PandoraPartyProject

ギルドスレッド

Wiegenlied

【!】Lieblich.3

【ゆめみぼし、かなでぼし】

星に託したねがいはそらへ
ひかりが描く、いのりの軌跡

此れはみっつの月だけが知っている、ふしぎですてきなものがたり

あまいあまいゆめのおわり
けれど、どうか悲しまないで
”めでたし、めでたし”
ものがたりはかならず、そう締め括られるのだから


『”星屑売りの少女”を見たって?
 ほらぁ!そうだろそうだろ、俺は生まれて此の方一度も嘘を吐いた事が……

 何、そういうのはいいって?

 ……おほん!ま、まぁ良いさ。
 で?あんたは一体、何を願ったんだい?』


◆ ◆ ◆ ◆ ◆

リアルタイム形式RP。
外部からのお客さまもOK、どなたさまもお気軽にどうぞ。
FairyTail Of Phantomでの一幕。どうか、良い夜になりますように。

【開催日時】
《第一幕 10月31日》20:00~25:00頃
《第二幕 11月1日》18:00~24:00頃
《第三幕 11月2日》21:00~25:00頃

【あそびかた】
上記の舞台でおばけになりきること
眠たくなったら無理せずにおうちでねむること

はいるときは”その場に訪れた体のRP”を
かえるときは”その場を立ち去る体のRP”を

おしまいの時間が近付いたら、
区切りの良いところでわたしがおはなしを締め括る

【◎】
”FairyTail Of Phantom”を楽しむRP
おかしをあげたりもらったり
あまいものが苦手なひとはこっそりおしえて

【×】
メタ発言、顔文字、自分突っ込み(『〜(』『〜(←』等)
末尾の宛名書き『>◯◯』
過度の確定ロール、双方の合意が無い既知ロール
ロールで提示された情報以外のことを”キャラクター”が知っていること
セクハラ、流血沙汰の暴力、泥酔(おさけはほどほどに)
度を越した悪戯をするともれなく魔法が解けて衛兵さん(NPC)に摘み出される

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(南瓜おばけがくるりと弧を描いたかと思えば、其処には赤毛の少女の姿が在った)
(縞模様の三角耳に、ネコ科を思わせる揃いの尻尾。ちりんと、鈴の音が鳴った)

ジェルソミア。

(朗々と名乗り上げる其の姿を、唯々呆然と見詰めていたけれど)
(少女が、――否。”少年”が其のひみつを語れば、娘は小さく息を飲む)

……どう、して?

(そうして、問うた)
(弱い生き物。虐げられる生き物。なのに――赤毛の少年の堂々とした姿は、本物の女である自分よりも、ずっとずっと眩しくうつった)

旅をしていると、……不便な事が、たくさん。たくさん、あるのに。

(馬鹿にされたり、相手にしてもらえない事だって。たくさん、たくさんあるのに――)
のぞむまま、のぞむように。……。

(かんばせを俯けて、しお、と小さく縮こまる)
(マシュマロがなくなってしまったのもあるけれど、そうではなくて)

……この服、……ずっと、着てみたくて。
ふるさとで、おんなのひとがおめかしするときに着るもので。
わたしが、”ばけもの”じゃなければ、着れたのかなっておもって。

(尖った耳を、不気味なくらい白い肌を、氷のような瞳を、宵色の髪を)
(ニンゲンはひどく怖がって、其の姿を外に出さぬように隠したがったのだと、訥々と語り)

……みんなが”おばけ”になる、このおまつりなら。
”ばけもの”が、あこがれのニンゲンの衣装を身に纏っても、いいんじゃないかって。

(だから。皆がこうして、こわがらずに笑ってくれているすがたが)
(とてもふしぎで。そして、あたたかいのだと。消え入りそうな声で以って告げ)
(エステルと向き合い、てのひらで星のかけらを包み込む)
(目を閉じて願いを心に浮かべて)
(すっと息を吸い、そして音に出して願いを唱える)

今日ここで出会った人たちみんなと
お友達になれますように

(優しい星売りを中心に)
(ここに集まって出会えた奇跡)
(皆の優しさを感じて惹かれていく)
(ここに集まる心優しい人たち)
(私たちとお友達になってくれると嬉しいな)
(言葉は無くとも、夢中で頬張っている様子で気に入ったのだとわかる)
ゆっくりお召し上がり下さいね、詰まらせてはいけませんから。

(ぴかぴかでにこにこのおばけ、少々言葉遊びが過ぎただろうか)
おばけの先生さん、貴方様は普段はどのようなお姿を?
(ふと気になって尋ねてみた)


(明るい南瓜のおばけ、彼は彼女のようで、しかし彼である)
(思わず、大切な場面に出くわしてしまったけれど、生き物達の様々な願いや、悲しみや、しあわせを目の当たりにすることとなる)
(魔女の帽子を取って傍らへ。小さな星屑を、大事そうに両手で包む)
(たくさんの人の願いを背負って流れ、地に落ちた後も輝きを失わない星屑)
(それはひとびとの想いの温かな結晶)

(ジェルと向かい合うように、目を瞑って祈った)
(声をあわせて願いを唱える)

今日ここで出会った皆さんと
お友達になれますように

(ふたりの手に握られた、ふたつの星のかけら)
(優しい光が同時に指の間からこぼれるように、あふれ)
(落ちてきたときとは逆に、夜空へ向かって還っていく)

あ……。
(まぶたをとおして感じる穏やかでやさしい光に、薄く目を開く)
だいじょうぶ。……すぐにとけて、なくなっちゃった。

(ましゅまろ。おばけのように、ふわふわして、すぐに消えてしまう不思議なお菓子)
(美味しかったと、小さく添えて)

……ニコ、あの、

(昨日の別れ際。”影”が聞く事の無かった、”娘”へのことのはは)
(一体、何だったのかと。恐る恐る問うて)
(幻想種の少女と赤毛の少年のてのひらの中で。ちか、と一際大きく輝いたひかり)
(娘は再び、夢でも見ているかのように。呆然と、そらへひかりが還っていく様を見送った)
(ねがいぼし。かなえぼし。たったひとつきりのお願いを、)

…………。

(なぜ?)

……わたし、……みんなのまほうが解けても、おばけのままなのに、
(彼女のこぼす、ばけもの、ということばに。ひしひしとかんじるつらさと歩まれた道を思って、おばけはぎゅうっとたてながに縮んだ)

そう、そう。おばけは、すきなものになって良いのデス。
でもでも、でもね、あなたのあこがれは、きっと、おばけの時以外でも、着ていていいと思うのデス…コレ、きっとボクだけじゃなくて、今夜のおばけのみんな、うんって言うと思うんだあ。

(すんっとはなをすするような音をたてたあと、ふよふよと近寄ると、しっとりした手で、ヨシ…ヨシ…とそっとなでた)
おばけの『せんせい』……たしかに、ですっ。
この中ではだれよりいちばん、おばけしてますもの。わぁ。
(糖蜜で柄模様の描かれたかわいらしいクッキーを受け取る)
ふふ。こうして見ると。
(白い表面を『せんせい』の方へ向ければ、きらきら、きらきら)
(クッキーの表面は、オレンジ色にかわってみえて)
まるでまるで、『せんせい』そっくりです。

……共食い。かしら。
(でも、いいよね。しゃく。齧って広がる甘さは優しくて)
すきなもの。
……わたしの、すきなもの……。

(熟れた野苺。小鳥の歌声。やわらかい干し草のある馬小屋)
(指折り声に出して数えてみたけれど、片手で足りるほどしか無かった)
(それから、そう、それから)

……飴も、ビスケットも、チョコレートも。マシュマロも。
どれも、すきになった。
それから、……それから、

(此の服を。好きになっても、良いのだろうかと)
(ひやりとした感触が額のあたりに触れる。撫でられているのだと理解するまで、娘はぽかんと口を開けていた)
(おばけの時以外でも。”娘”でいても、いい?)
アリガト!今宵のおばけは無敵なのでね、心配ご無用、なんデスヨ。

(嬉しそうにお礼を告げつつ。普段の姿は?の問には、うーん、と、届ききらぬ両腕を組むような仕草をし)

普段。普段は、ねえ。
身長はもっとおおきくて、ツノがあって、黒い鉄で出来てイマス。

(にゅっと伸びたり、黒く色を変えたりしながらいつもの姿を説明しているおばけ。しかし、しかし、と続ける。このすがたでいるのも心地よく、鉄の心地を忘れそうなほどでもある、と)
(消えた光を瞼の奥で感じて目を開く)
(星売りからこぼれた音はきっと問い)
(ふっと目を細めれば優しい音で答えてゆく)

私たちの目には、みんなみんな、おばけには見えてないよ。
その中にキミも入ってる。

とても可愛らしいお人形さん。
とても格好いい吸血鬼の遣い。
ぴかぴかきれいなおばけさん。
そして、お人形さんと対みたいに可愛い星売りさん。

見た目が変わったって変わらなくたって
心は変わらないでしょう?

ここにいる人たちは皆優しくてあったかいの!
そんな温かい人たちとお友達になれたら
私たちもあったかい気持ちになれると思うの!

(思ったことがそのままするする)
(滞ることなく音は紡がれた)
(もう一つの問いに答えるために、また息を吸う)
(思い出すのは昔の事)
(もっとずっと小さいころの記憶)

きっかけは私の覚えた言葉の勘違い。
それを聞いた母さんが女の子の姿をすすめたの。

(今思い出しても笑ってしまう)
(仲睦まじい男女が囁き合ってた言葉を勘違いして)
(同ずっと一緒にいたい同性の友達に伝えたことば。『結婚しよう』)

最初はバカにされた。
おかしいってたくさん言われた。

そしたら母さんが
自信を持ってやりぬけって
そうすりゃいつの間にか
周りもそれが普通になる。
女の子がにっこりほほ笑む姿は
この世で一番強い武器。
お前は今
その武器を持っている
だから自信を持ってなりとおせ。

(瞳を閉じて小さくこぼす)

結局その子とは、ちょっと会えなくなっちゃけど
今度会えた時に私だって気が付いてもらえるように、この姿。
自信を持ってこの姿なの。
(ふたりのおほしさまのまほう。あたたかなひかりと、あたたかなことばに、ぽかぽかとむねのあたたまるような心地がする)
(かえっていくお星さまを、眩しそうに見送りながら)

ジェルチャン、エステルチャン、あったかい、嬉しいお祈りを、どうもありがとう。
ボクも!お友達になれると嬉しいデス。エヘヘ。
――えがおが、武器?

(其れは影にとって、とんでもない暴論だった)
(涙を流してはいけない。怒りを露わにしてはいけない。抵抗してはいけない)
(其れがせかいのきまりで、自分はその歯車の中のひとつでしかない。そう、思っていたのに)

こころ……。

(胸を押さえる。こころを殺して、すがたかたちを殺して、名を殺して生きてきた)
(特異運命座標に選ばれてからも。ずっとずっと、”そう”振る舞わなければ生きていけない。そう信じて、其れを貫いてきた)
(けれど、)

……。

(砂狼も、女中も、黒鉄の少年も、赤毛の少年も。其れから――”同胞”の少女も)
(やさしく、あたたかく。”だいじょうぶ”と告げてくる)
(殺す必要は、ない?)
(恐れる必要は、……ない?)
(私たちが来る前にここにいた可愛らしいお人形さんへ、くるりと向きを変える)
(この人ともちゃんとお話ししてみたかった)
(自分の身の上を星売りさんにお話しするのにいっぱいいっぱいで、きちんとお話し出来なかったことが心残り)
(ぺこりと頭を下げて)

おじゃました上に、自分の事ばかりいっぱいいっぱいお話ししちゃってごめんなさい。
キミにもちゃんと自己紹介してもいいかな?

私はジェルソミア。
よかったら、ジェルって呼んでくれると嬉しいな!
お人形さん、キミの名前も知りたいの!
……わたしを”エーリカ”と呼ぶひとは、もう、いない。
女でいることは、まだ、こわい。

だから、……”仕事”を受けるときは、此れからも私は、”夜鷹”で居るとおもう。

でも、……でも、そうじゃないときは、

(息を大きく吸い込んで、止まる)
(ことのはは、呪いだ)
(此れを口にしたら、自分はもう、殺しきることが出来ない)
(でも、其れでも)

ばけものでも、夜鷹でもなくて、……ただの、”エーリカ”に、なれたら、

(どんなに。どんなに良いだろうと。せかいは、どう見えるのだろうと)
(俯きながら紡ぐ声は、情けなくも震えてしまった)
もちろんもちろん!
リュカちゃんとはもうお友達だけど
それでも、私のヒミツには驚かなかった?大丈夫だったかな?
知った後でもそう言ってくれてすごく嬉しい!
ありがとう、リュカちゃん♪

(向けてくれる変わらぬ笑顔が嬉しくて)
(笑うおばけさんにもう一度、今度は両手をあげて)
(手と手が合ってくれると、もっと嬉しい気持ちがあふれるだろう)
お気に召したなら、なによりでございます。
(美味しかったと言葉でも伝えられ、頷き返した)

はい、なんでございましょうか。
(名前を呼ばれればリボンにレース、ボンネット風の被り物で飾られた首を捻る)
(前夜の最後、恐らくは別れ際に話したことを言っているのだとわかると)

ああ、星売りのお嬢さんへお伝えしたいこと、でしたね。

(双つ並んだ月が、青白い星を見入る)

ありがとうございます。
貴方様のおかげで、わたくしはこのおまつりに本当の意味で参加できたと思っています。
(光が、空へと還っていくのを見送って、視線をそちらへ遣ったまま)
ひとつきりのお願いだから。

……ふふ。ねぇ、こんなに綺麗な星屑を、
願いを叶えてくれる想いの結晶を、
独り占めすることもしなくて。
みんなに配ってくれるこころのやさしいひとが、
おそろしいおばけなはず、ないわ。
(そうは思わない? 菫色の瞳はそう問うて、魔女の帽子を被りなおす)

だから、おばけなんかじゃなくって。
優しいお友達がいっぱいの星屑売りさんは『優しい女の子』だと思うの。
いま、わたしたちが見ているままの。

それで、お願いがすぐに決まったの。
わたしもジェルさんも、いっしょのお願いごとに、ね。
だって、ここで皆と過ごしている時間は、とっても温かいのだもの。
……わたしの、おかげ。

(お人形の首がかくんと傾く姿は、ほんとうにつくりもののように見えて)
(触れたら取れてしまうんじゃないかなんて、要らぬ心配を胸に抱き乍ら)

わたしは、……わたしはニコに、よろこんでもらえた?

(三日限りのおばけのおまつり。もう直ぐ、世界にかかった魔法も解ける)
(彼女の言う、”ほんとうの意味”とは何だろうと。鏡写しに首を傾いで)
すきなもの。すきなものを考えると、楽しい気持ちになってきますよね。
……!ナント。今日この夜に、すきなもの、あたらしく増えたのデスカ。それはなんとも嬉しいことです。それならもっともっと、すきなもの、プレゼントしますね

(布のなかからごそごそと、あらたなクッキーを取り出した。すこうしぶかっこうだけど、どれだけおおきなものをつくれるか!という挑戦のもとつくりだされた特大おばけクッキー。なんとおばけのかおは殆ど隠れてしまうほど大きなもの)
(コレも、ドウゾ!と)
(その小さな声の、しかしおそらくいっとうたいせつなその問いに、自分が答えていいのだろうか、と思う。でも、僭越ながらも自分はせんせいと呼ばれたのだ。それならば。ならば。いまはこどもではない、おばけのせんせいなのだ)

イイノデスヨウ…イイノデスヨウ…そちらでいると、こころが嬉しいきもちになるほうに。
でも、どちらかひとつと無理やりに決めるのは、すこしたいへんですから、そうありたいと思うときに、使い分けるので、良いと思うのデス。だって、どちらもすてきですもの…

(ナデ…ナデ…と、おばけの手は依然頭のうえにあって、イイト思うのですヨウ…と、すんすんいいながら繰り返している)
もっと大きく…角、鉄……
(まさしく身振り手振りで表そうとするふわふわおばけ)
(あまりにも異なるその姿に首を捻るが)

鉄、鉄でございますか。
おばけの先生様は、金属でいらっしゃると。


(凛とした猫の子、その両に光る瞳の色が異なることに今更気がついて)
ご丁寧にありがとうございます。
いいえ、わたくしの方こそ名乗るのに遅れをとってしまいましたね。

わたくしはニコ、従僕をしております。

(いつもの調子で挨拶し、長らく腰を下ろしていた長椅子から立ち上がりスカートを摘んでお辞儀を…)
(いかんせん、いつもと丈も、材質もことなるスカートでは上手くお辞儀ができず、眉根が寄る)

ジェル様、そして魔女の方はエスト様でいらっしゃいますね。
みんな、……おばけを、怖がる。
でも、でも。
わたしは、……みんなが、しあわせだったらうれしいって、思って。

(切っ掛けはほんとうに、ささやかなものだったのだと)
(寄り添いたいひとたちに、どうしたら喜んでもらえるだろうかと、自分なりに考えただけなのだと)
(しどろもどろになり乍ら。其れでも返ってくるやさしい肯定に、小さく息を飲んで)

……みんなを”ともだち”と、呼んでも、いいの?
だれよりもいちばんおばけと言ってもらえると嬉しいなあ。今夜はびかぴかになれたかいがありました。
(おばけクッキーと色を比べられれば、なんとも不思議嬉しく、いっそうクッキーのようなオレンジ色に染まるのだった)
(魔女さんの、ともぐいかしら、のことばにはクスクスと笑って)

ボクも、さきほど、おばけのともぐい、しましたヨ。美味しかった。つみのあじデス。
(ちいさな布のどこにこんなに大きなお菓子を取り出したのだろう。目の前に差し出された巨大クッキーを、呆然とし乍らも受け取って)
(ひたひたと撫でるつめたいてのひらがこそばゆくて、へぷち、とちいさなくしゃみをひとつ)
(其れがあんまり間抜けな音だったものだから。思わず耳まで赤く染めてクッキーで顔を隠し)

……こころが、うれしいきもちになるほうに……。

(其れは、”うれしい”に慣れぬ娘にとって、大きな難題であったけれど)
(今此の瞬間。確かに胸にともるあたたかさは、”エーリカ”のものである筈だから、)

れんしゅう、する。
……笑顔も、……”わたし”を殺さないでいることも。

(そうして娘は、眉を下げたまま。へにゃりと、へたくそに微笑んだ)
(とぎれとぎれで紡がれる音に、遮らない様に頷いて)

いいと思うの。自分のペースで。
無理に変えるものでもないもの。
キミはキミだもの。

もし一人でどうしようもならなくなったら。
今日ここにいた人たちの元においでよ。
受け止めてくれるし、背中を押してくれると思うよ。
呼んでくれると思う。

(いったい何が彼女をここまで追い詰めてしまったのか)
(いったい何が彼女の闇を作ったのか)
(それは分からない)
(ただ願うわ 彼女の平穏)
(穏やかに笑っていられる世界になりますように)
(鏡写しのポーズになる星売りを見て、確かに皆の言う通り、どこか似ていながら異なるその姿を眺めた)
ええ、貴方様のおかげ。

勿論ですとも、またこうして星に出会えたのですから。
(そう言って見返す金色はどこか、微笑んでいるように思えたかもしれない)

ただ、仮装と菓子を楽しむだけではないおまつりになったのは、きっと貴方様が居るからだと思ったから。
だからそう言いました。
わたしもっ。
わたしもちゃんと、ごあいさつできてないですっ。
(ちょっぴりぎこちないけれど、畏まった丁寧なお辞儀の様子に)
(わたわたわた、と帽子をまたとって)
(胸の前で、『くしゃ』とつぶすように)

はい。エストは、あだ名なんです。
本当は、エステル・エル・エレンターリといいます。
でも……エストって呼んでください。
ニコさんにも、みんなにも、そう呼んでほしいな、って。
(最近つけてもらって、呼んでもらえるようになった愛称で)
(……何となく、自分からそういうふうに申し出るのには照れがある様子で)
モチロンのモチロンの、モチロン!
嬉しいびっくりは、大歓迎なのですヨ!
(ふふふ、ふふふ!)
(いつものすがたに戻ったともだちの手に、もうしばらくおばけを堪能しているちっちゃな布の手を、ぺちりとかさねあわせた)

そうですそうです。もっと大きくて、鉄で、角!それが、普段のボクです。金属製とも、いえますネ。
ああでも、オールドワンなので、ふつうの金属よりもずっと強いんだよ。
(ふふふふ!と、どこか誇らしげに、ふわふわ、ゆらゆら、一回転)
……ニコ、すこしだけ。
いま、わらった。

(はにかんだまま告げて、照れくさそうに首を竦めて)
(実際はそうではなかったのだとしても。少なくとも自分には、”そう”見えたのだ)

ありがとう、みんな。
……ありがとう。わたしの、あたらしいおともだち。

(此の胸を満たす感情に名を付ける事は出来なかったけれど)
(其れでも。其れでも、溢れ出す感謝を口にする事は出来る)

ともだちが、どういうものか。
まだ、よくわからないけれど、

(彼らにも教えて欲しい。何を語り、何をして、どんな顔をすればいいのか)
(急く事はない。だって、魔法が解けても、彼らは”ともだち”なのだから)
(おばけの布のなかは無限大で無敵なのですよ!と、エヘン、ちょっぴり誇らしげだ)
(可愛らしいクシャミには、ニッコリと微笑んで。寒くないですか?と、暖の取れそうなものをきょろきょろとさがしている)

そうですそうです、こころが嬉しいは、タイセツ!
ちょっとずつからで良いと思うのデス。だって、勉強も鍛錬も、最初はちょっとずつから、はじめますもの。
こころも、同じくらい、いえ、もっともっとタイセツゆっくり慎重に。でも、楽しいほうで。それがいいと思うのデス。

ええ、ええ、ぜひとも。
れんしゅうは、たいへんですけど、楽しいものでも、ありますから!
ボクも応援しているんだあ。

(はじめてみた気がする、彼女のその微笑みに。ほんわりじんわり嬉しくなって、おばけはいっそう、にこにこ笑みを深めた)
あたらしいともだち。
とってもこころづよくてぽかぽかな気持ちに、なることばデスネ。
嬉しいこと、おばけの夜だから、出会えたこと、デス。今日、会えて良かったなあ。
(ベンチから腰を上げて、籠の中に残っていた最後のほしのかけらを手に取り)
(宵から暁へと変わるそらのいろをうつした星屑へ、そうっとくちびるを寄せて)

どうか、……この夜が。わたしの胸を満たす、このひとときが。泡沫のゆめになりませんように。

(其れは祈りと云うよりも、誓いに等しい音だった)
(今日、此の出来事を、”殺さない”)
(夜鷹ではなく。此れは、”エーリカ”だけのものだと。自身に言い聞かせるように)

(ぴか、と。一際大きなひかりが刹那、全員を包んだかと思えば)
(そのまま、宙へ溶けていくように昇っていった)

……みんな、とちゅうまで。いっしょに、かえろう。

(魔法がとけてしまう其の前に)
(否、解けてしまっても。きっと、此の気持ちは消えないだろう)
(だって、”ねがいぼし”は。確かに其のひかりを、そらに届けてくれた筈だから――)
(愛称で呼んで貰えたことに、嬉しくって尻尾が揺れる)
(星売りさんのあのお辞儀は、きっと彼女の影響だろうか)

呼んでくれてありがとう!
すごく嬉しい!


(にっこり笑う)

もちろん、もちろん!
友達って呼んでほしい♪
気軽にジェルって呼んでほしい!

(そして大きくなったランタンを振って、お祭り最後の日にいつも配っている物をとり出した)
(収穫祭ではいろんな人に出会う。友達が出来ることは珍しくない)
(この日の為に自分で育てた特別なもの)
(アイビーの花輪に桃色アイビーの花がポンポンと彩りを添える)
(それぞれ「友情」と「感謝」の意を持つ植物たち)
(その花輪が5つ)
(森に住む人たちには、もしかしたら聞こえているかもしれない)
(友を思う感謝の気持ちを込めて育てた、この子たちの声が)

受け取ってくれると嬉しいな。

(そう呟くと一人一人に渡してゆく。出来たら頭にのせてあげられたら、とても嬉しい)
(笑った、そう告げられて、驚いたように瞬きを)
…練習の甲斐が、あったのかもしれませんね。

(小さく呟いた。実際、どうであったかは自分でもわからないけれど)


承知いたしました、ではエスト様と。
(そう呼ばれることが嬉しいと、話をする少女の表情から見て取れた)
(「名前」というものを大切にする、そんな生き物達をお人形はやはり、興味深く見渡して)

(手渡された花輪をしばらく眺める)
このように大切なものを、わたくしも頂いてよろしいのですか、ジェル様。
はい。わたし今、とっても楽しいです。
たぶん、幸せを分けてもらえたから。

わたし、最初の夜に言いましたよ?もう、『おともだち』です。
お友達は、お友達同士、幸せを分け合いたいと思うの。
もらうだけじゃなくって……。
きっとここにいるみんなが、そう思っているわ。
(他ならぬ、エーリカと分け合いたいのだと、笑顔を向け)

幸せとか楽しい気持ちとかって、
みんなで分け合っても減らないのよ。
それどころか、分けあえば分けあうほど
どんどん、いっぱいにふえていくの。
ねぇ、それってとっても素敵なことでしょう?
(箒は脇に置いたまま。白い手をそっとさしのべて)
(戴いたのは、息吹のアイヴィ。微かな囁きが耳を擽り、娘は目を細めた)
(『ありがとう』『すき』『うれしい』)
(彼らが齎すことのはは、何時だってあたたかい)
(其れは、そう。きっと、此の陽気で優しいおばけたちと同じ)

……だれかを、あだなでよぶのも。はじめて。
(伸ばされる少女のしろいゆびさきに、手袋を嵌めたくろいゆびさきが躊躇いがちに伸びて――触れる)
(戸惑う色は隠せなかったけれど、決して嫌ではないのだと告げるように。恐る恐る、ゆびさきに僅か力を込めて)

わけても、へらない。
……うれしいは、ふえる。

(少女のことのはを繰り返し乍ら。娘は小さな一歩を踏み出して)
(一歩後ろではなく――隣に並べるように、すこしだけ距離を詰めた)
ふふふ、良かった!
そろそろ帰らなくっちゃ。
またあの工場に遊びに行くよ!

(ニコニコ咲く、二つの笑顔のお花)

(星売りさんの願いを乗せた光を見送る)
(きっときっと、その願いはかなう。そう信じて)
(この場所に咲いたたくさんの笑顔)
(まるで宝物を見るように大切に心に仕舞う)
(促されるように家へ向かうため帰る準備)
(と、花輪を見つめるニコの言葉に、咲くのはやはり笑顔のお花)

もちろん!
お友達の為に作ったものだもん。
ニコちゃんにも貰って欲しい!
リュカさんとも、もちろん、『おともだち』ですっ。
わたしのおばけのせんせいにも、なってほしかったなぁ……。

悪いことは、楽しいこと。今日までは、こころのむほうちたい。
よって、つみのあじをむさぼってもゆるされるのです……。
(ふふふ、と今日いちばんのわるいこの顔になって)
(もう半分のこった、濃くオレンジをはんしゃするお化けのクッキーを)
(しゃぐしゃぐ。甘い。わるいこの顔は全然ながくつづかずに、すぐにぽーっとしあわせな表情に)
(花輪はもちろんエステルにも。そして忙しそうに仕事に戻った彼にも)
(エーリカとニコへ一つお願いを投げかけた)
(出来たら包帯の彼のも渡してほしいと)
(わ、あ!!!! まるで王冠のような花冠をたいせつにたいせつに頭に戴いた)
(とちゅうまでいっしょにかえる、なんとも楽しい夜のおわりに、るんるん、ふわふわ、残り少ないおばけの時間を堪能するようにゆらゆらとみんなのまわりを揺れながら、大変楽しげなようす)
(おばけは星のいろにぴかぴかとひかり、帰路を照らすこころづもりのようである)
ニコ。リュカ。ジェル。エスト。

(彼らが呼び合う名を、噛みしめるように何回か繰り返して)
(其の気恥ずかしさを誤魔化すように、少し早足になりかけては、少女らの歩調に合わせて歩幅を狭くする)
(なんとも挙動不審だったけれど)
(娘は俯きがちになる顔を度々上げては、”ともだち”のすがたを仰いだ)
(彼らの姿を、声を。忘れないように。いつでも、思い浮かべることができるように)

……女のかっこうをしているときは。
”エーリカ”って、呼んで、ほしい。

(別れ際。言おう言おうと何度も踏ん切りをつけては躊躇して、止まって、其れでも)
(掠れた音で告げられたことのはは、彼らに届いただろうか)
(嗚呼、そうだ。はじめて友と認めてくれた砂狼にも。うまく伝えられる気はしなかったが、きっと。きっと、伝えよう)
はい。はい!エーリカさん。
きっときっと。そう呼ばせていただきますネ。

アリガトウ、親愛なる、よるのともだちのみなさま。
おうちにつくまで、ぴかぴか明るいリュカシスおばけがいっしょだよ。だから安心して歩いてね。

だけどこれは、ひとあしおさきに、伝えさせてね。
おやすみなさい。
みんなみんな、良い夜を!
(ふよふよぴかぴか。帰路を照らすおばけの横で自分もランタンを手に歩いてゆく)
(時折誰かと話して肩を揺らしながら)
(時折足早に抜かしてゆく少女にビックリしながら)

(そして聞こえた小さな小さな心の音)

もちろん!
だったら、今は呼んでも大丈夫だよね。
エーリカちゃん!

(それぞれ分かれる時には歩みを止めて)

おやすみなさい。
すてきな収穫祭をありがとう!
ハッピーハロウィン!!
わたしにも?わぁいっ。
(今日まで大事にそだてられたのだろう)
(髪の毛に飾ったアイビーから、素直な感情の波が伝わってくる)
(元気で親わしげで、育ての主に似たその『声』が)
(とてもとても、心地よかったから)

(『今日はもう、帽子はいいや』)

(箒の柄に、不憫な魔女帽子を引っ掛ける)

エーリカさん。エーリカさん。
ふふ、とっても素敵な名前。
(自分の愛称が呼ばれる度、呼び返すように)
(だんだん、あわさる歩調。楽しげな微笑はお別れのときまで)

それじゃあ、おやすみなさい。
ハッピー・ハロウィン、です。
あーあ、夜更かしのおまつりは今夜までなのね……。
(よほど楽しかったのだろう、いかにも名残惜しげにそう呟くと)
(箒に跨ってみて、たー、などとひとり遊びしつつ家路につくのだった)
(呼ばれる度、影は戸惑いがちに。けれど返事の代わりに何度も何度も頷いた)

(そらを仰ぐ。幾つもの星が瞬くそらは、どれが”ねがいぼし”だったのか、もう判らなかったけれど)
(降り注ぐひかりの雨をいっぱいに浴び乍ら。娘は微かに微笑んでいた)

――おやすみなさい、良い夢を。

(皆にひとしく、此のいとおしい輝きが届きますように)
(ねがいぼし、いのりぼし。そらへと還った輝きたちへ、想いを込めて)

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