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Wiegenlied

【2】Atmen

【始祖の霊樹】

アルティオ=エルム。
木々に親しみ、大自然の生きとし生けるものを愛しむ緑の民が住まう大樹の麓。
入り組む枝葉を掻き分け、開けた其の先。

――其処には、数多の生命が息吹いていた。

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(傷面の男の淀み無い口上に、影は驚き戸惑っていた)
(何時の間にか最後尾を、ともすれば部屋の入り口の程近く)
(直ぐにでも逃げ出せそうな立ち位置に居た影は振り返る気遣わしげな視線に気付くと、そろり、そろりと足を進めて仲間達の傍へと並び立った)

……夜鷹。
ヒトと、ヒトの間の子。
でも、……ヒトとして、生を受けなかった。

(告げて、影は躊躇いがちにフードを後ろに落とした)
(宵色の髪から覗く尖った耳。幼さの残る顔立ちを露わにすると、老婆と視線を重ね)

……あなたたちのことを、きちんとしりたくて、きました。

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