PandoraPartyProject

SS詳細

命短し興せよ乙女

カルウェット コーラスのほったりょうによる2人トップピンナップ

登場人物一覧

リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)
神殺し
カルウェット コーラス(p3p008549)
旅の果てに、銀の盾

 はじまりは、迷子になったから。そうでなければ彼女に会う事はなかっただろう。
 長くはない時間だったけれど、お喋りは楽しくて。名残惜しかったのもあって。お喋りだけじゃなくて、もっと色々な事をやってみたくて。
 だから約束をしたのだ。明日はまた此処に集合。一緒に服を見に行って、可愛いも、可愛い以外も、沢山知ろう。
『あしたー……明日ね! わかった、まってる!』
『約束、忘れる、しちゃ嫌だからね!』
『うん! やくそく、忘れないよ! ちゃんとまってる!』
 手を振って、別れて、そして月が空を巡って朝になり――。

「――ボク、やっぱり、迷子の才能、ある、するのでは!?」

 カルウェット コーラス(p3p008549)はあれぇと冷や汗を垂らしながら辺りを見回した。おかしい。ここを曲がったような気がしたのに。いつまで経っても見覚えのある民家に辿り着けない。
(もう少し、昨日の時間、なる)
 見上げれば、太陽が徐々に登り始めている。早く辿り着かなければとカルウェットは焦りながら視線を巡らせて――先ほどまで背中を向けていた側に見覚えのある屋根を見つけ、目をまん丸にした。
「ボク、逆行く、した……?」
 確かに昨日道を覚えたのは帰りのこと。左右が逆になっていた……かもしれない。
 ともあれ、あちらに向かえば辿り着けるだろう。待たせているに違いないと、カルウェットは駆け足気味でそちらへ向かいだした。
 その民家はかつて集会場として使われていたようで、それなりの広さがある。故に敷地もそれ相応に大きい。
 民家への入り口が見えればすぐその奥に見えるのは庭。特に手入れされた風もなく、夏には青々とした草花が茂るのだろう。
「リュコスー!」
 そこへ向けて、カルウェットは叫ぶ。昨日のように助けを求めるのではなく、友達を呼ぶために。
「はーい、いるよー!」
 民家からひょっこり顔を出したのはリュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)だ。庭にたたっと出てくると大きく手を振ってカルウェットをお出迎え。
「遅い、した?」
「だいじょうぶ! 昨日とおなじくらいだよ」
 少し急いだのが功を奏したらしい。ふにゃりと安心した顔を見せたカルウェットは、リュコスを促した。
「それじゃあ、出発、する?」
「うん!」


 服飾店の並ぶ通りは洒落た服を着た人がいっぱいだ。リュコスとカルウェットは小さく歓声を上げながら道行く人々を、そして通りを視界に映す。
「まず、近く、店、行ってみる、する!」
 カルウェットは一番手前にあった店へリュコスと入ってみる。可愛らしい服の多いお店だ。
「カルウェットのきてる服、ふんいきがそっくりだね」
「ひっひー。そう?」
 リュコスの言葉にカルウェットはにっこり。裾を小さく揺らして見せる。これからリュコスも可愛くしなければ。
(リュコス、可愛い。から、可愛い服、着る、すると、もっと可愛い、なる!)
 磨けば光る宝石のような子なのだ。お洒落をしないなんてもったいない!
 店員を呼んだカルウェットは、リュコスを可愛らしく着飾りたいのだと告げる。何を隠そう、カルウェットとて自分で全て選んでいるわけではない。まず店員に選んでもらい、そこから似合うと言われたものを購入しているのだ。
 つまるところ、第三者視点は大事。半ばリュコスを置いていく勢いでカルウェットと店員は何着かの衣装を選び出す。
「リュコス!」
「Uhー……?」
 服の事なんて全然わからないものだから、次から次へと出てくる衣装に目をくるくる回し始めたリュコス。そこへカルウェットがずいっと1着の可愛らしいワンピースを差し出した。足元に配慮してかスパッツも一緒だ。
「これ、着る、してみてほしい!」
「これをきるんだね……?」
 柔らかくて、サラサラな素材。それを手にしたリュコスは落ちつかなげに、店員へ促されるまま試着室へ入っていく。店員と話しながらカルウェットが待つこと暫し。
「Uhh……これで、いい?」
 ひょっこりと試着室からリュコスが顔を出す。カルウェットと店員はその姿を見て「可愛い!」と異口同音に叫んだ。
 菫色のひざ丈ワンピースは裾や袖をレースが縁取り、
「ひっひー! リュコス、ボク、思う、した通り! 素敵、するぞ!」
「髪も結ったらもっと可愛くなりますよ」
「かみ……」
 リュコスの視線が伸ばしっぱなしの髪へと向けられる。何度か髪を結んだことはあるが、彼女自身にそれが『お洒落』である自覚があったかと言えば、ない。
「カルウェットとおそろい、とか?」
「お揃い! する!」
 ふわふわなカルウェットの髪を見ながらそう呟けば、その瞳がキラキラと輝いた。

「リュコス。ボク、服、選ぶ、してほしい!」
「……Uhー!?」
 店を出て。さあ次は何処へ行こうかと視線を巡らせれば、カルウェットからの発言に目を丸くすることになる。しかしリュコスを見る目は冗談じゃあなさそうだ。そもそもこんな冗談を言うような子でもない。
「ぼくがえらんでいいのかな……?」
「うん! ボク、なに、似合う、する、思う?」
 そうだなあ、とリュコスは改めて周囲を見回してみる。カルウェットのようにセンスがあるわけではないから、直感で選ぶしかない。
「あ」
「?」
「あれ……! あれ、にあうと思うな!」
 リュコスが指したのはディスプレイされたマネキンの1体だ。動きやすそうなパンツスタイルだが、ブラウスにはフリルなどが付いていたり、裾のラインが柔らかかったりと可愛らしさも取り入れている。
 ふわふわなお洋服だってとても似合っていて素敵だけれど。ああいった洋服だって似合いそうだなと思ったのだ。
「いい! あれ、着てみる、したい!」
 マネキンを見たカルウェットがにこにこと頷く。2人は手を繋ぎ、マネキンの元まで小走りに急いだ。
「Uh? Uhh……カルウェット、いろがちがうものもあるみたい……」
「本当! 迷う、する?」
 かくりと首をかたげるカルウェット。リュコスはマネキンと色違いの服を見比べて、それからカルウェットを見て。やっぱりこっちとマネキンを指した。
「わかった! ボク、あの服、着る、してみる」
 カルウェットが店員を呼び、同じコーディネートの服を持ってきてもらえるよう頼む。いそいそ試着室へ入っていったカルウェットの背中をリュコスはほんのちょっぴり心配そうに見た。
(だいじょうぶかな……Uhh……)
 後になるとやっぱり、と思ってしまうのはこういった機会が少ないからか。けれどそんな不安は試着室から出てきたカルウェットの表情で吹き飛んでしまう。
「リュコス! これ、いい! 動く、しやすい!」
「よかった……」
 嬉しそうにくるくる回るカルウェット。その様子にリュコスはほっと表情を緩めた。
 お互いに服を選んで、けれどまだまだ1日は終わらない。お揃いコーデだってしてみたいし、靴や、帽子だって選んでみたい!

「カルウェット、このくつ、かわいいよ!」
「これ、リュコスも、似合う、する!」

 楽し気な声が響く。リュコスはあっという間に成長してしまうだろうから、2人で同じように楽しめる時間はきっと長くない。
 だから――命短し、きょうせよ乙女。

  • 命短し興せよ乙女完了
  • GM名
  • 種別SS
  • 納品日2022年02月13日
  • ・リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529
    ・カルウェット コーラス(p3p008549
    ※ おまけSS『作中春服コーディネート』付き

おまけSS『作中春服コーディネート』

リュコスさん
 菫色を基調とした、女の子らしさ全開のひざ丈ワンピース。裾や袖をレースが彩っています。
 襟は丸襟、可愛らしいリボンタイは襟裏で留める簡単なもの。
 ワンピースの裾はフィッシュテール気味で、後ろは脹脛程度まで伸びています。スパッツを履いて動きやすく。
 足元は服に合わせた靴ですが、ある程度歩きやすさを重視したローヒールになります。ベージュ色でクルーソックス程度の靴下にはお花のワンポイント。

カルウェットさん
 上は普段の印象を覆さない可愛らしいブラウス、下はシンプルなパンツスタイル。
 ブラウスはパステルピンクで、胸元にフリルがあります。ループタイが似合います。
 袖はポエットスリーブと呼ばれる、ゆるっとしたシルエットから手首できゅっと絞るデザイン。少し丈が長めで、全体的にゆったりとしています。
 パンツは足の線がわかるぴったりめの7分丈。紺色でシンプルです。裾に小花のワンポイントがあります。
 足元はパンツ同様、シンプルめなぺたんこパンプスをお勧めします。

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