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Wiegenlied

【2】Atmen

【始祖の霊樹】

アルティオ=エルム。
木々に親しみ、大自然の生きとし生けるものを愛しむ緑の民が住まう大樹の麓。
入り組む枝葉を掻き分け、開けた其の先。

――其処には、数多の生命が息吹いていた。

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そう。草木のささやき。小鳥のさえずり。
私にとっては、それらがぜんぶ。
こうして交わし合うことのはと、おなじようなもの。

(首を傾ぐ女中へ、興味深げに此方へ視線を寄越す砂狼へ、小さな頷きを返し)
(どんな声が聞こえるのかと。問う声に応じようとした矢先のこと)
(傷面の男に捕らえられた瑠璃色の蜻蛉が視界の端に止まれば、すう、と息を吸い込んで)

『やいやい、お前!俺の自慢の翅が傷ついたら如何してくれるんだ!もうちょっと丁寧に扱えってんだ!』

(意訳である)
(実際は『やめろ!はねが!』位の単純なものなのだが。彼を驚かすには丁度良いだろう)

木々も、花も。それぞれ、思うことはちがうみたいで。
……木が大きすぎて影になるから、もっとおひさまがほしい、とか。
リスのかぞくが、自分の中にひっこしてきた、とか。

(それはもう、皆好きずきに喋り出すものだから)
(全ての声を聞き取るのはなかなかに大変なことなのだと添えつつに)

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