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ギルドスレッド

美少女道場

【RP】大晦日、鉄帝ヴィーザル地方美少女領にて

 ヴィーザル地方、美少女道場建設地。通称「美少女領」。
 鉄帝人の入植地から始まった町だが、広がる内にノーザンキングスの三部族も取り込み拡大している。
 ところで、ヴィーザルの原住民たるノーザンキングスの民の中でも高地に住まう「ハイエスタ」は雷神の末裔を自称する部族だ。
 彼らの代表的な神事に、年神の「迎え」と「送り」というものがある。
 ハイエスタは神の末裔であり、祖である神々は子孫を見守るために天の国から交代で降りてくるという伝承がある。
 一年の始まりに降りてきた神の為の祭壇を作り迎え入れるのが「迎え」。
 一年の終わりに帰っていく神を労い、見送るのが「送り」だ。
 まず「迎え」とは占いによって決定した人物を年神の依り代とし、新年に家々を巡り祭壇に祝福を授けるという内容だ。
 対して「送り」は、年神の依り代が役目を終え、古い依り代の衣装や祭壇を燃やしてその炎で煮炊きしたものを神に捧げるというものになる。

 そして現在は大晦日。美少女領に住まうハイエスタの民によって「送り」の儀式が行われている。
 よく雪かきされた広場の真ん中には各家から持ち出された今年用の祭壇が積み上げられ、その前で依り代役の男性が朗々と祝詞を上げていた。
 内容は主に今年起こった出来事の報告である。作物の出来であるとか、子供が生まれた事等を年神として祖神に報告をしているのだ。
 それが終わると、用が終わった年神の衣装(よく燃えるように木の皮を叩いて鞣したもので作成される)脱ぎ捨て、積み上げられた祭壇ごと火をつける。
 こうしてこの世に繋ぎとめる物が無くなった古い年神は天の国へと上がっていくのだ。

 今、広場では燃え盛る焚火を中心に女衆が作った料理が振舞われている。
 岩塩とハチミツを練り込んで焚火で焼いた素朴なパン(美少女領の主食は米だが旧い民にとって祭の時といえばパンだ)や、鹿肉と香草で作った茶色いシチューが主なメニューだ。
 男たちはそれを肴に酒精の強い薬草酒を飲んで寛いだり、子供達は祭りの雰囲気にはしゃいでそこかしこを走り回っていたりする。
 「迎え」の儀式が始まるまでの少し緩んだ空気が広場の中の流れている。

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(特に何もしなくていい、と伝えたものの領主とその客人が突っ立っていれば気を使うのだろう。
 用意された椅子に座って女衆の作った料理を摘まんでいた。
 この焚火の火を使って作った料理はハイエスタの民にとって極めて縁起のいいものらしく、年越しの時の特別なごちそうらしい)

……概要は知っていたが、こうしてのんびり眺めたのは初めてだな。
…初めて?
こっちにはそれなりに長く居たんじゃなかったのかよ。
練達程無関心な地域柄というわけでもあるまいし……年の瀬に出席するよう呼ばれたことだってあったんじゃないのか。

(何重にも着膨れした防寒着の内側の、霜の張り付くような白い肌の、その一番奥から、訝しむように言葉が投げかけられた。隙間から見えるシトリンの瞳は、祭りの景色を細く睨みつけている。好奇心よりも強い、事務的な収集欲求が、人の動きを静かに辿っている。)
吾は大規模召喚組だからこっちきてまだ4年目だぞ。
一年目、二年目はいうまでもなし。去年は機会こそあったがローレットへの顔出しを優先したからな。

(広場を使う許可は去年も出したので知っていたが……、と星の散った瞳を広場の中心で燃える祭壇に向けたまま答えた。
 風は皮膚を裂くように冷たいが、天高く炎が舞い上がる様子は如何にも暖かい)

征服した土地の民であるから、吾が居れば委縮するかもしれないという考えもあった。
この土地(鉄帝)に限っては気にしない気風であると理解しているが、内部の諍いが一番めんどくさいからな。
ふーん………

………この調子なら暫くは内紛もなさそうにみえるがな。
少なくとも飢えさせず、祭りを取り上げず、好きにさせてるうちは文句も言わないだろ。
それに適度にこっちを畏れているようにも見える。
上手いこと政治ができてるじゃん。

(神輿に載せられた依り代が、「迎え」の為に家々を巡る様を眺めている。家のものが見せる祈りにも似た形式的な仕草と、それを受け取る依り代の振る舞いの、その意味を追っている。この因習が人身御供型か、それとも人柱型かなどと、パズルを解くように祭りを追った。
 よく知らない地方の祭りの楽しみ方なんぞこんなものだろう。こちらの様子を慎重に覗き込む輩の視線が気になるといえば気になるが、それとクソ寒いこと以外に現状は文句もない。)
出来ているかな。向こうに居た時は、政治は親戚に任せっぱなしだったから……。

(一瞬、周囲を見回して近寄ってくる者がいないか確認して声を潜めた)

此処にいる奴らは、領地をひろげる時に縄張り争いでやり合った相手でな。
族長を……最終的には一家全員吊るしたんだっけか。
その代わりに残った者には市民権をやったし、飢えさせても居ないが野心というものは恐ろしい。
例え不満がなくとも唆されれば燃える事がある。

(色鮮やかに彩色された御輿は少しあせたの古いビロードを翻して家々を行く。
 祈りの動作の終えて、冬にこそ青々と茂るヤドリギ飾りを戸に置けば次の家へ。
 それを、ただよくわからないもの、として捕らえる色のない瞳が見送って)
徹底的で容赦がないな。
ボクでも同じことをしたろうがな。
ついでだから今年度の特筆すべき殴り合いについてでも聞いてやろうか。
このペースだとベスト5くらいまで聞いても間が持ちそうだぞ。

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