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Wiegenlied

【1】Eingang

【唄う鵯亭】

幻想――”レガド・イルシオン”某所。
繁華街の大通りに店を構える大衆酒場である。
気っ風の良い老婦人と其の息子夫婦が切り盛りする繁盛店だ。
地元民よりは冒険者達が情報交換の場として利用している事が多い。

1階は酒場、2Fは宿屋。
早い、安い、美味い。

今日も、眠らない街が湧いている。

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(自分の言の葉を聞き入れるや否や頭を下げた傷面の男に小さく肩が跳ね)

……だいじょうぶ。

(謝罪を受けて漸く影は少しだけ肩の力を抜いた。断りを入れた後、躊躇いがちに唇を開き)

どうして、私の目を見るの。

(もう一度、今度は十分に聞き取れるであろう声量で以って、重ねて問うた)
(自分を街角以外で見掛けた覚えでもあるのかと首を傾いだ。だとしたら、碌な出会いでは無いだろうけれど)

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