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Wiegenlied

【5】Gesang

【シリトヴの森】

レガド・イルシオン郊外。
東のそらが白みはじめ、鴉、次いで小鳥が歌い出す頃。
木々が、草花が、白露を帯びている。

白銀の枝葉を揺らす風に乗せて。
微かな歌声が、静寂の森に満ちていた。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

1:1RP。
アイラとわたしの、或る日の一幕。

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(ものに宿るいのち)
(嘗て『あってはならないことだ』と。『誰にも言ってはいけないわ』と。
 唾棄すべき思想であると。悍ましい”魔女”のちからであると)
(ああ、けれど――今はそれが、こんなにも)

へ、…………へんじゃ、ないかな。

(自分では見えないけれど。頭に乗ったやわらかい感触にはにかんで。
 彼女の胸の内から零れ落ちたように生まれた蝶を。ひとひら、ゆびさきに招こうと。
 もしも蝶が娘のゆびさきに届いたなら。溢れたおと。意味を持ったことのはに、目を瞬かせ)

アイラは、……冬が、きらい?

(多くは語らず、そう問うた。蝶が触れなかったとしても。
 彼女が自身のちからに何らかの憂いを抱いているのではないかと、花のかんばせ伺って)

しゅく、ふく?
……そ、そうなの、かな。
えへへ。……そんなふうに言ってもらえると、うれしい。

(少女が快諾を示してくれたなら、きゃあ、と黄色い歓声を上げて精霊たちは思い思いに飛び回り始めた。
 花に腰掛け歌うもの。朝露で喉を潤すもの。興味深げに少女を観察するもの、様々だ)

よかった。
みんな、おしゃべりがだいすきだから。

(話し相手が増えたことを、きっと歓迎してくれている筈だと添えて)

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