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Wiegenlied

【2】Atmen

【始祖の霊樹】

アルティオ=エルム。
木々に親しみ、大自然の生きとし生けるものを愛しむ緑の民が住まう大樹の麓。
入り組む枝葉を掻き分け、開けた其の先。

――其処には、数多の生命が息吹いていた。

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みんな、こわがってない。
……よかった。

(砂狼の問いに顔を上げる。其の面に戸惑いを浮かべ乍ら、小さく首を横に振り否を示し)

私は、……よそもの、だから。

(彼らは自分と同種だが、根本は違うもののような気がして)
(どうあっても自分は”異端児”には変わりないのではないかと、受け容れられるに足る存在では無いのではないかと)
(そんな考えばかりが浮かんで、素直に頷く事は出来なかった)

(戸を叩く砂狼の後ろで、僅かに息を飲む。『はい』と、短く。凛とした応答を耳が拾ったが故に)
(身を硬くして、マントの合わせ目をぎゅうと握りしめ)

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