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シナリオ詳細

<帰らずの森>介入すべきは此処にあり

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●戦っているのは
 フリアノンから少し離れた岩場で、何かと何かが戦っている。
 片方は亜竜。巨大な腕を持つ二足歩行の、如何にも力自慢といった風体の亜竜だ。
 名前はグラップルアーム。その巨大な腕で敵を引き裂く二足歩行のワニ……にも似たありゅだ。
 もう片方はアリ。アダマンアントと呼ばれる、頑丈無比な外骨格を持つモンスターだ。
 互いに睨みあい、距離を測り……今すぐにでもぶつかり合いそうな様相を呈している。
 ガチガチと牙を打ち鳴らすアダマンアントは警戒する様子を見せているが、未だ襲い掛かる様子はない。
 なるほど、どうやら此処に来た「余所者」は亜竜グラップルアームのほうであるらしい。
 その亜竜は拳を握ると、僅かに前に出て。
「グガアアアアアアアアアアア!」
 咆哮し、アダマンアントへと襲い掛かる。放った一撃はアダマンアントの外骨格に弾かれ、アダマンアントが戦闘態勢に移行する。
 どちらが勝ったところで覇竜に住む亜竜種の面々からしてみれば嬉しくもなんともないが、急な勢力の変更は何が起こるか分からない。
 つまるところ、アダマンアントに勝ってもらった方が無難なのだが……それにはどうやら、この状況に即応できる戦力が必要だろう……!

●静李からの頼み
「……というわけで、アダマンアントと亜竜グラップルアームの戦闘が発生している」
 どうやらアダマンアントの縄張り近くに亜竜グラップルアームが攻め込んできたのが原因のようで、小競り合いの後にまた睨みあっている状態だ。
 まあ、当然だ。アダマンアントは戦闘種でなければ防御重視のモンスターではあるし、攻撃重視の亜竜であろうと攻め切るには相当な破壊力が要る。
「問題は、この小競り合いが起こっているのが小集落の近くだ……ということなんだ」
 フリアノンから然程離れていない場所にある小集落で、この岩場から目立ちにくい位置にある隠し通路を進んだ先にある、のだが。この戦いが長引けばどちらかのモンスターの攻撃により集落の位置が露見しないとも限らない。
 岩山の洞窟を薄い岩に偽装した扉で隠しているので、存在がバレれば突破されやすいのだ。
 もしそうなれば移住の必要も出てきてしまうが、出来ればそれは避けたい。
 つまり……そうならないために、早めに亜竜グラップルアームに一当てして去ってもらいたいのだ。
「……たぶんだが、亜竜グラップルアームはピュニシオンの森の調査の余波で興奮しているんだろう、本来はこの辺りに生息している亜竜じゃないんだ」
 そう、帰らずの森とも呼ばれるピュニシオンの森への探索。
 その影響は大きく、モンスターや亜竜が興奮したように動き出す現象も多く報告されている。
 亜竜グラップルアームもまた、そうした影響を受けたモンスターの1体である。そういうことなのだろう。
「なるほどな。つまり、その役目を俺たちに担ってほしい……ということだな」
「そうなる」
 『騎士の矜持』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)に、静李はそう頷く。
「ちょっと分かりにくい場所だから地図は渡すけど……私も同行する。たくさんの人の命がかかっている……守ろう。一緒にやれば、それが出来ると思うから」

GMコメント

現場はフリアノンから少し離れた場所にある岩場です。周囲には岩山が幾つもあり、その中に岩に偽装した隠し扉があるらしいです。
出来る限り近づけないようにグラップルアームをボコボコにしましょう。
一定ダメージを与えると逃げていきます。
なお、グラップルアームとアダマンアントが敵対していますが、全て通常種です。
今回は優先度の問題でアダマンアントは皆さんを積極的に攻撃してくることはなく、グラップルアームの撤退後に何処かに去っていきます。

●出てくる敵
・グラップルアーム×20
腕の肥大化した、二足歩行のワニにも似た亜竜。素早く距離を詰め、敵に「怒り」を与える左ジャブ【白銀の左】からの攻撃集中による、エネルギーを纏った必殺ストレート【黄金の右】に繋げていくなど、ボクサーの如き攻撃をしてきます。ある程度ダメージを与えると逃げていきます。

・アダマンアント×10
嫌になる程硬い巨大アリ。攻撃方法は岩をも溶かす酸を弾丸のように飛ばす技と、強靭な顎による振り回し&叩きつけ攻撃です。今回はグラップルアームを敵と見做しており、皆さんのことは無視気味です。
グラップルアームが撤退すると撤退します。

●友軍
・静李
覇竜領域デザストルに存在する亜竜集落ウェスタで生まれ育った少女。青き鱗の己等を『水竜の一族』と称しています。
基本的に物静かで、一歩引いたところから全てを見遣るスタンスを貫こうとしているようです。
今回皆さんに仕事を頼んだのは「同胞に頼まれたので」といった理由であるようです。
今回は同行しています。タイプとしては水の魔法による中~遠距離型です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <帰らずの森>介入すべきは此処にあり完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年04月02日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
小金井・正純(p3p008000)
ただの女
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃
月瑠(p3p010361)
未来を背負う者
煉・朱華(p3p010458)
未来を背負う者
劉・紫琳(p3p010462)
未来を背負う者

リプレイ

●小集落へ
 アダマンアントと亜竜グラップルアームの戦いは始まったばかりだ。
 攻撃に特化したグラップルアームと防御に特化したアダマンアントでは決着が簡単につくはずもなく、此方に興味がないのも僅かな……しかし、貴重な時間を作り出していた。そう、戦いに介入するために必要な情報があるのだ。それを手に入れるまでは、迂闊に戦場を拡大するわけにはいかないというわけだ。
「大変な騒ぎになってるね」
「この騒ぎで集落の入り口が見つかっちゃうのもだし、モンスターの小競り合いや縄張りの変化で交易とかの面で悪影響が出ちゃうのもよくないしね。原因はピュニシオンの森関係と想像できるし、そうなると微妙に責任を感じたりとか亜竜たちも大変なのはありありと想像ができるけど、ひとまず縄張り荒らしには帰ってもらおうね!」
 『魔法騎士』セララ(p3p000273)と『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)はそう頷きあう。
 どう見ても岩場にしか見えないこの場所ではあるが、実は小集落が隠されている。その入り口となる場所はぱっと見では分からないが……今回に限っては、それは放置してよいものではない。
 万が一戦いの中で隠し入り口が破壊されれば、とんでもないことになる。
 だからこそセララは透視を使用して入り口探しに勤しんでいた。
「普通の岩なら分厚くて透視できないけど、隠し扉なら薄いから透視できるはず。これで入り口を見つけちゃうのだ。もし入り口が見つからないなら、それはそれで攻撃に巻き込む範囲には入り口が無いってこと!」
「そうだね。もし見つかるようなら……この騒ぎで集落の入り口が見つかっちゃうのもだし、モンスターの小競り合いや縄張りの変化で交易とかの面で悪影響が出ちゃうのもよくないしね。原因はピュニシオンの森関係と想像できるし、そうなると微妙に責任を感じたりとか亜竜たちも大変なのはありありと想像ができるけど、ひとまず縄張り荒らしには帰ってもらおうね!」
「ワニっぽい亜竜か。たしかピュニシオンの森って底無し池があるんだったか。いや普通の亜竜はあの辺嫌がるらしいし、ウェスタの地底湖付近のやつなのかな? いやでもここフリアノンだしな。余波がそこまですごいってことなのかな」
「分からないけど……此処で暴れさせるわけにはいかないのは確かだよね」
「だな!」
 アクセルも『有翼の捕食者』カイト・シャルラハ(p3p000684)とそう言い合いながら、今のうちに広域俯瞰で戦場を確かめていたが、こうした情報の共有が後で光るはずだ。
「亜竜とアダマンアントの小競り合い、ですか。我々の調査の影響もあるのでしょうけれど、どちらにせよあの場で騒がれては困りますね。可能な限り扉から遠ざけつつ、お帰り願いましょうか」
「ああ、それがいいな」
 『明けの明星』小金井・正純(p3p008000)に『騎士の矜持』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)もそう頷く。
「こうして確認できている範囲ではアダマンアントはあくまでも自衛が優先であり、こちらが余計なことをしなければあまり意識をさくことはないでしょうか。申し訳ありませんが壁になって頂き、その間にグラップルアームを撃退しましょう」
 余計なこと。その言葉にベネディクトはピクリと反応する。
「今回の件……俺達イレギュラーズが森を調査したが故に、か。申し訳なくも思うが、それを止める事も出来ん。ならば、俺達に出来る事をやって少なくとも被害が出ない様にしなければな」
「別にあなたたちのせいじゃあない。なるべくしてなったことだ。だから私も此処に居るんだ」
「今回も力を貸してくれるのか、静李。助かるよ」
「それは此方の台詞だ」
 静李もベネディクトにそう応えて、アダマンアントたちを見つめる。アダマンアント……覇竜侵食事件を経ても種が滅んだわけではなく、アレ以外の巣もあちこちにある。恐らくはこのアダマンアントたちもそうした群れの1つなのだろう。
「うおー! またアリだー! って、あれ? 今回は敵じゃないのかな?」
「そうなる」
「そっかー」
 『宝食姫』ユウェル・ベルク(p3p010361)に静李もそう頷くが、実際今回に限っては敵ではないのだ。
「手を出さないと攻撃されないならほっといた方がいいよね。その隙にグラップルワームを片付けるのだー!」
「アダマンアントとグラップルアームの小競り合いね……。そりゃ理屈ではアダマンアント達に勝ってもらった方が無難だって事は分かってる心算だけど、ちょっと前にあんな騒動があった後だし少しばかり複雑だわ」
 『煉獄の剣』朱華(p3p010458)に静李も頷くような仕草を見せる。未だイルナークのことを忘れた者は居ない。
 アダマンアントそのものが悪いかと言えばそれもまた首を傾げてしまうが、良い印象がないことは確かだ。
「森の調査はこれからも続けるしこういうことも増えるのかなー。ま、増えたらまた解決していけばいいよね。おうちの傍にうるさいのがいっぱいいるのは嫌だよね。戦闘が長引くと集落見つかっちゃうかもだしぱぱっと追い払うよ!」
 ユウェルがそう言えば、朱華も「その通りね」と力強く頷く。
「まっ、それもこれも同胞達の安全の前には些細な事よ。使えるモノならアリでも使えってね。今はこの考えに蓋をして戦いに集中するとしましょうか」
「そうですね。これがピュニシオンの森の調査の影響だというのであれば、かなり広範囲かつ様々な種に影響が出てしまっているようですね。アダマンアントの住処が脅かされるようなことがあれば再び以前のようなことが起こらないとも言えません。彼らが大人しくしている今の状態を保つためにも、速やかにお帰りいただきましょう」
 『劉の書架守』劉・紫琳(p3p010462)が言うと、丁度セララが隠し扉を見つけ出す。これを守れば問題ない……ということで早速朱華が保護結界を展開する。さあ、これで後顧の憂いはある程度消えた。となれば、介入の始まりだ……!

●戦いに介入せよ
「いくぞ、皆!」
「しっかり追い払っちゃおう!」
 カイトの鷹柱兵団が発動し、アクセルが雲海鯨の歌を振るう。
 幸いにもアダマンアントがカイトたちに興味がない為、アダマンアントを前衛のように、あるいは壁のように使えている。
「グラップルアームもアダマンアントも隠し扉に近づけないようにしないと! アダマンアントは今回は敵対しないから攻撃でどかすとかはできるだけしたくないけど……」
「ま、この調子なら大丈夫だな!」
 アクセルにカイトもそう応えるが……実は今日のカイト、食材適正がついていたりする。
 Q.食材適正(おおきなとりにく)はなんでつけてるの?
 A.仕様です。ワニっぽい亜竜なら釣られるかもしれないし? いや俺は喰われねえからな!
 ……ということらしいが、たぶん誘い受けとかいうやつである。さておいて。
「共同戦線よ。アンタ達だけじゃあいつ等を追い返すのは厳しいって事は分かるでしょ? 朱華達がアンタ達に足りない部分を補ってあげる。アンタ達も朱華達に足りない部分を補って頂戴。それじゃ、行くわよっ!」
 そんな主華の言葉がアダマンアントに届いたかは不明だが、図らずも共同戦線というのは確かだ。
「輝く魔法とみんなの笑顔! 魔法騎士セララ、参上! 悪いけど、グラップルアームには森に帰ってもらうよ!」
 セラフインストールからのセララおやつタイム(ポンデ)で自己強化を終えていたセララのギガセララブレイクがグラップルアームへと炸裂する。
 近接戦であろうと恐れない。そんなセララが戦場で暴れ回る中、仲間たちも作戦通りに動いていく。
「ボクサーのような攻撃、となるとそのキモとなるのは腕。なら……こうです」
 正純もケイオスタイドをグラップルアームに向けて広げていく。
 戦いが混戦ではないため、狙いがつけやすいのは非常に有難くはあるが、アダマンアントの変わらない統率力を感じるためかなり複雑ではあるのだが……今はそれを利用するのが一番良い。
「我々の目的のためとはいえ、彼らの生息域を騒がせその影響がこの土地に住んでいる方々に出ている、となると申し訳ない気持ちになりますね。アダマンアントも、グラップルアームもそれは同じ。普段と違う状況に落ち着きが無くなるのは仕方の無いこと。とはいえ、そこに住む方々もおりますれば、その生活を脅かされるのは困るところ。可能な限り穏便にお帰り頂きましょう」
 そう、この戦いはグラップルアームにしろアダマンアントにしろ、本意ではないのは確かだ。ならばどうするかという答えは然程難しくなく、ベネディクトはそれを実行するべく積極的に前へと出ていく。
「どうやら、一撃が自慢らしいな。ならば、俺と一つ勝負と行こう……!」
 放つのは黒牙天墜。広範囲に渡り衝撃を引き起こす必殺の槍を天より墜とす技であるそれは狼の鳴き声にも似た音を鳴らして。そこに、静李の放った水魔法が命中していく。
「こうして静李と共に戦うのも、両手の指ではそろそろ足りなくなって来たくらいかも知れんな」
「……かもしれない。それが良いことなのかどうかは、まだ分からないけども」
 そう、静李はまだ「答え」が出たわけではない。あるいは、その答えはずっと出ないのかもしれない。それでも、こうして前に進んではいる。
 そんな静李にベネディクトは「イレギュラーズでは無い戦友というのも、俺にとっては珍しい気もするが」とは思いつつも、口には出さない。そういう関係も、悪くはない。
「グラップルワームの相手をするのはアリさんたちに任せてその間に横からぱんちしちゃうよー! ワニっぽいなら空から攻撃すれば追ってこれないはず!」
 飛行しながら山崩を振るい三光梅舟を放つユウェルの一撃もグラップルアームへと重いダメージを与えていく。
「飛べない竜になんて負けるわけないもんねー!とりゃー!」
 一撃で離脱するヒット&アウェイを心掛けながら動くユウェルだが、朱華のジャミル・タクティールがタイミングよく叩き込まれて楽に離脱できていた。
「痛い目見れば撤退するでしょ? どんどん追い払おー! 空を駆ける竜が地を這う竜に負けるわけないのだー!」
「この調子で立ち回れば勝てるわね!」
 そう、すでにグラップルアームはどんどん撤退を始めている。
 グラップルアームが近距離攻撃しか持っていない以上、やりようはいくらでもあるということだ。
 紫琳の紫晶重力弾がグラップルアームに命中し、その動きを阻害するのもその一環だ。
「あとは『そこに何かある』と思わせないよう慌てず冷静に。露骨になり過ぎないよう対処しましょう。そうすればこの戦い……私たちの、勝利です」
 そんな紫琳の言葉通り、全てのグラップルアームが撤退していくと同時にアダマンアントたちも撤退を開始していく。
 グラップルアームのあとをファミリアーに紫琳はついていかせながら、呟く。
「異常行動の原因が私たちの探索によるものであれば何らかの対策は必要でしょうか……?」
 とはいえ、今何かを出来るものでもない。ピュニシオンの森の調査をやめるわけにもいかない。
「今後も襲撃が起こるかどうか推測するためにも、彼らの住居に何らかの変化がないか確認しておきましょう」
 そう言いながら、ふと紫琳は思う。
「あるいは、他の外的要因による接触の可能性もありますが……仮定に憶測を重ねたものでしかありませんが森の探索を妨害しようとする何者かがけしかけたとか。何にせよ、情報を探らなければなりませんね」
「確かにねー。グラップルアームがなんで興奮しちゃったかできるだけ調べておこうかな。ただ森に行っただけじゃそこまで興奮しないと思うんだけど……もしかして何かから逃げてたり?」
 今までピュニシオンの森の調査などなかったのだから、何があってもおかしくはない……というのは事実ではある。
「なにもわからないかもだけどやらないよりましだよね。色々見て回ろー」
 言いながらユウェルは「アリさんとはもう戦わないで済むといいなー」などと呟いていた。
「何かあれば仕方がないけどやっぱりおんなじ場所に住んでるなら仲良くしたいよね」
「そうですね。その為にも彼らそれぞれがどこから現れ、どこに消えるのかが分かれば棲み分けとかも検討できそうでしょうか。調べてみる価値はあるでしょうかね」
 そう、だからこそカイトとベネディクトもそれぞれ手を打っていた。カイトはグラップルアームの後をダンボールを使い、気配遮断して追っていた。
(住処に戻ったところで、興奮の原因がピュニシオンの森騒動によるものならまた動いちまうだろうしな。アイツラの住処の方にもなんか変なこと起こってるかどうかは見ておいたほうがいいかもな。近場の集落にも警戒してもらう必要が出てくるからな)
 そう考えていたのだが……その追跡は途中で断念せざるを得なかった。それなりに遠くから来たようで、ある程度以上の追跡は他のモンスターの縄張りに入り込む可能性があった。とはいえ、正気に戻ったならもう戻ってこないだろう……という確信は出来た。
 一方、アダマンアントをファミリアーで追っていたベネディクトはアダマンアントが多少離れた場所にある地面の穴に潜っていったのを確認していた。どうやら、その近辺に巣穴を伸ばした群れなのだろうが……派手な事件は今のところ起こっていない。ということは平和な方針を持つ群れの可能性はあるだろう。
「しかし、アダマンアントか……数多のアダマンアントと戦ったあの戦いはそんなに昔の事では無い筈なのに、今では随分と前の様に感じてしまうな……おっと、黄昏ている場合ではないか」
 ふとベネディクトが静李に視線を向ければ、そこではセララと何かを話しているようだった。
「静李ともお友達になれたら嬉しいな。せっかくだから、ボクのギフトの『みらこみ!』で今回の冒険を漫画にしてプレゼントするね。冒険の思い出だよっ」
 シナリオ中の出来事を自動的に記録し、漫画として保存・出力する魔法でありセララのギフトであるそれによって出来上がった漫画を見て、静李は小さく微笑む。
「……うん、ありがとう。大切にする」
 それはきっと、静李の本棚に大切に飾られるだろう。今日のこの冒険の、大切な思い出と共に。

成否

成功

MVP

ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
戦輝刃

状態異常

なし

あとがき

ご参加ありがとうございました!

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