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Wiegenlied
(”おひめさま”。それは、そう)
(きらきらしていて、砂糖菓子のように甘やかで。ゆめのなかを揺蕩うような)
(けれど。生き物すべてが寝ぼけ眼の今この一時だけなら、きっと)
(ちょっぴりおかしな”おひめさま”になりきったって、誰も咎めはしないだろう)
か、かんむり?
(幻想の。王さまがかぶっていたような?)
(自分にはちょっぴり、眩すぎないかしらと首傾けて)
そう、そう。じょうず。
ふふ、アイラもこれで、おひめさまのなかまだね。
(もし。彼女が証人を望むなら――)
――ね、”みんな”。
(娘がそう、虚空に告げた瞬間)
(『くすくす』『うふふ』『そうね』『そうだわ!』)
(葉の陰から。風に踊る花弁の上から。木漏れ日のひかりの中から)
(ちいさなちいさなヒトのかたちに似た乙女たちが、彼方此方から顔を出した)
(どうやら彼女たちはふたりの様子をずっと伺っていたらしい)
(きらきらしていて、砂糖菓子のように甘やかで。ゆめのなかを揺蕩うような)
(けれど。生き物すべてが寝ぼけ眼の今この一時だけなら、きっと)
(ちょっぴりおかしな”おひめさま”になりきったって、誰も咎めはしないだろう)
か、かんむり?
(幻想の。王さまがかぶっていたような?)
(自分にはちょっぴり、眩すぎないかしらと首傾けて)
そう、そう。じょうず。
ふふ、アイラもこれで、おひめさまのなかまだね。
(もし。彼女が証人を望むなら――)
――ね、”みんな”。
(娘がそう、虚空に告げた瞬間)
(『くすくす』『うふふ』『そうね』『そうだわ!』)
(葉の陰から。風に踊る花弁の上から。木漏れ日のひかりの中から)
(ちいさなちいさなヒトのかたちに似た乙女たちが、彼方此方から顔を出した)
(どうやら彼女たちはふたりの様子をずっと伺っていたらしい)
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レガド・イルシオン郊外。
東のそらが白みはじめ、鴉、次いで小鳥が歌い出す頃。
木々が、草花が、白露を帯びている。
白銀の枝葉を揺らす風に乗せて。
微かな歌声が、静寂の森に満ちていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
1:1RP。
アイラとわたしの、或る日の一幕。