PandoraPartyProject

ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

浄罪の谷

底の見えぬ深い谷

罪人をここに落としていたのだとか、育てきれぬ赤子を口減らしに放り込んだとか、暗い逸話がそこに眠っている。

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ン……まァ、そろそろこの谷の出口も目指さなければならないしね。

(身を起こすとソレの銀の髪が流れて小鳥の頬をくすぐり、その髪を若干鬱陶しそうに耳にかけながら)
んん…もう、大丈夫……?(自分から申し出たし少し慣れた気がするがやはりちょっと恥ずかしい…。と頬をかいてゆるりと顔を上げて。くすぐっていく商人の髪の毛は、暗闇の中でも鈍く輝いて見える。俺の髪とは大違いだ。)
キミのおかげでね。(潮が引くように痣が消えて、立ち上がり小鳥へ手を伸ばす)
良かった…。(消えていった痣にホッと胸をなで下ろし。差し出された手を取って立ち上がる。)
今度は離してはいけないよ?(手を引いて歩き出しながら)
ん…離さない…。(コクコクと頷いて。もう、商人が怪我する姿など見たくないから。)
(暗闇の中、また先導するように先を歩く)
(今度こそ、絶対離さないという強い意志でしっかりと手を握ってついて行く。)
(急に、明るいーー否、周囲の様子が暗いままに知覚出来る開けた空間へと出てくる。其処は青い彼岸花がたくさん咲いていた。開けた空間の真ん中に誰かが眠っている)
(とても綺麗な光景に一瞬息をするのを忘れそうだった。)誰か……居る…?(眠っている人の姿を見てから、商人を見る。)
(ここまで来れば大丈夫、と小鳥の手を離してその人影へ近寄る)

(其処で眠っているのは人形のように美しい少女に見えた。白い髪に青を基調としてフリルをあしらったドレスを着て、穏やかに眠っている)

(ソレはその少女の傍へ膝をついて、小鳥に背を向けて少女の顔を眺めている)
(その後ろから、穏やかな眠りにつく少女に近寄って覗き込む)……その子は…?
誰でも無いよ。ただの残留思念、ただの未練だ。(そう言って少女の頰を撫でたソレの顔には深い慈愛と哀切が宿っている。少女の傍にも生えている青い彼岸花を何本か摘むと立ち上がった)
(これ以上を聞くのは野暮だろうか…と口を噤んで。立ち上がった商人の手に摘まれた青い彼岸花を見て。)それが、もう1つの…仕入れに来たもの…?
そう、冥府の彼岸花。此処ではこれが最後。(花を影の中へしまうと奥を指差して) 彼処から谷の外に出られる。でも、此処では振り返ってはいけないよ。いいね?
冥府の彼岸花…赤じゃないのだな…。(綺麗な色だ、と見とれて。)振り返ると…帰れなくなる…?(指さされた奥を見て)
(頷いて) 色んなモノガタリで語られる通りだとも。どうにかしようとすると、我(アタシ)でも大きい対価を払うことになる。(また手を差し出す)
(話を聞き、ゴクリと喉を鳴らして)わか、った…。(しっかり頷いてしっかり手を握る)
なに、振り返らなければいい。それだけさ。(くすくす笑って小鳥の手を引き谷の奥へと歩く)
ん…それも、そうだ…。(しかし先のことがあるので。なにか声をかけられても、後をつけられても、絶対振り返らないぞと心を強く持ち。1人頭の中で振り返るなと復唱しながら歩く。)
(光の射す方へあと10mというところで。どこか聴いたことのあるような、歌のような生物の鳴き声が響き渡る)
(目を瞑って、振り返るな、反応するなと心で唱えて歩く 。)
(このウタを、あなたは知っている)




(このウタはーー)




ーーーーーー
……小鳥。もういいよ。

(気がつくと、あなた達は“谷の上”にいる)
……谷の…上……あ、れ…?(ハッと顔を上げると、谷の上に居て。驚いてる合間にポロリと零れたのは涙で。俺は何故涙を…?)
んん…分からない…でも、急に涙が…。(拭っても止まらない涙に首を傾げながら袖でゴシゴシする。)
(首を傾げつつ、擦るとよくないと知ってはいるのでその手を掴んで抱き寄せて背中を緩く叩こうと)
んん…ご、めん…。(頭を流れるメロディ、あれは、あのウタは…)

(谷を出る時に聞こえてきたウタを、背中をゆっくり叩かれながら、小さな声で口ずさむ。)
(そのウタに耳を傾けて) 我(アタシ)がウタうよりもキミがウタう方が美しいね、白鯨の君のウタは。(くすくす…)
……どうして、あの時…この歌が聞こえた…?(首を傾げて問いかけ。あの眠っていた少女の顔が頭を過る。)
ンー?……大方、未練でも残っていたのだろうさ。(小鳥の目頭を袖でそっと抑えてやりながら)
(前髪に隠れた顔は、懐かしそうに目を細めて口許が己を嗤っている。酷く感傷的でまるで人間のような顔だった)
……。(商人に覚えたのは違和感だ。未練が残ってるのはどちらなのだろうか…と口に出さず思う。しかし、俺が聞く事では無い。商人にも、言いたい事や言いたくない事もあるだろう。俺は何も言わずに商人へ腕を広げた。)……ん。
おや、おねだりは珍しいね?(緩く首を傾げながらも小鳥を抱きしめる。じわじわと微かに、メープルシロップを煮詰めて、可憐な花と塩をひとつまみ浸したような幸福感が漏れ出ていた)
……俺も…貰うだけじゃなくて……幸福感も…分け与えれたら…良いのに…。(じわじわと染み込んでくる幸福感に暖かさを感じながら、ヨシヨシと商人の背を撫でてみる)
(あどけない少年少女の顔をして) 対価は充分に貰っているよ?
そうだけど…そうじゃない…。(首を横に振って。商人自身が俺の中を喰らうのではなく、俺自らが与えたいんだ。背中を撫でながら言い。)
…? (考えていることは分かるがいまいち理解が及ばない様子を見せる。背を撫でる手が心地よいので.すりすりと小鳥の首元に頭を擦り付け)
んん…分からなくても良い…。(擬似的にでも、商人が嬉しそうならばそれでいいんだ。と少しだけ寂しそうな顔で頭を撫でてみる。)
おかしなコ。キミが我(アタシ)を観測して意識を向けてくれるなら、それだけで嬉しいのに。(頭を撫でられて前髪の奥で目を細め、寂しそうな顔を見ると寂しい?と聴きながら親から子へ送るように眦へ口付けを送ろうと)
んん……そ、う…?(ちょっと寂しく感じたけど、大丈夫。と少しだけ微笑み)
そうさ、我(アタシ)のようなモノは本来、観測されてこそ意味があるのだからね。大丈夫ならよかった。さて、次の場所へ向かうとしようか。
次は……何処へ…?(そう言えば2件行くと言ってたな…と思い返して。)
ね、猫…。(動物が好きなので猫というワードに過敏に反応する。ソワソワしているのが見てわかる。)
そ、猫。用意はいいかぃ?(手を取って首を傾げ)
(コクコクと静かに首を縦に振る。早く行きたそうにしている。)
では。

(ふわりと朧の様に2人の姿が搔き消える)
https://rev1.reversion.jp/guild/193/thread/8752

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