「手を変えるからには此方も品を変えなきゃね」

ソレは笑う。

逃げ延びた貴族なんて本来「居ちゃいけないもの」だからね、仕方ない。
神経質と臆病を飼いならせるなら大成しただろう。無謀な坊やよりずっといい。
（グラスをかざして赤い色を眺めつつ、薄い刃物で切れ目を入れたような笑みを浮かべ……おっといけない、と頭を振った。これは本筋じゃないな）

またひどい話だね。身を粉にして汚い仕事も厭わず働いた結果が生贄で、記憶もぶっ飛ばして新天地とは。その場合の契約ってどうなるのかな。
（イザークが吐かなかった契約なんかもあったねと考えつつ。）

加齢かー、義体化進むと脳味噌以外は人間もそうなるなー。
（自分の常識でうっかりモノを言う。ここはサイバーパンクじゃないです。）

……えーだいたい聞いた気もしたけどあと何か聞いたほうがいいことってあったっけ？
組織の上位系統の人達の名前とかその辺は後日紙面でお願いしたいけど。
（ボンクラみたいな顔になる）