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【Pan Tube】カメラさんと異世界の遊び場で三本勝負!
登場人物一覧
探求都市国家アデプト、そのネットワークの片隅にある最近何かとお騒がせしている超人気動画サイト。
その中でもメルヘンで可愛げなウインクと『ゲームセンターが凄い!』という独特なフォントの太く大きな文字が人目を引くサムネイルをクリックするとこれまたかわいい流星のエフェクトと共に華やかな音楽が流れ出す。
そして空から舞い降りる様なカメラワークと共に手を振りながら登場する二人の少女。二人の背には美しい蝶の翅が生えており、まるで本物の妖精が現世に舞い降りたかのようであった。
「はいはいどうもハッピーでーす! 今日は2023年11月20日だよ!」
「同じく妖精のメープルだぜー! みんなこの動画も見てくれてありがとーう!」
満面の笑みで両手の平を向けて笑う二人に合わせてポップな文字で名前が浮かび上がる。透き通る様な光の翅が美しい金髪の妖精ハッピー、そんでもって大きく鮮やかなオレンジの翅を持つ妖精はメープル。二人は妖精国から来た本物の妖精であり、助手の『カメラさん』と共に人間の国の驚きスポットを巡りその反応を楽しむ……これはそういった趣旨のチャンネルであった。
妖精たちが可愛らしく、その衣装の出来や反応がまるで本物のようだということもありなかなかの高評価を得てきたこのシリーズ、今でこそどちらもハイテンションだが初めはどちらもたどたどしかったのもウケの要因となったのだがそれはさておき。
「さーてハピハピ 私たちも大分
「メイメイ、もしかして今回も面白い場所を見つけたんだね!」
導入としてはまず繁華街から始まり、メープルとハッピーの二人が交互に調べた面白スポットを紹介するというものであった。今回はメープルが紹介する番というわけだ。彼女は腰に手を当てえへんと胸を張り自慢気にハッピーと語り合うのだ。
「そう! ハピハピは第一回に行ったあのアーケード街を覚えているか!」
「もちろん! ケーキ美味しかったとこだよね☆ミ」
「正解! 今回はそこにちなんだとびっきりの遊び場の紹介をしようじゃないか!」
「おお、いったいどんなとこなんだろう!? みんなはわかるかな?」
拳を顎に当てて首をかしげるハッピー。オッドアイがチャームポイントの彼女であったが目を閉じ考え込むその姿も脚を隠すロングスカートも美しい。対するおてんば妖精メープルはウインクと共にカメラに親指を立て、そのさらさらとした褐色の髪を風にたなびかせ爽やかな印象を与えるのである。
「それは行ってのお楽しみ! ヒントは最近出来た所だよ!」
「ううん、どこだろう……」
「さあさあ、ハピハピが考えている間にご紹介、今回は皆さんがいつも気になっていた『あの秘密』も大公開だ!」
「ぜひぜひ見てっていってね~☆ミ」
ハッピーと!
メープルの!
『妖精国からこんにちは!』
ハピメイ☆チャンネル~☆
「どんどんぱふぱふー! というわけでたどり着きました!」
「すごくにぎやか! メイメイ、機械がいっぱいあるみたいだけれど!」
そんな導入から場面が転換し、いつものオープニングで場面が切り替わると激しい音声や効果音が飛びかう大型遊具が立ち並ぶ光景へと切り替わった。いくつものLEDランプの光が飛び交う光景の中、興奮するハッピーに対してやっぱりメープルは自慢気に笑って見せる。
「そう、ここは人間の国の遊び場ゲームセンター! あるのはぜーんぶ遊ぶための機械! あれも! これも! 全部そうなのだ!」
「マジか! これ全部遊ぶ機械なのか! 何日かかっても遊びきれませんな!」
「いやー、こんなにあると流石のメープルも《機械酔い》しちゃいそー……」
妖精アピールを欠かさないメープルに対し興味津津にUFOキャッチャーに近づきボタンを押して見るハッピー……勿論お金を入れていないから動かないのだが。
「メープル、こんなにあったらまた動画の時間も遊ぶ時間も足りなくなっちゃうよ!」
「ホントだね、私達二人じゃとってもじゃないけどこれの全部は遊び切れないよ……そこでー!」
「お、早速行きますか!」
「……ハァ」
ぐっとガッツポーズを取る二人に、《カメラの後ろから》ため息が交じる。その声に思わずぷくくと二人は笑うとハッピーが近づいてカメラに腕を伸ばす――
「ほーら、恥ずかしがってないで出てきなさーい☆ミ」
「わ、わっ!?」
回る世界に映る白のレースに紅のドレス、力強く脈の走る蒼の蝶の翅、そしてウェーブのかかった黒髪が美しい整った顔の妖精――その背には巨大な立派な鎌が輝き、その妖精の腕と結びついている。
「みんな見惚れちゃってもいいよー! 今回はカメラさん改めまして鎌の妖精、サイズにも遊んで貰うことになりましたー!」
「イエーイ!」
「……どうも、オ……私は……サイズです……ええと、少し話すのは恥ずかしい、けど……よろしく頼む……頼みます……」
●回想
――いくらなんでも無理だって、女として出るなんて!
――大丈夫大丈夫、サイズさん綺麗だから髪を整えたら絶対にバレないって!
――そうそう、なんで持ってたかは知らないけどこんなに可愛いドレス持ってるんだしねー
――いや、それは事情というか対抗心と言うか……その……
(……結局こうなってしまった……)
押し切られるのに弱い自分を改めて悔やむようにサイズは俯いて首を振った。いくらお金稼ぎとかではない趣味の範囲とはいえ女っ気だけのチャンネルに自分が映ることの不味さはわかっていた。
「サイズはね、田舎にあった農作業用の鎌に宿った妖精さんなのさ、人間界にも詳しいから色々教えてもらってるんだ」
「ちょっと内気だけど器用な子なんだぜ☆ミ みんなも応援してあげてね!」
そして勝手にそれっぽい設定を付け足されている。
「……メープル、それで今回は何をするんだ?」
「サイサイ良く聞いた!(サイサイ?!)今回は私達三人の人数に因んでゲーセン三本勝負!」
「ハピメイとサイズで決めたゲーム3つで勝負だー!」
早い話が動画の体をとったイチャラブゲーセンデート、当然サイズの心配は加速するわけだが……動画上で見れば手を組み儚く思案する少女にしか見えないので一切問題はないのです。
●アイキャッチ!!!
「さあさあ、メープルが選ぶ……第一戦はここだ!」
「おー!」
メープルが第一の戦場として選んだのは青い光沢のあるテーブル。その中央はネットで区切られ白いパドルが機械で固定されている、早い話がエアホッケーだ。
「メー……メイメイ、ルールはわかるのか?」
別にメープルでもいいって、とメープルはくすくす笑いながらサイズの質問に答える。
「大丈夫さ! お金を入れたらせり上がってくるこの板を多く相手のゴールに打ち込んだら勝ち! だろ!」
「ふっふっふ……そしてハンドルは2つ、私達は三人! つまり……早速不利なサイズさんは果たして勝てるのでしょーかということだね!」
「……1対2だし、当然そうなるだろうな……その代わり先攻はお……私でいいな?」
さも当然と言わんばかりに相手コートに並ぶメープルとハッピーを横目に見ながらカメラを固定しサイズは反対側に入れてコインを入れる、するとコートに浮かび上がるような風が吹き上がりせり上がったパドルはなめらかに滑り出す。試合開始だ。サイズは2つあるハンドルを両手でそれぞれもつと、そのパドルを勢いよく弾き出す。爽快なSEと共に激しく左右に動き回るパドルをハッピーが勢いよく前に弾き飛ばしサイズは両ハンドルを合体させるように防ぎ、勢いを殺した所でカウンターの一撃を喰らわせる。
「おわーっ!?」
「早速一点だな?」
メープルの腕の下をすり抜けゴールポストに吸い込まれたパドルを見つめ挑発するサイズ。効果はバッチリ、ヤケクソでシュートされたパドルもまたきっちりガードし左右のハンドルの間で何度も弾き返し不規則な弾道でお返しの一撃を放った。
「サイズさん……本気だね!」
「たまにはカッコいい所、見せないとな?」
「言ったなこんにゃろ~! メイメイ、ゴールは任せた!」
「おうともっ!」
サイズのテクニックに惑わされつつもギリギリの所でゴールキーパーと化したメープルのハンドルでぴっちりと封鎖されたポスト、弾かれ入ることが出来ずふわりと浮いたパドルをハッピーが力良く打ち出す。サイズも負けじと反応し、腕を大きく伸ばした瞬間――パドルは不自然に加速し跳ね上がるとサイズのゴールポストへと飛び込んでいった!
「なっ……!?」
「うわあっ、メイメイいまの凄い撮れ高シュートだよ!」
「へへん、どうだ見たかー!?」
このエアホッケーが白熱するギミックがあるのか、メープルがちゃっかり念力で加速させたのか……いずれにせよ今のシーンは視聴者を驚かせるに違いない。
「二人がその気なら……オ……私だって容赦はしない」
「こーい!」
意識を集中させサイズは両手に力を込める。続いて勢い良いパンチと共に放たれるジグザグとしたシュート、腕とつながる鎖がとてもいい音を立てる。チュンチュンと激しく効果音と合わさり、手に汗握る展開が繰り広げられるのであった――!
「ぜえ……ぜえ……どうやら僅差で私達の負けのようだね……!」
「あと5秒あれば同点だったのにー!」
(……いや、勝つつもりじゃなかったんだけどメープルが自滅したというか……)
結果は『※決勝点はオウンゴールです。』というピンポン音と共に出る注釈でお察しください。多少本気だったとはいえ一応接待のつもりでサイズは取り組んでいた訳だがこうなるところがエアホッケーの恐ろしいところである。拍手するハッピーと燃え尽きた様に真っ白になるメープルに、汗を拭い取るともう片方の腕で彼女達の背中をサイズは擦ってあげるのである。
「僅差とは言えこれで1対0とはね……! 流石サイサイ!」
「運が良かっただけ……次で取り返せるよ」
「ふふふ……サイサイ、そんな余裕を見せていいのかな! 私は次のゲームには自信あるんだよ☆ミ」
「なんだって? それは一体……」
「場所を変えよう、次はビデオゲームのコーナーだよ☆ミ」
●アイキャッチ☆ミ
ホビー・ゲームのコーナーを抜け、部隊は大掛かりな装置のついたビデオゲームのコーナーへ。近くには所謂音ゲーのコーナーもあるのか、反響音はより強く鳴り響いていたが元気いっぱいの妖精二人の声量の前では問題なしだろう。
「サイサイ! 次のデスゲームはこれだー!」
「デスって……これはなんだ?」
ハッピーが示したのは見慣れない椅子に、ハンドルとペダル……おそらく練達の乗り物を模した機械であろう。前面のモニターには道中の跳ね上がる橋や溶岩などが映し出されいかにも走るには至難を極めそうであった。
「人間界の車って機械を運転して早くゴールしたら勝ちってゲームだよ、サイズさんも乗った事ないよね?」
「馬車なら……」
素で零してしまったがちょっと役にハマっていたのか笑ってしまう妻二人。
「今回も私達とサイズでいいよね」
「ああ、大丈夫だが……ちょっとルールを読む時間をくれ」
……まずはハッピーの存在しない足元が映らない様な向きでカメラを固定し、ハッピーがカメラから一番遠く、続いてメープルが座りサイズが最後に座るとコインを入れる。モード選択と車種選択などはハンドル操作で行うというものだが、これがまた選択肢が多く悩ましい。ハッピーはスピード特化、メープルは彼女らしく厳つい大型のものを選ぶわけだが、サイズはスペックの所を食い入る様に見つめてしまう。そして残り1秒で平均的な物を選び決定ボタンを押すと、コースの抽選を3人で手を繋いでじっと見つめる。
「……なあ、この説明欄のアイテムってなんだ? メープル」
「ゲームだからね~ そりゃあ運次第で良いのが出るんじゃない?」
「運だって……!?」
嫌な予感しかしない。なんせろくな目に会ってきてないサイズだ。この後の展開は予想がつく……だが動画からは逃げ出せない。腹をくくるしかないようだ……
「さあ始まるよみんな! ハンドル握りしめてー! ゴー!」
ハッピーの合図に合わせて、メープル達は勢い良くハンドルを握りしめて――レッツダッシュ!
●棘甲羅は滅ぶべきだと思うの
「なんだよ、あのアイテム……」
結論から言えば、三人とも大変な目に会ったというべきか。当然だがレースとは3人で行うものではなく、コンピューターを入れて8人ないし16人が入り交じる形式だ。初めは操作に苦戦し順位もなかなか上がらず3人で仲良く悲鳴をあげたものだが流石はサイズ、次第に慣れ1位になったのもつかの間。
勢い良く走り溶岩に落ちまくってえらい順位になってハッピーがヤケクソ気味に放った逆転のアイテムで転ばされたサイズをすんでのところでメープルが抜ききり決着がついた――まあ、それでも一位ではないのはご愛嬌ということにしておこう。
「ハピハピ! よくやったー!」
「メープルもだよ いえーい!」
「……まあ、二人が楽しいならいいか」
結果としてはハッピーとメープルの勝ちということになるだろう。大喜びする二人を前にすれば流石のサイズも自分の不運を呪うよりその微笑ましいハイタッチに頬が緩んでしまうのであった。
「同点だよハッピー。どうだろ、行けると思う?」
「わからないよ、次はサイズさんが選ぶ番でしょ?」
「そうじゃん大ピンチじゃん!」
確かに、同点で相手が競技を選ぶとなると明らかに不利だろう。最も動画の視聴者が誰を見に来ているかを考えればワンサイドゲームにするわけには行かないしサイズもそのつもりはないのだが、サイズは台本通り腕を組むと不敵に笑ってみせた。
「そう。次は私の得意な競技……ついてきて」
「くっ……サイズさんこの方向は表にでろってことだね……!」
「いや、そうじゃないけど……」
ゲームセンターと言われ思い浮かべるのは何だろう。
リズムゲームか? メダルゲームか? それとも対戦ゲーム?
否、ゲームセンターといえば間違いなくアレであろう……入り口付近に大量に豪華な景品が並ぶ、それは……
「ここにあるクレーンゲームのコーナー……これで勝負だ」
このゲームセンターは広く開業したて、誰もが思い浮かべるアームで運ぶタイプも、フックに引っ掛ける類や橋の間に落とすタイプも、最近話題の指定の位置にピンポン玉を落とす形式も揃っている。
「わかった! サイズさんと私達で先に落とした方が勝ちってことだね!」
「そうだ、みんなで交互に遊んで楽しもう」
ハッピーの提案に大きく頷いて静かに微笑むサイズ。いつの間にか、彼もこの場の楽しませようとする空気に飲まれていたのだろう。二人が取りやすそうな台をざっと見で見極めると、まずは手頃なクレーンで掴むタイプの筐体を示してメープルにコインを持たせた。
「もちろん最初はメープルからだ、行ってこい、メイメイ」
「その余裕崩してやる! 一発で決めるからなー!」
ハッピーと仲良くサムズアップをサイズに決めるとメープルはコインを投入口に入れて、レバーを握りしめる。
「好きなだけ動かしていいなんて随分と優しいじゃないか、余裕だね、ハピハピ!」
「メープル、そーっと、そーっとだよ……!」
慎重に、息を殺しながら二人はレバーを動かし狙いを定めていく。狙いは紐の付いた、いかにも狙ってくださいといわんばかりの小さなぬいぐるみだ。
サイズは二人を後ろから眺めながら、邪魔しないように静かに近づく……が、それが良くなかった。
「ふにゃああ!?」
「うわ!?」
突然透明なアクリル板に映るサイズの顔に仰天したメープルが、思わずレバーを手放してしまったのだ!
慌ててハッピーがレバーをつかもうとするも時すでに遅し、レバーはするすると降りていくのであった。
「ああ……あれじゃあ紐しかつかめないよお」
「ちょっとカメラさーん、顔が良いんだから近づかないでくださーい」
「す、すまない……」
よくわからないハッピーの注意に頭を下げるサイズ、そんな最中も残酷に時は刻み続ける。何もない紐だけを掴み、目を点にするメープルの前、虚しく宙に――
「ん!?」
メープルの素っ頓狂な声にサイズとハッピーの目線は一点に集まるとなんとクレーンの一本に器用に紐がひっかかっているではないか!
「メイメイ! すごいすごい! こんな技を知っていたなんて!」
(紐をひっかけるとはやるな……また念力でも使ったのか?)
「使ってない使ってない知らない知らない! 何が起きてるの!?」
当然メープルはバカ正直に人形を狙うタイプである、偶然でもなければこんなことはおこらないだろう。
クレーンは一度宙で止まり排出口に向かっていく、かろうじてアームの曲がった部分に引っかかっている紐を、三人は固唾を飲んで見守り――ストン。
「まじか。入った。」
「……ナイスショット、メープル」
呆然とするメープルにとんとんと肩を叩くサイズ、ハッピーの方も固まってしまっているのだろうか。ちらりと見やると、プルプルと震えている……
「す――」
「……ハッピーさん?」
「――すっごーい! メイメイ! 大勝利だよー!」
「ひゃあん!?」「わっ……!?」
飛び込んでぎゅうっと二人に抱きついてサイズの胸元に顔を埋めて喜ぶハッピーに思わず三人の体は密着してしまう。伝わる吐息、メープルの鼓動……思わずサイズは顔を赤らめながら、しばらく思考が硬直して……動画撮影中なのを思い出すと慌ててハッピーの体を離そうとする。
「……流石は妖精国のお二人、おみそれいたしました」
「カメラさん、私たちのかちでいいよね!」
「ああ、文句はないよ……メープル、大丈夫か?」
「……」
メープルはポケーと思考が硬直してしまっている。ちょっと勇気がいるかもしれないが、これはこれで撮れ高はあるだろうし面白いから残しておくか。サイズはそう考えた。
「はっ、えっと、勝ったんだな、勝ったんだね?」
「メープルおかえり……そうだ、勝ったらご褒美をあげないとな?」
「ご褒美?! もしかしてキs――」
ドスッと入るハッピーの肘に我に返るメープル。まだふわふわしている彼女にサイズは肩をすくめて苦笑いをすると、作った満面の笑みで高らかに宣言した。
「勝った二人に私のテクニックを披露しよう、全部の台を一緒に制覇しようじゃないか!」
「「おおー!!」」
つまり3人で遊び倒そうというわけだ。これにはハッピーとメープルも大喜びで拍手をしながらぬいぐるみを景品口から取り出し、固定したカメラから離れていくようにみんなで手をつなぎながらルンルンで離れ次の筐体へと向かっていくのであった――
●アイキャッチだな
「はあい、みなさんいかがでしたでしょうか!」
「今日は一緒に楽しく遊べたし、お友達もみんなに紹介できて良い日だったね ハピハピ!」
「うんうん、最後に改めて今回お世話になったサイズさんとゲームセンターさんにお礼を言わないとだね!」
動画の上部にゲームセンターの住所や行き方が表示される中、ハッピーとメープルが一緒にお礼を述べる。動画の中とあらば流石のサイズも謙遜することはせず、素直に感謝の意志を示すのであった。
「……ありがとう」
「はい、それじゃあ今回はここまでとなります、みなさん名残惜しいけどまた会おうね!」
「またねー!」
両手をひらひらとして別れを告げるハッピーに大きくカメラに腕を振るメープル、そして小さくこっそり手を振るサイズと共に画面は薄く消えていき……
最後に、3人の記念撮影のプリントシールの画像がエンドカード代わりに映され、今までの動画やサブスクのボタンが軽快な音楽と共に表示されるのでした。めでたし、めでたし!
おまけSS
「……俺の人気がなんか高いんだが」
「そりゃあ、私達のサイズさんだもん」
「私より可愛いもんなー、サイズ……」
「……納得が行かない……」