PandoraPartyProject

シナリオ詳細

君にかっこいい二つ名があった気がする。

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●その日、『男子高校生』月原・亮(p3n000006)は自分にかっこいい二つ名があった気がした。
 誰もが自分の物語の主人公だという文面をどこかで見た事がある。
 勿論、それは現代社会・日本より呼び出されある程度のサブカルチャーを目にしてきた男子高校生たる亮も同じだ。
「俺にもスゲェかっこいい二つ名があった筈だ……。
 そう――『常闇の王(ダークネス・キング)』的な……」
 ローレットでぼそりと呟かれた言葉に、傍にいたパサジール・ルメスの娘と寓話集を見詰めていた看板娘が何所か困った顔をしたことに彼は気付いていなかった。

「こほん」
 咳払い一つ、特異運命座標たちを集めた亮が向かった先は鉄帝。
 かの国で頻繁に行われている闘技場に足を進める。今回は模擬戦に参加して欲しいというお願いがあったのだという。
「8vs8の戦いなんだけどさ、1人ベンチ要員が必要って事で俺が! 行く!」
 ――何を張り切っているのかと、誰かが聞いた。
「対戦相手のグループ名は『守護の月に守られし天使長(ムーンライト・ルシフエル)』って言うんだけど」
「……」
「一人一人にカッコイイ呼び名が付いてて、いや、カッコイイ? うん、カッコイイんだろうと思ってる。きっとカッコイイ」
 中学時代にそういう名前つけたことある気がするとまで告げた亮に誰かが首を振った。
 それは、思い出さない方がいいというものだ。
 ムーンライト・ルシフェル――略称を守護天と呼ばれるらしいので、守護天と呼ぼう――8人+心が折れそうなときに声をかけるサポートベンチ1人の構成だ。
「メンバーにもかっこいい二つ名がついてるから、呼びにくいかもしれないけど、頑張って呼んであげて欲しい。
 前衛役は獣種の紅月の血<ブラッディ・ライト>と紅月の牙<ベリー・ファング>。
 壁役としてこのチームの司令塔をしているのがリーダーの呪<カースド>。
 壁の後ろから攻撃を担うのが、遠距離物理の射撃の王<シューター・シューター>と魔法攻撃の魔女女神<マジカル・クイーン>。
 回復役が二人。神秘の匣<クリニカルボックス>と悪意的変革<デモンオーダー>。
 それからトリッキーな戦いを見せる神々の遊戯箱<トイボックス>と、励まし役の姫<ラブリィプリンセス>」
 情報量が多い割りに少ないパーティーである。
「……」
「向こうのオーダーは『自分達みたいなカッコイイ二つ名』を持った人々と戦いたい、らしい。
 二つ名がないなら呪が直々につけてくれるって。でも、センスは――」
 まあ、何も言うまい。
 二つ名を携えラド・バウに向かい、彼らと8vs8の模擬戦をすればいいだけだ。
 ふざけた名前をしているがそれなりに強敵であることは間違いないので心してかかる様に、とは事前に調査を担っていた某黒猫が言っていた。
 ちなみに――彼らの名前らしいが。
「え? 自分でつけたらしいよ」

GMコメント

 夏あかねです。大丈夫か、秋だぞ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●二つ名
 プレイングの最初に二つ名を名乗ってあげてください。かっこいいポーズがあるとそれだけ相手の自信が傷ついて優位になるかもしれません。
 ちなみに応援役の亮ですが、あまり詳しくないので適当に旅人達が持ってきたライトノベルからつけようとしています。ご提案があればどうぞ。

●『守護の月に守られし天使長』(ムーンライト・ルシフェル)
 タンク役の呪<カースド>を中心とした二つ名持ちグループです。
 二つ名? 自分でつけるんだよ! という意思の許集まった仲間達。

・呪<カースド>
 タンク役。怒りなどを武器に己に攻撃を集めます。中々の策士です。本名を知る姫<ラブリィプリンセス>には弱いそうです。

・紅月の血<ブラッディ・ライト>、紅月の牙<ベリー・ファング>
 獣種の前衛係。攻撃力特化の獣種の双子です。素早い動きで翻弄します。
 名前の由来はその瞳が赤い事から。ちなみに、ライトが女性でファングが男性です。

・射撃の王<シューター・シューター>
 少し人とかかわるのが苦手でフードを深く被ったはぐれ幻想種の少女。遠距離物理攻撃を得意とします。割とかわいい。

・魔女女神<マジカル・クイーン>
 オカマ。鉄騎種のオカマ。魔法攻撃もすごいですが圧が凄いです。イケメン狙います。

・神秘の匣<クリニカルボックス>、悪意的変革<デモンオーダー>
 二人セットで飛行種。回復を担っている性別不明です。デモンの方が嫌がらせに特化してます。

・神々の遊戯箱<トイボックス>
 謎です。とても謎ですが海種であることだけわかってます。トリッキーに動き回ります。どちらかというと何でもできるよ。

・励まし役の 姫<ラブリィプリンセス>
 ベンチから声をかけてるだけですが、彼女が一番強い気がします。

 姫以外を倒したところで模擬戦は終了です。わりと連携とってきますので、負けずに連携とって頑張ってください。

●同行NPC
『男子高校生』月原・亮(p3n000006)。励まします。

よろしくお願いいたします。

  • 君にかっこいい二つ名があった気がする。完了
  • GM名夏あかね
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年10月20日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

クロバ・フユツキ(p3p000145)
傲慢なる黒
セララ(p3p000273)
魔法騎士
シグ・ローデッド(p3p000483)
艦斬り
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ヨルムンガンド(p3p002370)
暴食の守護竜
アルム・シュタール(p3p004375)
鋼鉄冥土
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
天音 白雉(p3p004954)
極楽を這う

サポートNPC一覧(1人)

月原・亮(p3n000006)
壱閃

リプレイ


 ――君にかっこいい二つ名があった気がする。
 それが気のせいなのかそうでないのかは定かではない。しかし、生きている以上、誰かに噂されるようになりたいというのが希望だろう。
「楽しみだな……」
 そう呟くは『守護の月に守られし天使長』が代表たる呪<カースド>だった。鉄帝の大闘技場ラド・バウは今日は彼らの模擬戦に使用されるのだろう。
 ざぁ、と砂塵吹く中、くすくすと笑う神秘の匣<クリニカルボックス>と悪意的変革<デモンオーダー>は手を取り合いローレットより訪れた八人の戦士(プラスベンチ要員)を楽しみにする様に微笑んでいる。
「……強い、の? 相手」
「モッチロンよォッ! ローレットと言えばァ、イ・ケ・メ・ンも多いって噂でしょォ~~」
 そそ、と呪<カースド>の背後に隠れた射撃の王<シューター・シューター>。それを見遣ってから魔女女神<マジカル・クイーン>は闘技場へと足を踏み入れたローレットの面々を見て「ワァォ」と声を上げた。
「あーあ……魔女女神が好きそうな男がいるワケで」
「あーあ……でも神々の遊戯箱<トイボックス>も楽しんじゃいそうな相手もいるワケで」
 紅月の血<ブラッディ・ライト>と紅月の牙<ベリー・ファング>はろーれっとの面々を眺めて首を傾げる。ぷう、と頬を膨らました姫<ラブリィプリンセス>は拗ねる様にゆっくりと立ち上がった。
「アンタたちがギルド『ローレット』? 姫たちのお誘いに乗ってくれたのよね?」
「ふふふ、ええ~、そうよ。鉄帝の人たちはとにかく強い人を求める! って思ってたのだけど、面白い人たちもいるものねぇ~」
 くすくすと笑った『永劫の探求』アーリア・スピリッツ(p3p004400)に呪は「恥ずかしがらず名乗れる人こそ強者だろ?」と驚かんばかりのドヤ顔で告げた。


「さて、我らの自己紹介は済んだ――君たち、ローレットも名乗っていただこうか」
「勿論。今こそすーぱー無敵でカッコイイ聖剣騎士団をアピールする時だよ。
 一人一人が伝説の武器の名を持つ精鋭集団。その名を『聖剣騎士団』と呼ぶ――その団長にして最強の騎士がこのボク」
 2本の聖剣をクロスさせ、『救世の聖剣『ラグナロク』』セララ(p3p000273)はにい、と笑う。うさ耳を思わせるリボンが揺れ、魔法少女的格好をしたセララはキメポーズの儘、守護天の面々に向き直った。
「救世の聖剣<ラグナロク>のセララだ!」
「くっ……なんてかっこいいポーズなんだ!」
 慌てたように声を漏らした紅月の血に紅月の牙は怯むなと声をかける。にんまりと笑みを浮かべたアーリアはぱち、とウインク一つ。
「ふふふ、なんていったって私はセララちゃん率いる聖剣騎士団の永劫の探求<セラエノ>!
 今日は飲んだくれおねーさんは封印して、びしっとばしっとぉ! 決めていきましょ~~」
 ポーズを決めるアーリアに負けて堪るかという様に『極楽を這う』天音 白雉(p3p004954)はばさりと折れた翼を可動域の範囲内で揺れ動かす。
「我が神はここに在りて――極楽を這う<ファルシェ・パラディーゾ>……此処に」
「神に触れるなんて……!」
 ずるいという様に魔女女神が地団駄を踏む。大きな動作はせずゆったりと。嫣然に余裕である音を誇示する白雉の魔眼が光を灯す。
 白雉はこういった事には羞恥心を感じない。徹底的に、完璧に仕上げて参ると白雉はに、と唇を釣り上げた。
「さて、守護天の皆さんの<設定>も聞いて差し上げましょう。我々はそうそう易く崩れる様な自己設定<プロフィール>ではありませんよ?」
 何故かダメージを受け続ける彼らを見遣り、左腕からドス黒い魔力を放出した『葬黒の死神』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)は左腕の魔爪で引き裂く様にして華麗に登場。
「この魔爪は抗う者を引き裂く告死の刃。故にこう名乗ろう。――葬黒の死神<フェイタル・リーパー>!!! クロバ=ザ=ホロウメア!! さぁ、最後の一時まで抗ってみせろ!!」
 魔爪を解除した彼の言葉に「ぐう」と呪が小さく呟いた。眼鏡を指先弄り、ふう、と小さく息をついた『KnowlEdge』シグ・ローデッド(p3p000483)は地面を蹴る。
 空中で縦一回転して剣に姿を変えたシグはそのまま地に突き立つように着地する。
「……まぁ、偶にはこう言った遊びも悪くはない。そちらの流儀に、私も付き合うとしよう」
 小さく呟いて、彼はふ、と息を漏らし、その姿を変幻させる――
「『天理の魔剣』……シグ・ローデッド。さて、理の刃で両断されたいのは、どの者かね?」
 ふう、と小さく息をつく。狼の毛皮を被った『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)はナンセンスな集まりだと小さく笑いながらも――どこか楽し気にも見えた。
「やれやれ、この年齢で二つ名を名乗り、ポーズを決める日が来るとは思わなかったぜ」
 に、と笑みを浮かべたジェイクは「灰色狼<ウルフ・ガン>。俺の二つ名の由来? 見たまんまさ」と静かに告げる。
 両手を上げたカッコよくポーズを決めたジェイク。両手を上げたそのポーズは『WOLF』の『W』を模ったものだ。
「さて、模擬戦と言えど戦ですのデ手を抜く訳には参りませんわネ。でハ僭越ながらワタクシも……コホン」
 静かに『堅牢なる楯』アルム・シュタール(p3p004375)は息をつく。スカートの端をすい、と持ち上げた仕草に魔女女神がキィと声を上げたのは……気のせいではないだろう。
「魔王の忠実なる従者(しもべ)にして、堅牢なる楯-Servitor of steel-。
 ……アルム・シュタールめがお相手仕りまス。我ガ盾術。どうぞ存分に御堪能下さいまセ?」
 アルムの瞳がきらりと輝く、成程、その動きそのものメイドさんとはいい物ではないか。
「くっ――こいつら……ここまで自己設定<プロフィール>を完璧に仕上げてくると……!!?」
「恰好付けて戦えばいいのか……面白い連中だなぁ……! いいだろう……私も最高に恰好付けてやろうじゃないか!」
 金の瞳がきらりと輝く。翼の魔石で光の翼を模って、派手に飛び海上へと飛び込むその声音。砂塵舞うラド・バウに舞い降りたのは『世界喰らう竜』ヨルムンガンド(p3p002370)。
「私は人の姿を借りた、滅びし異界の竜……『世界喰らう竜<ワールドイーター>』ヨルムンガンド……。
 小さくも強大な敵対者達よ……お前達の望む戯れを始めようじゃないか」
 がう、という動き。腕を通常状態から戦闘状態へと変化させてヨルムンガンドは咆哮を上げ威嚇する。
「竜の力……その身に刻むといい!」
「ぐああああああ」
 何故――ダメージを受けているのか。定かではない、この勝負……混乱するのは確かだ。ちら、と『男子高校生』月原・亮(p3n000006)を見遣った姫は「アナタも名乗りなさいよ」とつんけんとした調子で告げる。
「みんなが俺に二つ名をくれたんだ。俺は神纏いの一閃<ワールド・スラッシャー>!」
「あらぁ~、おねーさんのを採用してくれたのねぇ。フフ、うれしいわぁ」
 あらあらぁ、とポーズを決めたアーリアの余裕っぽさに姫が地団駄を踏んだ。ばしばしとベンチを蹴った姫はやりなさいと拗ねる様にそう言った。


 閑話休題、キメポーズにダメージを喰らっているのは彼らの性質が故なのだろう。
 此処からはダイジェストでお送りする――結構な死闘であったのは確かだ。そう、確かなのだ。

 盾騎士の直剣を握りしめたアルムを狙わんとする守護天の面々。
 勿論、ローレット側の狙いは二人の天使と悪魔だ。その纏う衣装からも分かり易い格好をした神秘&悪意の背後から神々の遊戯箱<トイボックス>が顔を出す。
「んッ――」
 後退するアルムの前へとするりと滑り込んだのはアーリア。『レディ・キラーへの復讐』と名付けたレースの手袋を手に甘い菫色の囁きを届けたアーリア。
 神秘の匣には早々と退場して欲しいわぁと冗句めかすアーリアに白雉は小さく頷いた。
 体中のギアを変化させるように攻め時はここだと白雉は一気に飛び込む。先ずは深呼吸だ。攻撃を受け止めた翼はひらりと周囲へと舞う。
 圧倒的に制圧して見せるとジェイクは神秘の匣に向けて制圧するように弾丸を放ち続けた。
「やだァ」
「やだ――? 聞こえないな」
 ふ、と息をつくジェイク。その弾丸を防いでみせんと飛び込む呪の横をすり抜けて悪意的変革の許へと飛び込んだシグはくすくすと笑う。
「……先ずはお前さんを拘束させてもらおう。……さて、私とお前さん、どちらの『嫌がらせ』がより有効なのだろうな?」
「さぁ?」
 ぱち、と瞬く。その背後より顔を出し、に、と笑ったセララは聖剣ラグナロクをゆるりと持ち上げ、その口上を発した。
「混沌の地に散らばりし希望の申し子よ。数多の星々の欠片達よ。
 汝らこそが真実の灯火。漆黒を切り裂く唯一の煌めき――母なる大地を、果て無き海を、生命の風を取り戻すため……今こそ集い、凍てついた絶望を打ち破れ!」
「ッ――な、なに!?」
 神秘の匣の焦る声が聞こえる。そうだ、此の儘進めばいいのだと亮がガタッと立ち上がった事に姫は「逃げなさいよォ!」と地団駄踏む。
「だめ、呪、神秘を守りなさい!?」
「そうはいくかな?」
 射撃の王の足止めを掻い潜ったクロバとヨルムンガンドが神秘の匣の許へと飛び込む。
 アッと姫が息を飲んだのはその最中だ――きら、と光帯びたセララ。
「我ら聖剣騎士団! 滅びの運命を覆す光とならん!」
 かっこいいのだ。負けた――そう実感するのは当たり前か。
「何時も負けるつもりはないが、特にお前らみたいのには余計に負ける訳にはいかねぇんだよ!!!」
 ぐん、と地面を踏み締め、クロバは肉薄する。ディバイダー・ヴォルフは真直ぐに紅月の血へと向けられていた。
「ハンッ、『同じタイプ』には負けられないってワケ?」
 に、と笑った双子の近接戦士。クロバを狙う一撃を受け止めるは『星砕』。ヨルムンガンドはどこか眠たげにぱちりぱちりと瞬いて、その胸に夜竜の瞳を揺らした。
「どれだけ守りを固めようが私の前では無意味と知れ! これが竜の一撃だ!」
 竜の一撃は只、真直ぐに双子を庇わんと動いた呪を狙う。
 オカマと噂される魔女女神は全力でクロバの許へと飛び込んだ。いやぁんと地団駄踏んで、首を振る。
「イケメンを狙うってある意味『分かり易い』な」
 ふむ、と頷くヨルムンガンド。近接に居るからこそくろばを狙ったのだという事を理解してジェイクは神々の遊戯箱の動きに注意しながら戦い続けた。
 ……そして、訪れたのは戦闘の終了の合図だ。


「今回は我々の負けだ……聖剣騎士団……」
 守護天の面々は苦虫を噛み潰したような顔をしてそう告げた。その言葉――とてもうれしいではないかとアーリアがくすくすと笑う。
「うーん、運動の後だもの。このまま飲みにでもいきましょうよぉ~、折角だから私にもかっこいい名前、付けて頂戴なぁ」
「永劫の探求――というより、アナタは永劫の酒豪<ビックウォーター>って感じじゃない」
 ふん、と鼻鳴らした姫はどうやら大人の魅力的なものには厳しいようで。くすくすと笑った彼女の傍らでアルムはカートを取り出して「さて」と微笑んだ。
「お互いの健闘を讃えて、お茶でも如何でしょうカ? お茶菓子も用意しておりますヨ?」
 ラド・バウのベンチにどかりと腰掛けていたヒーラー組はアルムの言葉に瞳をきらりと輝かせる。
「……柄にもなくアツくなったな」
 ノリノリで名乗ったその名乗り口上、どうであったかと問い掛けるクロバに射撃の王は「うん、かっこ、よかった……」とこくこくと頷いた。フードを被った射撃の王は何処か恥ずかしそうに視線を揺れ動かして、「死神って……いいよね……」とクロバをふい、と見やった。
「射撃の王。出来ればなんだが、銃を見せてはもらえないか? 俺の狼牙も是非見て欲しい」
 ジェイクの言葉に、びく、と肩を揺らした射撃の王が呪を見遣る。自身の武器たる飛び道具は彼女はしっかりと手入れしてはいるが自信はないのだろう。頬をかぁと赤らめ目をうろうろとさせる。
「あっらぁ、厭なの? 射撃の王」
「ち、ちがう……その……どう、かな……あんまり、自信ない」
 差し出された得物を手にしてジェイクは「いや、よく手入れを施している」と頷く。言葉少なくもじもじとしているが、『彼女』は丁寧な人種なのであろうという事をよくよく理解させてくれる。
「いい試合だった、またやろうぜ」
 差し出された掌にオカマが「アアアアアアアアアンン」と地団駄を踏んだ――が気にしない様におずおずと手を握り射撃の王は「また」と頷く。
 その様子を眺め、シグとヨルムンガンドは菓子を抓み乍ら楽しかったという様にうん、と伸びをした。
「姫、詰まんない」
「そうか? 面白かったぞ……!」
 にへ、と笑ったヨルムンガンドに姫はふい、と顔を逸らして「まあ、また戦えばいいじゃないの」と小さく呟く。ベンチで座っていた亮的には姫は後ろから圧を発していただけだが――それも必要なのだろう。
「さて、設定<オーダー>もしっかりこれから作り込んでいきましょうか。そうすれば次回の闘いにも有用でしょう?」
「ああ、守護天としてもさらなる二つ名<ネーム>の向上を目指していきたい」
 大きく頷く呪に白雉はうんうんと頷く。見栄え優先で戦った白雉。痛みは今もしっかりと保護され、今は買えり準備の真っ最中だ。
「ふっふっふ……みんなに笑顔をお届け! 最高の物が出来上がったよ~!」
 セララは自身のギフト『みらこみ!』を利用して、マンガを作成していた。出力した最高のマンガは勿論セララのサイン入りだ。
 勿論、めっちゃカッコイイマンガに仕上がっているのだ――ドヤ顔である。
 さて、此度の事でわかった事がある。
 君にかっこいい二つ名は、そう、確かにあったのだ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 君にカッコイイ二つ名が確かにあった!
 ご参加ありがとうございます、カッコイイ!

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