シナリオ詳細
<ラドンの罪域>若き彩竜、天を駆ける
オープニング
●
今日は美しくて、恐ろしい竜の話をしよう。
其の竜はね、このフリアノンの奥に住んでいるんだ。
ラ・ルゥラ・ルー。歌うような鳴き声から、いつからかそう呼ばれるようになった。
とても綺麗な色をしている。紫色の体躯に桃色の羽根、黄金の角。とてもとても、美しい竜だよ。
え? おばあちゃんの角とどっちが長いかって? ほほ……さあねえ。勿論、竜種様の方が長いに決まっておろうねえ。だって、ラ・ルゥラ・ルーはおばあちゃんも、おまえも、ぱくりと食べてしまえるくらい大きいんだよ。
……。でも、ラ・ルゥラ・ルーはお肉を食べたりはしないんだ。
いいかい、坊や。もし森の中で桃色の羽根を拾ったら、其れを持ってじっと蹲っているんだよ。
其の内暗雲が立ち込めて、たちまちのうちににわか雨が降るだろう。雷雨と共に、桃色の雷が渡って行くだろう。
其れはラ・ルゥラ・ルーの“散歩”だ。いいかい、坊や。大事な事を忘れたくなかったら、桃色の羽根をちゃんと持っている事だ。
其の羽根はラ・ルゥラ・ルーの落とし物。其れを持っていると、見逃して下さるかもしれないからねえ。
いいかい、坊や。そうして帰ったら、自分が今日何をしたのかを思い出すんだよ。
「何か忘れているかもしれない」と思ったら、必ず確認するんだよ。
いいね?
おばあちゃんとの、約束だよ――
●
覇竜領域、フリアノン。
其処に相談役として時折訪れていた“里おじさま”――ベルゼー・グラトニオスは何の運命の悪戯か、冠位魔種に其の名を連ねる存在であった。
其の事実はフリアノンならず、亜竜集落に大きな衝撃を齎した。練達を襲い、深緑を襲った其の首魁がこの覇竜領域に潜んでいる。其の事実は無辜の民を震え上がらせ、たちまちのうちに誰も“里おじさま”の名を口にしなくなった。
其れほどに彼は亜竜種に近しい存在であった。彼は――亜竜種という存在を愛していたのだ。全てを滅ぼす冠位魔種であるには、ベルゼーは悲しい程善良だった。
だが、だからといって放っておくことも出来ぬ。
フリアノンの里長を中心に行われた“ピュニシオンの森”調査。其の結果、ベルゼーはこの森の先に退避している事が判った。
更に、彼の周囲には竜種たちが存在し、人の文明を真似たかのように、“竜集落”が作られているのだと。
――其の地の名は“ヘスペリデス”。
かくてイレギュラーズたちは、ヘスペリデスを目指してピュニシオンの森を征く。けれどもそう巧くも行く訳はなく……たちまちのうちに暗雲が立ち込め、桃色の閃光が奔った。
――ばち、ばちり。
――ばぢばぢばぢ!
至るものを拒絶するかのような激しい雷鳴と共に、狼のような、オーガのような影の魔獣が現れる。
そして其の後ろで雷鳴とともに姿を現したのは――ああ、雨の中でも眩しく其の色彩を誇る――紛れもない“竜”だった。
「短命の子が、異邦者が、何かと思えば」
「獣のように嗅ぎ付けでもしたか。――我ですら近付かぬ領域へ至ろうなどと、そなたたちも勇猛な事だ」
「ならば其の武勇、見せてみよ。我は退屈しておる。そなたらに我の退屈を晴らすだけの力量はあるか?」
- <ラドンの罪域>若き彩竜、天を駆けるLv:10以上完了
- GM名奇古譚
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2023年04月27日 21時50分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●嵐去りて、後
『老兵の咆哮』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)は目を開けた。ぱち、ぱち。数度瞬きをする。じわり、と身体を苛む痛みが戻ってきた。……戻ってきた、と感じた。其れはつまり、痛みを与えられた訳ではないという事。
足元には『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)、そして『相賀の弟子』ユーフォニー(p3p010323)が傷だらけで倒れ込んでいる。
「大丈夫か!?」
其の声でバグルドは、は、と我に返る。
見れば『約束の瓊盾』星穹(p3p008330)と『約束の瓊剣』ヴェルグリーズ(p3p008566)が心配げにこちらを見ていた。
見回すと『あたたかな声』ニル(p3p009185)が心配げに『天を見上げる無頼』唯月 清舟(p3p010224)の傍に居て、『愛し人が為』水天宮 妙見子(p3p010644)が紡ぐ癒しを見守っていた。
「……俺は」
思い出せない。
今まで何をしていたのか。どうしてこの森の中にいるのか。どうして自分は晴れ空の中でずぶ濡れなのか。どうして傷を負っているのか。
判らない、と呟くバグルドを、――ヴェルグリーズと星穹は二人顔を見合わせて、自分たちも、と言った。
「どうして此処にいるのか、俺達も判らないんだ」
――空は、晴れ渡っている。
●嵐、来たりて
「……雨か」
話は少々前にさかのぼる。
しとしと、雨が降り続けていた。森に入ってからずっとこの調子で、寧ろこのままずうっとやまないのではないかという気さえする。
視界は不明瞭だ。この中で竜を警戒しながら集団戦をしなければならないとは、とバグルドは舌打ちをした。
ぞろぞろ、と影のようなモンスターたちが姿を現す。其の多さにゼフィラは表情を険しくして、ユーフォニーを見る。
僅かに宙に浮かびながら、ユーフォニーはさらに星穹へと視線を移す。
大丈夫、全ては打合せ通りに。
3人は頷き合い、ユーフォニーはドラネコのリーちゃんを呼び出すと肩に置いて、其の気炎を燃え盛らせる。
「脳筋といいますか、戦闘狂といいますか」
星穹はラ・ルゥラ・ルーをそう評する。
侮られているようですね、と半ば笑うように呟きながら、己も盾となるべく構えた。
「其れでも結構です。全部倒せば関係ありませんもの。――そういうのは得意でしょう。ねえ?」
「ああ」
星穹が見たのは相棒――ヴェルグリーズだ。
僅かに輝く其の盾(すがた)を一瞥して、雨に濡れる剣を一振るい。
「力試しで退屈を紛らわそう、というところかな。今日は相棒も一緒だし、俺も気合が入るよ」
竜の翠目が僅かに笑った、ような、気がした。
表情が豊かな訳ではないのだろう。どのような表情をしているのかは判らない。ただ爛爛と輝く目だけがあって、目の玉だけでも一抱えはあるのではないかという大きさは、悍ましい程の巨体を想像させた。
「――忘れてしまうのは、思い出せなくなるのは、悲しい事」
ニルは後方で、ぬかるみを避けて浮いている。
オルド・クロニクル――展開された結界は森を守り、植物を護る。これで大丈夫です、とニルはユーフォニーに頷いてみせる。
「でも、森を傷付けたい訳ではないですから」
「ほう。周囲に配慮する余裕があるか」
「……余裕なんてありません。ただ、ニルはやれることをやるだけなのです」
――昏ぇ中でも、目ン玉と羽根がきらりきらりと輝いていやがる。
清舟は其の姿をはっきりと捉えていた。
渦を巻くような蛇のような身体、美しい色の鱗と羽根。そして笑うように三日月を描く眸。
見ているだけで畏怖が芽生える。“敵わない相手かも知れない”と本能が告げている。其れでも、清舟たちは退く訳にはいかない。この先には冠位魔種がいて、冠位魔種は滅びを呼ぶからだ。例えどんなに――善良な性を持っていても。
「偉そうなやっちゃのう。じゃが、それだけ強ぇってのは儂でも判るわ」
「――賢いものは、嫌いではない。だが貴様らは、“肝心なところで”賢くないな」
「おう。おんしでも寄らぬ場所に用がある。何があってもいかにゃならん。だから――ちぃとばかし痛い目見て通してくれや!」
妙見子が動く。
祈りにて癒しの力を増し、更に己と星穹、ユーフォニーに下ろす『聖なるかな』。
「そう簡単には崩させませんよ! そういう陣形にしましたからね!」
バグルドが動いた。死神が笑うが如き一撃がオウガのような影の額を違えなく射抜き、更に畳み掛けて義腕から放つ鉄球で続くモンスターたちの体勢を崩す。
「ユーフォニー! 仕掛ける!」
「はいっ!」
盾役であるユーフォニーは、ゼフィラには欠かせない存在だ。
彼女の位置と己の位置を計算しながら、ゼフィラは神翼獣の権能に己のオーラを合成し、ミニペリオンの群れを獣のような影に向かって放つ。
星穹は静かに祈る。ああ、なのに血の香りがする。四方八方に放たれた魔力の乗った殺気は影のようなモンスターたちを惹きつける。
モンスターたちとの距離が徐々に縮まっていく。モンスターは泥に足を取られながらゆっくり進軍しているので、晴れの日のように直ぐ様に距離が縮まる訳ではない。
其の点、イレギュラーズ達は低空を飛ぶ事でぬかるみを回避している者が多い。これは大きなアドバンテージだった。
ヴェルグリーズが放つ弾丸のような多重奏の一撃が次々とモンスターたちの血肉を抉り、命を削っていく。
「よっしゃ、いっちょ張り切って殴るか!!」
清舟がばらまいた鉛玉は、敵だけを狙う魔弾。暗い視界は、ぬかるむ大地は敵も同じ筈と、其の進軍を留めるかのようにまきちらす。
浮遊の術を清舟は持たないが、木々の枝へと身軽に飛び移ると狙われぬよう跳躍しながらその場を飛び回る。其の視線はモンスターとラ・ルゥラ・ルーを行ったり来たり。竜は気紛れなもの。いつ攻撃に移るか判らぬと警戒は怠らない。
「強化、強化……っと」
妙見子は今回、久々にバッファーとしての役割を担っている。アタッカーに比べれば華は少ないが、其の華を美しく咲かせるためには欠かせない役割。気を抜く事はしませんよ、と前方で戦っているゼフィラたちの能力を其の白魚のような指で引き上げていく。
――薄暗い雨の森の中。妙見子の頭上にふと、影が落ちた。
「え? わ……ッ!」
振り返ればモンスターの影が腕を振り上げている。咄嗟に武器である鉄扇を構えてダメージを軽減しようとした妙見子の前に差し込んでくる光があった。
……星穹だ。モンスターの一撃を引き受けて、
「相棒!」
「ああ!」
滑るようにまさに“飛んで”来たヴェルグリーズの剣の一振りが、モンスターの頸をちょん、と刎ねた。
「大丈夫?」
「はあぁ~~、びっくりした……! 大丈夫です、ありがとうございます!」
星穹が妙見子を振り返る。
妙見子は頭上の狐耳を僅かに寝かせるようにしながら、詰めていた息を安堵の思いで吐き出した。
ニルが汚泥の渦にモンスターたちを巻き込む。
順調にモンスターの数は減っていた。そう、順調だったのだ。
●軍勢、過ぎ去りて
「……使えぬ」
戦いは長引いていた。
敵の数が多いのもある。敵の進軍速度が遅いのもある。あらゆる要因が重なって、戦いは長引いていた。
竜は苛々と呟いた。何故なら竜は、足を大地に取られないから。絶対的強者だから。そしてラ・ルゥラ・ルーは其の中でも若いものだから、“たかが人間のカタチをしたものども如きに後れを取る”モンスターたちが理解出来なかった。
「使えぬ、使えぬ、使えぬ! 貴様らも大人しく、進む事を諦めて引き返せば良いものを!」
「そいつぁ無理な相談だ」
吼えるラ・ルゥラ・ルーに清舟が言う。そろそろ奴が動き出すかもしれない、と下方へと視線を向けながら。
「この先に儂等は行かなきゃならん。例えおんしが何をしようと、誰が倒れようと、行かなきゃならん」
「黙れ!」
ばぢばぢ、と竜の周囲を雷鳴が駆け巡る。
――何かが来る。
その場にいた誰もにそう予感させるには十分な異変だった。
「近付けさせるわけにはいかぬのだ……短命の子よ! 我らが良き隣人のために!」
「来ます!! 清舟さん!」
「わかってらぁ!」
ぱ、と清舟は木から飛び降りる。
其の木を狙いすましたかのように、いかづちが――どしゃあん、と轟音と共に落ちた。
其の衝撃は凄まじく、宙にいた清舟の背を強く押し飛ばし、咄嗟に皆を庇ったユーフォニーと星穹の身体をびりびりと痺れさせるほど。
「うお……っとぉ!? こりゃあでかい一撃が来たもんだ!」
大地を滑りながらもなんとか体制を整えて着地した清舟に、バグルドが手を貸す。
「此処からが本番だ、……すっ転ぶんじゃねぇぞ?」
「わかってらぁ。おんしこそ無茶はすなよ」
――伝承では。
ラ・ルゥラ・ルーの羽根を持つものは、ラ・ルゥラ・ルーから見逃して貰えるのだという。
ならば、試す事は一つだった。ユーフォニーがきっ、と見上げるのは宙へと浮かび上がり其の姿を現した竜の美しき羽根。
躊躇いには勇気を。
恐れにも、勇気を。
「行こう、私……!!」
視界はリーちゃんのお陰で良好。
攻撃と攻撃のあわい、そして二撃目を放とうとしているこの今こそが好機!
――制御不能なブリンクスター!
一瞬の加速は時間さえ置いていく! 気配を消して一瞬でカッ跳び、ラ・ルゥラ・ルーの背後を取ったユーフォニー。
……勿論、他の者も何も考えていない訳ではない。ユーフォニーの後を追うのはゼフィラだ。
其の二人から注意を逸らすように、バグルドが、ヴェルグリーズが動く。
バグルドが昏きを切り拓くが如き一撃を。ヴェルグリーズが神域に及ぶかという手数の乱撃を放ち、彩竜の気を引く。
「(……!)」
そして、バグルドもヴェルグリーズも、気付いた。余りにも其の手応えは堅く……届いている筈なのに、全く効いている気がしないのだ。
「しゃらくさい!! 短命の子らよ!」
ユーフォニーが其の背中に降り立ち、ゼフィラと共に羽根を抜き去った其の瞬間。
一際大きく雷鳴が鳴いて、全ての音と景色が消え去った。
●嵐、吹き荒れて
「……成る程なァ」
清舟が幸運だったのは。
ニルが幸運だったのは。
妙見子が幸運だったのは。
運命だとか、そういうものではなく。
単に“ラ・ルゥラ・ルーから遠い場所にいたから”。其れだけでしかない。
吹き飛ばされたユーフォニーとゼフィラは当然。
そして至近で攻撃を仕掛けていたバグルドとヴェルグリーズも。
彼らの傍でダメージを引き受ける役を担っていた星穹ですら。
雷鳴に撃たれ、吹き飛び、倒れ伏し。小さな奇跡も何もかも吹き飛ばされて大地に伏していた。
「……我の羽根を取ろうなどと。短命の子の考える事は判らぬな」
雨は已もうとしていた。
ラ・ルゥラ・ルーはゆっくりと口を開き――そうすると倒れている者たちから光のようなものが現れて、ゆっくりと其の身体を離れ、ラ・ルゥラ・ルーの口へと運ばれていく。
「――そりゃあ、おんし。あれかい」
今動かずして、いつ動くというのか?
先程動けなかったならば、今動くべきだろう!
清舟が果たして其処まで考えていたかは判らない。ただ、仲間から何も奪わせたくないという思いだったのかもしれない。
兎も角、清舟は飛び出していた。ニルも妙見子も後衛だ、此処で前に出られるのは己しかいない。
――不甲斐ねぇ。
――いざとなったら、儂がダメでもと考えていたが、“運悪く”儂が残る側になった!
――不甲斐ねぇ! だからこの一撃、持って行きな!
「おんしには、其の“記憶”は喰わせねぇ!」
銃を投げ捨て、刀を抜く。
そうして両手に持って、ラ・ルゥラ・ルーの懐へと潜り込む。
若き竜、ラ・ルゥラ・ルーは動かなかった。
いや、或いは記憶を食っている間は動けないのかもしれない。光が動くのをやめ、ラ・ルゥラ・ルーが記憶と清舟のどちらを取るか迷っている間に、既に清舟は一撃を放っていた。
其れは文字通り全てを賭けた一撃。
この後の事など一つも考えていない、ただの一撃。
だが、其の刀の一振りはラ・ルゥラ・ルーの鱗の狭間、肉に確かに突き刺さり。
若き竜は初めて感じた“痛み”に咆哮して――
いかづちが、鳴った。
●雷鳴、過ぎ去りて
其の後、痛みを受けたラ・ルゥラ・ルーはニルと妙見子に一瞥をくれる事もなく其の場を去った。まるで雨に護られていたかのように、雲が割れ、日の光が差し、光が戻って来る。
モンスターたちさえも吹き飛ばしたあの眩い雷鳴が、今でも耳の奥で鳴っているような気がする。
「……あの伝承は、」
嘘だったのでしょうか。
ぽつり、と妙見子が呟いた。兎に角皆の手当をせねばならぬと動きながら。
「……」
ニルは其れに応える言葉を持たなかった。
羽根を狙ったユーフォニーとゼフィラは意識を失っている。兎にも角にも、皆を助け起こして訊いてみないと判らない。清舟の一撃が通じ、食われたものはいないと信じたい。
そうして――冒頭に戻る。
残念ながら、手当てを受けたヴェルグリーズと星穹は、戦いの記憶そのものを失っていた。
バグルドも同じだ。どうして己たちが此処に来たのか判っていないようだった。
「……覚えていないんですか? ニルたちは、竜の里へ、冠位魔種の根城に向かう途中で」
「……」
バグルドたちは其れを聴いて押し黙る。
本当に忘れてしまったのだろうかとニルが不安そうに三人を見る中、ぽつり、とヴェルグリーズが呟いた。
「そうだ」
どうして忘れていたんだろう。
俺達は、そうだ。冠位魔種が作ったという竜の里を探しているところで、其の道中で雷鳴と共に竜が現れて――
「……これが“記憶を食われる”って事なのか……?」
あぁくそ。
悔し気に呟いてバグルドが髪をわしわしとする。彼もどうやら、思い出したようだった。
星穹も頷く。
「私も思い出しました。――どうやらあの竜の能力は万全ではなかったか、……或いは、“忘れた事を思い出せば”思い出せる」
――自分は何かを忘れている。
そう思い至る事が出来れば、泉から水を汲むように思い出せるのではないかと星穹は言う。
記憶を喰らう竜、ラ・ルゥラ・ルー。
痛みを知らぬ竜、ラ・ルゥラ・ルー。
次に会う時はきっと……彼は怒りに満ちている。短命の子への畏怖と怒りを湛えて対峙するのだろう。
ニルからあの後何があったのかを聞きながら、皆が同じ事を――考えていた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
あとがき
お疲れ様でした。
遅刻して大変申し訳ありません。
ラ・ルゥラ・ルー。其の羽根の加護は絶対ではないのかもしれません。ですが同じほど、かの竜の能力も絶対ではないのです。
ご参加ありがとうございました!
GMコメント
こんにちは、奇古譚です。
ついに竜種の登場です。とてもとても手ごわい敵です。
手ごわいという言葉すら、生温いかもしれません。
●目標
彩竜“ラ・ルゥラ・ルー”を撤退させよ
●立地
森の中です。
茂みをかき分けてどんどんモンスターが沸いてきているのをイメージして下さい。
そして其の奥に、紫色っぽい身体をした、輝く緑の瞳があるのを想像して下さい。
其れが現在の状況です。
天気は雨。暗雲が立ち込めています。
大地はぬかるんでいますが、其れは敵も同じです。
●エネミー
ラ・ルゥラ・ルーx1
獣型モンスターxいっぱい
オウガのようなモンスターxいっぱい
今回、ラ・ルゥラ・ルーは人間という種を観察する事を主としていますので、積極的に攻撃してくる事はしません。
取り巻きのモンスターたちで十分だろう、とたかを括っています。
ただし取り巻きのモンスターの数が減って来ると其の力に興味を持つのか、全範囲に虹色の雷を降らせます。神秘攻撃の類になります。
また、言い伝えでは「ラ・ルゥラ・ルーに食われてはならぬ」という伝承があるようですが……?
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●
此処まで読んで下さりありがとうございました。
アドリブが多くなる傾向にあります。
NGの方は明記して頂ければ、プレイング通りに描写致します。
竜に「俺らは凄いんだぞ!」って、教えてあげましょう。
では、いってらっしゃい。
Tweet