その部屋は女王の執務室から近い位置にある。

客人を招き入れるための部屋。

壁には絵画が並び、棚には珍しい陶器のカップや調度品が置かれていた。
部屋の中央には大きなテーブル。それを囲むようにゆったりとした黒革のソファー。
毛の長い絨毯は、まるでクッションのように柔らかな感触を足裏に伝える事だろう。
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初詣の相談場所よ。
お誘いした方以外の書き込みはご遠慮願うわね。

……。
…………食べようと……？

はい……食べようと…

ゆみは、食べられるの？

うーん…食べられないと……思うのですが…

なのに食べようとする？

そういう…悪戯……？

いや……どうかな……。

まぁ、原典を開いても大罪女王がカニバリズムを行っていたという記述や設定は無かったから、まぁ、冗談なのだろうが。

私を脅かすための…冗談……ですね…

……。

ま、まぁ、そうだろうな。
彼女、いや、そういう方がボクらしい。
むしろ脅迫だね。

どうか…しましたか…？

あ、いや。
……なんでも。

そう……ですか…？

ゆみは、知らない方がいいんじゃないかな……。
いや、ここは警戒を促すために言うべきか。

………？

いやこちらの話。

そうですか…？それなら…大丈夫です…ね…

大丈夫かな。

はい…わかりました…

でも、やはりゆみは騙されてるなぁ。

えっ……？

さて……。

……？はい…？

今後のゆみの対応についてなんだけれども。

私の…対応……ですか…？

ボクはゆみの知っているレジーナとは
少し違うかもしれない。

そしたら、キミも戸惑うこともあるだろう。
だから、少し距離をおいた方がいいのかなと。

距離を……？

聞けばキミはどうやら、レジーナ(ボク)と
とても親しい仲だったみたいだし。
そうであれば、いや、そうだからこそボクにガッカリするんじゃないかなってね。

うーん……私は…人の個を…どう判断しているかは…はっきりと…言えませんが…
それぞれの個を…尊重するように……しています…
それが…真逆の性格になっても……性別が変われども……そのように変わった方は…またその個なのですから…

ふむ。
つまり、ボクがレジーナ(ボク)ではなくても構わない？

えぇ…名前はレジーナさん…でしょうけど……あなたは…あなたという…個……ですので…

ボクという、個か……。

ふぅん。
成る程……。

はい…
えーっと……姿が同じ…双子さんを……外見でなく…中身で…判断するような…感じでしょうか…？

なら、ますます付き合いにくいのではないかな。
ボクがボクであるならば。

…？どうして…ですか…？
特に…そのような感じは…しないのですが…

その論でいくと……ボクとゆみは初対面だ。
友人の姿をした別人が、なんの気なしに当然のようにいすわってるようなものではないかい？

うーん……確かに…初対面…ですね…？
では…ｺﾎﾝ……あらためまして…道子幽魅…です…
えーっと…戦闘は…得意ではないので……援護や…補助を…担当しています…(一礼)

そう来たか。

あれ…？違いましたか…？

てっきり気を悪くしたかと思ったけれども。

え…？気を悪くする…ようなこと…ありましたか…？

……まぁいい。
キミが構わないならボクもあまり気にしないでおこう。

………？はい…私は問題ないので…お気になさらず…？

……。…………。

ある意味ボクと付き合える理由がわかった気がするよ。

へ…？理由ですか…？

そ。
それが幸せなのか不幸なのか。

私は…幸せですよ…？

幸せなのか。

えぇ…初めて…このように…誰かと話せる勇気を…いただいたので…