店主「…………………………」

カウンターの向こう側に無口な中年男が立っている。
「いらっしゃいませ」の一言も無く、ただ黙々とグラスを磨いている。明らかに客商売向けの人間ではない。

だが、誰もこの男を咎めはしない。
何を見聞きしてもこの男は絶対に他言しない。余計な詮索も一切無い。
ただ、黙ってカウンターに立ち、言われるがままに酒を提供する。

この男の前では何を話しても問題ないだろう。

（雑談スレッドです。）

（扉を大きな手で開け、のっしのっしと歩き入ってくる巨体が一つ）
うぉーっす！ロアンの紹介ってことで早速来てみたぜぃ。
っと、予想以上に盛況な場所だな。よきかなよきかな！

（カウンターに向かい、よっこらせっと座り……椅子が軋んだ音がした）
マスター、早速だがアクアビット一つ。水割りでな！
んでもって……ゴリョウ・クートンってんだ。
見ての通り、黒豚系の獣種……元の世界じゃ黒オークって呼ばれてた、そんなしがない豚野郎だ。
図体ばっかデカい木偶の坊だがまぁ、よろしくしてくれりゃあ嬉しいぜ！