シナリオ詳細
イレギュラーズラグーン~最速の走り屋たち~
オープニング
●再現性箱根
響くエンジン音。焦げるタイヤのゴムの匂い。
……ああ、分かっているさ……此処は……日常からあまりに遠い……。
……きっと誰もが求めてるんだ。退屈な日常からESKAPEする道をさ……。
だから俺たちはこの場に集まっているんだ。
……再現性HAKONE……。
coolな程のCurveの大渋滞……。
"三流"なら当然、"二流"程度じゃこの峠を攻める事なんて出来やしない……。
あっという間に「HAKONEの魔物」に食われてクラッシュさ……。
……YOKOHMAから来た連中だって、此処の走りにゃ簡単には慣れない……。
いつだってそう……レースのGODDESSは偶然微笑んだりはしないってことさ……。
そう、そんな街にアイツは……『航空猟兵』ブランシュ=エルフレーム=リアルト (p3p010222)はやってきた。
何台ものマシンをクラッシュさせた、そんなイカれた峠に、イレギュラーズは――とんだ走り屋共はやってきたんだ。
段々峠だけじゃ飽き足りない。「もっと、ドラテクの限界を見たい」……そんなことを言いながら、な。
……ああ、だから期待しちまったんだ……。
Crimson Moon
あの赤い月がまた見れたこの日に、俺達は何を見るのか。
●また最速最強を目指すって話
「というわけで再現性箱根をかっ飛ばすですよ!」
ブランシュはそう声をあげる。
再現性箱根。最強テクを目指す走り屋達の集まる場所であり、こと車に関しては再現性横浜にも負けないほどに最新技術を惜しげもなくぶち込んだ、とんでもねー街である。担当者は「再現性」の意味を辞書で引いたことはあるのだろうか?
ていうか、なんでこんな街が2つもあるんですかね?
再現性横浜で練達の担当者は申し送りをしなかったの?
それとも箱根ってのは元々そういう場所だよとか、適当な寝言を豆腐屋とかの息子がぶっこんだのだろうか。
そろそろ指名手配とかしたほうがいいんじゃないだろうか?
ともかく、そんなわけで箱根の中でも特に厳しいとされるコースの1つ「ハコネ峠」が今回イレギュラーズの為に用意されたのである。
ちなみに再現性箱根にはそんな峠道ばっかりらしい。日常生活のこと、ちゃんと考えてる?
考えてないんだろうなあ……皆ドラテクに命かけてる目してるし。
考える前にアクセル踏み込めとか言いそう。
前回ブランシュが横浜でかっ飛ばしたのが回り回って箱根の住民の耳に入り、今回のようなことになったらしいのだが。ああ、もうお分かりだろう。
今回のレース、再現性箱根の住人の全面協力の下に行われることになっている。
具体的には、各自の性能を車にて可能な限り再現したマシンが用意されている。
たとえばブランシュであれば滑腔砲が搭載されている。「これですよね?」って普通の顔して用意するんじゃない。倫理観を軽量化でもしてんのか。
しかし、当然それに相対するもイレギュラーズの能力再現を再現した車だ。
しかも「自分」ではなく「車」を操るのだ。
中々思うようにいかない場合も多いだろう。
しかしそれでも、それでもだ。
この運命の夜に、イレギュラーズ最速の車が決まるかもしれないのだ。
さあ、心のエンジンに火を入れろ。アクセルを限界まで吹き込め。人生にブレーキなんてないのだから。
- イレギュラーズラグーン~最速の走り屋たち~完了
- GM名天野ハザマ
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2023年02月26日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●この夜に
8台のマシンが再現性箱根に集う。いずれ劣らぬピーキーなマシンの群れだ。
いや、なんだろう。1つ妙なのがある。というかいる。
そう、『雪玉運搬役』セシル・アーネット(p3p010940)の「トナカイのマーシー」だ。
マジでトナカイである。そのままじゃ勝てないのでセシルのマシン用の色々なアイテムを急ピッチで取り付けている。
なんということか。始める前から箱根の申し子の如くぶっ飛んでいる。
あるいは……そう……来るべくして……来たということか……。
本人曰く「え? マーシーは車じゃない? いいえ! トナカイのソリは「軽車両」です。つまり車!!!! このレースのルールにも反していませんよ! だから大丈夫!」らしい。
「これが噂に聞くHAKONEの山……ごくり。いいでしょう僕とマーシーの実力をいま此処で発揮します!」
ごくりじゃないんだよなあ。でもインパクトとクレイジーじゃ他のメンバーには負けてない。此処はそうじゃなければ……生き残れない……。
そう、周りを見ればいずれ劣らぬ者ばかり。
「私の相棒(クルマ)は『METEORA』(メテオーラ)、イタリア語で流星、流れ星という意味。80年代風の、ボディが角張ったスポーツカー(6速MT)だ。パンツスーツ(希望ヶ浜ブランドスーツ)に身を包み、HAKONEの登りを黒豹(普段の称号である "Pantera Nera")の如く、誰よりも速く駆け抜ける! 再現性首都高最速の女、今度は再現性箱根最速の女の称号も頂く!」
『再現性首都高ミッドナイトバトル 優勝』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)は優勝候補の1人。用意されたマシンもモカの監修をしっかりと受け相棒と呼べるレベルになっている。
そうかと思えば、『悪縁斬り』観音打 至東(p3p008495)はJ.K.KAN-NON-DAを持ち込んでいる。
「袖触れ合うも他生の縁、とは言うけれど。ここのガードレールさんとは、お近づきにはなりたくないわね。……ええ、ことごとく『袖にする』つもりよ」
なんともSEXYな言葉だろうか。イイ女っぷりを全身で表現し言葉からも漏れ出るかのようだ。
「私たちの走り屋の、命綱とも言える存在だけど。今夜は、それは無いものとして走るわ。バキバキ当たりながら走ると、遅いでしょ? 愛車は、前回に引き続き"J.K.KAN-NON-DA"。……この子には、ニトロの『ちょっといいの』を積んできたわ。度肝と順位を抜いてあげる」
そのニトロは四海沸玻璃光仙女『桃天娘』に入手を手伝ってもらったものである、のだが。
「たお君自作の、つまり非純正非メーカー品ではあることは、レース直前になってから聞いたんだけど……。慣らし運転は十分にしたし、使い心地は確認したから、問題はない……はず」
おっと、中々に危ないものを積んでいる。さておいて。『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)のマシンもエレンが納得できるだけのMONSTERっぷりを見せている。
「難所しかないこの再現性HAKONE……。そんな環境で最速を目指す俺が考えた究極のクルマ。それは――俺自身がクルマになることだ。俺の身体に沿って可動する柔軟かつ軽量・強靭なフレームにモンスターエンジン。車輪は両手足にある。柔軟な重心移動がなくば即バランスを崩してクラッシュ不可避。そんなバケモノでなければこのイカれたスピード勝負で勝利を掴み取ることは不可能だ。コイツの名前は――S.C.V.(Second Cosmic Velocity)」
そう、エーレンはこの箱根の道をスピード勝負で制しようというのだ。なんというEGOISTだろうか……自分の命ですらニトロにしようというのか?
「車でのレース……ほう……? 宇宙連盟主催の宇宙船レースを見てきた自分にそれを挑む、でありますか。その意気やヨシ。自分の全力で仕合せていただきましょうとも。この数多の悪を光の速さで追い、討ってきた『イクストラン』(初乗り)とこのムサシ・セルブライトがお相手しましょう!!」
おっと、『宇宙の保安官』ムサシ・セルブライト(p3p010126)も中々にギャンブラーだ。安全性は銀河の彼方に忘れてきたらしい。
「YOKOHAMAは誰もが可能性を探れる街だった。speed……そいつが物を言う車に全てを捧げたイカれた奴らの溜まり場……しかし、HAKONEはそうはいかない。此処で下手にnitroなんて吹かしてみろ……鳥になっちまうぜ」
『YOKOHAMA最速の女』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)は……どことなく煤けたような……いや、違う。すでにHAKONEの風を感じている……今日という日の熱さを誰よりも理解っているのかもしれない……。
「今回用意したmachineは、ただの既製品のカスタム……ステアリングの軽さ、ホイールに厚みを持たせた「曲がりのスペシャル」
名前なんぞいらねえ……称号ってのは、走った後に付いてくるのさ……」
まさに箱根を攻略するための……最適解……。
「練達って凄いですね。故郷の豊穣ですと、自動車等と言う物は存在しなかったですし。はい? 免許証ですか? えっと、マスタードライブの事ですよね?? え? 運転できるのかですか? はい、大丈夫です。以前、街中で声をかけて来られた殿方が、御自身の車に乗せて下さって教えて下さいましたので。親切な方でしたが、私が運転しますと白目を向き、泡を吹かれて気絶されてしまいましたけれど...…」
『恋(故意)のお呪い』瀬能・詩織(p3p010861)もかなりゾクリとすることを知っているが、今日の熱さの前では関係ない。
……あるいは『狐です』長月・イナリ(p3p008096)という一人のレースのDEVILを本能で警戒していたのかもしれない。
「地元のダチコーから聞いた話だけど、当日は箱根の道路照明灯がメンテナンスでレースの時間帯に消灯するらしいわね、残念だわ。まぁ、普通にレースするだけじゃ面白くないし、アクシデントとして楽しみましょう」
イナリはそんなことを言っていたが……誰もが本能で分かっている。もう「始まった」のだと。
レース開始までコースを何度か往復、でもマシントラブルで大量のオイルが知らない間に漏れてたのでと、スタート地点で緊急整備したり、オイルを追加給油しているのも……1つの戦略だ。
だが事前にそういう手を見せることで魂のエンジンに火を入れるものばかりが集まっているのはイナリにとっては計算通りか誤算か。そうして、始まる。今日という……伝説の日が……。
●レースは最後まで分からない
「魔物が住む上り坂……コイツを攻略するには、特殊な技術やパーツなんて頼れねえ……純粋なドラテク……Curveに対する理解度……ステアリングが全て……」
ブランシュのマシンはその性能をスペック通りに叩きだしている。順位は2~4位をキープ。
それは今回のブランシュのテーマを見事に体現していたといえよう。
そう、基本的に『スピードで勝負はしない』。
仕掛けるのはいつだってインに滑り込むタイミング。
急カーブの連続をブレーキングとステアリングで攻める。
「踏み込むな。魔物に食われて……死にたいならご自由に」
テールを揺らして仕掛け、相手がspeedを出してアウトに膨れ上がるその瞬間、一気にドリフトを仕掛けて抜き去っていく。
『ついてきな。テールランプを見てるだけにしてやるよ』
ついでにヘルメスの鳥という名のパッシングまで仕掛けていく。
「……冷静さを失った奴から魔物のご馳走になるのさ……」
これが横浜を制した王者の走りだというのだろうか……安定感に関しては、追随する者は居ないかもしれない。
「HAKONEの山は天下の険!」
トナカイのマーシーの引くソリに乗ってセシルは第一難所、連続急カーブを走る。
マーシーと手を取り合ってHAKONEの山を踏破します、と宣言したのはセシルだが……当然、それには相応のテクニックが必要だ。
「僕達が目指すのはHAKONEの山を制する者、すなわち「YAMANOKAMI」です。さあ、ここからは、コーナリングが重要になってきますよ。でも大丈夫! 僕とマーシーならどんな坂だって乗り越えてみせます!」
セシルが優先するのは安定性、地道にじっくりとコースを走って行くが……それは当然速さと引き換えだ。
「他の人は一気に駆け抜けていくでしょう。でも、僕はチャンスを待ちます」
そのセシルの戦略は正しい。正しいが……箱根でどうかは、まだ分からない。
先を行く詩織のマシンなどは、ドリフトに全てを賭けている。
「事故をしない様に『安全運転(自信のない攻めはしないだけの、超攻めの走り)』でいきますよ……!」
ギャギャギャ、とタイヤが削れるかのような凄まじいドリフトは勝ち負けより、とにかくドリフトを楽しむ、そして負けるより、満足出来るドリフトで走り切れない方が嫌という詩織の恐るべき基本方針に則った超攻撃的なものだ。
「『ブレーキング(と言う名の他車、ガードレール等にぶつけての緩衝材化)』はしっかりと!」
「このマシンに挑んでくる気!? この第一から!? ぶっ飛んでるわね……私に負けないくらいに!」
イナリのマシンは加速用噴進弾やトゲまでついた超攻撃的な仕様。
「数万分の一の確率で暴走する代物だけど、数万分の一の確率だから大丈夫、問題皆無よ」
そんなリスクをリターンに変えるための仕組みが満載の超攻撃的マシン。
星狐撃・改を導入したマシンはまさに相手マシンを体当たりで弾き飛ばすためのもの。
「こっちの補強は充分。そっちはどうかしら……!?」
物理的に火花を散らす2つのマシンを、至東は見守り……そこには参加しない。
ルートを見た時点で、ここは流すと決めていた。ここで無理に順位を変えてくるようなdriverは、相手にしない。
至東が勝負をかけるポイントは……第二難所、急な登り坂道&3回の急カーブ……!
「ここが腕の見せ所ね。私の力を受け継ぐと言うなら! ――魅せて頂戴、KAN-NON-DA!」
【EXA】【追撃】【連】を模倣した、常識はずれの多段加速は、fast outをより伸ばす!
「3回程度の連続急カーブなら、私は耐えられるはず……!」
そしてその背後を走るのはモカだ。ここで至東を追い抜き切るのは難しいと考えたのだ。
モカですら息を巻く程の、まさに必殺技。それに正面から対抗すれば他のマシンに喰われる隙を作る……!
「ドライビングテクニックは輪動制御で完璧を目指す! 他車の気配は聞き耳で感じ取る! 人車一体というわけだな……!」
気配遮断と忍び足、尾行のテクを再現した走りで至東に悟られないようにマークしていく。
カーブはアウトインアウトを基本に、急カーブはドリフトも併用して駆け抜けて。
「今は最速の称号、預けよう……だが勝負は次だ……!」
そしてその後をエーレンも追う。
「認めよう、急カーブはともかく単純な上り坂では不利だ。喰らいついていくしかない。やるか、やらないかだ」
そしてムサシはそのエーレンの後を追う。この箱根ではマシンの最高速が全てではない。
素の状態のマシンの最高速が1000kmを超える詩織や至東のモンスタースピードのマシンがこの箱根では完全なる最強ではないようにだ。
「自分の性能を完全再現……ということは、必殺以外は耐えられる不屈性(EXF)もあるということ……勿論無理な運転でクラッシュは全力で避けつつ、多少の無茶は承知の上で行く……!」
そう、ムサシの能力を再現したこのマシンはその不死鳥の如き不屈性においてはまさにMONSTER……。
(だが自分は反応や機動力は決して高い部類ではないと断定する。つまり、この猛者集うレースでは普通では上位に食い込むのは厳しいだろう……)
第三難所、並んで二台しか通れぬ小路、かつ超急カーブ。
ムサシのマシンは安定した動きでしっかりとカーブをきめていく。
「だが勝負は最後まで分からない。圧倒的な劣勢?反応や機動力といった基礎スペックの違い? ───それがどうした? 混沌で幾度となくそんなもの、ぶつかってきて慣れている」
そう、ムサシの瞳は勝負を諦めてはいない……!
そしてそれはセシルも同じだ。
「HAKONEの山は実は登りだけではありません。途中で下り坂になる所があります。つまり……ニトロを使うのは此処です!」
そう、この第3でセシルは勝負を賭けた。
(腰が引けそうです。でも、あえて僕は重心を前に倒しマーシーと一緒に駆け抜けます!)
「怖いです。こわいですが、僕は負けません! これは誰かとの争いじゃない。僕の恐怖心との戦いなんです!」
ニトロで700kmもの一時的な速度増加を加えた超加速。恐れを克服せんとするセシルはまさに勇気の勝利。
その成果は、一位をとったことで……いや、箱根の女神はまだ微笑む相手を決めてはいない。
「……流石だ。しかし、その走りは私に火を点けたな」
そう、此処でモカが仕掛ける。
「飛ぶのは無しとは言われたが、跳ぶのはかまわんだろう」
第三難所の内側が崖になっているカーブをニトロまで使い跳躍し、崖の上空を跳び越し全ての車を抜き去っていく……!
そんな命知らずどもを見ながら、詩織もドリフトをきめていく。
「勝ち負けより、とにかくドリフトしてるのが楽しい!」
「そう……ところでサムライの左側を通る意味、ご存知だったかしら?」
此処で戦うは至東。バチバチと火花を散らしながらも、2つのマシンは走りゆく……!
そして第4。それは8回もの連続急カーブ……此処でエーレンはその本領を発揮する。
「連続急カーブだと? いいだろう、俺向きの難所だ。ああ、どれだけテクニックがあってもクルマである以上カーブでは多少なり速度を落とさざるを得まい。だがS.C.V.は違う。スピードを一切落とさずにカーブに突入したら俺は跳躍する……!」
アクロバットめいて空中で姿勢を変えてガードレールを蹴って強引な方向転換、次のカーブに突入……そう、そんなニンジャじみた動きは俺だから可能なことだとエーレンはひとりごちる。まだ勝負は分からない……!
第4を抜ければ、最終難所。平坦かつ広いカーブ……ニトロを使った車両は自らの最高速で。
そして、使っていない車両は此処で勝負をかける。ムサシもまた……!
「ここから自分は…『焔心全開』 で、『開眼妙技』を魅せる。限界に追い込んでからの全ステータスの劇的上昇……つまり、ここからが勝負ッ!モードスレイプニル、展開……!」
そう、ムサシの能力を再現したマシンもまた『それ』が出来るのだ……!
「……蒸着ッ!!」
変身バンク、使用ッ! 宇宙の保安官に相応しいその姿へとイクストランはその姿を0.05秒で完了させる……!
──────ついて来れるか?
そう言われているようで、ムサシは太い笑みを浮かべる。
「ついてこれるか、じゃない……お前こそ、自分について来い…!イクストラン!!!」
ラストスパートには無論必殺のブレイジングマグナムを放つ。否。ブレイジングマグナムの炎を『纏わせる』。
炎となってその勢いのまま…『ぶち抜く』!!!
「ブレイジング…マグナムッッッッ!!!!」
そう、宇宙保安官の必殺剣……いや、必殺走だ!
「最終Curve……此処で真価を発揮する。speedで剝がれる塗装……真の魔物へと」
ブランシュもまた、ここで勝負をかけていく。
剥がれた塗装、漆黒のbody。現れるのは、あのYOKOHAMAの悪魔――Diablo。
「俺は初めからコイツで走っていたのさ。重量Curve特化仕様へと変えたが、行う事は変わらない。ただ一つの景色へ」
しかし、とブランシュは思う。
「だがなんだあいつらの急加速は……! 死にたいのか……! 公道では頭のイカれた奴だけが勝者となる……」
そう、最後の土壇場……俺(ブランシュ)は臆病風を吹かせた……。
曲がり切る事を意識して、アクセルを放した。
足りなかった……まだHAKONEには……。
「……フッ」
しかし、ブランシュはこうも思う……俺は……此処から……また始まる……。
「僕は「YAMANOKAMI」になる!」
「ここで勝負よ……!」
「ニトロ、着火! 悲鳴を上げるタイヤを、ねじ伏せて……!」
セシルが、イナリが、至東が……そしてエーレンもまた、ここで勝負をかける。
「ここだ。ここが勝負の勘所。最高速度に勝る連中はここで一気に決めようとしてくるだろう。だが決めるのは俺も同じだ。俺自身の機動力とニトロチャージの組み合わせを見ろ。ブリンクスターを使うのはこの瞬間。スレイプニル+ブリンクスター+機動力でニトロの加速力は2600に達する。この一瞬に最高を重ねてすべてを抜き去ってやる」
そうして生まれるのは驚異の3385km……!
「この再現性HAKONEで最速は――この俺だ」
その宣言通り、1位をエーレンが奪取する。それは、箱根の王の誕生という、最速の称号を競い合う新たなライバルの登場の……その瞬間でも、あったのだ。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
ご参加ありがとうございました!
GMコメント
はい、リクエスト有難うございます。最速に魂を惹かれた連中による仁義なきレースです。
今度は箱根なので速さよりカーブのテクニックが求められます。
忘れちまった何かを思い出せ!
というわけで、ええ。今回もそうです。敵は自分と自分以外の全てです。
具体的にですが、皆さんの能力を再現した車が用意されます。つまり言い張ったもん勝ちです。
亀の甲羅を投げるだけじゃすまないガチレース、妨害に徹するも妨害を許さぬスピードを目指すも貴方次第です。
おっと、飛ぶのは無しです。車だもんね、ワイルドにスピードしようぜ!
なお、肝心の「基本速度」に関してですが、皆さんの物理、あるいは神秘攻撃力のうち高いほうが最高速となります。
ただし、機動力に100をかけた数値をニトロとして最高速に加算することも可能です。使えるのは1回だけですのでご用心!
勿論、速すぎるマシンを制御できるのかは……私をプレイングで無理矢理納得させに来てください。
大事なのは熱量です。
さあ、もうご理解できたと思います。
細かいことを言わずにプレイングで殴りにこいってことです。大丈夫、今回もなんとかするから!
では自分以外の全てが敵のバトルロイヤル、コース(基本的に登り)はこんな感じです。
第一難所、連続急カーブ(7回)
第二難所、急な登り坂道&急カーブ(3回)
第三難所、並んで二台しか通れぬ小路、かつ超急カーブ(左が崖、右が山肌)
第四難所、連続急カーブ(8回)
最終難所、平坦かつ広いカーブ
では皆様、ご武運を! おっと、車の名前はちゃんと決めましょうね!
●情報精度
このシナリオの情報精度はRです。
レースってことです。グッドラック。
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