「ついに最終レースが始まろうとしています。長きにわたる美少女ダービーもここで決着。
　実況は引き続きジョン、解説はスミスさんにお越しいただいています」
「よろしくお願いします」
「さて、コースですがこれは……？　一見、寺を囲う様にステージが設営されているようですが」
「はい、古来から神聖な物に対して舞を奉納する事は広く行われてきました。
　そして、ダービーの最後といえば、ウイニングランとウイニングライブであることは言うまでもありません」
「なるほど、どうせ最後にウイニングライブスッゾコラー！と言って集まりが微妙になるくらいならここで踊らせてやるという事ですね」
「また、寺に奉納されているエンシェントは観客のバイブスによって姿を現す仕組みになっております」
「バイブス」
「バイブス（頷く）
　そして、ステージの中で最もエンシェント出現地点と近いのはセンターポジションです」
「つまりセンターポジション争いをしながら観客を盛り上げる必要があると？」
「そういう事です。
　ちなみに観客は美少女道場領7000名（5/3現在）が集まっております」
「領地ほぼ空じゃないですか！」

　凄まじい熱気だった。
　今までのレースで味わった背筋が凍りつくような殺意や、ライバルたちの敵意、あるいは機械的なトラップ死、そのどれとも違う空気が貴方達に絡みつく。
　最前列でペンライトを振っているのは第一レースで襲い掛かって来た盗賊達だろうか。
　手製のうちわをもってそわそわしているのは第二レースでサインをねだってきた子たちではないか？
　後ろの方では第三レースで一本橋デスマッチした奴や、仕事帰りの梅泉達が腕組して眺めている。
　間違いなくここは今までの集大成なのだ。
　方向性は思いっきり間違っている気がするが！！！


■ダイス結果表■
　1～10　 　花道を駆けろ！【パー】だとファンサも成功して会場のバイブスが上がる！（全員の出目+10）
　11～20　　ダンスはパフォーマンスの基本！直前の人とジャンケンして【勝っていたら】キレッキレのダンスで会場を魅了する（直前の人の出目と同じ数字を自分の出目に足す）
　21～30　　ゴンドラに飛び乗ってステージ移動だ！【グー】だと華麗に飛び乗って黄色い悲鳴が上がる！（グーの出目+10）【グー以外】だとうっかり落ちて悲痛な悲鳴が上がる（グー以外の出目-10）
　31～40　　ステージの端に追いやられそうだ……振付を装って隣の人と位置を交換しよう！直前の人とジャンケンして【勝っていたら】成功！（直前の人と順位を交換する）
　41～50　　自分の名前が書いてある団扇がある！ファンサしてあげよう！（全員の出目+20）
　51～60　　コールで盛り上げるぜ！みんなー！盛り上がってるかい？【チョキ以外】だと成功！【チョキ】だと返事がない……盛り下がったようだ（チョキの出目-10）
　61～70　　君の歌に自然と手拍子がまきおこる！（全員の出目+10）
　71～80　 ソロパート！？今初めて聞いたんですけど！【グー】ならしっかり歌いきった！（自分の出目に+30）【グー以外】だと慌てて上手に歌えない……（自分以外の出目に+10）
　81～90　 マイクが回って来た！？上手にMCできるかな？【パー】だと上手く盛り上げられたようだ！（自分の出目に+20）
　91～100　 センターポジションに立った！観客は皆、君を見ている！【チョキ】ならパフォーマンス成功！（自分の出目を２倍）【チョキ以外】なら大失敗！（自分の出目を半分）

■ゾロ目効果（ゾロ目は100含むよ！）
　パフォーマンスが全然ウケなかった……。会場のバイブスが下がってしまう！（最下位と順位を入れ替える）

＿＿＿＿あっ（一歩踏み出した次の瞬間、がっしゃーんと盛大にけっつまずいてしまう。梅泉の一撃から再構成したての鎧の結合が崩れ、バラバラの残骸の姿に再度戻ってしまった…気合を入れた次の瞬間にこれでは、会場のバイブスは絶対零度まで駄々下がりだ！ブーイングが飛ばないのはせめてもの優しさか…）

…うむ…これでは首位争いも儘なるまい…せめて完走だけはしておくか…！
（敗者に向けるべき視線は無い。敗者には何もくれてやるな。うぉりぴょい伝説は成らず。此方には一切の目もくれず、遥か先を往く先頭争いを熱狂的に見守る美少女領7000名とゲスト達の姿を見て、今自分の「祭」が終わったのだと悟る。それでも、走るとしよう。誰ひとり目を向ける者が無くとも、自分一人が今日という一日を楽しめた事が喜ばしい。自分にも、まだこのような感情があった）

（良き戦いにして良き祭であった、ありがとう美少女ダービー。またいつの日か、次は違う形で祭を。何とか走り切れる程度に身体を構築すると、戦士は皆の背中を追い駆けていくのであった）～～ウォリア編　おわり～～