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雨夜に語る
登場人物一覧
名前:恋屍・愛無
一人称:僕
二人称:~君
口調:だ、だろう?
特徴:怪生物。廻の守護者にして血肉を喰らわんとする本能に抗う者。
設定:
愛無君、すまないね。
廻が世話になってしまって。君が居てくれて助かったよ。さあ、上がって。
ああ、廻はその布団に寝かせて欲しい。
今回の掃除(しごと)は少し急だったからね。その場に愛無君が居てくれてよかった。
そうだな、良い機会だ。君に応急処置を教えておこう。生命力の譲渡のやり方だ。
多分、廻も君なら拒否はしないだろう。嫌がるかもしれないが。
私も嫌がられはするから問題無いよ。まあ、他人の生命力を吸うのは気が引けるんだろう。
そうは言っても死なれては困るからね。
じゃあ、一番簡単なやつから。
自分の指先を切って廻の口に入れる。舌に傷血を絡ませ生命力の譲渡を行うんだ。
廻の口に入れてごらん。大丈夫、優しく舌を撫でて血を与えるんだ。
ほら、顔色が少し良くなった。まあ、効果は小さいけど応急処置ならこれで十分だろう。
けど、もしも、私が居なくて廻の生命が危ぶまれるなら『その次』もあるから覚えておいてほしい。
例えば――口付け。指先から血を飲ませるより効率が良い。
まあ、君の場合は本来の姿を取ればキスじゃなくてもいいけどね。
全身が粘膜だろう? 嫌がっても口の中に粘膜突っ込めば生命力を与えられる。
更にその先もある。契りを交わすこと。
この辺りはまあデリケートな部分だけど、知らずに死なせてしまうのは嫌だろう?
だから、廻が心を許している君には教えておこうと思って。他の人には内緒だよ。
私は君に感謝してるんだ。廻がここまで心を開いているからね。
誰にでも優しく友好的だけど、夜妖の性質のせいで頼る事に負い目を感じてしまってる。
特に月に一度新月の日は夜妖の性質が濃く出るんだ。
他の門下生にとっても廻にとっても危険だから、地下の座敷牢に入る。私も一緒さ。
喰らった夜妖の罪によって強さも性質も変わるんだ。戦うこともあるよ。管理者としての責任だからね。
この辺りは廻が目を覚ましてから一緒に話そう。
そんな訳で、私は君の事を気に入っている。買っているし、期待もしている。
この前のお手つきにはやられたけどね。あれから熱が上がって大変だったんだよ。
まあ、廻が許したのであれば構わないんだ。だからまた遊びに来たまえ。歓迎するよ。