PandoraPartyProject

シナリオ詳細

全てが( ‘ᾥ’ )になる

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●( ‘ᾥ’ )
 ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )、( ‘ᾥ’ )。
 ――( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )!
「( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )、( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )? ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )!」
 ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )。
 ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )、( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )。
 ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )。
 ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )。
 ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )。
 ( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )( ‘ᾥ’ )。

 はいここまでの段階で脳裏に宇宙が広がっちゃった人手ぇあげて。はーい!
 ほっとくとあらゆる人類が解読できない奇文ができあがってしまうので、ここからは人類のことばで書いていくよ。

 そこは海洋王国の一角に存在する無人島。
 なんかよくわかんねーハイテクな設備に覆われた施設は、島の中央に聳えるように建っていた。
「ようこそおいで下さいました、イレギュラーズ様」
 慇懃な態度で出迎えたのは、眼鏡をかけた壮年の執事とおぼしき男性である。
 彼は定期船の到着を港にて出迎えると、タラップから降りるあなたの荷物をそっと受け取りつつ歩き出した。
「時間もありません。歩きながら聞いて下さい」
 態度こそ崩さないものの、あなたの前を歩く執事の口調はどこか焦りと……そして僅かな恐怖を滲ませていた。
 あなたはその口調に気味の悪さを感じたかもしれないし、感じなくてもいい。(ゲームブック風構文)
「この島では、毎年この時期になると異常気象が発生するのです」
 ご覧下さい、とこちらに背を向けたまま執事は手のひらを空に翳す仕草をした。
 するとどうだろう、頬に、あるいは頭に、つめたい感覚が降るではないか。執事のように手をかざせば、手のひらにはぽつりと白い――雪の結晶が落ちて溶けた。
「この島に古くからすまう精霊のしわざだといいます。あと少しすれば雪の勢いは増し、一面を雪景色に埋めることでしょう」
 雪景色の無人島。定期船は暫く来ず、中にいるのは自分達だけ。
 何かが起こるとしか思えない。そんな不気味な予感を抱いたかもしれないし、いややっぱり抱いてくれ。(ゲームブック風構文未遂)
「あなた様には、この季節に必ず訪れるという災いの謎を解き明かしていただきたいのです。( ‘ᾥ’ )様という、災いを……」
 じゃあそろそろ雰囲気も出てきたことだから、手まり歌を急に歌う子供とか妙に専門的な知識を話す学者とか哲学的なことを言い出す執事とかそういう話を100倍速で見るね。

 キャルッ!(非ゲームブック構文)

「だ、誰か! 誰か来て!」
 悲鳴があがった。
 リコリス・ウォルハント・ローア (p3p009236)のものだった。
 地面にへたり込むリコリスが指をさすと、そこには顔を( ‘ᾥ’ )にしてぐったりと倒れた執事の姿があった。
 慌てて駆け寄り揺り起こそうとするも、意識は戻らない。
「だめだ、顔が( ‘ᾥ’ )から戻らない」
「意識もだ……なんて酷い……」
「一体どうしてこんなことが」
 高まる疑念。
 雪の降るクローズドサークル。
 さあ、サスペンスが幕を開ける!
 犯人は――リコリスだ!(ネタバレ)

GMコメント

 犯人はリコリスだ!(ネタバレ)

 あなたは密室となった無人島とその施設内に閉じ込められました。
 仲間はひとりまたひとりと( ‘ᾥ’ )になっていくかもしれないしならないかもしれない。
 ここまで読んで『えっ私どうしたらいいの? みんななんでノリノリなの? こわい!』て思ってるかもしれないけど安心して。私も大体同じ気持ちだから。

●サスペンスの空気を楽しもう。時には死のう。いや死なないで。
 あなたはなんでかしらんけど「( ‘ᾥ’ )様の災いの謎を解き明かしていただきたいのです」とかいうやけに漠然とした依頼をうけてこの島へやってきました。
 島にはなんかハイテクな設備があり屋内外を出入りするのになんかこう、あの、あれだ、せきゅ……せきゅり、きゅりてぃ? みたいな? やつが? あるんじゃないかな。
 そんな島の中で第一の被害者として執事さん(そういえば名前知らなかった)が( ‘ᾥ’ )りてしまったことで事件は始まりを迎えるのでありました。
 あなたはこの事件の登場人物となり、時に謎を解き明かし時に裏の真犯人となり時に被害者となり時に自分の部屋に閉じこもりましょう。
 こういうのってすぐ死ぬのがお約束だと思うけど、死んだら怖いので( ‘ᾥ’ )ることでその代替としましょう。( ‘ᾥ’ )るんだよ。
 あとリコリスが犯人です。(ネタバレ)

●任せろ
 あなたは雰囲気でプレイングを書いて滅茶苦茶なコトを急に言い出すと思う。
 それがおよそ6人分集まって激しい交通事故みたいなことになると思うけど、大丈夫だ任せてくれ。こういう依頼、多分過去に100回くらい捌いてきたから。

●情報精度
 このシナリオの情報精度は( ‘ᾥ’ )です。
 俺を信じろ。

  • 全てが( ‘ᾥ’ )になる完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2023年03月24日 22時05分
  • 参加人数6/6人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

零・K・メルヴィル(p3p000277)
つばさ
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)
黒鎖の傭兵
リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
花でいっぱいの
※参加確定済み※
物部 支佐手(p3p009422)
黒蛇
高橋 龍(p3p010970)
名誉マッチョ・ネットワーク

リプレイ


「なんでだ! 屋台のエンジンがかからない! くそ! ご都合主義のクローズドサークルめ!」
 『恋揺れる天華』零・K・メルヴィル(p3p000277)がひとしきり状況に悪態をついた。
 外を探索しようと屋台をとめてある駐車場に行ってみたら、なんかしらんけど屋台車両が動かなくなっていたのである。
「落ち着いて! まずは屋内に入ろう! 外は寒いし危険だよ!」
 『犯人→』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)が零の前でぴょんこぴょんこ反復横跳びをしながらアピールしている。
「そうだな……けど手がかりが見つかったら何でも言っ」
「あった!」
「早い!」
 まだリプレイが始まって300字くらいしか書いてないのに!
 零が二度見するとリコリスは両手を地面につけ、鼻をスンスンやりながら首を左右に振っていた。
 なんだろう、新しい病気かな。こわいな。
 とか思っていたら、リコリスが顔を( ‘ᾥ’ )にして振り向いてきた。こわいな。
「犯人はきっと物的証拠を残しているに違いない! ボクはそれを探して嗅ぎ当ててみせる! ほら、そこにどう見ても怪しい黒い物体が」
「あっ言われて見れば」
 零が屈んでみると、リコリスがそれを手ですくってペロっとなめた。
「……まずい! このタイヤと漢方薬に砂糖をぶちまけた様な味……リコリス飴だっ!」
「なんで?」
「黒いから黒蛇のおにーさんに全部押し付……あげるね」
 リコリスが顔の良い美少女のツラ(声に出したい日本語)で『黒蛇』物部 支佐手(p3p009422)にかき集めたリコリス飴を差し出した。
「なんじゃその黒いの! ええい、不味いと分かっとるもん寄越さんで下さい! ちゅうか、それヨダレ付いとるヤツじゃろーが!」
 両手でノーサンキューする支佐手。
 そして、キュッとネクタイ(あるのかな)をしめなおすと皆に向き直った。
 まだ登場人物三人しか出てないけど、みんなここにいるつもりで、寛大な心の目で見てね。
「落ち着きましょう。思うにこれは人の仕業」
 両手を翳し、ジェスチャーを交えながら支佐手は語り出した。
「そして、わざわざ隠れて( ‘ᾥ’ )にしとる事から察するに、敵は小勢でしょう。
 わしらが力を合わせりゃ簡単にとっちめられるはずです!」
「こういう状況で『ぶっころしてやる』て言い出したやつが生きてた映画見たことないよ」
 零がぼそっと呟いたが、支佐手は華麗にスルーした。ワールドカップなみのスルーパスだった。
 ちなみに誰にパスがまわったかというと高橋 龍(p3p010970)だった。小声で『どいひー』と呟くことでパスを受ける。
 続き、支佐手。
「『( ‘ᾥ’ )人鬼』は、わしらが捕まえましょう!」
「『( ‘ᾥ’ )人鬼』!?」
「『( ‘ᾥ’ )人鬼』か」
「『( ‘ᾥ’ )人鬼』ね」
「『( ‘ᾥ’ )人鬼』だと?」
「『( ‘ᾥ’ )人鬼』……」
 全員がそれぞれに『( ‘ᾥ’ )人鬼』の名を呟く。
 さっきから読んでる君。画面の前の君だよ。頭の中で『ンーじんき』とか発音して誤魔化してるだろ。
 ちゃんと声に出しなさい! 恥ずかしがらずに。できれば家族の居る前で! 『ヺァアンアアー! じんき』と裏返った声で発音するんだ。さあ。
 そして理由を聞かれて心底心配されるといい。私はされた。
「お前たちが行くべきはお祓いではない、病院だ!!!!」
 いきなり叫び出す零。安心して、画面の前の君に言ったんじゃないから。
 いきなりどうした? 救急車呼ぶ? ていう顔で見てくる仲間たちに、零は両手を翳してジェスチャーした。
「謎は全て解けた」

 みんな気付いてるかな。いま雪の降りまくる野外だってこと。
 そこでこんだけ立ち話してるので零の肩や頭にめっちゃ雪が積もりまくっていたし、皆そろそろ寒くなってきたなって思って屋内に戻っていたってこと。
 残ってくれたのはリコリスと支佐手だけだった。
 そんな皆を前に、零は( ‘ᾥ’ )顔で話し始めた。
「確かに今までは( ‘ᾥ’ )の災いに対して対策なんてなかった、一度襲われたモノはもう元に戻れる事なんてない……なんか謎が謎を呼んでいた……」
 探偵が謎を解く時のクールな音楽が流れ始める。
 みんなこの手の音楽だとどれが好き? 私はねえ、Wの――。
「だが今は違うッ!」
 どこからか取り出したインテリな眼鏡をかけ、零の頭上に『ドクターKAMIYA』というテロップが流れた。
 そしてなんか沢山数式が流れていく。
 どんな数式かって? あの、あれだよえっと、x+y=zとかだよ。ごめんね特別なその手の記号サインコサインくらいしか知らないの。
 ちなみに本当に流れてたのはオイラー積だよ。延々にながーく流れていくよ。オイラーさんっていう中世にいた情緒の不安定なおじさんが定義したやつだよ。
「度重なる別の所の( ‘ᾥ’ )とのひと悶着とかで我々は此の禍の謎を解き明かしたのだ……!!!」
「まってまだ始まったばかりなんじゃけど」
 第一被害者しか出てないんじゃけど。と支佐手は言いかけてから、ふと零をの顔を見直した。
「つまり…代々( ‘ᾥ’ )を宿した( ‘ᾥ’ )の一族……其れこそがこの事件の犯人……。
 『なんやかんや(※非戦の暴力で解き明かす事によって明らかになる衝撃の事実、そして明かされる悲しき真実的な何か)』とか諸々があって最終的におま――」
 零は( ‘ᾥ’ )の顔をしていた。
「もう( ‘ᾥ’ )っているー!」
「ウ、ウワー!?」
 ( ‘ᾥ’ )となった零はそのままぶっ倒れてぴきーんと硬直してしまった。
「この一瞬で人が( ‘ᾥ’ )にされるなど、まさか本当に精霊が……いや、あり得ません……」
 精霊ってなんだっけ。
 そんな設定なかったじゃ――あ、あったわ。執事さん言ってたわ。誰だよ精霊って。テキトーなこと言いやがって執事のやろー。
 支佐手はハッとして振り返る。
 白くて小柄で( ‘ᾥ’ )な顔したやつがすげー速さでシャカシャカ逃げていったのだ。
「そこの者、待ちんさい止まりんさい! ええい、逃げ足の速い!」
 ダッシュで追いかける支佐手。
 ぼくしってるよ。こういうとき追いかけたひとって大体死ぬんだ。
「……ですがあの動き、どこかで見たような」
 何かを思い出しかける支佐手。
 脳裏を無数の記憶がよぎっていく。
 馬券を握りしめテレビに向かって叫ぶ記憶。ビールの缶をぷしゅってあけて飲み干してアー生きてて良かったーとか叫ぶ記憶。海を三時間くらい眺めた後なんかやり遂げたような気持ちになったけどよく考えたらぼーっとしてただけだと気付いた記憶。公園で泳いでる鯉に餌をやるだけの作業が死ぬほど楽しくてテンションが爆上がりした記憶。金色の観覧車におっさんだけで乗って大はしゃぎした記憶。あっ違うこれ全部私の記憶だ。知らない人のも混じってるし。
「はっ、これはもしかして。この前、市で見て手が出んかった南蛮物の」
 支佐手がなんか急に冷静に壺かなんかの記憶をよぎらせたところで、頭にパリーンって何かが叩きつけられた。

「大丈夫か!? 今スゴイ音がしたぞ!」
 その場に駆けつけた高橋 龍(p3p010970)が見たものが、地面に横たわり( ‘ᾥ’ )となった支佐手。そしてなんかカッコイイポーズのまま( ‘ᾥ’ )となった零だった。
「これは一体……」
「ぷるぷるわたしわるいリコリスじゃないよ」
 リコリスがそばで割れた壺を持ってプルプルしていた。血もついてた。
「なんてことだ……」
 龍はゆっくり首を振る。
「こういうのミステリーだと閉じこもったり、一人になった奴から順に死んでいくからな。
 俺はそんな愚を犯さねぇぜ? それに自分で言うのも何だがこうわかりやすいやられ役な風貌しているからな、俺」
 ひとしきり自己紹介(?)をしてから、ビッと自分を親指でさした。
「だからそこら辺のフラグをへし折る為に今回は善人ムーブで行くぜぇ!
 こういう時は女子を助けるのが一番!だから俺と組もうぜ、リコリス先輩!」
「マジで? やったー」
 血のついた包丁を布でふきふきするリコリス。
「安心してくれ。オレはEXF盾ビルド。【必殺】つきの攻撃でも受けない限りはやられない鉄壁の守りが自慢だ」
「マジで? やったー」
 【必殺】つきの弾頭をマガジンにかちゃんかちゃんて差し込んでから銃にセットするリコリス。
「俺は知ってんだよ。こういうとき女の子を守る主人公は絶対生き延びるって。よしんば襲われても間一髪で助かって事件解決をヒントを携えて蘇ったり、ここいちばんで現れて真相を暴いたりするんだ。俺は詳しいんだ」
「マジで? やったー」
 銃口を龍の後頭部に『そっ……』て優しくあてるリコリス。
「というか今更だけど( ‘ᾥ’ )って何!? というか人を好き好んで( ‘ᾥ’ )にするとか酷すぎじゃね? しかも無人島とか、こんな所に居られるか!
 俺は絶対に生き延びてやるぜ!」
 やるぜ! て親指たててキメポーズをした、その瞬間。
 パァンという音と共に龍はうつ伏せにぶっ倒れたのだった。
「許せねぇ……絶対に( ‘ᾥ’ )の思い通りになんてさせねェ……」
 薄れゆく意識の中で( ‘ᾥ’ )に変わっていく自分を自覚する。
「うぉぉぉぉ! ザッハークの親父! 今こそ俺に力を!」
 うおおおお! と叫びながら顔を(´_ゝ`)に変えていく。
 そう、ここから始まるのだ。(´_ゝ`)のLEGENDが。スピンオフ漫画(´_ゝ`)をお楽しみにね!


「あー、寒かった」
 『黒鎖の傭兵』マカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)がマトモな顔で暖炉にあたっていた。
「確実に迷推理が繰り広げられるのは確定してるんだ、それ以外にも何が起こっても不思議じゃあない。
 俺が……俺だけでもマトモでいなくては……」
 うごご、と歪みかける顔を必死に維持し、マカライトは自分に言いきかせる。
 こういう依頼に入ったからにはマトモ枠は自分が確保しなくては。ていうか他にそういうヤツがいない。
「そ、そんな……執事さんが……!
 このままじゃ皆( ‘ᾥ’ )されてしまう……( ‘ᾥ’ )様か、犯人に……。
 こうしちゃいられない! 謎を解き明かして生きてここから脱出する!」
 『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)がグッて拳を握ってからこっちを見てきた。
 すごいツッコミ待ちの顔だったが、マカライトはあえてツッコミをいれない。まだいれない。いつものアイコンのCOOLな表情をKEEPしたままじっと聞きに徹している。
「( ‘ᾥ’ )様の手がかりになる物をさがそう! はっ! 突然方角が分かった気がする!」
 こっちだよ! と言いながらダッシュするヨゾラ。
「( ‘ᾥ’ )様…何者なんだろう。島も建物も謎が多いよね。図書室や地下あるかも。部屋や通路、図書室や隠し部屋等も調べたいし監視カメラの映像等も――ハッ!」
 なんやかんや調べまくったヨゾラの手元には、『( ‘ᾥ’ )アルバム』という本が握られていた。
 生まれてから既に( ‘ᾥ’ )だった子供が( ‘ᾥ’ )なまま育っていくアルバムである。入学式とか校門の前に母と一緒に( ‘ᾥ’ )で映っていた。ランドセルしょって。
「まさか……この館の主が( ‘ᾥ’ )だったなんて……」
 あれ? と何かに気付いたように顔をあげる。
「ここの主人って誰だっけ」
 ヨゾラが振り返ると、やっとマカライトがツッコミをいれてくれた。
「( ‘ᾥ’ )」
「あっ」
 振り返るヨゾラ。
「( ‘ᾥ’ )様の謎に関わる者、犯人は……君だったのか……!」
 叫びに対して振り下ろされる巨大な( ‘ᾥ’ )饅頭。
「ここで( ‘ᾥ’ )ぬ訳にはいかない!生きて帰って…親友3人と一緒に楽しい思い出沢山作――」

 倒れたヨゾラの顔は( ‘ᾥ’ )になっていた。
 マカライトはスゥーっと息を吸い、そして吐く。
 そして両手をポケットに入れ、フーンとかいいながらゆったりとした足取りで窓辺へと歩いて行った。
 窓に手をかけ、なにげなく開く。
 しんしんと雪の降りしきる外の風景を眺め。
 息を吸い込み。
「全員自滅じゃねーーーかーーーーーーー!」
 キャラが軽く崩壊する勢いで叫んだ。今日一番のツッコミだった。
 雪のなかだっつーのに「ねーかー」と外にこだまする声。
「大体、ツッコミいれて正気に戻す役割の俺だけが残っても意味ないだろうが……」
「待って待って、いるいる。ボクいる」
 リコリスが真っ赤なフードを被って両手にハンドガンをぶらさげた状態で後ろに立っていた。
「あー、なんだ。いたのか。じゃあ二人だな――ってなるかあ!」
 今日二度目のキャラ崩壊だった。
 アアア! て言いながら地団駄をふむ。
「どう見たって犯人だろ! フード被って狩人モードになってるし両手に武器持ってるしなんなら返り血で服が赤いだろ!」
「ケチャップだよケチャップ」
「そうかケチャップか。料理下手なんだな。気をつけないとシミになるぞ――ってなるかあ!」
 三度目。
 マカライトはこのあとバッドエンドになるのがわかってるノベルゲームをプレイするみたいに、頭に手を当ててアーと低く呟いた。
「とりあえず、書斎とか行ってみるか?」
「イイネッ」
 頭上に『犯人』てテロップがもう出ちゃってるリコリスと共に書斎に入ったマカライトは、棚を端から順にじっくりと眺めていた。
 丁度目の高さにある本に手をあて、撫でるようにしながら。
 そしてぴたり――と足を止めた。
「ここだ」
 マカライトが押し込んだ本は本棚よりも深く沈み、ゴゴ――という音と共に隣の本棚が前面にせり出てくる。
 出現したとってを用いて本棚を動かすと、そこにはまっすぐな通路。隠し通路だ。
「なるほど。この館も、ただの館というわけではなさそうだな」
 シリアスに呟き、マカライトは適当なランタンを手に通路を進んだ。
 通路の先にあった階段をいくらか下ると、コンクリートむき出しの地下室がある。
 そして柱に繋がれた――( ‘ᾥ’ )がいた。
「これは」
 近づいて衣服を調べる。ヨゾラが発見したアルバムに映っていた人物の服と一致した。アクセサリーもだ。
「館の主人は、既に( ‘ᾥ’ )されていたということか……って、なるかああああ!」
 生まれたときから( ‘ᾥ’ )なやつがいるわけあるか!
 とアルバム(天然のフォトレタッチソフトを使い職人の手で一枚一枚丁寧に焼き上げました)を地面に叩きつける。
 そして後ろで『もういい?』という顔をしていたリコリスに振り返る。
「回収すべきフラグは回収した。さあ、やれ!」
 両腕を広げるマカライト。
 銃声は、地下室の中を反響した。






 その島には( ‘ᾥ’ )がいる。
 行方不明となった人々の噂は消え、また定期船は行き来する。
 なぜかって。( ‘ᾥ’ )はあとで元に戻るし普通に帰って行ったからだよ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

めでたしめでたし( ‘ᾥ’ )?

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