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シナリオ詳細

<昏き紅血晶>紅に魅入られ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<昏き紅血晶>紅に魅入られ
 大陸中央部、広く拡がる砂漠地帯……その中央部に位置するオアシス『首都ネフェルスト』。
 国の狭間にあるこの地は、各地に対しての交易の要であり、食料は勿論衣料、宝飾品、贅沢品……等々、様々な物が往来する。
 勿論そんな往来物の中には、当然ながら危険な曰く付きアイテムも含まれる訳で……違法な品やら、取引が禁止されている物を取引する際には、当然ながら表だって取引はされない。
 そして……。
『ふ……ふふふ……こーんなにたくさん。これだけあれば、商売も安泰だなぁ……』
 宵闇の中、不敵に笑うのは……ラサに根を張る商人。
 彼の手には、両腕で抱えられる位の大きさの箱。
 ……そしてその箱を開くと、暗闇の中でも赤く煌めく宝石達。
『……ああ、綺麗だ。これだけ綺麗なら、高く買うのもいるだろう……』
 何処かその瞳は少し虚ろ……その笑みにはどことなく狂気を孕んでいる。
 そして、その箱の中にある紅き宝石は、持ち主の笑い声に呼応するかの様に鈍く輝く。
 勿論、彼はその事に気付くようなことは無い……その煌めきに眼を奪われ、笑い続けるがのみ。
 そして箱を閉じ、鍵を掛けると共に彼は……その小箱に加えて様々な商材を籠に詰め、夕闇落ちるマーケットに赴くのであった。


「度々来てしまって申し訳無い……またになってしまうが、最近ラサを騒がせている事件の解決を頼みたいのだ」
 深く頭を下げるファレン……ネフェルストの街の酒場の一角。
 彼の言葉を聞いて、また『紅結晶』か? と誰かが問い掛けると、ああ、と頷き。
「そうだ。それも今回は、ちょっと街に被害が出かねない状況でな……早急な対処が必要だろう」
 そう言いつつ、彼はネフェルストの街の地図から、マーケットの一つを指さして。
「このマーケットの商人の一人が、どうやら『紅結晶』を大量に仕入れることに成功したそうなんだ。流石にマーケットの商人であれば、最近の事件を聞いた事が無い……なんて事は無いと思うのだが、それこそが商機とみて、他商人を出し抜いて大量に仕入れることに成功したらしい」
「恐らくその承認は『自分がそんな事になる筈が無い』とたかを括っているのだろう。だが……当然ながら、紅結晶は危険な『物』だ」
「恐らくではあるが……彼は既に紅結晶の魅力に取り憑かれつつあるのだろう。もしかしたら、皆に対しての受け答えが少しおかしいかもしれない。それを足がかりにして商人を追跡してほしい」
「ああ……もし彼が『怪物』に変わるようであれば、もはや救う事は出来ない。ならば……その場合は皆に任せる。勿論、皆の罪にならないようには取り計らわせて貰うから、安心してくれ」
 そこまで言うと、最後にもう一度皆を見渡し。
「……皆には辛い役目を背負わせる事になって申し訳無い。だが、紅結晶の真相は次第に解りつある。だが、被害をのさばらせておく訳には行かない。皆……よろしく頼む」
 と、もう一度深く頭を下げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 段々と紅結晶の危険性は広まりつつありますが、そんな時こそ好機と捉えてしまった商人を探し出す事です。
 素直に紅結晶の詰まった『宝箱』を渡してくれれば話は早いでしょうが……ほぼ100%、渡してくれる事は無いでしょう。

 ●成功条件
  ネフェルストの町のマーケットに居る『紅結晶』を大量に仕入れた商人から『紅結晶』を回収する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  夕闇が落ちる夕刻のマーケットです。
  誰が紅結晶を大量に持って居るかは、最初の時点では解りません。
  ただ、既に紅結晶の影響が及びつつある様で、その商人は受け答えが少し『ぼんやり』していますので、商人達に絨毯爆撃をしかければ、この商人を知る事は簡単でしょう。
  ただ、例え知れたとしても、紅結晶を渡せとか言ったら知らんぷりします。
  彼に上手く紅結晶を取り出させる交渉を行えば、見せてくれるかもしれません……ただ結構な高額をふっかけてきます。
  又、彼が危険を感じると、紅結晶の力が突如発動してしまう可能性があります……そうなるとマーケットド真ん中で怪物が現れる事になって仕舞うので、その場合周囲の避難誘導等を考え無ければ成りません。
  商人自体を殺す事は仕方ありませんが、周りの罪無き商人や一般人が死んでしまう事は、万が一にも避ける必要があります。

 ●討伐目標
 ・紅血晶の力により化け物化した商人
   紅結晶の力に浸食され、化け物化した商人です。
   既に大量の結晶を手にしているので、表面上は人間ですが既に思考等は化け物化しつつあります。
   彼を説得しようとしても難しい状態なのは間違い無く、更には本当に化け物化しれば一気に戦闘能力が高まります。
   尚、下手に彼を追い込むと、紅結晶を噛み砕いて口に入れてしまいます……そうなると、化け物化した上で更に戦闘能力Upなので、ご注意下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <昏き紅血晶>紅に魅入られ完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年02月24日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ウェール=ナイトボート(p3p000561)
永炎勇狼
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)
老練老獪
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)
アネモネの花束
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
フーガ・リリオ(p3p010595)
君を護る黄金百合

リプレイ

●砂に煌めく価値
 砂漠地帯に拡がるオアシス、『首都ネフェルスト』。
 国の狭間に渡るここは交易が盛んに行われており、食料品や衣類、宝飾品、贅沢品……と、様々な物が往来し、とても活気があるマーケットが頻繁に開催されている。
 そして、そんなマーケットに流通するのは適法な品だけに収まらない……人を狂わせるような、危険な物も、表だってではないが、口づてで売買されていたりする。
 そして……昨今このラサを騒がす『紅結晶』も、このラサのマーケットにおいて取引されている物の一つ。
 人が化け物物化する、という話が出始めており、おおっぴらに取引されるのは憚られつつあるが、逆にそれを商機と見る商売人が居るのも……また事実。
「全く……最近はこんなに騒ぎになっているって言うのに、それを商機に捕らえるとか何考えてるんだ……?」
「ああ……まぁ大方は、自分にそんな事が起きるはずも無い、なんて考えがあるのだろうな……」
 と難しい表情で肩を竦める『永炎勇狼』ウェール=ナイトボート(p3p000561)と、空を仰ぐ『鳥籠の画家』ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)。
 二人が言う通り、今回の商人は紅結晶を大量に売りさばくことで、富を得ようとしているのは間違い無い……人が化け物になるのはあるのはさておき、目を見張る美しい紅き水晶というのは、人の注目を集めるのはまず間違い無いだろう。
 恐らくこの商人は、化け物騒ぎを耳にした別の商人が一刻も早く手放したいという噂を聞きつけ、自分は大丈夫という考えの基に大量に仕入れ、それを大量且つ化け物にする、という事を未だ知らぬ人に高価に売りつけて居るのだろう。
「確かに商人は、皆と同じ事をしていては儲けられないものだが、よりにもよってこんなところで逆張りしてしまうとはな……」
「そうだね……一体何処から仕入れてきたのやら……綺麗な薔薇には棘がある、昔から教訓にされている筈なのに、どうしてこうも人の欲ってやつは……何処も彼処も紅結晶紅結晶と忙しないもんだ」
「ええ、そうね。確かに紅水晶は目にしたら惹かれる物だわ。何処から産出されているのかは解らないけれど、ここまで大量に出回るだなんて。私達には届いているけれど、まだ一般の人達には『化け物になる』って噂は広まってないのかしら? もし広まっていたとしたら、それでも求める人が居るとしたら不思議なのだけれど……?」
 そんな『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)、『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)、『夢語る李花』フルール プリュニエ(p3p002501)三人の会話。
 それに『荒くれ共の統率者』ジェイク・夜乃(p3p001103)が。
「ああ……まだまだラサの一般市民達には化け物化するという話は伝わりきっていない様だ。事実として化け物化はしているものの、真実も何も解っちゃいないから、強引に押し切れないって所かもしれないな?」
「そうなのね……とは言え商人側はそういった情報を知っているはず。大量に仕入れたという所は……詳しく調べて見たい所ですねぇ。商人さんを探しながら聞いてみますかね……?」
「ああ……まぁ、やりようがないわけじゃないさ」
 笑うジェイクに、『雪の花婿』フーガ・リリオ(p3p010595)が。
「ええ、そうですね……特に今回の商人は、既に紅結晶に半ば影響されつつある様子……街中で化け物化してしまう可能性は十分にあります。そうなれば、街の人達に被害が出る可能性が高い……という訳ですね」
 というと、『蛇喰らい』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)が。
「ああ……ま、探しもんは増えてきたが、俺は俺に出来ることをするまでの事だ」
 皺の刻まれた表情で不敵に笑みを浮かべると、それにエーレン、ルーキスも。
「そうだな……商人は気の毒だが……勤めを果たさねばなるまい」
「そうね。ぐだぐだ愚痴るのはこれで終わり。仕事といこうか」
 と頷き合い、そしてイレギュラーズ達はラサ、ネフェルストのマーケットに向かうのであった。

●紅き血の如く
「……さて、と……この辺りか」
 周囲を見渡すウェール……特にマーケットにおかしな点はない。
 自国はもうすぐ夕方の頃となり、空の陽は地面を紅く染め始める。
「取りあえず、二手に別れましょうか……先ずは手がかりを見つけないと、どうにも出来ないし」
「ああ、そうだな……取りあえず……こいつを預けさせて貰うな」
 ルーキスに頷きつつ、ジェイクはファミリアを2匹召喚。
 その内一匹をエーレンに預けると。
「了解した。取りあえずこっちとしては件の商人を見つける様に街を捜索する方向だが……そっちはどうするんだ?」
「そうだな。まぁ正攻法でいく方法もあるが、こっちは商人達の観点から追跡してみようと思う。これを使って……な」
 ジェイクの手には、ラサの大商人『アルパレスト』からの紹介状。
 絶対に通用する……という訳ではないが、ラサに根城を張る商人であれば、名前は聞いた事であろう商人からの紹介状を使用すれば交渉を優位に進める事は出来るであろう。
 そしてジェイクはベルナルドとフーガの三人でマーケットの一角へ。
 残る仲間達はマーケットへ繰り出し、商人達の商品を見定めるように巡回。
 様々な物が出品されている中、注意深く見定めるのは商人の受け答えと歩き方、更には……匂い。
「今回は目や鼻よりも嗅覚かな?」
 とくすりと笑うルーキスにフルールが。
「嗅覚……ですか? 紅結晶を手にした人から何か匂いがする物なのですか?」
「んー……かもしれないねぇ? というか、危ないヤツだから、常人とは違う物を感じさせる物だと思うよ。ま、盗み聞き位はこの子で出来るしね」
「そういうものですか……まぁ、何にせよ、商人さんは既に紅結晶に毒されつつあるという事ですし……大量に持って居るという事であれば、興味ある素振りを見せれば吐き出そうとしてくれるかもしれませんね」
「うんうん。そういう事」
 そんな二人の作戦と同様にバクルドは、適当にぶらつき、宝飾品を取り扱っている商人に。
「娘の誕生日にな、赤い宝石とかをプレゼントしたいんだ。なんかいいのを売っているヤツとか知らんか?」
 と、暗に紅結晶を臭わせながら、それを取り扱っている商人がいないか、もしくは紹介してくれないか、と尋ねて回る。
 そしてエーレンとウェールの二人は、マーケットを見渡せる高所に移動、もしくはファミリアーを経由して視界を確保してマーケットを一望。
 一人一人の商人の動きをつぶさに観察しつつ、商人が客を警戒したり、会話している所で何か怪訝な表情を浮かべている人が居ないか、を見て回る。
 そして……そのような素振りを見せる商人を発見次第、ウェールから仲間達にテレパスを使い場所と風貌を伝え、実際に商人にコンタクトを取り状況を調査。
 しかし中々、おかしな所作をする商人は見つける事は出来ずに時間が経過。
 そしてその頃には、先程のアルパレストの紹介状を持ったジェイク、ベルナルド、フーガの三人も準備が整う。
 フーガはストリートミュージシャンを装い、マーケットの人通りが多い場所でストリートライブを決行。
 商人だけで無く、人々の目耳を引き付ける。
 そして何曲か演奏して拍手を貰うと、一礼しながら。
「そうそう……今日皆様にお話したい事がありまして。最近話題の紅結晶は、皆様知っておりますか? 赤くて綺麗で、高価な宝石ですが……最近あの贋作が広く出回っている様なのですよ。そして、今日そんな贋作を買い取る人がこのラサに来ているというのです。名前をベルナルドと言い、彼は真贋の見分け方を唯一知って居ると言います。もし……不安に思う方がいらっしゃったら、是非とも……」
 と、集まった街の人達、更には歌が聞こえた商人達に、敢えて贋作が出回っていると触れ回る。
 大量に紅結晶を抱えている商人を炙り出すのと共に、商人仲間のツテを使い、その情報が伝達出来る事を期待。
 更にはジェイクも、同様の話を直接商人に触れ回り、紅結晶をベルナルドの元に集めるように工夫。
 ……ただ、集まる紅結晶を持った商人はそこまで多くない。
 ただ本物の紅結晶を大方が持っており、それを敢えてベルナルドが贋作だ、と声高らかに喧伝して、敢えて偽物だが買取を行う旨を提案。
 加えて本物を持つ商人へ。
「贋作でもそれにかかっている魔術を俺は調査に来ているんでな、贋作でももっと沢山必要だ。他の商人にも伝えて回ってくれ」
 と、更にこの話を広めるように伝達していく。
 そう、両方の側から話を広めていき……夕陽も落ちて、夜になる頃。
 暗視も絡めて商人達の監視を続けていくと……小脇に宝箱のような物をとても大事そうに抱え、更には周りの商人達が、その小脇に抱えている物は危ない、早く回収に向かうべきだと説得するのだが、それに聞く耳を持とうとしない商人を発見。
「これは間違い無さそうだな……良し」
 偶然近くに居たバクルドが仲間達にコンタクトを取り。そして……仲間達が集まると共に、商人の下へ。
『……あぁ? 何だ、お前達。これは、俺のもんだ! てめぇら、これを奪いに来たんだろう! ふざけやがって……!』
 小脇に抱えた箱の中から、僅かに煌めく赤い光り……既に何度も見ているからこそ、それが紅結晶であるのは直ぐに解る。
 前方にイレギュラーズ、左右に他の商人達に取り囲まれると言う追い詰められた状況は、彼を更に激昂させる。
 すると……突然彼の身体に瘤の様な物が生じ、突如の奇声。
『……グゥアアア!! 熱イ、アツイ……!!』
 その声は、自分に起きている現象を理解出来て居ない様でもある。
 勿論、突然の変化に周りの商人達は驚き、ざわめく。
 そんな商人達にルーキスとエーレンが。
「ほらほら皆、危ないヤツが出てきたから避難しようねー。巻き込まれる前にさくさくっと離れてー、ちょっと暴れるよー」
「そうだ。俺達が食い止めるので、落ちついて逃げてくれ! 大丈夫、走らないでも助かるぞ!」
 と言いながら、ファミリアーのソラスを指さし、それについて逃げる様に商人達に指示を与える。
 ラサの商人達は、その指示に従いマーケットから早々に避難……一方それを追いかけようとする化け物化した商人。
 紅結晶をその場に落とし、地面を蹴って跳躍し、逃げる商人に襲い掛かろうとする……が。
「させるかっ!」
 と、間に割込、身を呈してその動きを封じるウェール……。
『ウウ……邪魔スル、ナァ……!!』
 咆哮を上げる商人に対し、ウェールが。
「おい、なんでお前さんはこの紅結晶で金を稼ごうとした。夢や老後など自身の為か! 家族や大切な人の為か! 少なくともこうやって暴れたり、化け物になる為じゃないだろう!!」
 そうウェールが、その心に語りかける。
 しかし商人は。
『煩イ、煩イイイ!!』
 狂ったかの様に叫び、喚き、そして……化け物と化した筋骨隆々の腕で殴り掛かる。
 一発がとても強力な殴り攻撃であるが、決してウェールは退く事は無い。
 そしてウェールを後方から即座にフーガが回復を行い戦線を維持。
 続くベルナルドは焔を巻き起こし、敵の怒りを引き付けると共に商人達とは逆方向に誘導。
 そして、その間にルーキスは紅結晶の箱の所へ急ぎ向かい。
「得体の知れない宝石を噛み砕くとか、正しく商機じゃないねぇ……だからこれは回収させて貰うよ!」
 と、その場から回収。
 それに追い縋ろうとちょっとした動きを見せる商人だが、それを許さぬ様にフルールが紅き棘の荊をその足下に張り巡らせ、バクルドも足下を狙い済ました死神の狙撃で撃ち抜き、動きを制限。
 続いてジェイクの魔弾が狙い済まして腕を貫通する。
 痛みに叫び声を上げて、身を震わせる商人の声は悲痛な叫びで……丸で救いを求めているかの様にも聞こえてしまう。
 だが……ここで彼に慈悲をかける事は出来ない。
 既に化け物と化したからには……もう元に戻る事は出来ない。
 そして彼が欲望のままに拳を振るい、暴れるのが、それを大きな被害に至らせないように足止めを行い、動きを制限。
 かなりの体力を誇る故、かなり時間は掛かるが……それもジリジリと削り行き、十数分の後。
『グゥゥゥ……!!』
 その身は傷だらけになり、見るも痛々しくなる。
 だが、戦意は失わない彼に、バクルドは。
「これ以上人をやめてどうなりてぇっていうんだ? ……もう、いいだろう」
 敢えて、労いの言葉を掛ける……だが、咆哮は変わらぬ商人。
「やっぱり、ダメみたいね……少しは人の心が残っていれば、やり様はあったのかもしれないのだけれど」
「ああ……仕方ない。もう眠りな。せめてあの世に逝くなら、いい夢でも見てた方がまだ報われんだろうしな」
 フルールに短く頷き、そしてバクルドは敢えて敵の懐に踏み込む。
 勿論、至近距離に迫ったバクルドを殺すべく、大きく手を振り上げる商人……大きく開いたその懐に向けて叩きつけるのは、確実に死へと至らしめる殺人剣。
 その一閃に脇から分断されれば、血飛沫をぶちまけると共に……商人はその場へ意識無く崩れ墜ち、そして……そのまま身を煙の中に消失するのであった。

●埋もれた煌めき
 そして……化け物と化した商人が消えた後には……2個の紅結晶がころんと転がる。
 紅結晶は、先程回収した紅結晶に比べると……薄汚れた鈍い輝きに貸しており、美しさは失われている。
 ……その紅結晶に軽く触れてみるが……ズンっ、と頭を叩かれたような、軽い衝撃を感じるが、それ以上の事を感じる事は無い。
「あの商人に取り憑いて、力を発揮して役目を終えた……って言う感じなのかな? まぁ……取りあえずこれをこのまま残して置くのは危険だから、一旦細かく破壊しておこうか」
 とルーキスは転がった紅結晶を踏みつけ、破壊。
 更には一旦その場から退避させておいた大量の紅結晶をも、全て破壊する。
 そして、一通り破壊を終えた所で、小さくなった欠片に視線を落としたルーキスが。
「それにしても……この紅結晶。舞ってる人間が軒並みおかしくなっているよねぇ……」
 とぼやくように言うと、それにバクルドも頷き。
「ああ……人を狂わせる宝石、と……全く度し難えもんだ」
 と深く溜息を吐く。
 勿論、今回の話は商人が金を儲ける為に紅結晶を集め、それを売りさばこうとしたことに起因する事に間違いは無い。
 ただ紅結晶が無ければ、彼がこれに手を出すことも無く……更にカ化け物化する事も無かっただろう。
「……紅結晶が絡まなければ、きっと良い商人だったのにね……」
 とフルールが瞑目し、亡き商人に向けて手を合わせる。
 それに促されるよう、周りのイレギュラーズ達も……加害者であり、被害者でもある商人の冥福に祈りを捧げていく。
 数秒の静寂……そして再び目を開けると。
「……さて、と。取りあえず破壊した紅結晶も回収した。一応何か解るかもしれないから、持ち帰るか」
「そうね……何か解れば良いのだけれど。原因を一刻も早く追求したいところね……もう、これで悲しむ人を増やしたくないわ」
 ジェイクの言葉に、フルールは……安寧の願いを口にして唇を噛みしめた。

成否

成功

MVP

フーガ・リリオ(p3p010595)
君を護る黄金百合

状態異常

なし

あとがき

依頼にご参加ありがとうございました。
ラサに蔓延する紅結晶……商機と捉える商人が出てくるのは、彼等の原理原則上仕方ないのかもしれません。
今後、この紅結晶の真実が解ってくれば、事態は解決に向かっていくのかもしれませんが……その時までは、もう少し時間が掛かりそうですね……。

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