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月見酒の縁側

クロバ私室【1:1】

――カムイグラでの決戦が終わり、妖精郷での戦いに引き続いた大きな騒乱はひとまずの静けさを迎えた。

深緑内の自領に仮住まいを構えたクロバは自室にて大きなため息をついた。

「……まったく、バカだよなどいつもこいつも」

”彼女たち”の感情も理解できる。
ただ――それでもし帰ってこれなかったらどうなる?
置いて行かれるこっちの気持ちを考えたことはあるのか?
つい、そんなことを思いしばらくシフォリィですら少し距離を取ってしまっている日々が続いていた。

まったく馬鹿だよな……俺含めて。


そんな黄昏ていた時、部屋の扉をノックする音が聞こえた。

(シフォリィとの1:1RPスレです。該当PC以外の発言はご遠慮ください)

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「っ…………」

語られた彼の過去に、自白に、そして、投げかけられた疑問に、息が詰まる。

私は彼のその体の理由を本当の意味で知らなかった。
私は彼がなぜ失うのを恐れたのか知らなかった。
私は彼にその事を気づかれたことが、なによりも。

「私は……私は、彼女が何を失ったのか、予想、ついていました。彼女が何をされたのか、なぜ姉が居ながら、あそこまで堕ちたのか……帰るべき場所を、望みを失う事がどれだけつらいか、知っていたから」

そう、私は、気づいていた。堕ちるほどの理由は、そうそうなくて。でも。

「でも、私は、それ以上に、私は……知っていたんです、彼女が、どうして、落ちてしまうほどの何を、想いを、秘めていたのか」

それは、ずっとずっと昔交わした、二人だけの約束。

「私は、彼女にも、アルテミアにも明かせていない、彼女の秘密をずっと、知っていたから。そして、それが、外に出るのが、何よりも怖かった……!あのとき私が、あんなことを言わなければ!ちゃんとあの人の願いを聞いていれば!彼女は堕ちなくて済んだかもしれないのに!明かせていれば、あそこまで思い詰めることもなかったかもしれないのに!」

もう全部明かすのを止められない。

「そうです、私は彼女が、なんでエルメリアがああなったのか、わかってしまったから!私は彼女がどんな想いを抱えていたのか知っていたんです!それが明るみになるのが怖かっただけなんです!私は、そのためだけに……自分の為だけに命を使おうと、したんです……!ごめんなさい、ごめんなさい……!」

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