シナリオ詳細
<帰らずの森>森の先と風の声
オープニング
●<帰らずの森>森の先と風の声
大陸南方の、険しい山間に位置する覇竜領域デザストル。
亜竜達の過ごしし地にローレットが訪れ、彼等も特異運命座標として仲間入りしたのは先日のこと。
ただ、そんなデザストルの集落の一つ『フリアノン』に、相談役として出入りしていた『里おじさま』こと『冠位暴食』ベルゼー。
彼は今迄良き隣人であり、亜竜種達を害さぬ様に錬達や深緑を襲撃していた。
しかし両者が潰えた今となっては、そのターゲットは覇竜領域になるのではなかろうか……と、里町代行達は想定し、大いなる影が亜竜集落を飲み込む前に対策をしなければなるまい、と口にする。
そして、そんな里町達の会話に、先行して『ピュニシオンの森』調査に出発する珱・琉珂。
続けてイレギュラーズ達が調査の準備を整えている所に……イレギュラーズ達の下に連絡が入る。
『ピュニシオンの森の関所が壊れているわ……そこを守る守人達も、殆ど居ないみたい、ね』
忽然と姿を消した守人達……ほんの僅か残っていた守人達も亜竜集落に出かけるように言いつけられていた様で、失踪その理由は知らない模様。
更にはピュニシオンの森の方角から亜竜達が度々飛来している影が目撃されており、森の中にで何かが起きているのは先ず間違い無い。
危険度高く、何が居るかも判らないピュニシオンの森……だが、琉珂は。
「ここ、R.O.Oの時に一度来た事が有るわよね? その時は皆、死屍累々だったんでしょ? ……現実でもそうなんだけど、ね。けど……森の奥に、行きましょう。この森を越えた先にオジサマが居る。と……言っても森はほぼ手つかずだわ。だから危険を承知で御願いしたいの。森を攻略する為のヒントを集めてほしいの!」
と、イレギュラーズ達の皆に頼むのである。
●
覇竜領域デザストルの『ピュニシオンの森』。
森に立ち入り既にかなりの時が経過しており、時刻の頃は深夜の刻……と言った所。
ただ広大なピュニシオンの森としては、まだまだ中腹程度と行った所だろう……幾重にも襲い来る亜竜や魔物を倒してはいるが、まだまだ『冠位暴食』ベルゼーの影も、痕跡も見つける事は出来て居ない。
琉珂は言うものの、本当にこの奥に居るのだろうか……と、疑問を抱きつつ、一旦の休息を取ろうとしたイレギュラーズ。
だが……その時。
『……帰りなさい。ここより先に行く事は許されません……命は惜しくはないのですか?』
突如、イレギュラーズ達の脳裏に響きわたる声。
森の中故に先を見通し辛い状況……声がした方向はどこなのかぐるりと視線を巡らせるも、その影は見当たらない。
声は気のせい……と思い、再び立ち上がりイレギュラーズ達は先へと進もうとする。
だが……再び響く声。
『帰りなさい……ここより先は危険な領域。帰りなさい……』
やはりその声の主は、視界には映らない。
「俺達には、帰れない理由がある。誰だ、お前は?」
誰かがそう言うと、その声は。
『ベルゼー様を、倒そうという事ですか? ……それは許されません。帰らないと言うのならば……力尽くで排除させて貰うまでのことです。さぁ……帰りなさい』
帰る事を、何度も忠告する声……だが、イレギュラーズ達は足を止めない。
すると……薄暗い進路の先に……人型の影が浮かび上がる。
灯りを灯すと、そこにはアイパッチをした、強面の巨躯の男。
『……ならば、仕方ありません……『暴食の時影』トルクメストが、相手させて頂きます』
漂う気配は魔種である事を如実に示す。
更に、その気配に吸い寄せられたかのように……周囲から響きわたる竜の咆哮。
薄暗い中に地面は震え……そして、木々を掻き分け現れるは亜竜の群れ。
亜竜と、どこか穏やかな物腰の強面な魔種は、君達を退ける為に、牙を剥いた。
- <帰らずの森>森の先と風の声完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2023年04月07日 22時20分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●森の声
覇竜領域デザストルの一角に、広大に拡がる『ピュニシオンの森』。
『冠位暴食』ベルゼーが居ると言われるこの森に、多くのイレギュラーズ達は探索のために足を踏み入れる。
「うわぁ……位にゃ。このままじゃ危険にゃね」
と、『少年猫又』杜里 ちぐさ(p3p010035)は暗視効果で視界を確保しながら先導。
勿論、鬱蒼と生い茂る森の中は視界不良で、どこか不気味な雰囲気が漂っており、こんな場所の先に、本当にベルゼーが居るのか……とは少し疑問に思う部分もあろう。
だが、ベルゼーこと『里おじさま』を慕う珱・琉珂からのたっての依頼とあっては、無碍に断る事も出来ない訳で。
「まぁ、うん……これが私個人だったら帰れ、と言われればさっさと帰るんだがな。そうもいかないって訳よ。女の子がさ……会いたいって願う相手がこの先に居るのなら。叶えてやらなきゃーならんよなぁ!』
とは、『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)の言葉。
そんな彼女の言葉に『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)も。
「ああ。個人的ではあるが、この森を思う存分探索したい所なのだが、今はそうも言っていられないな!」
と、尊大なる声を上げる。
勿論状況によっては倒さなければならない……というのは琉珂だって理解はしている事だろう。
だが……彼の優しさに触れたからこそ、出来れば倒したくない……話し合えば、判ってくれる筈だという希望も理解出来る訳で。
……そして、ベルゼーを追いかけ森を進むイレギュラーズ達である。
●眠りを起こす
そんなイレギュラーズ達の下に届く声。
『帰りなさい……ここより先は危険な領域。帰りなさい……』
声の印象だけ言えば、優しそうな声。
「……ん。何だろうねぇ、この声は」
周りを見渡す『闇之雲』武器商人(p3p001107)。
一旦立ち止まり、周囲を再確認するが……その姿は見受けられない。
勿論暗視で見えない程の距離にいるのかもしれないし、空耳かもしれない……そして武器商人は仲間達を促し、更に先へ。
……すると、もう一声。
『ベルゼー様を、倒そうという事ですか? ……それは許されません。帰らないと言うのならば……力尽くで排除させて貰うまでのことです。さぁ……帰りなさい』
先程よりも少し強く、そして……棘を感じられる口調に。
その声に『双影の魔法(砲)戦士』マリオン・エイム(p3p010866)が。
「誰でしょうか? 私達には、足を止められない理由があります」
少し礼儀正しい口調で、聞こえた声に向けて言葉を返す。
……その言葉に対し、そうですか……と息を吐く。
そして、次の瞬間……イレギュラーズ達の前方の暗闇に、ぼんやりと姿を表す影。
当然周囲の薄暗闇故に、その表情を窺い知る事は出来ないのだが……ここに居るイレギュラーズの誰よりも慎重が高い……巨躯の男であるのが分かる。
『忠告します。ここより先へ向かうのは止めなさい。止めないのであれば……貴方達を此処で殺さねばなりません』
始終、柔和な口調且つ、物腰柔らかなその声。
朧気に見える大きな体躯に対し、違和感を感じるものの、明らかにその声は彼から発せられているのは間違い無い。
「ふむ……門番、みたいなもんかね?」
と肩を竦めながら問い掛ける『Luca』ファニー(p3p010255)に、彼は。
『……貴方達に関係はありません。帰りなさい』
更に威圧する様に声を紡ぐと、ファニーはあえて。
「今迄の口ぶりからすれば、『ベルゼー』の配下か、って所か? まぁ確かにベルゼーは、冠位にしておくおのが勿体ないようなやつらしいしな。慕う仲間も多いだろう。ひょっとしたら、今迄で一番やりにくい相手……かもな?」
ニヤリと笑みを浮かべるファニーに、『深き森の狩人』ミヅハ・ソレイユ(p3p008648)も。
「そうだね。冠位暴食、かぁ……いずれは倒さなきゃならない相手だ。だけど今じゃないって事は真実だ。アンタを倒して、ベルゼーの居場所を教えて貰えないか?」
ミヅハの言葉に、彼は。
『……答えられません』
煮え切らない答え。
そんな彼の言葉に、マリオンが。
「君の主人のベルゼーと戦うのじゃなくて、話がしたくて、多くの人gあ探しているんだ。特に……琉珂って子が、ね」
と、敢えて琉珂の名前を出す。
しかしそれに対しても。
『理解していただけない様ですね………仕方ありません……『暴食の時影』トルクメストが、相手させて頂きます』
暗闇の中から一歩、二歩と進み出る彼、いや、『トルクメスト』。
片目アイパッチに、強面、かつ巨躯の男……威圧感は十分。
更に彼の纏う瘴気の様なオーラが一気に噴出すると……その瘴気に刺激されたのか、暗闇の森の中から次々と竜の咆哮が響きわたり、木々を掻き分け凶暴に姿を表す亜竜の群れ。
「トルクメストにゃ? それに……大量の亜竜、なかなかピンチにゃね」
敵の陣容に驚くちぐさの言葉に『頂点捕食者』ロロン・ラプス(p3p007992)は。
「威しに出てくる分には見逃すのも一考するけど、亜竜達はダメだね。空腹に抗えなんて捕食者(スライム)であるボクが言えるわけもないもの。食うか食われるかをボクは否定しない。ボクらに牙を剥いたなら、こちらも彼らを糧とするよ」
と戦線布告、更にはマリオンも。
「そうだね。手加減できる相手じゃないけど……出来れば殺さずに退かせたい所だね……みんな、行くよ」
と、仲間達を促すと共に、先陣を切ってトルクメストに対峙するマリオン。
勿論、その周りから亜竜達がグギャァァと威嚇の鳴き声を上げながら妨害せんと立ち塞がる。
しかし、そんな亜竜達には初手の一閃として、ミーナが血色の滝落を降り注がせて、総じてダメージを叩き込む。
更にはロロン、ちぐさも己の自己強化を施しつつの敵を溶かす液体で其の身を溶かしたり、四方より迫る土壁で包囲し叩き潰したり、と攻撃を加えて行く。
その一方で、武器商人は仲間達の動きを一歩後方から俯瞰し、先ずは亜竜達のターゲットを引き寄せる様、破滅へ誘う声で怒りを付与し、彼等がトルクメスト組の方に行かない様に敵の流れをコントロール。
そして亜竜達を横目に、マリオン、ゼフィラ、ミヅハの三人でもって、トルクメストに相対。
トルクメストはその巨躯と、筋骨隆々な肉体には似合わず、かなり素早い。
また、その手にもった、巨大な鎌の様な武器を構え、下から上に振り薙ぐと、その一閃と共に風の刃が木々を切断すると共に、イレギュラーズと己の間にその木々を斬り倒していく。
勿論、突風の刃はかなりのダメージに及び、かなり体力を削られてしまう。
しかしすぐに、ゼフィラがその体力を回復し、戦線を維持。
加えてマリオン、ミヅハの二人は息を合わせて攻撃。
接近したマリオンが魔術格闘で組み合い、ミヅハは後方から死神の狙撃で狙い撃ちする。
……ただ攻撃を喰らおうとも、さほど効いている様には見えない……彼はあえて。
『……退きなさい。退けば……追いかける事はしません』
と、イレギュラーズ達に降伏勧告を繰り返す。
そんな彼の口調からすれば、好戦的ではないのは間違い無い。
己が後方に居るべく『ベルゼー』の元に行かせない事だけが目的なのであろう。
……そんな彼の動静に一抹の疑問を抱く武器商人。
「ここまで好戦的では無い動きをしているとなると……いよいよ訳が分からないね。そこまでして、ベルゼーの下に行かせたくない何かがあるのだろうか……?」
ふと疑問を抱く武器商人に、ミヅハもこくりと頷く。
「そうだな……俺達がベルゼーの下に辿り着く事による弊害は何なのだろう? ……ベルゼーが、俺達の下に下るのを警戒しているのか?」
「ああ……かもしれないねぇ……」
短く頷くと共に、トルクメストの表情をじっと観察。
強面ではあるが、どこか悲しげな表情。
イレギュラーズと戦う事を望んでは居ないようで……仕事で仕方なくやっている様にも見える。
更に数刻……亜竜達に対峙する者達は。
「さぁ、皆。愚者の行進を始めようか。俺様たちは、ここを通り抜けたいだけなんだ。お互い命は大事にしようぜ?」
ヒューと口笛を吹きつつ。
「さぁ、死にたく無いなら地に伏せてろ。おまえらは及びじゃねぇ」
その言葉と共に指を掲げ、死線をなぞり……そして、指をパチンとならして。
するとその音を木霊させて。
「いいか、降り注ぐ星屑から逃げられるか? 別に逃げても良いんだぜ? おまえらを倒したところで、こっちにメリットはないんだからな?」
と空から降り注がせる星屑。
それにて亜竜を総じて体力削っていくと、その後は亜竜一匹に集中砲火。
「さぁさぁ……余り時間を掛けたくないんだよねぇ……ちゃちゃっと倒れて貰うとしようか。トルクメストに効きたい事は一杯あるんだしね、ヒヒヒ」
と武器商人は笑いながら、更なる闇へ誘う声で惑わし、そこにミーナ、ロロン、ちぐさが攻撃を重ねていく。
一匹ずつ、確実に敵を仕留めて行くイレギュラーズ。
そして亜竜を倒している一方でミヅハは、トルクメストに向けて。
「トルクメスト。俺達は先に進みたいだけだ。この先にベルゼーが居るのは聞いて居るぜ? 他にも誰か居るのか? 誰にも知られたくない碑、とかな」
あえて仮説を吹っかける。
しかしその言葉にトルクメストは答えない……悲しさと、苦しさが混じったような表情を浮かべたまま。
更に彼の攻撃も、決して殺すべく力を振るうわけでは無い……ある程度力の差を見せつけるようにして、イレギュラーズ達の撤退を促している様にも見える。
当然、イレギュラーズ達は撤退することは無い。
かなりの力の差を感じつつも、彼の注意を惹きつけつつ、逃げられないように立ち回る。
……そして、五分程が経過。
一陣、二陣、三陣……と次々と襲い来る亜竜を撃退し、それ以上亜竜達の姿が現れないことを確認した所で、残るはトルクメストのみ。
しかし彼もさるもので……決して背後を獲られないように、少しずつ後退。
ただ、逃げるわけには至らない……そんな彼の動きはやはり、どこか不思議な感触を覚えてしまう。
……そんな彼に向けて、ミヅハは。
「何で立ち塞がる? その理由があるなら聞かせてくれよ。理由次第じゃ話し合えるかもしれないぜ? でも……話すつもりが無いなら……力尽くで、口を割らせてやるぜ!」
と戦線布告。
それに眼を一度閉じると共に……冷酷な視線で。
『……貴方達に話す必要はありません。ベルゼー様に仇成そうとする者を撃退すること……それが使命です』
今迄以上に、漂う瘴気が強くなり、その足を怯ませる。
しかし、それを感じ取らせない様にゼフィラ、ミーナが。
「悪いね。命を惜しむより、前に進みたいタチでね。無謀という言葉は、私にとって無意味なのさ。キミがかの暴食の配下である事は間違いなさそうだけれど、こちらとしても、彼を放っておく理由がなくてね。あとはまぁ、個人的に彼に聞きたい事もあるのさ」
「そうだな。私達はここを通って遭いたい奴がいるだけなんだわ。別に今すぐベルゼーをどうこうする気はないさ。ぶっちゃけ、私は無駄な戦いは避けたいタチだしな」
「そういう事……キミを含め、多くの者に慕われるかの人物が、本気でフリアノンを含めた集落をどうこうするつもりなのか確認がしたいのさ。まぁ、本気だと言うなら刃を交える事になるのだろうけどね」
「そうだ。ベルゼーと、関わった皆の願いを、本音を聞きたいだけさ」
ゼフィラとミーナは、彼とベルゼーを理解した上で、彼から話を聞き出そうとしている。
でも、決して彼は懐柔されることは無い……常に冷静かつ、慕うベルゼーを守るが為の行動に徹し、その理念に基づき行動する。
……そんなトルクメストの強力な瘴気を発する攻撃で、イレギュラーズ達はかなりのダメージを喰らう。
常にゼフィラがその体力を回復する様に行動すると共に、武器商人とミヅハの二人は敵の動きを見据えて動きを制限。
残る前提に立つ仲間達が全力で攻撃し……彼の体力を少しずつではあるが、削っていく。
……そして、十数分程経過した頃。
イレギュラーズの疲弊度合いはかなり高い……一方のトルクメストは、身体的にはかなりの傷をおい筒はあるが、纏う瘴気は変わらない。
ただ、イレギュラーズ達は決して退かない。
『……流石に、そろそろ頃合いですね』
と、小さく呟く彼は、イレギュラーズ達と明らかに距離をとる様に後退。
勿論、イレギュラーズらは追撃しようと前へと進んでいくが……それを振り払わんが如く、その鎌を何度も振り薙ぎ、木々を薙ぎ倒して行く道を妨害。
「ちっ……逃げるんじゃねえ!」
とファニーが舌打ちと共に挑発するが、その挑発を聞き入れる事はない……そして。
『……ベルゼー様の元に近づかないでください。次は、ありません……!』
と……最後まで柔和な言葉と共に……彼は闇の中に姿を消すのであった。
●響く時
そして……。
「うーん……残念だなぁ……逃げられちゃったね。取りあえず、みんな、大丈夫だよね?」
と、ふわふわとした口調ながらも、ロロンは仲間達の状況を確認。
傷は深いものの、致命傷までには至っていない。
勿論、それは『トルクメスト』が殺すべくに本腰を入れていた訳ではない……というのもある。
手加減していたという訳ではないだろうが……それほど迄に、彼が強力な魔種であるというのは間違い無い。
そして、各々体力を回復すると共に、木々を乗り越え、彼が進んで行った森の闇の先を確認。
既に敵の姿は消え失せており、どこに言ったのかは分からない。
……ただ、瘴気の残滓の方向は何となく感じ取る事が出来る。
「うーん……あっちの方かにゃぁ……?」
と指さすちぐさに、ファニーが。
「ああ……間違いねえ。だが、無防備に攻め入るのは一旦待とうぜ……?」
彼の言葉に、ミヅハもこくりと頷き。
「そうだね……この森、結構迷いやすいしなー。それにさ森の関所も壊れていたんだろ? もしかしたら、彼の仕業だけじゃないかもしれない。それ以上にもっと大きな力を持った者が……という可能性すらあるね」
ミヅハの言う通り、琉珂からの話では、何故か森の関所が壊されていたという話がある。
それがどういった理由なのかは分からない……だが、そこにいた守人達も姿を消して消息不明。
「そうだねぇ……本当、何が起きているのやら。何だか良く分からないけど、少なくとも彼はベルゼーと通じていることは確かだし、ベルゼーを見つけようとしているボク達を撃退しようとしていたのは確かだね。まぁ……はいそうですかといって引き下がる訳にはいかないけどね」
「そうにゃねぇ……何か分かり合える道は無いのかにゃぁ……」
ロロンにぼやくちぐさ。
そして立ちふさがりしトルクメストの跡を追い、イレギュラーズ達は更なる森の奥へと進むのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ご参加ありがとうございました。
トルクメスト……その図体とは全く違う物腰の違和感ありな感じですが、彼の思惑の一端は見えたと思います。
ベルゼーを慕うからこそ、この性格が醸成されたのかもしれません。
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
今回の依頼は、『ピュニシオンの森』の調査中に現れた敵と対峙する事です。
●成功条件
『ピュニシオンの森』のその先へ進軍する為に襲い来る脅威を退ける事です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●周りの状況
今回の舞台はピュニシオンの森の中です。
森は広大で、木々が生え揃い鬱蒼として薄暗い状態……所々には泉や沼地などがあります。
今回の舞台となる場所は、頭上を木々が生い茂っており光を通さない状態の場所で、かなり暗いです。
そんな中イレギュラーズ達を足止めするかの様に、魔種と亜竜が仕掛けてきます。
勿論敵陣は夜目が効くため、暗闇の補整を受けずに自由に行動可能ですので、皆様も暗闇対策はしっかりと行う様にして下さい。
●討伐目標
・『暴食の時影』トルクメスト
森の先に行かせまいと立ちはだかる魔種です。当然会話する知能はありますし、口調的に『何だか優しそうな感じの人』と言った印象を受けます。
人型ではありますが、筋骨隆々とした巨躯、強面の顔、更にはアイパッチという出で立ちで……イメージ敵には海賊の船長みたいな感じです。
その実力や攻撃手段は分かりませんが、帯びるオーラから強敵であるのは間違いありません。
尚、彼は『ここより先に行かせない』事が焦点となっているので、撤退すれば追いかけてくる事は無い様です。
またその口ぶりから、『冠位暴食』ベルゼーの配下なのは間違い無い様です。
・森に棲まう『亜竜』達
竜種に似たモンスター達です。
トルクメストに指示はされていませんが、その膨大なオーラの為か彼に攻撃を仕掛ける事は無く、イレギュラーズだけに攻撃してきます。
竜種に比べれば戦闘能力は低めとは言えますが……とは言っても竜の一つです。
かなり腹を空かせている様で、イレギュラーズ達を喰らえば腹が満たせると、目の色を変えて攻撃してきます。
攻撃手段は炎や雷を轟かせて放つ事や、強風を巻き起こして皆様を吹き飛ばす(R3以上飛ばされる)事をします。
(ただ周囲には木々が生い茂って居るので、それにぶつかればダメージは受けるものの、大きく飛ばされるのを防ぐ事も可能です)
また、全員飛翔能力持ちなので、攻撃回避・逃亡を図る為に空を飛んで逃げる可能性もあります。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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