(クレティアンのとある一室にて)

（鼻歌交じりに自室に掃除機をかけている）

ああ、いえ。そんなに長居をするつもりでは……。
というか、来るつもりも無かったので。顔を見られれば、それで。
だから、ええと……帰ります、ね？

えっ……そう言わず、是非お茶でも呑んでいってくれないかい？
それに鍵も渡してあるんだ、家の延長と思ってくれて構わないんだよ？

共に暮らしている訳でもなし、それに……数ヵ月は居なかったのですから、居ない方が自然でしょうに。
ではお茶だけ頂いたら、お暇しますね。

そんな寂しいことを言わないで……うん、でも、少しずつ、かな（しゅんとしつつ）
うん、それじゃあ、これを。

（テーブルにお茶を置いて、相手のすぐ隣に座ろうとする、それこそくっつきそうなくらいに）

……あの。ヴェルグリーズ、近いのですが……。
寒いのなら、空調を調整するのがいいかと思いますが。

別に寒いわけではないよ
ただ…少しでもキミの近くにいたいと思ったらつい、ね（ふふ）

全く、困ったひとですね。
あなたのやりたいようにやればいいではありませんか。
どうせ私が止めても聞かないのですし。

おや、バレている。でもそうして俺が自分勝手に振舞っても
キミは俺を悪いようには言わないだろう？
そうして甘やかしてくれるところがとても好きだよ

怒られたいのであれば、存分に。と、言いたいところではありますが。全く。
それに。最近だけを見るのなら、怒られるべきは私でしょうしね。

豊穣でのことを言っているのなら気にしなくていいよ。
こうして戻ってきてくれた、それだけで十分だよ（お茶を一口飲む

あら、そういう訳にもいきませんわ。
貴方のことを傷つけたのは……不本意ですしね。
たとえ記憶があろうとなかろうと、悲しませてしまいましたもの。

例えそうだったとしてもキミにそんな罪悪感を持っていてほしくはないな
どうせならこうして一緒の時間を過ごす喜びを分かち合いたいしね

……そうですか。ならば、そのように。
何か貴方のおねがいを何でも叶えよう、なんて思っていましたが、これは不要そうですね。

む……それはそれでなんだかもったいないことをした気がする（むむ

あら？
では記念に……というわけでもありませんが。
今叶えられるものなら叶えて差し上げますよ、ヴェルグリーズ。

お、言ってみるものだね。それじゃあ…（うーーん）

……このまま肩にもたれかかってもらってもいいかな？

あら、私が……ですか？
まあ、お望みならば……。
（ぱちぱちと瞬きをしてから、ゆっくりと肩にもたれる）

うん、ありがとう。それじゃあ…（肩に預けられた相手の頭に自身の頭をゆるく預ける）
…しばらく、このままでいてくれないかな？

……はい、構いませんよ。
貴方がいやになるまでは、こうしていましょうか。
（ぽんぽん、と撫でて）

……さっきはああ言ったけどね。やっぱり寂しかったよ。
空がいなければ暁月殿に泣きつくところだった…。

……ええ。本当に、ごめんなさい。
空もそうだけれど。貴方には、沢山迷惑をかけてしまいましたね。
寂しかった分がこれで埋まるとは思いませんけれど……でも、誕生日プレゼントだって、残していったでしょう？
……戻ってこられると思っていなかったから、手渡しでも良かったかもしれないけれど。

気持ちは嬉しかったんだけどね…キミがいないことを突き付けられて少し辛かったな…
あとあの書置き、去り際にあんなことを書き置いていくなんて…少し酷くないかい？

耳が痛いというか。返す言葉もありません。
なにも残さずに行くよりかはいいかと思ったのですが……ごめんなさい。

何て書いていったか、覚えてるかい？

……まあ、自分で書いていきましたから。

あの言葉は今も有効だと思っていいのかな

はい。……二言は、ありませんが。何故ですか？

うん？……ちょっと自惚れ手もいいのかなって思ってね

な……ど、どの辺りを指しているのか、私と貴方で認識が違ったようですね。
まあ……自惚れれば、いいのではないでしょうか。嫌いなら、……口付けも、かみちぎるくらいの気概はありますし。

噛みちぎられるのは怖いなぁ…でも、そうか……そうか。

な、なにをしみじみと……！

いや、変わらずキミが俺にとっての唯一無二の相棒だと
しっかり感じ入ってるだけだよ？

……何を言っているのかさっぱりですが。
貴方が満足そうならそれで構いませんわ。

そうだね、キミがここにいるというだけで満たされる気分だよ。
……俺も愛してるよ、星穹

……あの！？　別に、それは、なんというか、その……愛さなくて、いいので。からかわないでください。

からかってるつもりはないんだけどね。どっちかというと仕返しかな？
受け取ってくれないと寂しくて泣いてしまうかもしれないね

愛してるなんてことばを易々と言うものではありません。それはこう……大切な人や、想いを寄せる人に使うものですから。
な、泣くだなんて……貴方の泣いた顔、見たことたりませんけど、信憑性に欠けますわ！

大切な人だよ？（首かしげ）

…………はぁ。先が思いやられます。

先がある、素敵なことだよね

あの時反転でもしておけば良かったのかしら。全くもう！

…こうして俺と一緒にいる未来は嫌かい？（顔が近い）

……………………嫌なら私、意思表示はする方ですよ。

……うん、そうだね。
やっぱりキミがいないと、俺はダメみたいだ。

何をいっているんだか……。
私がいなくても、ちゃんとやれていたのでしょう？

そんなことないよ。そうでなければ暁月殿のところで飲み明かしたりしないよ。

今度菓子折りを持っていかないといけませんわね。
そういえば……私、貴方が酔っぱらっているところを見たことがありません。

うーん…大体キミの方が先に酔っぱらっているからね…

じゃあ私、今度は飲みませんから！
そうして……暁月様に甘えるのではなくて、私に甘えたらいいじゃないですか。

……それを狙ってやるのは…どうなのかな？（首かしげ