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ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

浄罪の谷

底の見えぬ深い谷

罪人をここに落としていたのだとか、育てきれぬ赤子を口減らしに放り込んだとか、暗い逸話がそこに眠っている。

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(ふわりと谷の淵に、小鳥を連れて顕れる)
(急な事に少し驚き目を瞑り。どこかへ着いたようで目を開けるとそこは底が伺いしれぬ亀裂で。)ここ…は…?
(小鳥の手を離して底を覗き込み) 此処?浄罪の谷……の入り口だね。所謂、冥界の入口のひとつ。
冥界の、入口…!?(入口はあの川だけかと思っていた、と目を見開いて)
まぁ、冥界といっても色々あるからね。此処は厳密には冥界とも言い難いかもしれないけど。
(そう言って、ソファーに寝転がる様な気軽さで崖の上から身を投げた)
っ………しょ、商人…!?(慌てて翼を広げて商人を助けに行こうと底へ)
(ソレが追いかけてくる小鳥を見上げた。全くもっていつも通りの、呑気さすら感じる顔だ)
なに呑気な顔…してるんだ…!!?(早くと手を伸ばして)
(落ちる、落ちる、落ちる。長く長く、落ちていく。妙に距離が縮まるのが遅い様な、そんな錯覚。暗く陰る周囲の中で、落ちていくソレの銀の髪が尾を引くように微かに光を反射した)
商人…!!!(震える声で辺りに響くよう叫ぶ。まるで谷底へ落ちていく星を追いかける一羽の夜鷹の如く、長く長く、共に堕ちていく。)
(とうとう地の底が見えた。あと100m、50m……地面がだんだん近付いて)

(ばさっ……)
……どうしたの、そんな大声出して?

(三対六枚の淡く光る緑翼を広げて、体勢を整えたソレがゆっくり地面に降り立った)
っ……!!!?(あまりにも綺麗に落ちて行くものだからすっかり翼のことが抜け落ちていた。着地の際、驚きの余り体制を崩しそうに)
おや。(小鳥が落ちてきたなら抱き止めようとするだろう。ただし、流石に勢いをつけて落下してきた人間はソレでも受け止めきれないらしく、そのまま岩肌へ倒れ込む)
っ………(ヨロヨロと起き上がると下には商人が)す、すまない…!!?(慌てて下敷きになった商人を見て、怪我はないかと腕や顔に触れようと。)
や、びっくりしたね。(けらけら笑うソレには打撲やら切り傷が見受けられるがじわじわと治癒はされているようだ)
大丈…夫…か…?(回復はされてるようだが回復しようか…?立ち上がれるか…?と上から退きながら聞いて)
うン?放っておけば治るよ。(なんでもない様子で立ち上がって)
そ、そうか…。(ホッとして。)

(改めて辺りを見渡してみる。)
(辺りは日が差さず暗がりの中にごつごつした岩肌が見える。傍には小さな川が流れていた)
(ぼんやり、ソレの緑翼が淡く光って光源になっている)
こんな…暗い場所に…何があると…言うんだ…?(岩肌に少し触れながら、小川があるので少し覗き込んでみようと。)
商人の…翼は…輝くの…だな…?(覗き込んだ体勢ですこし後ろを見て。)
(一見、普通の小川だ。見ていると吸い込まれそうなほど水が澄み切っている。とても美味しそう)
うン。魔力を蓄積してるんだ。今は混沌肯定に封印されてて、あんまり飛べないし貯められる魔力の量も限界があるけどね。
俺の…翼と違って…とても綺麗だ…。(おかげであたりもよく見える、と光を反射する小川の水面に再び目をやって。水を見ていると、急に喉の乾きを感じて、小川へ手を伸ばそうと。)
“飲むな”。(男とも女ともつかない甘やかな声が、一言命じる)
っ……!!(一言、その声に命じられると身体はピタリと止まり。)
いいコ。(止まった小鳥をゆっくり撫でて)

水が欲しければ我(アタシ)が持ってきたのをあげよう。生者は冥界のものは口にしてはいけない。これが基本ルールのひとつだ。
(声まで封じられた錯覚に。商人から言われたことに必死に首を縦に振って。)
よろしい。はい、水。(透明な小瓶を取り出して差し出した。透明な液体の中にソレの羽根が1枚沈んでいる)
す、すまない…。(小瓶を受け取りながら、手伝うと言いたがら着いてきたのに脚を引っ張ってることに謝り。)……商人の羽…?
んん、ありが、とう…。(ぽちゃぽちゃと少しだけ瓶を振ってみて、大丈夫そうかなと確認だけした後、恐る恐るそれに口をつける。)
(水そのものは口をつけるとよく冷えていて天然の水の様な澄んだ味と甘みを感じる。そこにソレ特有の、“堕落しそうな”味の力がわかりやすく魔力に変換された状態で溶け込んで流れてくる。おそらく、“力の溶け込んだ水”というのをイメージして作ったのだろう)
ぐ…!?…美味しい、けど…。(魔力が濃い…と喉を通って胃からジワジワ広がる魔力に少しムセ。ありがとう、と瓶を返す。)
ン、そりゃあ良かった。(瓶を受け取って、しまい込む)

(ソレが川のほとりに近寄って、水の中に手を差し入れた。しばらくして引き揚げるとその手に布の様に薄い何かを持っている)
んん、それ……は…?(薄い何かをよく見ようと商人へ近寄って。)
目的のモノの1つだよ。冥府の水。(薄衣にも見えるそれを畳んで、影の中の行李にしまう)

さて、此処から歩くけど、その前に……ふむ。(近寄ってきた小鳥を眺めて視る)
冥府の…水…。(何に使うのだろう、としまわれてるのを見て。)

んんん…何か、付いてるだろうか…?
おいで。(両手を広げて小鳥に一言)
…?(此処で?と思いながら、首を傾げつつソロりと商人の所へ。)
(やってきた小鳥をぎゅ、と抱きしめる)
(ぞろり、ぞろり)

(いつもの感覚)

(だが、特に何かを喰い荒らす事もなく)

(代わりに念入りに小鳥のナカを這っていく)

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