PandoraPartyProject

ギルドスレッド

森の洋館

【RP】迷いの森

『何処へ行くの』『何処へ行きたいの』
木の幹の扉が語りかける。

柔らかな風に木々がそよぐ。
花が鮮やかに咲き誇る。
砂糖細工の蝶が舞う。

天に伸びたキノコの傘を暖める、春の日差しは蜂蜜の色。
晴れ渡る空を泳ぐ青い鯨がないている。
帰りたい。帰りたい。帰りたくない。

不思議の御伽噺によく似た世界。
永遠の少女の夢の世界。

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(鎌を振るう)
(花が鮮やかに花弁を散らす)

(鎌を振るう)
(翅をもがれた蝶が地に落ちる)

(鎌を振るう)
(創造主たる少女がひとり)
――ルミエール。

(背後から少女の名を柔らかに呼ぶ)
(名を呼ぶ声に動きが止まる)
(振り返ることはなく)
(視線は地に落ちて)

……どうして来たの。

(拗ねた口調)
(涙でしっとりと濡れた声)
こりゃまたご挨拶だな、ルミエール。
オマエが俺を呼んだんだろうに。
随分とご機嫌斜めだが、何か嫌な事でもあったか?
(ひらひらと飛ぶ蝶に手を差し出して)
(差し出された手に蝶が止まる)
(俯いたまま、動きを止めた少女の髪にも)

……呼ばなかったら、来なかった?

(問いには答えず、問いを重ねる)
呼ばれなくても来てただろうな。
『鍵』がある上、来るなとも言われてない。
妹分が泣いてるとくりゃ、来ない理由がないだろう。
(空いた手でポケットを探り、いつの日かルミエールが己に寄越した薔薇の宝石魂の欠片を取り出して)
罠、だったとしても……?

(顔を上げて、緩慢に振り向く)
(涙で潤んだ青い瞳が揺れている)
罠だったとしても。
オマエなりに考えがあってのことなんだろ。
なら、いいさ。
(宝石をしまい、ルミエールの傍に歩を進める。
頭に手を伸ばして撫でてやろうと)
紫苑の月……。

(撫でてくれる優しい手)
(強く握り込んだ白銀の鎌から手を離す)
(手放された鎌はカタチを失い、ミルク色の霧へと姿を変える)

…いけないの。
私悪いことを考えてるわ。
貴方、ここに来ちゃいけなかった……。

(それでも、ここへ来て欲しかった)
(白く細い指を伸ばし、優しい兄に縋ろうと)
そうかもな。
(ルミエールを抱きとめ、とんとん、と軽く背を叩く)

好きなようにやってみな。
大丈夫だ。俺は逃げやしない。
(ルミエールが成そうとしている事には既に予想がついている。
夢に捕らえようとするなら、そうすればいい)
うぅ……、う……。
(震えを隠すようにぎゅっと強く縋り付く)

(嗚呼。これは。)
(けれど、赦しを得てしまった)
(ならば、もう。止まれない)

(辺りの風景が蜃気楼の様に揺れる)
(ひとつ、ふたつ、みっつ)
(夢の世界に鍵をかける)
(よっつ、いつつ、むっつ)
(宝物にラッピングを施すように)
(リボンを引き結ぶように)
(傷口に指を這わせるように)
(幾重にも”力”を塗り重ねて)

(掛けた端からその鍵が解けている事には気が付かぬまま)
(“力”の流れを感じとって苦笑する。
正しく世界が閉ざされないのは迷いの表れだろう。
この魔女は、時に余りにも甘すぎる不器用がすぎる)

…オマエは本当に馬鹿だなぁ。

(夢の扉が開かれたままである事には触れず、ルミエールの頭を撫でてやって)
だって、だって………。
分からないの、私。どうしたらいいの?
貴方が辛いのも、苦しいのも、寂しいのも嫌……。
嫌なの……。やだぁ……。

(嗚呼、きっと。この選択は間違っている)
(愛する誰もが苦しむことなく、幸福に)
(その願いには到底届かない)
(けれど、優しい彼が傷付き続ける事だけは防げる筈)
(脆くか細い、一筋の希望)

ここにいて……。ずっとここにいて……。
何にも酷いことしないわ……。いい子にするから……。
…ルミエール、オマエは優しいな。
いい子にするも何も、俺にとっちゃオマエはずっとだよ。
俺がここに留まればオマエは健やかでいられるか?
……貴方がいなくなったら、父様泣いちゃう…………。
(いやいやと首を振り、クウハの服を細い指が掴む)
…そうだな。
きっとあの人は泣いて嫌がる。
(よしよしと優しく背を撫でて)
此処にいてはくれないの………?
父様が泣くから、何だというの。
父様には小鳥がいるじゃない……。

みんな嫌い……。父様も、白亜の星も大嫌い……。
貴方の事を傷付けるばかりで、ちっとも貴方に相応しくないわ……。

(その言葉は本音で嘘)
(優しい彼を苦しめる彼らが憎い)
(けれど、それ以上に愛している)
(辛くて、悲しくて、ぐちゃぐちゃになっていく)

それなら……。それならせめて、契約を……。
貴方の苦しみを私に移して……。
私だって父様の眷属だもの……。
きっと何とかしてみせるから……。
いいよ、って言って?私の猫ちゃん……。
…馬鹿な事言うなよ。
自分一人で手一杯な奴が無茶するもんじゃない。
…大丈夫だよ。誰も悪くないんだ。大丈夫だから。
大丈夫じゃないもん……!
それに、私だって貴方が欲しいの……。
大事にするから……。ねぇ……。
ルミエール……。

(涙ながらに訴えるルミエールを見下ろし、考える。
己に寄り添い健気に愛を注ごうとする。
ルミエールの存在は、己にとって確かな救いだ。
……だが、逆は?
この少女が捧げてくれる愛情に、自分は報いてやれているのだろうか)

俺だってオマエが苦しむのは嫌なんだ。
死期を早めるようなことはしたくない。
………無理はしないと、約束できるか?
(刹那)

(辺りの風景が蜃気楼の様に揺れる)
(ひとつ、ふたつ、みっつ)
(夢の世界の鍵は熔け陥ちる)
(よっつ、いつつ、むっつ)
(五体ラッピングをビリビリに引き裂くように)
(リボンで首を吊り下げるように)
(傷口を指で抉じ開けるように)
(痛みによる”力”を行使して)
──、

(煮えた蒼い炎を纏うソレは、どことなく青白い無表情で其処に顕現する)
………やっぱこうなるよな。
(煮え炎を纏う主人に苦笑して、ルミエールを守るように強く抱きしめる)
………、すく、なくとも。
そのあやふやな契約モノは、認めるわけに、いかない。

(煮え炎は世界とソレ自身のみ焼き焦がし、眷属達の周辺には近寄らない)
(普段であれば激しい怒りを纏っているであろうソレは今は悲哀と苦悩が色濃くソレの内に漂っている。それを燃料に世界と己が燃えていた)
父、様………。
(抱きしめてくれる腕の中、燃え盛る世界と父に悲哀の視線を向ける)
(空を泳ぐ鯨が切なげにないた)
……………………すまないね、ルミエール。
だがアタシを厭うのと同じくらい、おまえの主人としておまえを心配している。
……不甲斐ないチチオヤでごめんね。
…………本当におまえたちが、それで、安らぐなら。せめて内容を詰めよう。

(蒼い炎がソレの頬を舐めて赤黒く焼き焦がす。ソレは無表情のまま苦痛の顔ひとつ見せない。しかし、代わりに周囲を焼く蒼い炎は火勢を増して)
……俺が言うのもなんだが、旦那は本当にそれでいいのか?
(じりじりと手が焼けつつ)

…………………………心底嫌。暴れたいほど嫌。泣きつきたいレベルで嫌。

……だけどおまえが、ムスメの愛に報いたいと願うなら………その気持ちはアタシはわかるから。それをアタシの感情だけでおまえに禁じるのは不平等だろう。

でも、おまえはアタシ眷属だから。その辺が納得できる契約内容じゃないなら許したくないし、勝手に結ぶのはもっと許せないから此処に顕れた。
……だってさ、ルミエール。
どうしたい?
(ルミエールの髪を撫で、柔らかに問う)
父様……。父様痛い……?
違うの、私……。
私、私……猫ちゃんが……。
私より先に、死んじゃう気がして……。
(どことなく歪に、しかし笑みを見せて)
……おまえたちに比べたら大したことないよ、ルミエール。
うん、うん……そうかもしれないね。
でも、クウハにとっておまえは"救い"なのだから。
アタシは、どうやっても苦しめてしまうから。
だからどうしても契約を結びたいのだったら、その心と命は大事にしなきゃあいけないよ。
わかるね?

(どうしたって報復の火は燃やしたいモノを燃やし続けているが、悲哀も、苦悩も、寂しさも、ムスメの前では見せるモノじゃない。己はムスメのカミサマなのだから)
………、
(ルミエールの髪を撫でながら、弱い部分を見せ過ぎたと後悔を抱く。
それがどれだけ困難であったとしても、苦しみを決して悟られぬよう隠し通すべきだった)

…ルミエール。なぁ、俺の魔女。
オマエが俺を愛してくれる事は嬉しいんだ。
だが、オマエの一番は俺じゃないだろう?
オマエは何を願って旦那の眷属になったんだ?
父様……。父様……。
嫌…こんなの嫌……こんなつもりじゃ……。

(青い瞳は真っ直ぐに炎に焼かれる父を見ている)
(──最初の願いは何だった?)
(孤独に苛まれるカミサマが、少しでも安らぎを得られる様にと……)

っ…、ごめんなさい、ごめんなさい……!
父様が嫌なら、やめるから……。
(ああ…と視線の意味に気が付いて、苦笑する。燃えるのは当然なのだ。自身が全ての元凶なのだから)

煮え炎これは、気にしなくていいんだよルミエール。
おまえの所為でも、他の誰かの所為でも無いのだから。
此処を突破する際に使った炎が、アタシを燃やしているだけ。
おまえの強欲を、アタシは否定しないよ。
……それでもまァ、契約は双方の望みと合意の元に行ってほしいけど。
情けねェな、俺は……。

(悲鳴を上げる妹と業火に焼かれる主人とを順に眺めて瞼を伏せる。
愛に報おうという気があったにせよ、何故あれ程曖昧な契約を一瞬でも受け入れるつもりになったのか。
それ以前に。主人以外と契約を結ぶとなれば、こうなることは分かっていたというのに)

…ルミエール。なぁ、ルミエール。
オマエ、俺と契約を結んで俺をどうしたかったんだ?
……わからない。わからないわ……。
私はただ、貴方が……。

(少女の強欲は向こう見ず)
(「欲しい」と思ったから手を伸ばす)
(その先は、手に入れた後に考えればいい)
(無垢で、我儘で、酷く愚かな)

「……本当は、分かっていると思うんだけどな」

(木々の合間から焔を宿した白狼少女の半身が姿を現す)
(煮え炎も構わず、商人へ身を寄せようと)
(自身の傍へ来た白狼を見るとほんのりと表情を綻ばせる。煮え炎は彼を燃やす様子は無い)

……珍しいね、ルクス。
主人達の方へ行かなくていいのかい。

(白狼の頭を撫でようとして、それで美しい毛並みを汚してしまうと気がつくと残念そうに手を下ろす)
…ルクス……。
オマエ、いつからいたんだ……?
(主人に寄り添う白狼を見て、僅かに動揺して)
「いいのさ、銀の月。
少なくとも、今この場で一番傷付いているのは君だろうから。
君自身がどう感じていたとしてもね」

(蒼の瞳でソレを見上げ「撫でておくれ」と白狼が鳴く)
(撫でておくれ。どれだけ汚そうと構いやしない)
(望めば後からたおやかな手で、手入れをしてくれるのだから)

「いつからというなら、最初から。
……あぁ、ルミエールはね。
簡単に言えば、君に休息を与えたかったのさ。
君と共に、安らかな夢を見たかったんだね」

………。
(少女は黙し、何も答えない)
(この場での沈黙は肯定でしかない)
……、うん。
(ソレは目を穏やかに細めると、ゆっくりと白狼を撫でる。煤や燃えて穢れタールの様になった一部が彼を汚してしまうがその手つきは甘く優しい)

(が減少した所為か、勢いががくりと落ちて遠くを燃やしていた火が燃え尽きる)
………、
(主人の悲哀と苦悩が幾らか和らいだ事に安堵の息を吐き)

夢っつーなら今もそうだろ?
その“安らかな夢”とやらには俺をどうにかする必要があったのか?
「ふふ。銀の月、いいコだね」
(穏やかな慈しみの灯る瞳でソレを見上げて尾を揺らし)

どうにかする必要があった、というところかな。
例えば、銀の月と出会ってからの記憶と感情を全て封じる、とかさ?
最初は君を現実から隔離したかっただけだったろうけどね」

……わからない。わからないわ、私……。
ただ、必死で……。
(けれど、ルクスが言うならばそうなのだろう)
(彼は自分自身なのだから)
(瞳に溜まった涙をぐしぐしと拭う)
…幾ら楽になるっつっても、それはあんま嬉しくねーな……。
…、いいコではないけど…ありがと、ルクス。

(ルクスの慈しみの籠った瞳ととろりと甘く視線を交わして、ソレは彼を撫でている)
(しかしルクスを撫でることに夢中になっている様に見えて話はしっかり聞いている様で、ほんの数秒だけ間近に居るルクスは熱を感じることになる)

("痛み"の一時的な昂りは徐々に鎮まってきており、ゆっくりとソレの火傷も癒えていく。このままなら煮え炎は程なく鎮火するとソレの猫はパス越しに感覚でそれがわかるだろう)
「……直前になれば僕が止めていたさ。
きっと、多分ね」
(クウハに向けて、というよりはソレに向けて言葉を紡ぐ)
(ぐずる子供を宥めるように)

「欲というものは恐ろしいね」
(白狼の穏やかな声はどこか空虚に世界へ響いた)

(この事態を引き起こした少女は気まずそうに、もじもじと指を絡み合わせている)
そこは断言してくれよ……。
(ぼそりと呟いて溜息を吐き)

……そーだな。
最近の俺はそれに振り回されてばっかだ。
いつになったら慣れんだか……。
(ルミエールの頬を軽くつまもうとしつつ)

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