PandoraPartyProject

シナリオ詳細

かつてない程にドリル!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ドリルの可能性は無限
「ドリルは、ロマンだよな」
 手首から先がドリルになった男、通称『ミスタードリル』は手をウィーンて回転させながらニヒルに言い切った。
 手がドリルの人に違うよとはさすがに返せない。
 イレギュラーズたちがおのおのリアクションの取り方を考えていると、その後ろから新たな男が現われた。
「ドリルは、青春だよな」
 頭がドリルになった男、通称『ドリルヘッド』は首から上をウィーンて無限回転させながらニヒルに言い切った。
 頭がドリルの人にドリルは青春じゃ無いとかさすがに言えないでいると、二度あることは三度あるもの。新たな男がなぜかお立ち台へと登場した。
「ドリルは、人生だよな」
 乳首がドリルになった男、通称『乳首捻り殺し』が乳首をウィーンって高速回転させながらニヒルに言いやがった。
 こいつには言ってもいいかなと思って違うよと応えていると、あとからあとからドリルみのある人々が現われた。
 鼻がドリル。小指がドリル。言語がドリル。身体そのものがドリル。ドリルが本体。ドリルが主食。いないのは股間がドリルの人くらいだ。他は大体いた。
「俺たちは鉄帝闘技場の集団戦闘チーム、その名も『ドリルブラザーズ』。ドリルを愛するものたちが集うドリームチーム……いやドリルチームだ!」
 登場したありとあらゆるドリルマンたちが、一斉にウィーンてやりながらこちらを指さした。
「「さあ、バトルを始めようぜ!」」

●戦うことこそ依頼なれば
「ボクが呼ばれる時って大体こうなのです……」
 地面に『いじいじ』って字を書き続ける『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
「今回は鉄帝の闘技チーム『ドリルブラザーズ』から練習試合の依頼なのです」

 鉄帝にはラド・バウという超有名な闘技場があって政権すらそこで決まっちゃうが、バトル大好き鉄帝マンは色々なバトル形式の闘技場をあちこちに作っていて、その一つである集団戦闘専用闘技場では、日夜8対8の集団戦闘がもりもり行なわれていた。
「『ドリルブラザーズ』は界隈で有名なイロモノチームなのです。
 けど有名になるだけあって実力はホンモノなのです!
 ホンモノなので、魔種を倒したローレットとの練習試合を依頼してきたのです!
 それも……実戦形式で!」
 実戦。それは命すらかける死闘である。
 闘技場で勝ち残れば多額の賞金や地位が得られるかわりに、負ければ最悪死ぬというハードスポーツ。『ドリルブラザーズ』はその業界で有名になれるだけの戦闘力と、カンと、そして経験をもっていた。
「ナメてかかったら即ドリドリなのです! ここはひとつ、がつんといくのです!」

GMコメント

 造形が愉快なだけのガチバトル。
 『乳首捻り殺し』とかふざけたこと抜かしているのに気を抜くとギッタギタになるという、バランス感覚の難しいシナリオでございます。
 困ったらガチでいっちゃいましょう。絵ヅラはどうやってもネタっぽくなりますが。

 成功条件は試合に堂々挑むこと。
 むろんパンドラ減るほど激闘になるでしょう。

【ドリルブラザーズ】
 鉄帝の集団戦闘スポーツで結構な生存率や勝率を誇る有名チーム。
 ドリルアピールと呼ばれる愉快なアピールをあえて欠かさず、ファンも地味に多い。エンターテイメントとファイトを融合させたチームなのだ。
 今回は参加メンバーの実力にあわせて新人を何人か入れての練習試合を行なうそうだ。そもそも新人の訓練が目的らしい。

【試合会場】
 本試合にも用いられる広大なドーム。
 内部には人工的に森が再現されており、あえて見通しが悪い作りになっている。

【試合形式】
 今回の試合はフラッグ戦
 双方の陣地に設置された鋼鉄フラッグを破壊した方の勝利となる。
 ただ依頼の目的が訓練であるところもあるので、『ドリルブラザーズ』はできれば全員を戦わせたいと考えているようだ。

 メンバー構成は今のところ不明。
 ただし『こいつと戦わせたらいい訓練になるなあ』みたいなのをあえてぶつけてくる模様。(メタ的にいうと依頼参加PCの顔ぶれで決まります)

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • かつてない程にドリル!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年09月29日 22時35分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

エト・ケトラ(p3p000814)
アルラ・テッラの魔女
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
琴葉・結(p3p001166)
魔剣使い
雷霆(p3p001638)
戦獄獣
エスラ・イリエ(p3p002722)
牙付きの魔女
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
エリシア(p3p006057)
鳳凰

リプレイ

●かつてない程にドリル!
「「さあ、バトルを始めようぜ!」」
 登場したありとあらゆるドリルマンたちが一斉にドリルをウィーンてやりながらこちらを指さしている。
「ドリル、うん、強い武器ね。わかるわ、とても。だから聞かせて頂戴」
 『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)はげっそりしながら言った。
「なんでそこをドリルにしたの?」
「たしかに……理解できぬ……」
 『解華を継ぐ者』エリシア(p3p006057)も額に手を当てて唸った。
「こういう見世物のような闘いがあるのも、また良いのだが……なぜ……ドリル……」
「「なぜなら」」
 ドリルマンたちが一斉に答えた。
「「かっこいいからだ!」」

 こんなことを言い出す鉄帝の闘技チームドリルブラザーズ。
 ぶっちゃけイロモノだがそれだけの余裕をもちながら勝利をあげられるほどの実力者たちだとも言えた。
 過去の資料を一通り見てみる『特異運命座標』オリーブ・ローレル(p3p004352)。
 一対一の闘技場と異なりチーム戦はチーム配分が勝敗を分ける。それゆえ強豪チームは多彩なメンバーをもちどんな相手にも対応できる『多様性によるバランス』をとっていた。
 弱点らしい弱点はないとも言える。
「あの耀く流線型の物体? 浪漫の塊? 成る程……」
 うーんと唸りながら同じく資料に目を通す『パラディススの魔女』エト・ケトラ(p3p000814)。
 こうしたバランスチームがこちらのメンバー構成に直接ぶつける形でチーム編成を行なうので、予め作れるメタ打ちみたいなものは無いと思っていいだろう。
 更に言えば、相手は新人の鍛錬を目的としているので各個人の苦手分野を克服させるべくわざと逆メタを張ってくることも考えられる。『わざと負ける後出しじゃんけん』みたいなものである。いってもあいこ狙いだ。
 『孤兎』コゼット(p3p002755)がゆっくりと控え室に歩いてくる。
「ドリルは、武器、だよ」
 杵みたいなハンマーの先端をうぃーんって回転させながらいうコゼット。
 それは分かったけど……みたいな顔でエトたちは再び唸った。

 一方、『牙付きの魔女』エスラ・イリエ(p3p002722)は選手ではなく試合会場の情報を調べていた。
 相手選手にメタをはれなくても、会場に対応することはできると考えたからだ。
「自然会話での情報収集は無理そうね……」
 野球場の芝に相手選手の狙い球を聞くようなもんで、断片的情報取得では刻一刻と変化する戦場の様子を把握することは難しい。次にファミリアーの使用を考えたが、擬似的に再現された森には小動物が少なく、自分で持ち込むほかない。ファミリアーはかなり一般的なスキルなので相手チームが使用を想定しないわけがなく、十中八九使用を気づかれてしまうだろう。
 更に言えば鳥などの飛行動物を使えば森という地形上地上の様子を把握しづらく逆に飛行物体を補足されやすいため、まあ使わない方がいいとわかる。
 使うならリスのような動物を木の陰にひそませておいてセンサー代わりに使うのが妥当だろうか。ある程度の双方向通信にも使える筈なので、やっておいて損ということはない。強いて言うなら戦闘しながらだとなんか拡張五感がわーってなって集中しづらそうだなってくらいである。
『イヒヒヒ。相手の姿は愉快だが強さは本物みたいだなぁ?油断してると風穴あけられちまうぞ』
「分かってるわよ。練習試合とはいえ負けるのは悔しいし……本気で勝ちにいくわ。相手の姿はユニークだけど気を引き締めていくわよ!」
 剣の柄をぺちんと叩いて気を引き締める『魔剣使い』琴葉・結(p3p001166)。
 軽く会場でアップをしながら確かめたところ、試合とはいえ一時的な敵対関係にあるおかげでエネミーサーチによるスキャンが効くことがわかった。
 とはいえステルスや忍び歩きを重ねるとかなりわかんなくなるので過信は禁物、である。
「そろそろ時間、か」
 瞑想をしていたらしい『戦獄獣』雷霆(p3p001638)がのっそりと立ち上がり、拳に装備した専用ドリルクローに螺旋の炎を纏わせた。
「浪漫に魅せられながらもそれを実戦レベルにまで高めているとは……。俺もドリルを元にした武器を扱う者、是非とも強者と手合わせ願いたい! ゆくぞ!」
 思い思いの準備を整えていた面々がそろい、フラッグ位置まで集まってくる。
 空を旋回飛行する審判が、透視能力その他でもって双方のセッティングを確認。試合開始の笛を吹く。
 こうして、鉄帝闘技チーム『ドリルブラザーズ』との戦いが始まったのだった。

●暗中模索
 森というフィールド特性から視界情報による索敵が難しく、一方で落ち葉や雑草が音を立てやすくあちこち草の臭いのワンパターンであることから、嗅覚や聴覚を用いた索敵が有効らしいことが戦場に入ってみてはっきりと分かった。
 平地における大群相手ではかなりの有利を誇る飛行索敵の弱点である。
 それでも、少しでも遠くを見るべく飛行して枝の上に陣取ってみるエト。
 一方エスラは五感を共有させた小動物をフラッグ付近に配備し、簡易通信機代わりにしてエトと共に前線警戒にあたっていた。
 今回のおおまかな作戦はフラッグの周囲に展開して防衛に重きを置くというもので、索敵の要は聞き耳とエネミーサーチをもった結であった。
 戦場がそれなりに広いためエネミーサーチの感知圏外を回られたりステルスをかけられるとキツいが、中央で待ち構える限り大体は察知できるはずだ。
 ……とか思っていたら。
「我こそはドリルブラザーズ切り込み隊新米、一本槍ドリ助でござる!」
 真正面からすごい勢いでダッシュしてくる槍使いが現われた。
「敵接近! ひと――りじゃない! ふたり? さんにん? 違う、六人よ!」
 一本槍ドリ助を先頭に七人まとめて一気に突っ込むというごり押しみたいな作戦。
 ギャンビット戦術といって、あえて損を先取りすることで陣形の優位を得る攻撃的戦術だ。相手がどう対応するかを確かめる意味も持ち、今回の趣旨に照らし合わせれば『イレギュラーズはどう戦う?』と問いかけているような攻め方だった。
 一本槍ドリ助のドリルチャージアタックを剣で弾いて受け流す結。
「アッセンブル! 数が足らない。押し切られるわ!」
 結の呼びかけに、広く展開していた防衛チームがぎゅっと固まるように集中した。
 丁度広いシートがボールを包み込むような包囲陣形である。
 対してドリルブラザーズははじけるように散開。範囲攻撃をうけるリスクを減らし集中攻撃をしづらくし、尚且つ数の利を得やすい各個撃破作戦(よく集中砲火と間違えられるがかなり違うもの)をとるつもりのようだ。
 ハンマーの後部からエネルギーをジェット噴射しながら駆け寄るコゼット。
 片足ブレーキで回転をかけると、コマのような勢いでぶつかっていく。
 対抗するのは巨大なハンマーを持って麻袋を被った男。攻城槌のような先端は回転するドリルとなっていた。
「おそろい。だけど――」
 相手のハンマーアタックを高速の回り込みで回避し、背中にハンマーを叩き付ける。高速回転するハードポイントが鎧の背中を削り始めた。
「相性は、こっちの有利」
 コゼットは回転を停止。振り込まれたハンマーを跳躍でかわすと、今度は縦回転でもって頭を狙った。
 一方でオリーブが突撃。かぶとでくぐもった声で唸りながら、ドリルブラザーズの一人ドリルウォーカーとぶつかった。
 足の踵がドリルという生活しづらそうな相手だが、彼の回し蹴りは凶悪な威力だ。
 オリーブはノーギルティによる攻撃とディストラクションによるブレイク狙いを織り交ぜて戦った。
 遅れて駆け寄ったエスラとエトが参戦。
 エスラはドリル魔法の使い手といわれるドリルマジシャンを相手にライトニングを使用し、更に後ろに控えているドリルを発射するらしいドリリガンナーを巻き込むように攻撃した。
「あまり会ったことのないタイプの敵ね……って言おうと思ったけれど、そうでもない気がしてきたわ。ま、相手は至って真面目に戦ってくるわけだし、油断だけはしちゃいけないわね」
 相手の攻撃も凄まじく、それぞれが各個にぶつかる展開上耐久力の低いエスラたちが削られやすく、エトはそれをカバーするためにメガヒールに集中した。
「栄誉の為に、観客の為に、己の矜持の為に、時に命すら投げ出す……その覚悟、嫌いじゃなくてよ? わたくしも全力で応えましょう、貴方達とドリルに恥じない輝かしい戦いにしたいものね!」
 蝙蝠羽を羽ばたかせ、杖で描く魔方陣。光の奇跡が陣となり、仲間に光のつぶを降らせていく。
「試合とはいえ、手は抜かんぞ。撃ち貫いてくれよう!」
 そこへ勢いよく駆けつけてくるエリシア
 まず両手五指に炎を宿すと、巧みに空中に炎文字を描きながら腕で大きく円を描く。はしった炎が複雑な幾何学模様を描き出し、小さく無数に分裂した円形模様がアンクレットのごとく右足首に連装された。
 大地を踏む足がひとつずつ焦げ跡を残し、数歩で跳躍。
 前方宙返りをかけると自らに突撃してきた乳首ねじり殺しの顔面にスターゲイザーキックを叩き込んだ。
 ほとばしる炎が波をうち、そのずっと後方に位置するドリルガンナーにまで波及する。
 ドリルガンナーは大けがを負って引き下がるが、乳首ねじり殺しは鮮やかなスマイルとダブルバイセップスポーズを維持したまま微動だにしなかった。
「ナーイスキックだ! 100万ドリル!」
 勝手な単位で採点すると、乳首のドリルを高速回転させる。
 乳首ねじり殺し。圧倒的耐久力とそのまま突っ込んでくるプレッシャー。そしてこの妙にアメリカンマッチョなキャラ付けで大人気の闘技者である。
「ぬう……!」
 あちこちでの拮抗。
 しかし相手がヒーラー抜きの六人であるためにもう一人を必要とした。
 でなければ、手首から先がドリルになったミスタードリルに包囲を突破されてしまう。
 そこで出張ってきたのが雷霆だった。
「勝負……!」
 両拳を握りしめ、あげた炎を螺旋状に回転させる雷霆。
「イエス、アイムドリル!」
 対するミスタードリルも両腕のドリルを回転させて真正面から激突。
 ドリルとドリルがぶつかり合い、勢い余って互いの額が激突した。
 雷霆のドリルは闘志で回る。ミスタードリルも闘志で回る。
 二人の闘志と意地が肉体をもって衝突し、そして拮抗していた。
 目が、炎のように輝く。

 一方、襲来の知らせを受けたイーリンはフラッグ前を動かなかった。
「この程度、想定の範囲内よ」
 チェスプレイヤーとまで呼ばれた女。相手が攻撃的な戦法をとることも想定していた。
 そしてそれだけの存在ではないだろうということも当然想定したのだ。
「そこね」
 旗のようなオーラソードを振り込むと、虹色の星が飛んだ。
 星を切り裂くクナイ。
 木陰から現われたそれは、いかにもな忍び装束だった。
「六人は陽動だったわけね」
「ドリル……」
「けれど、私を倒さなくてはフラッグを破壊できないわ」
「ドリル……」
「さあ、来なさい。相手になってあげる」
「ドリル」
「――ンッ!」
 イーリンは地面を強く踏みつけた。
 どうやら相手は言語がドリルの人だったらしい。
 言語っていうかドリルしか言わない人だった。
「ドリル!」
 お覚悟! みたいなノリで飛びかかってくるドリル忍者。
 イーリンは剣を握って対抗した。

●どんなことでも貫いたなら一流になる
 森の中を走りながら、次々と遠術を放つエスラ。
 防衛ラインを抜けられないように牽制をかけつつの戦闘である。気づけば戦場は集合状態を終え広く楕円形に展開し、はじめの防衛陣形に近い配置に戻りつつあった。
 違いはあちこちで個別に戦闘が行なわれている所である。
 エトがあっちこっち走り(飛び)回りながらメガヒールをかけてまわるがそれも一分と少しでスタミナ切れをおこし、エスラと共にドリルマジシャンを追い詰めるべく杖を用いた通常攻撃にシフトしている。
 やや近い場所で戦っていたオリーブもドリルウォーカーとのぶつかり合いが激化し、通常攻撃による耐えしのぎモードへと移行しつつあった。
 ここまでの戦い方を見てみると、ドリルブラザーズ側はあえて不利な相手に戦いを挑んでいるように見えた。
 ドリルマジシャンは複数の敵に距離をとりながら戦うすべを、ドリルウォーカーはバランスタイプの相手を技で押し切るすべを獲得すべく戦っている。
 これはあくまで練習試合。
 物好きな観客こそいるもののショーとしてのテイはまだ成していないらしく、ドリルマジシャンもドリルウォーカーもかなり余裕の無い戦い方をしているようだった。
 オリーブたちが数の力で追い詰めるのも、きっと時間の問題だろう。

 不利さが顕著なのはコゼットとドリルハンマーの戦いだった。
 ひたすら回避能力と弱点攻撃で翻弄するコゼットに、パワータイプのドリルハンマーは手も足も出ない状況だった。
 破壊力があるのでそこそこ人気らしく、コゼットもこの闘技者は知っていた。それゆえ咄嗟にメタをはったつもりだが、ドリルハンマーのほうはむしろそれに積極的に応じる姿勢を見せていた。
 別の仲間と(例えばドリルウォーカーと)交代すればかなり楽になる筈なのに、必死にコゼットを追いかけてくる。
 むろん、愚かさが故ではない。愚かな単独行動はチームを敗北させる。強豪闘技チームにそれはありえない。
「弱点の、克服、か……」
 コゼットは打ち下ろされた相手のハンマーに飛び乗ると、そのまま駆け上がった。
 自らのハンマーからジェットを噴射し、相手の頭部をど真ん中から打った。
 直撃。
 流石にやりすぎたかと思ったその時、コゼットの足ががっしりと掴まれた。
「ホールド」
「――!」
 直後、凄まじい勢いで振り回される。
 景色が急速に引き延ばされる。
 身体が引きちぎれてしまうのではという重力にさらされ、気づいた時には樹木を数本なぎたおしてから地面をバウンドしていた。
 ハンマーを再び掴み、突撃をしかけてくるドリルハンマー。
 それを、結と雷霆が両サイドから剣と拳で殴りつけた。
 崩れ落ちるハンマーヘッド。
 二人を追いかけて飛び込んでくるミスタードリルと一本槍ドリ助。
 雷霆と結は頷きあい、それぞれ交差。
 結は拳よりも長い間合いを活かして相手の拳ドリルを打ち上げる。
 続く第二の拳ドリルが自らの脇腹をえぐるが、こらえて至近距離で魔剣の魔力を打ち込んだ。
 一方の雷霆はドリル槍を胸で受け、手で掴んで固定。
 相手をぐるんと振り回すと、樹幹に勢いよく叩き付けた。
 更に裏ラリアットを叩き込み、樹幹を破壊しながら吹き飛ばす。
「そこじゃ――我が炎で燃えつきろ!」
 明後日の方向から無数の炎円陣が連なるように伸びた。それらをまとめて潜り、着地と同時に大爆発を起こすエリシア。
 一箇所にまとめられたミスタードリルたちはまとめて吹き飛んでいった。
 同じく爆風に晒されたらしい結は雷霆に庇われる形で残り、ふと振りかえる。
 乳首ねじり殺しが乳首のドリルをウィーンてさせながらスマイルした。
「うーん、ナイスドリルワーク! 一億ドリル!」
 そう言いながらゆっくりと後退。両手をパーにして掲げ、降参のサインを出した。
「この勝負はついたも同然。しかしまだ一人戦っていない人が居る。彼のもとまで、行ってやってくれないかな」

 ドリルブラザーズとイレギュラーズのぶつかり合いで、双方は戦力を大きく減らした。
 残ったのはイーリン、結、エリシア、エト、コゼットの五人だ。
 体力をかなり削られ、特に結やコゼットはリタイア寸前だった。
 そんな彼女たちを待っていたのは……。
「よく来たな、イレギュラーズたちよ!」
 腕組み姿勢のドリルヘッドだった。
 『ドリル魂』とプリントされたシャツを脱ぎ捨て、屈強なボディを露わにする。
「俺を倒せば勝利だ。どうする。全員で来るか?」
 一人降参させておいて、フェアとは言いがたい……と思っていると、イーリンがすっと一人だけ前にでた。
「降参したのは一人じゃないわ。二人よ。だから……まずはこっちも一人で行かせて貰うわ」
 イーリンは剣を構え、ドリルヘッドへと突撃した。
 剣から伸びたオーラがドリルヘッドの胸を貫く。が、それを受けた上でドリルヘッドはイーリンに思い切りパンチを叩き込んだ。
 吹き飛ばさるも手甲を淡く光らせて回転、着地姿勢からすぐにリリカルスターを連射した。
 全弾命中。
 しかし、あがる煙の中からゆっくりとドリルヘッドが歩み出た。
 ギラリと光るドリルの光沢。
「そろそろいいぞ。全員でかかってこい」
 両手を掲げると、ドリルヘッドは頭のドリルを回転させはじめた。
 一斉に飛びかかるコゼットたち。
 ドリルヘッドはその全ての攻撃をあえて受け止め、そして全員を殴り返し、その繰り返しの末に膝を突いた。
「……愉快なドリルだったわ」
 折れたフラッグを前に、イーリンはドリルヘッドに手を翳した。
 強く握手が交わされる。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――game set!
 ――nice drill!

PAGETOPPAGEBOTTOM