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Wiegenlied

【2】Atmen

【始祖の霊樹】

アルティオ=エルム。
木々に親しみ、大自然の生きとし生けるものを愛しむ緑の民が住まう大樹の麓。
入り組む枝葉を掻き分け、開けた其の先。

――其処には、数多の生命が息吹いていた。

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(男の表情は険しいものではないが、何時でも矢を番えられる状態にあった。然し、)

『イレギュラーズ?』

(其の名を聞けば男は目を丸くして。次いで砂狼が武装を解き、”戒律”を知った上で、尚言い募る)
(ふむ、と逡巡する間を置き、男は矢筒から手を離すとひらりと地面へ降り立った)

『すまないな、出迎えは私の仕事なんだ。
 種も服装もてんでばらばらなものだから何だと思ったが……ははあ、成る程、道理で』

(上から下まで其々を眺め見て――最後に、砂狼の後ろに立っていた影をまじと見詰め、何度か頷き)

『歓迎しよう、”世界の守護者”達。
 其れから――”お帰り”、我等が同胞。母なる霊樹の愛子よ』

(弓を背に担ぎ直した幻想種の男は片手で村を仰ぐと、どうぞ中へ、と特異運命座標達を促した)

『何も無い村だがゆっくりしていくといい。
 此処は霊樹の麓、”マルローン”。我等は黄金の樹に住まう者。
 大老もお前達を歓迎するだろう』

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