PandoraPartyProject

ギルドスレッド

造花の館

これを逢引きと言い張るならそう

営利目的ではない逢引き。

これほどまでに生産性のないものはない。
ついでに言えばこちらに恋愛感情はないし婚姻を前提とした関係も求めてない。
参加することで利益を見込めるかと言えば、必要経費に対する見返りも薄そうであるし。これによってさらなる進展を得られるかと言えば、そんなことしなくともあいつは『仕事』に対する付き合いは良い方である。
さらにいうとボクがそういうことをしたいかと問われれば『その気はない』と答えざるを得ない。

つまりこんなことに一切のモチベーションもないわけだが。

そこでボクはあれがここに至るまでずっと着たきり雀であったことに再び注視した。
あれに教育を施すことによって得られる利益は、ここまでの経緯を考えれば「ない」とも言い切れないため、今回はあれにその分野における視野と選択肢を広げるよう促すつもりである。
それくらいの理由があれば、まあ、時間と労力を割くことも吝かではないと言えよう。

すでに百合子には依然渡した衣装で来るよう言いつけた。
変に律儀なあいつのことだから着てくることは着てくるだろう。
あとはボクの手腕とあいつ次第だ。


●ロケーション
練達(再現性東京)のショッピングモール

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うん。

(素直に頷いた。
 素直なのは数少ない美点の一つである)
……よし、発想を変えるぞ。

まあいままでどこかしらに出かけた経験はさておいて、今日は逢引きだ。
これはいわば相手に対し、自身とプライベートを過ごすことの素晴らしさを主張することができる、特別な機会といってもまあそこそこ過言ではあるわけだがともかくそういうやりとりだ。
先も言った通り、そういう「特別な機会」において服装や髪型、時世に合わせた格好をすることよって自分をよく見せること、良く見せようとしているという意思を見せることが相手へのアプローチに繋がるということはひとまず納得しろ。
納得したな?納得したよな?よし、偉いぞ。
じゃあ、ここで質問だ。
その特別な機会に、いままでと全く同じ服装、誰にでも見せる服装、制服で出たとしてだ。
それで第一印象から「お前は私にとっての特別なんだ」「今日は特別な日なんだ」を相手に印象付けられると思うか?
いつもと変わり映えしない格好でだぞ?
……印象付けられない?

(人間ってそういう風習があったんだ。なるほどね。くらいのアホドック面で頷いた)

じゃあ、お前からみると吾はずっと普段の、平坦なままの態度だったという事か?
どっか泊まりに行くときもずっとあの格好だったし、平坦どころか着せ替え衣装のないビスクドールかと思い始めてたところだよ。
いっとくがボクだけじゃねーからな。
お前の交友関係まで知らねーけど、お前がよく会うであろう諸々のやつら全員がそう思ってるからな。
でまぁ、話を戻すぞ。

お前にとって今日が特別なものであると主張したいのであれば、まずは形から入れ。
その為に、今日に相応しいと思う洋服をまずは自分で選べ。
手伝いはしてやる。
……それは困る。とても困る。

吾にとっては服装は所属を見る為のものだったから……。
だからきっと、吾があれ以外を着るのは周囲に不利益だし、それを差し置いても一番の礼装だからと……。

(思ってたんだが、と暗く言葉を詰まらせた)
わかった。
相応しい洋服を選ぶんだな。吾が。

……吾が!?
お前、ボクの隣に相応しい衣服を選ぶだけでそんな困ることある????
そうでなくとも人付き合いしてりゃあ興味のある衣服の10や20くらいあるだろ。
自分が他の服を着てる所を想像したことがなくてだな……。

ええっと、春夏物、カジュアル寄り、女性物まで絞れた。
はぁ―――ー---……ここまでなっげぇよ。
……じゃあ、次だ。実際に服を選ぶぞ。
似合うかどうかはさておいて、お前の感性が「良い」と言ったものを選べ。

……一応ショッピングカート引いてくか。
(まず環境から固めた方が考えがまとまりやすくなる事には違いない。
 今日は『休日の再現性東京』なのだから、その場に即したものがよいだろう。
 移動の事や体温調節の事を考えれば動きやすく、かつ重ね着できるものが適切か。
 カラーは春らしく淡い色か、デザインにもよるが濃い色は……

 そこまで思考を巡らせて、はたと、特別とは何だろうと気づいた)
 ……吾の感性で?

(混乱を加速させる様に追加の要素が与えられる。
 場に適切なモノ(これは分かる)でも、自身が似合うもの(これは分からない)でもなく、良いとはなんだろう。
 明確な基準がなくてはわからなくて、ただ一つよいと分かっているものと言えば)

 ……これとか?

(手に取るのはリボンタイが付いたカラーシャツ。襟もとはレースやフリルで彩られ、とてもカジュアルとは言えない)
へぇ………(カジュアルかどうかや用途はさておいて)悪くないんじゃないか。
じゃあ今度はそれに合いそうだ、と思えるものを探してみろよ。
(よい、と思うものの輪郭を辿る。
 指先は自然に濃紺のジャケットと黒いロングスカートを選び取る)

 ……うーん。

(女性寄りのコーディネートではあるが、ここまでくると明確に貴方のシルエットに寄せていると知れるだろう)
いやまあ、もしかしたらボクの気のせいかもしれねえが。
その洋服の選び方はボクの着ているものそのものに寄せてねえか?
いやいいよ?ボクのセンスがいいっていう分には別に構やしねえよ?
でもお前それほんとに自分でいいと思って、着て見たいと思って選んでるか?????
いいと思ってるし、着てみたい服だけど。

その、再現性東京に出かける為の服の基本は分かっても、自分が好きかどうかわからなくて。
……分かってる部分によせるとこう……こうなる……。
………じゃあいい。
狙ってペアルックにしようとしているわけじゃないなら構わん。
好きに選んで、決まったら試着してみろ。
(とりあえず選んだ服を試着してみる事にした様子で試着室に入る)

(着方は制服に通じるものがあるので何となくわかる。
 リボンタイ付きのシャツに、暗色のチュイールスカート。
 良家の子女めいた印象を与える服装の自分を鏡ごしに眺めて首を傾げた。
 これは似合っているといっていいのだろうか。
 自問自答するが何とも自信がない。傲慢にも「似合っている」と言われる自信はあるのだけれど)
……なんか同族になったみたい。

(試着室から出て、貴方を見つけるなりそういった)
自覚していないだろうことはわかったし、言わんとしていることもまあわかる。
もともとの素材も良いから、悪くはないくらいの評をおしてやる。
で、お前自身の感想は。
しっくりこない。

(それが感想の全てだった)

別に嫌いな型を選んでるわけじゃないんだが……。
色か?風合いもなんだか違う気がする。
自分で服を選べたことそのものにはマルはつけてやるとして…
……そうさな。お前の髪色はボクよりも黒味が深いのもあって、上下を濃紺系の暗色で揃えるとどうしても輪郭がぼやける。長袖のジャケットとスカートもそれ自体は悪くないんだろうが……この取り合わせは重いから、せめて上は……ちょっと待ってろよ。

(すこし時間を置いて、白藤色の大判ストールを抱えて肩にかける。)

これで多少誤魔化しはきくか?
……ちょっとすっきりした。

(鏡の中の自分がぱちぱちと瞬いて)

ストールでこんなに印象が変わるなら、シャツは白にした方が良かったかも。
でも、白だけだと面白くないな。いつも着てる色だし……。
色で印象が大きく変わることは理解できたな?
自分が良いと思ったものを着るということは、それに合うものも一緒に誂えるということだ。
明度と彩度だけをズラした同一色相で揃えれば統一感が生まれ、その色彩の中であえて反対色の色を混ぜれば互いを引き立たせるアクセントになる。あるいは噛み合わない色の間に、緩衝材となる色を置けば全体の調和がとれる。

ボクはお前がそのシャツを着たいのだと見て、まずはそこに合わせてストールを選んでやった。
あとはその配色を意識していれば、お前が「よい」と思った衣装選びは形になる。

今度はそのストールになにか合わせたいなら、レモンイエローか……彩度抑えめの色合いから何か選んでもいいんじゃないか。白色はすこし明るすぎる。
絵を描く時と同じだな。同色系ばかりではどこを見ればいいか目が迷う。
バランスを崩さないように色を挿して……。
そうか、白だと明るすぎるな。薄い色だものな。
でも、全体の色が淡すぎてもぼんやりした印象になってしまうから、締めるために少し濃い色を置いた方が良いかもしれない。

……今度はこのストールから、どんな服が合うか試してみたいんだけどダメ?
飲み込みが早いな。
いいぞ、好きにやれ。自分の服くらい自分の好きに選ぶものだし、それも買い物の醍醐味だ。
(白藤色と近い系統……灰青のワンピースを選ぶ。
 スタンドカラーのノースリーブで腰に太い紺色のリボンがベルト代わりに巡らされている。
 その上からストールをカーディガン代わりに羽織り……)

……どう?
ほう………
(瞳を低く伏せて、品定めをするように爪先から天辺まで、輪郭をなぞる)

………いいぞ。
教えたことはちゃんと伝わっているし、そもそものセンス自体も悪くない。
「期待した以上」だと言おう。よくできている。
強い言い方をするなら見違えた、と言ってもいい。

ストールに暖色系のブローチでも挿せば華やぐだろうし、髪を纏めればよりすっきりとした印象になる………触りがいもある。
その出来栄えなら、ボクの逢引きの相手として認めてやっていい。
今度は胸を張って歩けよ。
(自分を品定めする視線に耐えきれず視線を他所へやった。
 頬も紅を挿したようになっているかもしれない。
 きっと自分自身の事であれば自信をもって、あるいは結果が定まっているという確信から無関心に受け流せたに違いない。
 だが、自分が、それも自分の好みで選んだものを品評されるのは経験したことが無かったので緊張していたし……何よりも普段よりもずっと自分をさらけ出しているようで気恥ずかしかった)

……そう。

(だから賞賛の言葉を貰っても言葉少なになる。
 頭の中は返事を考えるよりも、言われた言葉を自動的に繰り返し再生するばかりで壊れてしまったみたいだ。
 どうしようもなく追い詰められているのに、無意識に口元を押さえる掌の下で、唇は微笑みの形を取って)
じゃあ、これ買う。
……それから、髪飾りも、見たいんだけど……。
乗ってきたな。いい調子だ。
ついでに靴も誂えるぞ。さすがにそれにスニーカーはあわないからな。
うん。

あの服なら髪型はどうした方がいいかな。
後ろ髪を残す(ハーフアップ)か、全部まとめちゃうか……。
最近少し練習してるんだが、編み込みみたいなのは上手にできないからシンプルなので。

(服売り場からアクセサリー売り場までカートを引きながら尋ねた)
その格好だと普段とはずいぶん印象が違うからな。
いっそ大人びた印象を狙ってヘアメイクをしてもいいんじゃないか?
状況に応じたアレンジが利きやすいのはお団子ヘアというやつだな。
ゴムやリボンひとつで簡単に作れるし、気分に応じて弄りやすいのもいい。
(思いの外具体的なアドバイスに答えが一拍遅れて)

……お団子ヘアなら吾でもできる。凝ったやつは難しいけど、知り合いから少し教わったんだ。
まとめるならリボンがいいな。かわいい。
簪みたいなのでもいいけど、アレでまとめるのはまだ少し自信がない。
あれを練習するなら、麻糸の束で練習するのが手っ取り早い。
だが……髪を纏めるために整髪料を使う必要がある。
整髪料が肌に合わないと髪が痛んだり肌が被れるから、まずは自分に合うものを探す必要があるだろうな。

しかしなんだ。
お前、自分で思ってたよりも楽しんでるだろ。
……うん。
買い物なんて何していいのか分からなかったけど、段々分かってきた。
本で読んだり舞台で見るうちは分からなかったけど、逢引って楽しいんだな。
まあこれを逢引きと言い張るなら、それはそうだろうが。
じゃあ、この後ここで買った服そのまま着せて、予約してた甘味処に連れてく予定だつったらどうするよ。まだまだ序盤程度だぞ。
こまる……。

(心底困った様子で眉を下げた)

そんなに嬉しくて楽しい事が連続してあるなんて思ってなかったから困る……。
そりゃあ残念だったな。
そのうち困るなんて言えなくなるぞ。

……で、どのリボンにするんだ。
青色のがいい。
制服にも合わせたいし……そうだな。
これとか?
(天色のリボンを手に取って髪色と合わせて見せた)
ふーん………
柄モノもありかと思ったが、普段使いも考えるならそれくらいシンプルでもいいか。
派手さを求めるなら赤色でトリコロールカラーにしてもいいんだろうが……お前の趣味に合わなさそうだな。髪色に飲まれない明るさだし、それでいいとおもうぞ。
じゃあ、これにする。

……あの、こういうのは替えのも必要だろう?
…………お前はどれがいいと思った?
へぇ?

そうだな……イメージを崩さないまま、それでも身だしなみを気にするのだという意思を主張しつつ、尚且つ全体像を崩さない華やかな代物…替えという以上色調も揃えておけば尚よいとなると……これだろ。
(光沢のある、サテンのレース付きリボン。水色を下地に白糸銀糸で縫い込まれたアラベスク模様が、涼し気に光を照り返している。)
なかなか攻めるな。
それくらい積極性がある方がこっちも触り甲斐がある。
ただ、そうだな…気分転換用にも別の色も2~3種買い足しておくか。
着るものの幅が広がれば、装飾の幅も広がるだろうし、あって悪いことはないだろ……
(先ほどのリボンをリボンロールを、ついで黄や緑のリボンロールも籠へと入れていく)

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