ギルドスレッド
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造花の館
(寝室。
柔らかい影を落とすカーテンの下にしゃがみこんでいた。
隣にはくしゃくしゃになった紙袋。表面にはひしゃげた書店の名前が印刷されている。
【家庭でできる看護】
夫に隠れ、背を丸めながら熱心に読み込んでいるのはそういうタイトルの本であるらしかった)
(きっと)
(きっと互いに怪我をしたりする日もあると思ったのだ。
その時に、病院に全てを任せてしまうのもアリだが、不完全な姿を見せる事を厭う性格であるならば家で面倒が見れた方が良い。
だからこそ、自分が相手の面倒を見ることができれば、そして出来るだけ「いつも」と変わりない生活を与えられれば尚よい)
(だけど、怪我をしない内から準備して「怪我をして帰ってくるに決まってる」なんて自分が思っていると思われるのも嫌なのでこっそり読んでいた)
柔らかい影を落とすカーテンの下にしゃがみこんでいた。
隣にはくしゃくしゃになった紙袋。表面にはひしゃげた書店の名前が印刷されている。
【家庭でできる看護】
夫に隠れ、背を丸めながら熱心に読み込んでいるのはそういうタイトルの本であるらしかった)
(きっと)
(きっと互いに怪我をしたりする日もあると思ったのだ。
その時に、病院に全てを任せてしまうのもアリだが、不完全な姿を見せる事を厭う性格であるならば家で面倒が見れた方が良い。
だからこそ、自分が相手の面倒を見ることができれば、そして出来るだけ「いつも」と変わりない生活を与えられれば尚よい)
(だけど、怪我をしない内から準備して「怪我をして帰ってくるに決まってる」なんて自分が思っていると思われるのも嫌なのでこっそり読んでいた)
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ところどころ幻想様式の改築跡が見えるので、探せばすぐそこだとわかる。
二人で済むには十分すぎるほどの広さ。
庭には丁寧に手入れをされた花が咲き、華やかな彩りで迎える。
手伝いのものが出入りする様子や、この家の住人である綺麗な少年少女が生活している様子が覗き見えるが……不思議なことに、親らしき人物が出入りするところを誰も見たことがないという。