ーーーーちりん。
開け放たれた縁側へと続く障子から入り込む涼風が、もう日暮れも近いのだと言うことを告げる。
持ち込んだ本の山はもうほとんど崩れてしまっている。窓の外、橙と藍の空が見えた。
凝り固まった背中を伸ばし、深呼吸をする。本の何処と無く古惚けた匂いと、畳の青い香りが鼻腔を掠めた。
帰ろうか、どうしようか。もう少しだけ、本を読み耽るのも良いかもしれない。
気休め程度に荷物を纏めて、ううんと唸る。

さぁ、これからどうしよう？

▼のんびりまったり読書スペースです。
▼本を読んでもいいし、本を探しがてらの通りすがりにこの部屋を除いたと言った感じでも大丈夫。どうぞ、のびのびご自由に。
▼縁側に面していますので、初来客の方でもここから入り込んでしまった、と言った感じでも大丈夫です。

（ちりん、ちりん。風鈴の音に耳を澄ませながら、一人の少女が縁側で読書に耽っている。いつもは店の整理などでせわしなく動く彼女も、この時間はただただ、本の世界に浸っていた）

…ふぅ。(一通り読み終えたのか、小さく一息ついてそっと本を閉じる)「幻霊奇譚」シリーズ…たまたま手にとってしまいましたが、なかなかに読み耽ってしまいましたね。

（ふらり、ぼーっと歩いていたように思われる少女がふと我に返って辺りを見渡し、本を持つ女の子を見た）

やぁ。こんにちは、お嬢さん。良い日暮れだね（へらりと笑い、瞳がきらきら瞬く
このあたりの散策をしていたんだが、どうやら入り込んでしまったようだ。すまないな…
（申し訳なさそうに笑った顔で）

…今どこからか声が…(ふと声かけられた場所へ振りむき)
…こんにちは。それと、いらっしゃいませ。
この辺りは迷い込みやすいので、そういったお客さんも多いですが…大丈夫でしたか？

んー？だいじょーぶ。散策においては迷うのも楽しいものさ(へらりと笑い

お嬢さんはこのお店のひとかい？

そうですか…。ええ、このお店の従業員をやっています。(控えめに頭を下げ挨拶)今は店主がいないですが…何か本をお探しなら、いつでも言ってください。

んっ、そーなのか。りょーかい(明るく笑みを浮かべ

おや、店主が不在なのかい？…んー…そうだな。何かお勧めの本とかあったらするのかい？
…といっても、恥ずかしながら字を読むのは少したどたどしくてね

ええ、ですのでいない間は私が代理で対応しています。
（お勧めの本はないか、と聞かれ）そうですね…手軽に読めるものであれば、やはり文庫本でしょうか。あまり字が多いのは苦手ですか…？

あぁ。故郷にあまり本がなかったからね、書物を読む機会が少なくてな
あぁでも。物語は好きさ。私の知らない世界があるの、わくわくするから（へらりと

こちらの世界はみんな読み書きができて羨ましいよ。少しずつ文字を覚えていけたらいいなぁ
…話がそれてしまったね。なにか字が少ないもの、といったらわがままかい…？（心配そうに

…確かに、この本の数だけ物語があると考えれば…宝庫かもしれませんね。ここにはこことは違う別の世界の本が流れてくることも、稀にですがありますから。

その話しぶりだと、ウォーカーの方…ですね。いえ、問題ありませんよ。少しお時間を頂ければご用意しますので…。

そうだねぇ、そう考えたら楽しいよ（へらりと
そうなのかい？別の世界の本か…なんだかすごいな。読めるのかい？（興味を惹かれたように瞳を輝かせ

あぁ、旅人のシキ。シキ・ナイトアッシュというよ。
ほんと？ありがとう、楽しみ（うれしそうに

えぇ、とはいえ本によっては貴重なものもありますから…今のところは一部は取り扱っていますね。

シキさん、ですね。ご丁寧にありがとうございます。
私はこのお店の店員をしています、旅人の四ノ宮碧月です。
えぇ、それでは少しお待ちくださいませ…（そう言ってとててと小走りで本棚へと向かい）

へぇ…そのうち文字が上手になったらみてみたいな（へらりと

碧月…良い名前だな。よろしくな、碧月（へへー、と笑い。瞳が輝く
うんー！（わくわくと碧月の様子を眺め

（いい名前だと言われて）…ありがとうございます。シキさんも素敵な響きの名前だと思いますよ。
…不思議な瞳をお持ちなのですね（先程から輝く瞳の輝きに、ふと興味を示し）

（しばらくしてから本を見つけたのか戻ってくる）
…お待たせしました。なるべく字が少ないもの…と言われましたので、こちらの本はどうでしょうか。（そう言って美麗な絵が描かれた絵本を差しだし）

そうかい？えへへ、ありがとうだな(嬉しそうに
んー？これかい？(自分の瞳を指差し)
綺麗だろ、うちの民族は色は違えど、みんなこんな風に輝くんだ(ほんの少し自慢げに

わぁ…！綺麗な絵だね(差し出された絵本を受け取り、しばらく眺めたりめくったりしてみて
うん、これなら読めそう！絵も綺麗だな…ありがとう！(嬉しそうに無邪気に笑い