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鍛冶小屋スカーレット
独楽などと。
(回転に合わせての投げの余韻は、ふわりと回ってすとんと落ちるスカートに現れていた。己も独楽のように回っていたのにも関わらず、佇まいは楚々として乱れない)
自分に出来ることはただ一つ、一所懸命それのみであります。
まだまだ、共に踊って頂くでありますよ。
(そう言うと、構えず踏み込む。己の間合いではなく、剣の間合いで一旦止まると、左手でブレンダの右手の剣を叩いた。
さすがに取り落としはしないが、柔らかく持っているはずの剣が大きく泳ぐ。何より今しがたの痛みが響くだろう。
それに合わせて右脚は蹴り脚として前に出る。低空を滑る足はブレンダの足首近くの脛を蹴りつけるそぶりを見せ、すっと引き戻された。
一旦独立歩の体勢になり、上げた脚は更にブレンダから見て右側に大きく回り込む。
小さい身体を更に小さく。坐盤式を取って更に小さく。身体を縮める勢いを重たい腕の落下と併せて更に加速。回転しながら下から上に打ち上げられる打撃。
狙うところは太腿の、筋肉と筋肉の継ぎ目、皮の下がすぐ骨になっている部位だ)
(回転に合わせての投げの余韻は、ふわりと回ってすとんと落ちるスカートに現れていた。己も独楽のように回っていたのにも関わらず、佇まいは楚々として乱れない)
自分に出来ることはただ一つ、一所懸命それのみであります。
まだまだ、共に踊って頂くでありますよ。
(そう言うと、構えず踏み込む。己の間合いではなく、剣の間合いで一旦止まると、左手でブレンダの右手の剣を叩いた。
さすがに取り落としはしないが、柔らかく持っているはずの剣が大きく泳ぐ。何より今しがたの痛みが響くだろう。
それに合わせて右脚は蹴り脚として前に出る。低空を滑る足はブレンダの足首近くの脛を蹴りつけるそぶりを見せ、すっと引き戻された。
一旦独立歩の体勢になり、上げた脚は更にブレンダから見て右側に大きく回り込む。
小さい身体を更に小さく。坐盤式を取って更に小さく。身体を縮める勢いを重たい腕の落下と併せて更に加速。回転しながら下から上に打ち上げられる打撃。
狙うところは太腿の、筋肉と筋肉の継ぎ目、皮の下がすぐ骨になっている部位だ)
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鍛冶小屋からは鎚の音がする
海の向こうで起きた戦いも終幕し、穏やかだが騒がしい日々が返ってきた
しかし小屋の主は少々浮かない顔をしている
その悩みを忘れるためなのかここ数日響き渡る音はいつにも増して大きい
……しかし出来上がるのは鉄くずの山ばかりで心の靄は一切晴れない
「ああ、そう言えば今日は人が来るんだったか……」
研磨の手をひとまず止め、鍛冶を切り上げ母屋へと向かいこれまでに掻いた汗を流す
「酒の貯蔵は何があった……シードルでいいか?」