し嬉しいな。
できれば少し話を聞いてみたいけどそれは踏み込み過ぎというやつだろうか?

力が無い自分を夢に見るか……どんな感じだったか知りたい気はするけど、
すでに芝生が枯れてしまった今となっては難しそうだな。それが少し残念だ。
…………何故聞きたいと思う?(首を傾げ、問いかけた)

……知り得ないものが、自分以外を形作るもの。
それはきっと……そうね、あなたを退屈させない。
(だから残念がる必要はない、と静かに付け加えた)
単純な興味……かな。それと、実例を知りたいという好奇心もちょっとだけ。
ごめんね、そんな大した理由じゃなくて。(少しだけ申し訳なさそうな顔をする)

とても深い言葉だね。……うん、それを覚えておくよ。
全てを知ることが決して幸せとは限らないってことはわかってるからね。
(まあやっぱりちょっと残念な気持ちは拭えないけどと微笑みながら)
(ぱたり、と尾が揺れる。少しだけ思案しているようで)

……あまり気持ちのいい話ではない。
(それでもいい? と首を傾げ)

……ん。それでいい。
(それができてしまったら、きっとつまらないだろうから)
………………(長らくの間、どうするか考え込むような仕草をする)
うん、それでも聞いてみたい。だけど、もし話すのが辛ければ無理はしなくていいからね?
(なんかごめんね、と少し心配そうにしながら付け加える)
……問題ない。一度話したことがある。

そうね……力を持つことは、持たない者にとっての脅威になるということ。これが前提。
(深く座り直して)
それじゃあ、お願い。
(向かい合うようにして近くの木の根に腰を下ろす)

いつの世の中も力というものは単純で強力だからね。その前提はよくわかるよ。
じゃぁ……貴方の求める力というのは、どう見られるものか。わかる?
(適当な木の枝を拾って、何やら地面に絵を描きつつ)
ふむ、普通ならば憧れや賞賛の対象になるだろう。
が、同時に恐怖や嫉妬の対象ともなり得る。……おおよそこんな認識で居るが。
(描かれ始めた絵に視線を向けつつ、質問に答える)
ん……そう。
(こくりと頷いた。
 恐怖、嫉妬……畏怖、畏敬。
 ヒトの持つ多種多様な感情は――)

――より目立つ者。持つ者に集められる。
(地面に描いたのは、抽象的だが大きな人のマーク。
 その周囲に小さなマークをいくつも描いて見せて)

……持たない者は、持つ者に。嫉妬と羨望の眼を向ける。けれど……
(小さいマークから大きいマークへいくつも引いた矢印に、ひとつ×を付けて)

………過ぎれば毒。感情は恐怖に変わって、それは“伝染”を繰り返す。
(また×印を増やし。暫くして、×に挟まれた矢印にまた×をつける)

……オセロ、陣取りゲームのようなもの……
(ヒトの感情は『伝播』する。
 口を伝い、目を伝い……隣人から隣人へ、隣町から隣町へ。
 ×印は次々と増えていく)

ヒトは、根本的に恐怖を排する生き物。
だから、コレが対象一定の量を超えれば――
(次は中心に初めに描いた大きいマークに、大きく×を付けた)
結果は言うに及ばず……そしてその対象と言うのが元の世界の君だったわけだね。
……もしかして他の吸血鬼も皆似たような境遇だったのかな?
……厳密には違うけれど、そう。
(少し悩んだ後、こくりと頷いてみせ)

………ない。と、思う。
(少なくとも私の知る限りでは、と付け加えて)
なるほど。

他では特に思い当たる節がない……か。
それは、特別に君だけが強かったとかそういう事でもない訳だね?
(考え込むように手を顎に添えながら)
……話にはまだ、続きがある。
(一旦、地面に描いた絵を擦って消して)
ああ、続けて欲しい。
(居住まいを正して再び聞く姿勢になる)
(尾をゆらりと揺らした。
 少しだけ長い話になるのだから。息切れは避けるべきだ。
 小さく息を吐く)

……私の世界には、沢山の種族がいて……沢山の『勇者』と、『魔王』がいた。
(また木の枝で、新たに分かり易いように簡易図を描く)
沢山の種族と沢山の勇者と魔王……それだけ聞くと意外とここに近い世界なのかな。
もっとも当然文化などは色々違うのだろうけど。
(別世界の話に興味があるらしく。少し身を乗り出しながら聞いている)

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