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Wiegenlied

【4】Bewegt

【黄昏の扉亭】

レガド・イルシオン某所。
薄暗い路地に仄かな明かりが灯り始める頃。
水煙草を吹かす露店商に、客引き女郎の甘ったるい声が響く。

盗賊、傭兵、冒険者。
所謂”荒くれ者”の集う其の酒場は、黄昏時に扉を開く。

お世辞にも綺麗とは言い難いが、不思議と食事は美味い、らしい。

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縄は、ある。人数が不確かなのが少し不安だけれど……うん。
相手の虚をつけば、各個撃破も難しくはないはず。
地の利は彼らにあるかもしれない。けれど、雛罌粟通りの辺りなら、何度か仕事で行った事がある。

(案内は任せてくれと、仲間たちに目配せをし乍らに)

みんな、直ぐに向かうことはできる?
そうしたら、道中で必要なものがあれば買い足して、それから向かおう。

(女中と一度視線を重ねて、――一度だけ、心配そうな面持ちで彼女を見つめた)
(彼女の身体が刃へと変貌する様を目の当たりにしたとは云え、彼女がニンゲンを相手に戦う事が出来るのだろうか、恐怖を抱いたりはしないのだろうか、と)
(前金を受け取ってから席を立ち、行こう、と仲間たちを促しつつ。店を出たころ、影は女中へ、そうっと、小さく声を掛けた)

ニコは、……こわく、ない?
あぶないしごと。けがをしないように、精一杯助けるつもりではあるけれど。

(砂狼は場慣れしているだろうから、今更聞くまでも無いだろう。けれど、一見華奢な彼女が身を呈して戦うという光景が、どうにも影には想像出来なかったのだ)

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