ギルドスレッド
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Wiegenlied
(気遣わしげな女の声に、大丈夫、と短い応え)
――、
(ぼとり)
(割れたオリーブがテーブルを打つ音は喧騒に紛れて消えたけれど、視界に映る光景は消えない)
(息を飲んだ。目をいっぱいに見開いて、呆然と女の指先が刃に変わる瞬間を見ていた。”武器のような”うつくしさを持っていると、女に対して漠然と持っていた所感が確信に変わる。嗚呼――此の女は、”意志を持った兵器”だ)
(粟立った腕を宥める様にひと撫ですると、思い出したかのように大きく息を吸い込み)
私よりもずっと、あなたの方が戦い慣れているかもしれない。
(自分は未だ一年足らずも世界を歩いていない。戦いだって精々食材狩りか暴漢に絡まれた時位だ。殺しを、肉の感触を、未だ知らない)
(未知の存在に畏怖を感じたのは一瞬だけ。女は”話の通じる生き物”なのだ。恩もある。恐れる必要は何も無い。胸いっぱいに溜めた酸素を吐き出す頃には、影は常の調子を取り戻していた)
――、
(ぼとり)
(割れたオリーブがテーブルを打つ音は喧騒に紛れて消えたけれど、視界に映る光景は消えない)
(息を飲んだ。目をいっぱいに見開いて、呆然と女の指先が刃に変わる瞬間を見ていた。”武器のような”うつくしさを持っていると、女に対して漠然と持っていた所感が確信に変わる。嗚呼――此の女は、”意志を持った兵器”だ)
(粟立った腕を宥める様にひと撫ですると、思い出したかのように大きく息を吸い込み)
私よりもずっと、あなたの方が戦い慣れているかもしれない。
(自分は未だ一年足らずも世界を歩いていない。戦いだって精々食材狩りか暴漢に絡まれた時位だ。殺しを、肉の感触を、未だ知らない)
(未知の存在に畏怖を感じたのは一瞬だけ。女は”話の通じる生き物”なのだ。恩もある。恐れる必要は何も無い。胸いっぱいに溜めた酸素を吐き出す頃には、影は常の調子を取り戻していた)
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幻想――”レガド・イルシオン”某所。
繁華街の大通りに店を構える大衆酒場である。
気っ風の良い老婦人と其の息子夫婦が切り盛りする繁盛店だ。
地元民よりは冒険者達が情報交換の場として利用している事が多い。
1階は酒場、2Fは宿屋。
早い、安い、美味い。
今日も、眠らない街が湧いている。