PandoraPartyProject

ギルドスレッド

造花の館

無題よりの帰路

これの後だ。
https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/9233


客は帰らせた。
心底疲れた。
湯を焚こう。全身を熱に浸し、血と潮の香を落とそう。
しかる後酒を煽り、陶酔に微睡みながら眠るべきだ。
そうすべきだ。
なのだから、もう、帰れ。

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ば゛か゛だ゛も゛ん゛……。

(押し付けていた顔を上げた)

ばかだからお前の言うこと聞けないし、期待に応えられないし、見限られちゃうんだもん。
お前が匙を投げる位ばかだもん。
(……視線だけがそちらに向いて、また眠そうに伏せられ消える。)

言うこと聞かない以外全部てめぇの妄想だろうがよ。
う゛そ゛つ゛き゛!

(再び背中に顔を押し付けた。くぐもった叫びが生暖かい吐息となって吐きつけられる)

役に立たないから一人で全部決めて一人でいっちゃうんでしょ!
その方が効率がいいからって!ばか!
負担は分けてほしいのに一人で持ってくんだからきらい!
…………ああ…そう。
(めんっっっっっっっっっどくさい。
 恐らくはこちらが非を認めるなり、あるいは何某かの約束事をとりつけるなりすりゃ落ち着くのであろうが。いくら面倒くさいとはいえ、強請られたから譲歩するような真似はしたくないし、今後このような泣き落としが通じるとも思われたくない。

 先ほど胃に流し込んだ糖分をどうにか分解しながら、とっかかりを探す。探してみる。今は億劫だ。休ませてくれ。)


…………まあ、お前の言い分はわかった。
窮状においてコミュニケーションを欠いた皺寄せを、こういう形で発露させているのだろうということもわかった。これもある意味対話には違いない。力技が過ぎるがしばらく前では考えられなかったからな。
…でもお前。
そう言い張るならなんで自分から一言でもこっちに話を振らなかった?
まさか、思いつかなかったわけじゃあないし、できなかったわけじゃあないよなぁ?
(眠そうに開く瞼の隙間から、ぬらり揺らめく三日月が睨む。)
言ってくれなきゃわかんないもん!
魔性との対応はお前の領分でしょ!
対応を間違えたらダメって、お前の契約とか知らないし、お前も考えがあったみたいだしっ!
だから我慢したの!我慢して、話してくれたらすぐ動けるようにしてたの!

そ゛れ゛な゛の゛に゛こ゛ろ゛し゛て゛く゛れ゛っ゛て゛い゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!
(ゆらめく月が、言葉の端々をじっと目で追う。じっと。)



……ふーん。
(それもまた、瞼の向こうに隠れて消える。)


折れてやる。
確かに、最適の回答を構えていたとはいえ…その手段を共有しないことで生じるリスクに目を向けるべきであったし……それによってお前がどういう状態に陥り、どういう行動をとりうるかという要素については考慮に入れるべきだった。
加えてボクのあの状態……自分でそのように仕組んだとはいえ、他人に対し無様に死に乞いをするなんてのは「らしくない」動きだし、その姿勢そのものが醜く見るに堪えない………実際に、あの場でキレ散らかすほどにな。
だが……(指先がまた砂糖の瓶に伸びた)

(砂糖の瓶は反対側に倒れた)

(これ以上手を伸ばす気にもなれず、べたりと力なくテーブルの上を叩く)


………こうして結果を残せたのは事実だ。言い当てたのも、形はどうあれ勝ったのも事実だ。
総合してこの結果を『最善ではなく、配慮が足りず、悪手でありもっと他にやりようがあったが、次善ではあった』と認める。認めるとする。
かわらずお前はボクを許さなくていいし、ボクも別に謝る気はない。
許してもらおうとも思ってねえからこの状況を解決できない。
なのでもーお前が居つこうが、このまま引っ付き虫になろうがしらねー。
(がばりと無理矢理体を起こす)

ボクはこのまま風呂へ向かう。風呂入る。絶対入る。
(ずるずると歩く)
んぎいいいいい!!!

(腰にまとわりついたまま、ひざをすりすり引っ張られていく……が、流石に脱衣所の手前で取れた)

…………。

……………。



……………もうお風呂入った?もうあがる?入っていい?

(一分も立たないうちに外から扉をかりかり叩く音がする)
(扉越しに流れるわざとらしい鼻歌)

(きっかり30分後に扉が開く)

(湯上りほかほかほんのり薔薇エッセンスの香り)

(そしてラフな格好)
はれんち!!!!!!!!!!!!!!!!
ボクん家ですが????????????????
(無視して厨房へ)

(ボトル1本を、ベーコンを堅パンで挟んだやつで開け始める)
(ラフな格好になった貴方にしがみつくのに抵抗があるらしい。
 じり、じり、と距離を詰められないまま、一歩分の距離を開けてじっとみつめている)

おいしい?
まずい。
(恐らく保存食であろうがっつり塩味のベーコンと、かっさかさの堅パンを、安い酒でぐっびぐっびと流し込むと、「ぷふぅー」とかそんな感じの息を吐く。)
…‥……よし。

寝る。
(意地でも私生活を継続するらしい)
職員用仮眠室にそんなルールねえよ。
じゃあ寝る。もう寝る。疲れてるんだよ。
(自室へ向かう)
「きらい」とか「あっちいって」つってたじゃねえかよテメー。
いきたいほうがこっちなんだもん!!!!!
やだぁぁぁぁぁぁぁ!!!いっしょにねるぅぅぅぅぅぅぅ!!!!
………は”?
(……頭が痛い。
 今この瞬間、あの画伯に付き合わされている以上のストレスを感じているのではなかろうか。
 なんだこいつ。悪魔以上の悪質さを備えているのか?)


………………………お前、曲がりなりにも野郎の褥に潜り込むんだ。
つまりそれは、今宵共に交接したいという提案でいいんだよな?
んああああ、あけてよぉ!!あけてよぉ!!!
なぁんでぇ!!!どぉしてぇ!!!ドスケベってなんでぇ!!!!

(ぴゃんぴゃん泣きながら扉をたたく。めっちゃたたく。
 でも破壊する気がないので保護結界はやぶれないのだ。やったね)
(……一方部屋の中。

 ほとんど倒れる形でベッドの上に落ちた己は、もう限界だった。
 いやもうほんとさ、自分に対してこういう評はほとんどしないけど、よくやったよもうマジで……、
 もうこれ以上バカの相手する気力は本当にねえよ今日はもうダメだって……

 言い訳と言うかほぼ正論を言い聞かせる。
 このまま眠りに……ああうっせ!ほんとまじでうるせえ!)


(そう思いながらも気疲れが勝ったのか、どうにか眠りについた………)






(なお、この時分にラフな格好で寝落ちたので、ちょっと風邪重傷を引いたし
 屋敷からしばらく「交接ってなに!?」「交接ダメなの!?」という叫びが聞こえるものだから変な噂になった。)

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