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シナリオ詳細

<天使の梯子>神は底に

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<天使の梯子>神は底に
 既に日常が瓦解してしまった街、『テセラ・ニバス』。
 魑魅魍魎よろしく、怪異蔓延りし街は一夜にして豹変し、街の人々も怪異を異言を話すゼノグロシアンへと化してしまい、数ヶ月が経過する。
 最初はその怪異に怯えることしか出来なかった天義の人々……だが、イレギュラーズ達の活躍もあり、少しずつではあるが怪異襲い来る街は、段々と怪異への対抗手段を確立しつあった。
 だが……そんな対抗手段を取り、『テセラ・ニバス』の解放を進めていたイレギュラーズ達の前に、次なる事態が襲い来る。
「……此処か。前のと違って、普通そうだが……ギャーギャーうるせえ奴らは健在ってな訳か」
 巨大なテセラ・ニバスの街の一角……開放した筈の区画なのだが、裏路地を何度も曲がった先の、とても薄暗く不気味な場所。
 何故か地中に向かう梯がぼんやりと浮かび、その梯子を下りていくと……180度回転する様な形で地上に到着。
 先程までは深夜の闇に包まれていたのに、空を見上げると明るい晴天。
 街並みは似ているのだが、その街並みを破壊しようとしているワールドイーターや影の天使達の群れ。
 そしてそこから逃げ惑い、捕まり、絶叫し……ゼノグロシアンと化してしまう人々。
 解放されたのに、再び異言の手に落ちてしまったかのよう。
「ま、『神の国』は一般常識が通じないってことか。しゃーねぇ……やるしかねえか」
 肩を竦めた『極夜』ペッカート・D・パッツィーア (p3p005201)は、再び階段を降り昇るのであった。


「えっと……そ、そうですか。やはり……一箇所だけではなく、様々な所に現れて居る……という訳ですか……」
 そして天義首都、『深緑の声』ルリア=ルナミス(p3n000174)はペッカートから聞いたテセラ・ニバスの状況を説明しながら、目を伏す。
 少しずつではあるが、『テセラ・ニバス』を襲いし怪異は収まりつつある。
 だが最近になって、そんな街に『梯』が出現し、更にその先に『神の国』と呼ばれる空間が拡がっているという話が出始めており、今回ペッカートが降り立った先は、先日も訪れた別の『神の国』であるのは間違い無い。
 だが、悠長に語っている時間は無い訳で、ペッカートは。
「ま、そー言う訳でよ、ちっと力を貸してくれってな訳だ。一人で単騎特攻するのはバカなヤツがヤル事だしなぁ? と言う訳で頼むな」
 ルリアの背中をポン、と叩いてニコリと笑うペッカート……それにルリアは。
「そうですね……梯を下った先に拡がる世界は神の国……現実世界では考えられない様な事象が起きるとも聞きます。ペッカートさんが視た光景を聞く限り、ワールドイーターに影の天使、それにゼノグロシアン達も蔓延って居るとのこと……一人で戦えば、かなり厳しい戦いを強いられる事は間違いありません……私からも、御願いします……」
 深く頭を下げるルリアに、サムズアップし不敵に笑うペッカートなのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 ペッカートさんの降りし梯の先には、表と全てが逆転したような世界が拡がっている様です。

 ●成功条件
  テセラ・ニバスの解放されて平和になった街区の『裏』となる『神の国』を調査し、その核となる『聖遺物』を破壊することです。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   舞台となるのは『テセラ・ニバス』の街の一角です。
   天義の国の標準的な街並みが並び、一度はワールドイーター達により壊されてしまいましたが、復旧しつつある状態です。
   ですが、梯の先の『神の国』は、表と真逆の状態となっており、外が昼ならここは夜です。
   当然平和な表と対比する様に、ワールドイーター、影の天使、ゼノグロシアン達が蔓延っており、彼らは見つけた物を殺すだけ、というう考えで動き回ります。
   この『神の国』の何処かにある『聖遺物』を見つけ出して破壊する事で、表裏一体の状態を切り崩すことが出来ます。

 ●討伐目標
 ・巨躯の熊やゴリラ状『ワールドイーター』の群れ
   影が熊やゴリラの形状をした者達です。
   図体は皆様より2周りほど大きく、しかしながら手足を地面に付けて高速で移動し、強靱な足腰で跳ねて高高度に飛び上がったり……とその図体に見合わないとても素早い者達になります。
   又ゴリラの方は、胸を叩いてドラミングの様な素振りを見せると共に、自分へ怒りを引き寄せたり、仲間達を鼓舞(回復)するという、独特な攻撃を行って来ます。

 ・影に翼を纏いし人型の『影の天使』達
   翼を生やした人型生物の影です。
   ワールドイーターと共闘する時もあれば、独自で行動している時もあり、彼らの動きは予測が難しい様です。
   行動自体はワールドイーターに比べれば少し弱いものの、状態異常を発生させる系の遠隔攻撃を次々と行います。
   当然翼を持つので常に飛行状態、かつ夜だと全域で隠密行動が可能です。
   尚、昼であっても、影を利用して忍び寄ってくることがあり得ます。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <天使の梯子>神は底に完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年05月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
グドルフ・ボイデル(p3p000694)
ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)
極夜
セレマ オード クロウリー(p3p007790)
性別:美少年
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
皿倉 咲良(p3p009816)
正義の味方
ファニー(p3p010255)
レイン・レイン(p3p010586)
玉響

リプレイ

●夢の如き場所
 天義の一大都市、『テセラ・ニバス』。
 つい数ヶ月前に発生した漆黒の闇の事件はイレギュラーズ達の活躍によって、被害を被った街区は少しずつではあるものの解放されつつある。
 そして開放された街に戻る市民達は、壊された日常を再び取り戻そうと、少しずつではあるが歩みを始めている。
 だが……そんな解放された筈の街の裏路地に忽然と現れたのが、地下へと向かう梯。
「あーよかったぜ。急に変な場所が現れるし、こんな事予想してなかったし。ま、頼れる仲間が来てくれてホント助かったぜ!」
 ニヤリと笑みを零すのは、『極夜』ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)。
 そして彼の言葉に『金庫破り』サンディ・カルタ(p3p000438)は。
「頼れる仲間とか、嬉しい事行ってくれるねぇ……とは言え今回の話は中々厄介な事の様だぜ?」
 サムズアップしつつも、その手元には何かしらが走り書きされたメモ。
「んー? 厄介とは、どういう事だ?」
「ペッカートが言う、梯の先は逆さまの世界だと言うし、ちょっとこの当たりの言われとかを調べておいたのさ」
 そう言いつつ、手元のメモを開く。
 この街区に伝わる伝承、名所、パワースポット等々……調べ上げた情報は多岐にわたる。
 勿論、そういう情報自体は他の街区にもちらほらと聞くような所も多い。
 ただ、この街区だけの特徴は無い事も無い……テセラ・ニバスの中では南方に位置し、外との交易の一翼を担う街、という所。
 それ故に商人などが多く出入りしており、この街区自体、天義の国にありながら多少異文化的な建物の風情が残っている。
 勿論その情報が役に立つかは解らないけれど。
「それにして梯を降りただけで全てが逆さまたぁな、どんなマジックだよ」
「本当そうだね。昼と夜で色んなものが逆転する場所かぁ。面白いような、怖いような……というか、色々考えていたら、頭がパンクしちゃいそうだね」
「そうだな。『神の国』でさえなければ興味深く思う所なのだが……」
 『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)と『正義の味方』皿倉 咲良(p3p009816)、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)が交わす会話。
 それにこくりと頷きながら『玉響』レイン・レイン(p3p010586)が。
「うん……それに、この事件を生み出しているのが……梯の先の、何処かにある聖遺物……捜索も破壊も……難しそう……だけど……頑張らないと……」
 彼の言う通り、『神の国』を構成しているのが『聖遺物』であり、それを壊せば『神の国』はその状況を維持する事が出来なくなり、消失するという。
 とは言え『神の国』の世界には大量の影の軍勢が巣くっており、それらを抑えないことには満足に探索する事すら出来ない訳で。
「うんうん。私達の目的は聖遺物を探し出す事。やれる準備はしっかり整えて、対策を立てていこう!!」
「ああ、現実への侵食を拡げさせる訳にはいかないからな。核を壊して街を護るぞ!」
 咲良とイズマがお互いに頷き合い、強く拳を振り上げる。
 そして、『紅薔薇水晶』ファニー(p3p010255)は空を見上げながら。
「すっかり夜だな……時間も頃合いだ。それじゃあ梯を降りるとしようか」
「うん……向こうが昼なら……影の天使に、少しでも見つからなくていいから……」
「ああ、了解だ」
 レインに『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)も頷き、そしてイレギュラーズ達は梯を下る。
 ……すると、表の世界では深夜だというのに、梯の先は明るい陽が照っている状態。
 ただ、その陽の方向に、強い違和感。
「……なるほど……対象が北側にあるわけか。確かに裏返しか対偶の様相だな……すると、この惨状は、天義人に対する高度な皮肉か?」
 セレマが言うが通り、梯子を下りた『神の国』では、叫び声を上げるゼノグロシアン達が、熊やゴリラの様な『ワールドイーター』達に追い立てられている。
 悲鳴を上げる彼等は、逃げ惑いはするがすぐに追いつかれ、そして喰われる……そんな光景に。
「見つかっちまっただけでぶっ殺されるたあ、治安が悪いたらねえな」
 肩を竦めるグドルフに咲良も。
「うん。見つけたらコッチに襲い掛かっているのは分かりやすいっちゃ分かりやすいけど、遂行者さんの作る神の国って、なんでこうも趣味が悪いんだろうね」
 と瞑目する。
 ともあれ、イレギュラーズ達のすべきことはただ一つ……聖遺物を破壊する事。
 その為に立ち塞がる障害となる彼等は倒すのも、その仕事に含まれる訳で。
「ま……逆にやりやすいとも言えるか。よおし、おめえら、ド派手に暴れ散らかしてやろうぜ!!」
 威勢良いグドルフの言葉に、ファニーも。
「そうだな……それじゃあ作戦開始だ」
 とニヤリ笑みを浮かべ、そしてイレギュラーズ達は逆転せし『神の国』へ侵攻を開始するのであった。

●裏は諍い
『ウホ、ウホゥゥゥ!!』
『ガァァ……グルゥ、ガルゥゥゥ……!!』
 そして神の国に侵攻したイレギュラーズ達に、先ず聞こえてきたのは獣たちの咆哮。
 表と真逆に時間軸で動いている故に、今目の前に拡がるのは真昼の光景。
 だが、熊とゴリラの姿をしたワールドイーター達は陽の下であろうとも弱る様な事は無く、大手を振って暴れ回る。
 ……そんなワールドイーター達の闊歩する世界にて、キャー、ワー、と恐怖に戦く悲鳴を上げる『一般人』の様な姿をした者達。
 そして彼等は、否応事無く彼等に喰われ……そして影の亡者の姿に成り果て、叫ぶ。
 そんな阿鼻叫喚とした光景は、常人からすれば恐怖を覚えるような……そんな光景であったのは間違い無いだろうし、その阿鼻叫喚の光景が更に広がっていけば、それが現実に侵食する……なんて可能性すら十分にあり得る事。
「こりゃ……やばいな」
 そしてそんな光景を目の当たりにしたサンディが、溜息と共にそんな一言を零す。
 更にそれに、ファニーも。
「そうだな……裏表で全てが逆になっているのか……というと、何があるかねぇ……」
 不敵に笑みを浮かべるファニーにペッカートは。
「確かに。聖遺物が何なのか、こっちはさっぱり分からねぇんだよなぁ……ただ天義って、神を信仰している国なんだろ? そういうのって、裏では悪魔とか邪神とかを侵攻してそうなイメージだし、邪悪そうなものが聖遺物なんじゃないかって考えられるんだけど、どうなんだろうな?」
 するとファニーは。
「今を見る限り、羅針盤とか、ここに起きている現象に少なからず関連していそうな物が聖遺物だったりするよな。正逆で意味が変わるとかで言うと、昼夜で色を変える宝石のアレキサンドライトとか、位置で意味の変わるタロットカードとかか? それとも鏡とか、砂時計とかかもしれねぇな」
「ふぅん……ああ、確かにそうだったよな」
 苦笑するペッカート、更にサンディが。
「ま、神の国があくまで『正しい歴史のif』ってんなら、神の国とそうじゃない今ってのは『おんなじ過去』を持ってる筈。ヒトにしろ、モノにしろな」
 表の世界のこの街区にある過去の噂話からして、交易を担うこの街故に、裏を返せば……交易を断絶したものではないか……という考え方も出来る。
 外との交流を断絶すれば、自然と市井の者達の信仰は全て内へと向かう事になり、頼るべくはそういう類いの物になるだろう。
 つまり、この聖遺物が眠って居るのは……そんな信仰を蒐集する『何か』が、聖遺物であるという可能性は十分にありうる。
「うーん……難しいねぇ。まぁ、何にせよ聖遺物がある場所って、アイツ等が守っている可能性もあるよね。取りあえず厄介なアイツ等をどうにかしないと、だけど」
「そうだね……なら、僕達が囮になる」
 こくりと頷くレインに、イズマ、グドルフも頷き、そしてセレマも。
「ああ。キミ達が上手く動けるよう、ボクが目立って惹きつけてやろう……みんなも準備はいいか?」
 セレマの言葉に皆も頷き、そしてペッカート、サンディ、咲良、ファニーは仲間達の元から一旦離れて待機。
 そしてセレマらが先陣を切り、ワールドイーターの群れの所へ近接。
『グゥ……?』
 と、イレギュラーズ達の方向に顔を向けるワールドイーター達に、声高らかにセレマが。
「ボクの名はセレマ オード クロウリー! この街の聖遺物を頂戴しに来てやったぞ!」
 声の爆弾を炸裂させるセレマ……当然、イレギュラーズ達に気付いたワールドイーター達は、彼等を排除すべく姿を表し、排除する為に行動。
 先行して動くのが熊の様相の者達で、彼等はその巨体を四つ足歩行で瞬く間に間合いを詰めて接近、間合いに入ればその巨体をから振り落とす爪撃。
 その一閃、かなりのダメージ……だが、そのダメージを確りグドルフ、セレマ、イズマの三人が分けて対処。
 彼等の攻撃が一回りしたところで、レインは。
「……捜索班の所には行かせない……」
 と、仲間達を完全バックアップする様に行動。
 そう四人がワールドイーター達を対処している間に、ペッカート、咲良、サンディ、ファニーの四人は敵の目を盗み、先へ進む。
 勿論何ら手がかりの無い状況故、広く見渡せるようにファミリアー達も活用して、昼間の裏の世界を広く見渡し、気になる所があれば直ぐに駆けつけるように行動。
 勿論一箇所目、二箇所目、三箇所目……とそう簡単には見つかる物では無いが、ワールドイーターと戦う仲間達を信じるとともに、彼等が崩れるよりも先に対処出来るよう、迅速に行動。
 今迄の例からすれば、聖遺物を破壊すれば影の軍勢達の動きも無くなるだろうという予測の上、囮と捜索の二面作戦を確実に進めていく作戦。
 無論ワールドイーターらからすれば、そんなのは関係無い……ただ目の前に居るイレギュラーズ達を殺す事が使命であり、それを遂行する事だけに力を注ぐ。
「さぁ、俺達が異物だ。かかってこい、排除してみろ!」
 とセレマの言葉に加えてイズマも口上を述べて怒りを与えて、ターゲットを自分に集中させる様に細工。
 そんなイレギュラーズの囮四人の動きもあり、聖遺物を探す方はちらほらと隠れ潜んでいたり、はぐれて存在していたワールドイーターを個別対処する程度で……探す事に大きな障害になる事は無い。
 ……そして、数陣目のワールドイーターの群れを倒したところで。
『……ウゥゥ……』
 囮の四人の下へ、不意に響きわたる声。
 その声に気付くとすぐさま、その声のした方向の『影』に向けて、全身全霊、体重をも掛けた思い一撃を叩きつけるグドルフ。
 影のありし所は地面が隆起する。
 すると、その場所から分かたれるように姿を表す……翼を持ちし影。
「散々好き勝手してくれたよなぁ? でもよ、今度はこっちの番だぜ。覚悟はいいかぁ?」
 獲物を目の前にしたかの如く、グドルフはサムズアップする。
 それに影の天使達は……というと。
『……コロス』
 怒りの言葉と共に、周囲の幾つもの影から次々と姿を表し、物量で以てイレギュラーズ達を排除するべく行動。
 勿論、そんな影の天使の言葉に呼応するかの如く、その周囲に居合わせたワールドイーター達が更に加勢をするべく集結。
 ……そんな敵の動きにグドルフは。
「へっ。天使サマのくせしてゾロゾロと気色悪ぃ! オマケに熊とゴリラたあ? ならここは街じゃなくて動物園に改名したらどうだぁ? その方が客が来るかもしれねぇぜ!?」
 と挑発する。
 ただ、影の天使達がその挑発に乗る様な事は無い……無機質にイレギュラーズ達を屠る為に、ワールドイーター達と共に排除に全力を上げる。
 熊が軸となり攻撃し、それを補助する様、イレギュラーズ達に毒や麻痺などを付与。
 更にダメージを大きく喰らってしまった仲間に対しては、ウホウホとドラミングする事で体力を回復。
 ただ、囮役の者達の目的は、仲間達が聖遺物を探す時間を稼ぐと共に、それを無理無く破壊させる事。
「……こっちかな?」
 ファミリアーから受けた視界を元に、聖遺物捜索班の四人は街を左へ右へ駆け回り、不審な物があれば躊躇無く破壊して回る。
 ただすぐに正解、という事も無く、何も起きなければ次の場所へと転戦。
 そして……。
「……ん? 何だろう、これ」
 小さい教会の様な建物を見つけ、その中に侵入。
 当然、屋内故影がさしこむ場所……警戒を怠る事無く進んで行くと、祭壇の様な所に、何かも良く分からない『象られた何か』を発見。
「もしかしたら、サンディさんの言ってた偶像……かな? 良し、壊してみようっ!」
 と、咲良が元気良くその偶像を木っ端微塵に破壊するのであった。

●聖なるかな
 そして……聖遺物が破壊されるのを知らずに戦い続けていた囮班。
 更なるワールドイーターの追加軍勢にうんざりした表情を浮かべながらグドルフが。
「くそっ……あいつら、またかよ! いよいよ動物園の飼育員にも飽きてきた所だぜ!」
 と舌打ちしていた、その瞬間。
 煌々と照っていた陽射しが突如落ちて、急に闇へと逆転。
 当然影が増えれば、影の軍勢達に取って都合の良い戦場になる……筈なのだが、その闇の訪れと同時にワールドイーターと影の軍勢達が次々と蒸発するかの様に姿が消失していく。
「……お? やったか!?」
「その様だな……」
 グドルフの言葉に息を吐くセレマ。
 そして、程なくして……聖遺物捜索版の者達が、囮班に合流し。
「待たせたな! 聖遺物、無事に壊せたぜ!」
 破壊された聖遺物を見せるサンディに、ニッ、と笑みを浮かべたグドルフ。
「そうか、よおし、そんじゃ帰って祝勝会でも……って、ちょっと待てよ。これ、今まで逆さまだった訳だろ。となると……あの梯を昇る前に元通りになっちまったら、おれらはどうなっちまうんだ?」
「そういえば……確かに壊した後どうなるのか聞いてなかったな。こりゃ、急いで帰らないとヤバイかもな」
「そうだぜ、落ちついている場合じゃねーぞ! 急いで梯の所に戻るぞ!」
 ペッカートの言葉に後を追い立てるが如く、イレギュラーズ達は急ぎ、この国に降り立った梯の下へ。
 ……見ると、梯はあるものの、元の世界を繋ぐ穴の様な部分が段々と狭まりつつある様な……。
「みんな、急いで急いで!!」
 取る物取らず、急ぎ梯を伝うイレギュラーズ。
 8人全員が元の世界に戻った所で、その穴は完全に閉じてしまい……神の国は梯諸共封鎖。
 ……そして表の世界は、何もなかったかの様に平常の日常が繰り広げられている訳で。
「ふぅ……ギリギリだったか。でも、取りあえずは脱出完了……皆、お疲れ様」
 とイズマが皆を労うと、サンディも汗を拭い。
「全くだぜ……まぁ、祝勝会もしたいところおだけど、取りあえずこいつを渡してくるか」
「ああ……そうだな。んじゃ、帰ろうぜ」
 ファニーもその言葉に頷き、そしてイレギュラーズ達は『テセラ・ニバス』を後にするのであった。

成否

成功

MVP

サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂いた方、ありがとうございました。
熊とゴリラt言う所から動物園と表現されるとは思ってもみなかったです。
でも……とても面白いなと思いましたので、ちょっと乗らせていただきました……!

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