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Wiegenlied

【4】Bewegt

【黄昏の扉亭】

レガド・イルシオン某所。
薄暗い路地に仄かな明かりが灯り始める頃。
水煙草を吹かす露店商に、客引き女郎の甘ったるい声が響く。

盗賊、傭兵、冒険者。
所謂”荒くれ者”の集う其の酒場は、黄昏時に扉を開く。

お世辞にも綺麗とは言い難いが、不思議と食事は美味い、らしい。

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『よう、夜鷹。相変わらず辛気臭ぇ顔してやがるな。
 言っとくがミルクは無え。金を落とさない奴にゃ仕事もやらんぞ』

(店主と思しき髭面の厳しい男が身を乗り出して、鼻で笑ったのも束の間)
(砂狼と女中の姿を見れば、あんぐりと口を開いて――其れから、)

『こりゃ傑作だ、用心棒に使用人たあな。
 おいおい、何処で一発当ててきたんだよ!』

(げらげらと腹を抱えて笑っていたかと思えば、ダン、と酒瓶を卓に突き出し)
(にい、と。不揃いの歯を覗かせて、店主は声を落とした)

『面白え。一杯奢ってやるよ。
 お前らの中の誰でも良い。”ドワーフ殺し”の火酒が呑めたなら、仕事をくれてやる』

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