「手を変えるからには此方も品を変えなきゃね」

ソレは笑う。

(望まれるまま、一升徳利から上物のワインを注いでやりながら)おや、もったいない。カミサマを降ろされてカタチを喪った可哀想なコ達。コエが届いていたら、連れて行ってあげたのだけど。(くすくす…)

突然ねぇ。疑惑を抱いたか、バレたか……。どっちかかナ？我(アタシ)の目もそこまで良くないからなんとも言えないけど。

そりゃそうかもしれねぇが、どうせだったらほっといて欲しかったぜ。
人殺しのお仲間なんざ望んでなりたかねぇし、俺は臆病だったからな。
絶対的な力を見せられて復讐は早々に諦めた。ただ生き延びれたらそれでいい……逃げ出した後もそいつは変わらねぇ。

（武器商人から更なるおかわりを貰いながら、据わった目でアルを見る。酔いがだいぶまわってきているようだった）

前々から奴らはご神体を異界から呼び出すために、神の器ってやつを探していた。
要は人柱だ。その龍ってやつをとり憑かせるための。
何度かそれに適してそうな奴らを拐かすような仕事がまわってきてたが、やってくうちにランベールがそうだって分かったんじゃねぇのか？

商会に入った後、ランベールを呪術で呪殺しようとプロに頼んだが、龍が出て来て呪詛を返された。その時確信したぜ……奴にはすでに神が降ろされてたってな。

ランベールの歳を聞いた事はなかったが、操ってたカラクリみてぇな武器の代償が『加齢』だっつってたぜ。俺から見たら羨ましい限りだが。

擽ったいよ、アル。（機嫌がよくなり指へすりすりと頬を擦り寄せる）
（武器商人の不穏な言葉に半眼になり）連れてったらアンタのお仲間になってたのか？

……そういえば前に軽く呪いの気配を感じたから、呪い返して遊んでやったような。思っていた以上に魔力が必要で、終わった後はへろへろだったけどね。

(ワインに口を付けながら、にこりと笑って自分の影を指差す。影からじー…と2、3個の“視線”)＞イザーク

逃げ延びた貴族なんて本来「居ちゃいけないもの」だからね、仕方ない。
神経質と臆病を飼いならせるなら大成しただろう。無謀な坊やよりずっといい。
（グラスをかざして赤い色を眺めつつ、薄い刃物で切れ目を入れたような笑みを浮かべ……おっといけない、と頭を振った。これは本筋じゃないな）

またひどい話だね。身を粉にして汚い仕事も厭わず働いた結果が生贄で、記憶もぶっ飛ばして新天地とは。その場合の契約ってどうなるのかな。
（イザークが吐かなかった契約なんかもあったねと考えつつ。）

加齢かー、義体化進むと脳味噌以外は人間もそうなるなー。
（自分の常識でうっかりモノを言う。ここはサイバーパンクじゃないです。）

……えーだいたい聞いた気もしたけどあと何か聞いたほうがいいことってあったっけ？
組織の上位系統の人達の名前とかその辺は後日紙面でお願いしたいけど。
（ボンクラみたいな顔になる）

いやァ、今はもう契約どころじゃないんじゃなぁい？4割だよ、4割。(けらけら)

まあ契約の主体が存在しないなら契約の履行もクソもないね。
（ボンクラ顔で首筋を掻く）

……ランベールに聞いてみたいところだな。俺を生かした真意を。死人に口なし。一発殴る暇も与えず逝っちまって……敬い甲斐のねぇ師匠だったよ。最後まで。

……と、俺からの質問がまだだぜ。
これに関しては後からの返事でいい。

ランベールが狙われる根源……組織を叩きてぇなら俺も協力する。
敵の敵は味方だって言うからな。

（この世界でも一握りであろう技術をさらっと口に出されて怪訝そうな表情をしたが、武器商人をチラリと見て）
不死だとか永遠だとか、半信半疑だったもんが最近になってゴロゴロ転がってやがる。これだから混沌は恐ろしいな。……まっ、楽しくもあるからいいけどよ。

先に言っとくが、大した情報は出せねぇぞー。俺が居た頃と上層部の首がすげ代わりまくってたからな。

…………儀式が成功してて本当によかった！（影から視線を感じてぶはっと酒を噴き出しかける）

…………。（朝長の顔をじっと見上げると、ため息ひとつ）
理由なんて、聞けば拍子抜けするような些細な事さ。死人は雄弁なくらい僕に語ってくれたけれど、それを伝えるのは難しいだろうね。

（ランベールの中身だった者です、なんて言ったら狙われる可能性もある。くるんとその場で丸まった）

組織と抗争、しかもタダ働き？やだなー。
さっさと転職しとけばよかったけど、でも乗りかかった船だしねー。
（口ではそんな事言いながらも、「まあそれもいいか」みたいな笑い方で）

まあわたしは歓迎するんだけど、上に持ち帰って相談するねえ。
まあ多分おっけーって言ってくれるさ。

不死も永遠もないよ。基本的には。
「死ににくくなる」と「死なない」は別だし、「変わり続けながら沈まないようにする」のは難しいことさ。わたしはまだ幾星霜って程は生きてないけど。

首すげ代わりまくりかー。まあ、なにもないよりは役に立つといいな。
なんか適当によろしく。
（疲れてきたのかザルなことを言い始める。実は：交渉は苦手。）

まァ……そのうち、叩く気が無くてもこっちに来るだろうけどね。(ワイン4杯目。顔色ひとつ変えやしない)

まあほっといても来るだろうねえ。
もう一つ気になることもある。杞憂であってくれたらいいし、確証もないけど。
（丸くなったイザークの背中を撫で）

ほぅ、気になったコト？(わくわくにこにこ)

容量とかスペックに五割ほど余裕ができたからって死人がふわっと浮いてくるとかのたぐいのホラー。
（煙草を銜えつつ、ぐったりとソファにもたれる。）

どうだろうねぇ。(くすくす…)出るとしたら陽の方だと思うけど。死人って基本的に陰だろ？

とはいえ今はどちらも一個人だからね。両儀の片方だけしかないものなんてあるだろうか。
（煙草に火を入れようとおもったが、先に灰皿を探して視線が動いた。）

いや、無いね。それぞれに両方を見たから、我(アタシ)は条件がそろったと見定めたのだし。ただ、まだ未熟ってのはありうるかナー。(一般的な灰皿とライターを行李から出して差し出す)

ここぞとばかりに肉体の記憶なんてものを読みすぎてのめり込まないことを祈りたいね。
情報は呪いみたいなものだ。わたしだって逃れきれない。
（ありがとう、と会釈して灰皿を受け取り、煙草に火を入れた。あの世界で嗅いだものではない、それでも嗅ぎ慣れた匂いがする……。ゆるゆると煙を吐き）

俺だって金にならないところを嫌々やってんだ。商会にしれっと敵の刺客が来たからな。ランベールを探してるし。
（話題にあげてから半眼になる）そういやあいつ、何処までチラシ配りに行ってんだ？

向こうさんはそこまで急いでランベールを捕まえようとしてなさそうだし、ハロウィンくらいはゆっくり満喫できそうだ。
……そういやぁ、この祭は色んな人ならざるものが人の世に紛れるって聞いたことがあるぜ。異界の話だから混沌でそうなるか分からんが、もしも死体の元の持ち主が現れたら……とりあえず一発殴りに行かせろ。

それにしてもアンタ、ザルだな。中で何人か酔っ払ってたりしないのかい？（顔色ひとつ変わってない武器商人に素直に感心しながら、ケプッと酒臭い息を吐き出した）

（背中を撫でられると擽ったそうに身体を解き、煙草の煙の副流煙を受けようとアルの服をよじよじ登りはじめたり）僕にも吸わせてくれ。

ああ、そういう捜索的な来るじゃなくてねぇ。じきに我(アタシ)狙いになるって意味さ。(愉快そうに、可笑しそうに)＞朝長の旦那

さァ、酔ったことがほとんど無いからね？(優雅にワイン5杯目に口を付けつつ)＞イザーク

ようやく後ろ暗くない戸籍を得てカタギっぽい暮らしができるとおもったらやっぱりきな臭い人生を送るハメになるなんて。わたし、前世で悪いことでもしたのかな……。
（前世どころか今生で生きるために悪事に手を染めたことは棚に上げ、泣き真似をする。口元笑ってるけどな。）

ま、ハロウィン期間くらいは休暇を取らせてくれるだろうね。っていうか取る。もう絶対働かない。
あと首の骨逝かない程度になら力いっぱい殴っていいと思うよ。
（可愛いぬいぐるみが煙草ってのもなかなか面妖な見た目だが、どうぞとイザークの口元に自分の吸っていた煙草のフィルターを向けた）

(土と水で肉を作ったとはいえ、ぬいぐるみの姿でよく酒飲んだり煙草吸ったりしようと思えるなぁ、って顔)……そういえば、キミ“たち”２人とも煙草平気なんだね？(イザークと銀影の２人を指して)

は、はい！？いったい何をされたんですかボス！
無茶ぁしないでくださいよ。俺だって普通に暮らしてぇ。
何処にでもいる、普通の商人……に……
（ごとっ。杯が落ちた。
すぐに寝息が聞こえてくる。酔いがまわったら眠くなる派だったようだ）

されたというか、やったというか。
まあそのうち詳しく話すことだろうけど、それは今日の仕事上必要のある話でもなし……。
（説明してもいいが明日以降の自分か自分以外がやるさと先延ばす構え）

まあ油断してもらってるということでいいのかな。
わたしは人前で動けなくなるなんて考えたくもないけど、まあいいさ……。
（朝長の寝顔を柔らかい笑顔で見ている）

煙草吸い終わったら我々も帰ろうねえ。
わたしも眠くて眠くて……
（それにしてもぬいぐるみって何をどうやって稼働して飲食したりしてるんだろう、とイザークを見て思った。）

どの方向に向かってもえげつないスペックだな、店主さん。（一緒に居ればいるほど復讐の気が削がれていく。
アルから煙草を受け取ると吸いはじめる。方々からのツッコミにニヤリと笑み）
どんな姿になろうと僕は僕だ。酒も煙草もやるし、仕組みなんて関係ないね。
（吸い終われば尾っぽの水のリングで火を消し、灰皿はどこかとキョロキョロする）
吸い終わったぜー………（悪戯してやろうか。眠る朝長にまだ熱い煙草をニヤニヤしながら近づけはじめ）

ああ、言わんこっちゃない。(くすくす笑って楽しそうに朝長の旦那を見ながらワイン6杯目)

いや、キミだから言っているのだけどね？龍とはいえ、キミ、蛇の気質もあるようだから。蛇は酒は好きだけど煙草は嫌いがちだからねぇ。

わたしはボディのスペックを超えることはあまりしたくないからね。
縛りがないのが当たり前になるとつまらないし、気持ち悪いし、おっかない。
（食事をせず呼吸も必須でなく人から見ると異質な機械なりに、自己に愛着はある）

……イザーク、今日は何も仕掛けないって言ったろ。
そういうのは仕事じゃない時にしよう。
（商人さんからうけとった灰皿をイザークに差し出しつつ）

(にこにこと、ソレは見守っている)

アルがそう言うなら仕方ないな。丸焼きになるのは勘弁だね。（灰皿に煙草をぽいちょと捨てる）
僕の煙好きはランベールのせいだ。あいつ、ジッポーがパンドラボックスになってるくらい煙草好きだったから。

ああ、成る程。(くすくす)

よしよし、いい子だ。仕事は仕事だし、約束は約束だからね。
まあ何も無い時なら見なかった振りをしてあげるよお、たぶん。
（きちんと吸い殻を捨てたのを確認してイザークの頭を撫でて。）

体にはよくも悪くも引きずられる、ということだね。
……さ、帰ろう。報告とかしなきゃいけない。
（コート羽織るからちょっと降りてね、と肩の上の二人に告げ）

今日は何から何までお世話になりました。ありがとう、そしてごちそうさま。
（武器商人に深々とお辞儀をして）

なに、大したもてなしはしていないとも。運がーーいや。また、遭おう。キミたちの運はすこぶる悪いようだから。(くすくすくす…)

(ちびちび蜂蜜酒を楽しんでいた静寂はへろへろーと肩から降りる)

わたしは幸運な方だけど、他の人には運勢は配れないらしい。
ランベール君とアルク君、あとクランちゃんあたりは運が悪そうだからね、仕方ないや。
（或いはそれは単に気の持ち方や身の処し方の違いかもしれない。コートを羽織ると、翻った裾が油膜のように時折滲む。本来は光学迷彩なのだが、制御系が死んで数ヶ月にもなるか……）

いやいや、キミも運が悪いとも。(笑いながら)ーー我(アタシ)に遭って、気に入られてしまったのだからね。

人生に飽きてジャンクみたいに生きるよりかは幸運かもしれないよ？
（軽快な笑い方をする。）

ヒヒ、違いない。(けらり、けらり)

余暇は好きだけど退屈は好きじゃないからね。さぁて……
（帰ろうか、と歩き出したところで）

ここ何処だっけ。
（ボンクラみたいな顔で尋ねた）

我(アタシ)の店さ。普通に出ていけばいい、普通にね。(此処は何処でもあって何処でも無い場所。望めば事務所近くの何処かに出るだろう)

なるほど。
（便利なシステムをあれこれ考えてもしょうがない。自分は技術者じゃないからね。普通に歩いて出ていった。）

(ひらり、ひらりと手を振って。そうして朝長の旦那に視線を落とす)

ーー誰が、

(手引きしたのだろうね)

(笑って、笑って、自分のコートをかけてあげて、階下へ降りていく)

（撫でらろると嬉しげに喉を鳴らした。アルの肩に乗り直して去っていく）

…………。…………はっ！？（がっば！と飛び起きた。ぽかんとした表情で辺りを見回す）
敵前で堂々と寝こけるなんざ、俺らしくもない……。ボスが居てくれたおかげで安心しちまったか。
（かけられていたコートを持ちつつ部屋を出た）