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Wiegenlied

【2】Atmen

【始祖の霊樹】

アルティオ=エルム。
木々に親しみ、大自然の生きとし生けるものを愛しむ緑の民が住まう大樹の麓。
入り組む枝葉を掻き分け、開けた其の先。

――其処には、数多の生命が息吹いていた。

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あの、……みんな、ありがとう。

(咄嗟に機転を利かせてくれて。先立って盾になってくれて。守ろうとしてくれて)
(影は三人に其々頭を下げ乍らも、ばくばくと鳴り止まぬ心臓を抑えるように服の胸元をきつく握り込んでいた)

……木が、光ってる。

(顔を上げた先。村の彼方此方に点在している”黄金の樹”なる木々は光苔よりも尚、街灯の如く其の枝葉を輝かせていた)
(其れはまるで真昼のような。門番の男曰く、時間毎に光る度合いは変わってくるそうだ。昼は明るく、夜はほの明るい。彼等はそうして時間を知るのだそうだ)

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