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シナリオ詳細

<腐実の王国>イレギュラーズVSクソ雑魚海賊ワールドイーター(超大量)

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「やべえよ……やべえよやべえよ……何で俺だけこんな感じなんだよやべえよ……」
 ここはヴィンテント海域。そこを漂う、とあるあり得ない位巨大な海賊船風の船の上。その甲板に立つ一人の男。致命者アキラさんが、何やらやべえやべえと繰り返していました。
「やべえ……マジやべえって……何で俺に当てられたワールドイーターこんな雑魚ばっかなんだって……数は多いけど多いだけだし絶対殺されるよやべえよ……俺も弱いしやべえよ……」
 致命者アキラさんはそう言って振り返ります。するとそこには、海賊みたいな恰好をして海賊みたいな武器を振り回す意味わからない位大量のワールドイーターが。
「うおおお!! 略奪! 略奪!」
「略奪! バイキング! お宝!!」
「「「「うおおおおおお!!」」」」
 海賊風ワールドイーター達は狂喜乱舞しながら船を駆け回っています。楽しそうですが、めちゃくちゃうるさいです。
「しかもアホばっかだし……何より雑魚だし……俺も雑魚だし……多分その辺の漁師のおっさんの方が強ぇよ……いや知らんけど……でもやべぇよ……」
 彼らは現在、とある幻想の港街を目指して船をゆっくり進めている様です。
「やべぇよ……上陸してからならいざ知らず、万が一イレギュラーズとかがこの船に気づいて万が一この船に乗り込んできたらボッコボコのボコにされちまうよやべえよ……」
 という訳で、彼の言う通りにボッコボコのボコにした方が良いと思います。


「クソ雑魚ワールドイーターとそいつらを率いるクソ雑魚致命者の御一行様が海賊船に乗って幻想の港町に近づいているのです。なので皆で乗り込んで暴れ散らしてボコり散らかしてきて欲しいのです。以上なのです……あ、もうちょっと説明した方がいいです?」
『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がすごくいい具合に説明を始める。
「えー、今回の件は例の致命者やらワールドイーターやら遂行者やらが関わる天義を中心とした事件の1つなのです。まあ雑魚なのですけど」
 現在彼らの進軍が各所で行われているが、これもその進軍の1つだとユリーカは言う。
「で、まあ。今回みんなが相手取るのは、海賊船に乗った海賊風ワールドイーターなのです。そのままなのです。が、実際そうなんだからしょうがないのです。アキラとかいう致命者が連れてるっぽいのでそいつもついでにボコしてきて欲しいのです」
 イレギュラーズ達は船等を用いて敵の海賊船に接近し、好き勝手暴れ回って欲しいとユリーカは言う。
「クソ雑魚ワールドイーターが乗ってるのはクソデカ海賊船なので、ちょっとやそっとじゃ沈まないのです。最終的に沈めても別にいいのです。海賊風ワールドイーターは……海賊みたいな銃やらサーベルやらを使って攻撃してくるのです。他にもなんか使うかもしれないのですが、まあそれがどうしたって感じなのです。アキラは鉄パイプ持ってるのです」
 そして大事な事は、ここまで再三言っている様に敵は総じてクソ雑魚だという事である。
「それはもう弱いのです。弱っちいのです。だからどうせ倒すなら思いっきり格好つけて。己の中に眠る希望と絶望と欲望を解き放ち、えきさいてぃんぐにワールドイーター共をぶっ飛ばしてきて欲しいのです。ぐっどらっく!」

GMコメント

 のらむです。何も考えずに海賊共を蹴散らしてきてください。

●注意事項
 相談期間が超短いです。敵は超弱いですがそれだけお気をつけください。

●成功条件
 ワールドイーターと致命者アキラをぶっ飛ばす

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。疑いようも無く海賊とアキラは弱いです。

●致命者アキラ
 クソ雑魚のワールドイーターを率いる事となったクソ雑魚の致命者。
 びっくりする位弱い。

●海賊ワールドイーター
 海賊の姿のワールドイーター。サーベルを持っていたり銃を持っていたりする。意味わからない位に大量に居る。
 ただしクソ雑魚。

●海賊船
 めちゃくちゃ大きい海賊船。海賊共が船のあちこちで騒いでいる。
 食堂やら武器庫やら船長室やら寝室やら賭博場やら、いくつものエリアに分かれている。
 大砲、酒、大量の料理、その他諸々。海賊船にありそうなものは大体ある。
 とても広いので、派手に暴れ回っても中々壊れない。が。最終的に木っ端みじんにしても構わない。

●シナリオ方針
 気楽に気軽に気兼ねなく、自由に海賊どもをシバキ倒す依頼です。
 攻撃さえしてくれれば勝てます。時間も無制限なのでなんやかんや勝てると思います。個人で動いても団体様で動いても問題ないと思います。
 そんな訳なので細かい戦略を考えてプレイングを書くというよりは、好きな武器で好きなスキルを使い好きなように戦うのがおすすめです。遊ぶことを重視してもなんの問題もありません。攻撃さえしてくれれば。
 使えるギフトがあれば使ってもいいですし使わなくてもいいです。
 如何にして格好つけたりつけなかったりして立ち回るかをプレイングに書けば、楽しく戦えると思います。お気軽にご参加ください。

  • <腐実の王国>イレギュラーズVSクソ雑魚海賊ワールドイーター(超大量)完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年03月10日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
まずは、お話から。
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀青の戦乙女
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)
アネモネの花束
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!

リプレイ

●パイレーツ・オブ・クソザコ
『うおおおお! 略奪だ!』
『うおおおお! 海戦だ!』
 なんかうおおお、と雄たけびを上げるのは、無数のワールドイーターたちである。その姿はみな、『それっぽい海賊』の姿をしていた。海賊、と想像して思い浮かぶ、そういう恰好。
 さて、ワールドイーターといえば世界を食らう恐るべき怪物であることは間違いなかったが、ここにいるのは大量のクソ雑魚だった。自分たちの本分を忘れて、世界とかじゃなくて肉と酒を食っていた。もう知能は完全に下っ端海賊であって、ここが『再現性ポストアポカリプス199X』とかだったらモヒカンだったことは疑いようもない。
「どうしてこんなことに……」
 そういうのは致命者アキラ君だった。海賊船(これはどこぞの船を奪い取ったのだろうか? なかなか豪勢で気の利いた船である)を埋め尽くさんばかりの雑魚どもの中に、ぽつん、とたたずむ哀れな致命者である。彼もまたクソ雑魚だった。生前からクソ雑魚だったのか、わりと強いひとだったのかは覚えていない。でも、間違いなく今は確実に絶対にまったく、クソ雑魚だった。
 この船はクソ雑魚満載の船である。クソ雑魚シップである。クソ雑魚シップであるが、まぁ、迷惑なのは変わりはなかった。このまま街にまで流れついて、上陸でもしようものなら――まぁ、港で水夫にぼこぼこにされる可能性はあったし、野良犬に噛まれて死んだり、最悪近所の子供に石ぶつけられて死ぬ可能性もあったが――それなりに、街に損害を出してしまうことに間違いはあるまい。
 というわけで、水上での討伐が急務だったわけだが――。

「かわいそうになぁ」
 『鳥籠の画家』ベルナルド=ヴァレンティーノ(p3p002941)が思わずそういった。
 ディープクルーザーPLM。クジラ型の潜水艇に乗って、イレギュラーズたちは一路クソ雑魚シップへと向かう。
「なんというか……かわいそうにな」
 もうそれ以外の言葉が出てこなかった。まぁ、相手はもう人類の敵みたいなものなので同情はする必要はないのだが。それはそれとして、可哀そうである。境遇が。
「……なんというか、敵にある種の同情を禁じ得ないな。どうしてまたそんな悲惨な敵情になったんだか?」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)も思わずそういってしまうほどに、可哀そうだった。
「あれだろう? 日ごろの行い」
 『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)が答えるのへ、エーレンは首を傾げた。
「確かにそうだ……でも、日ごろの行いがいい悪党なんているのか?」
「しらないのかい? ああいう悪党は、たまに雨の日に、雨に濡れたノラ子猫に傘を差しだりしてバランスととっているんだよ。知らないけれど」
 ルーキスがくすくすと笑いながらいい加減なことを言う。テンションが上がっているらしい。なにせ今回は、『大暴れ』できるお仕事だ。
「えっ、そうじゃったのか? あれは猫の味方じゃったのか?」
 『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)が目を丸くした。
「なんという……実は優しいやつじゃったんじゃな……アキラ……でも敵だからボコろう!
 悲劇じゃな! 我らは悲しみながら奴を倒さねばならんのか! でも敵だからボコろう!」
「まー、日ごろの行いがよかろうが悪かろうが、猫の味方だろうが敵だろうが、あれはもうどうしようもないくらい敵なので、ボコるのだがな?」
 にこにこと笑う『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)が同意する。
「久しぶりにストレスが解消できそうだな! クソ雑魚全滅RTAと行くか!」
「俺としちゃ気になるのは、やっぱり船の設備だよなぁ」
 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が、うんうんとうなづきながらそう言った。
「あれだけいい船だ、きっと厨房設備もいいのを積んでるはずだぜ!
 動きまくったら腹も減るだろうし、打ち上げの料理も作りたいからな!」
「ふふ、ゴリョウさんの興味はやっぱりそっちなのね」
 『プロメテウスの恋焔』アルテミア・フィルティス(p3p001981)がほほ笑んだ。
「でも……ちょっと私も気になるかも。
 材料……が残ってるかどうかはわからないけれど、依頼が終わったら釣りでもしてみようかしら?」
「いいッスね~! 釣りたてのお魚を調理してもらうのって、すっごく贅沢ッスよ!」
 にこにこと笑うのは、『蒼騎雷電』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)だ。
「いや~、ストレスも解消できて、ゴリョウさんのおいしいご飯も食べられる!
 いいお仕事ッスね~! これじゃあ実質パンドラを回復しに来たようなものッスよ!」
「ええ、本当にそうね~♪」
 アルテミアがほほ笑んだ。完全に緩んでいる。油断している。そう、イレギュラーズたちは油断しきっていた!
 だが、この後イレギュラーズたちは特に思い知ることはない。
 その油断が間違いであったことなどは特にない。
 この時の緩やかな空気を後悔することも決してない。
 そう、この後はただただ、クソ雑魚を殴り飛ばすイレギュラーズたちが見られるのだ。ご期待ください。

●イレギュラーズ無双~海賊必滅~
 あ、どうも。僕です。クソ雑魚ワールドイーターです。
 この間、上京しました。夢をもって、田舎から。
 海で一旗揚げてやるぞって、海賊になってね。カットラスとかそういうの持って、『うおおお』って叫びながら出陣しました。
 なんでかなぁ、やれる、って思ったんです。とりあえずうおおおって叫んで突っ込んだら、まぁ、HPとか結構削れるんじゃないかなって。ワンチャンパンドラー3とかできるんじゃないかなって。思ったんです。
 夢――でしたね。無謀というか。まぁ、土台無理な話だったんですね。僕が主役みたいになろうなんて。
 僕は永遠に脇役で――そう、うわー、って叫びながら吹っ飛ばされるだけの役だったんですね、って、最期の最期に気付けました。
 まぁ、これまで語った僕の半生全部嘘なんですけどね。ワールドイーターってそういうものじゃないですから。じゃあ、これって何なんだって? なんなんでしょうね。たぶん走馬灯なんでしょう。よくわかりませ
「ぐわーーーーっ!!!」
 クソ雑魚海賊たちが円状に吹っ飛ばされていく! 海賊船の甲板、その中心にスーパーヒーロー着地(片膝つけて落ちるあれ)を決めて見せる汰磨羈! にやり、とわらって、そのあとすぐにドン引きした顔になった。
「えっ、着地の衝撃で死ぬの? 御主ら? 弱すぎない?」
「うわー! 海賊たちーーーー!!」
 致命者アキラが叫ぶ! その顔はすでに涙目である。
 お察しの通り、イレギュラーズたちは海賊船を補足。一気に飛び乗った! 飛び乗ったときの着地の衝撃で、結構な数のクソ雑魚が吹っ飛んで死んだ。
 さて、ざばぁん、と音をする方を見てみれば、海中より竜宮イルカが派手に飛び上がっていった。その背に乗っていたエーレンが跳躍するや、くるりくるりと三回転し、華麗なる三点着地。その衝撃でクソ雑魚が吹っ飛んで死んだ。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。日頃の行いが悪かったな、致命者。だがそんなボロボロの戦力でもローレットは見逃してやらん、覚悟せよ」
 そう、きり、と決めてから――わずかに眉をひそめた。
「えっと……大丈夫か? いいか? こういう感じで」
「あ、ありがとうございます」
 アキラがぺこりと頭を下げた。
「そういう……かっこいい感じの。マジで助かるっつーか……適当にボコられるよりずっといいっつーか……」
「そうか……」
 エーレンが、ふむ、と唸る。
「いや、そういう……卑屈なのでいいのか?」
 ベルナルドがさすがに困ったような表情をして声をかけた。
「あるだろ、もっと……こう、なんというか」
 うまく言葉にできない思いを表現するように、ベルナルドがろくろをこねるようなポーズをとった。
「あー……やっぱあれっすかね……もっとこう、悪党っぽくした方がいいっすかね……?
 やりなおします……?」
「いや、別に……」
「あ、だ、大丈夫っす! やり直します!
 えーと、こうっすかね……。
 『来たなローレット! この船が貴様らの墓場になると思え!』みたいな……」
「まー、何してもボコるんじゃがな」
 ニャンタルがいった。それから、ぴっ、とゴールデンケツバットを取り出すと、
「いやぁー、1度やってみたかったんじゃよなぁ……ゴールデンケツバットで敵を薙ぎ払うの!
 強い敵には流石に出来んからな!
 そんな訳で行くぞ、お主らーーー!! 歯ァ食いしばれぇええええ!!!!」
 と、雄たけびを上げつつ突撃! そう! このシナリオに前衛後衛だとかタンク役だとかの概念は不要! 全員火力! 全員フォワード!
 ニャンタルがゴールデンケツバットをぶん回すと、それだけでぴこん! といい感じの音が鳴りながら海賊たちが吹っ飛ばされる! とりあえず目についた奴が片っ端から吹っ飛んで海に沈んでいくのは快感である!
「あはは、楽しそうだねぇ。
 そうら、津波が来たぞ~!」
 ルーキスが楽し気に手を振ってみれば、主の意に添うように海の波間から混沌の泥が巻き起こり、甲板を洗い流してしまう。その上にいた海賊たちもまた、きれいさっぱり洗い流された。
「わぁ、すごい! こんなに巻き込んだのはじめてかもしれない!
 気持ちいいくらいに範囲スキルが決まるね! さっきの見た? 20人くらいまとめて回避ファンブルしてたよ」
「えっ、本当に?」
 アルテミアが目を丸くする。試しに近くにいたクソ雑魚に「えーい」と細剣でちくっとさしてみた。
「ぐわーーっ!」
 クソ雑魚が悲鳴を上げて爆発四散した。
「え、すごい。今のスマッシュヒットしたけど……何をどう判定したら今のがスマッシュヒットになるの? 大丈夫?」
 とはいうものの、徐々にテンションは上がってきている。何をやっても、こちらに都合よく判定されるのである。と考えれば。
「よーし、私、やるわよ!
 えーと……
 『さぁさぁどっからでも掛かってきなさい!! 私を屈させれば好きなように出来るわよ! 屈するつもりはないけれどね!!』
 こうね!」
 きりっ、とポーズを決めて見せるアルテミア! 一方、クソ雑魚もよく乗ってくれたもので、
「ヒャッハー! 女だ! 好きなようにしたい!!!!!!」
 雄たけびとともに飛び込んでくるので、アルテミアがその細剣を目にもとまらぬ速度で振り払う! 強烈な斬撃が、周囲のクソ雑魚をまとめて綺麗に薙ぎ払い、海へと叩き落とした!
「……快感……! 癖になりそう……!」
 アルテミアの目がキラキラと輝いている。色々たまっているものもあったのだろう。
「ぶははははっ! さぁて、こっちだぜ、クソ雑魚ども!」
 一方、ゴリョウは敵陣のど真ん中で、まさに仁王立ちといった様子で立ちはだかって見せた。
「ヒャッハー! オークだ!」
 よくわからんテンションで飛び込んできたワールドイーター。そのカットラスを、ゴリョウは自慢の鎧で受け止めて見せた。がき、と音が響く。刃は、ゴリョウの鎧を傷つけること能わず――!
「あめぇな!」
 そのままゴリョウはワールドイーターの顔面をつかむと、甲板に叩きつけた! ぐわー、と悲鳴を上げてワールドイーターが消滅! 襲い掛かるワールドイーターを、あえて攻撃を受けて反撃でちぎっては投げちぎっては投げ。古今無双の鉄壁城塞!
「ぶははははっ! オメェさんたちに俺は傷つけられねぇな! 俺を取りたかったらもっと強烈な――」
「大漁の! 雑魚は! どこだ!!」
 ぶわおう、と強烈な熱波がゴリョウを貫いた。厳密にいえば、ゴリョウごと敵をぶっ飛ばした。汰磨羈の一撃である。太極より生ずる破災の光。それがゴリョウを飲み込んだ――。
「いや、俺ごとやってもいいって言ったけど、そういうのぶつけてくる?」
 ぶすぶすと体から煙をあげつつ、ゴリョウが言った。
「あ、すまん。ついテンションが上がって雑魚がいたぞ!!!」
 再び汰磨羈が放つ、強烈な破災の光が、ゴリョウを飲み込んだ。厳密にいえば、ゴリョウごと敵を吹っ飛ばした。
「いや」
「しねーっ!」
「いや」
「しねーっ!!」
 明らかに味方からの攻撃の方がダメージが大きい。たぶんゴリョウさんが唯一パンドラを減らしたキャラになりそうですが、これが一番早いと思います。
「あっ! こらこら楽しいのは確かだけどやりすぎはダメだぞ!
 理性蒸発させるんじゃない! 興奮した猫科か何かか!
 えぇい! 竜骨を攻撃するんじゃないってのに、この船は鹵獲するんでしょう!!
 たまきち!(汰磨羈氏) ステイッ!!」
「にゃんっ!」
 ルーキスの言葉に、汰磨羈がにゃん、ってした。ゴリョウが体中から煙をぶすぶすとあげながら、
「心配するのって俺じゃなくて?」
 と小首をかしげた。
 さておき。イレギュラーズたちの活躍は順調、順風満帆、予定調和の予定通り。次々と大したダメージを受けることなく、敵をぶっ飛ばして回る。
「行きますよ〜……Ready,テネムラス・トライキェン!」
 イルミナの一撃が、雑魚をぶっ飛ばす!
「Ready,テネムラス・トライキェン!」
 ぶっ飛ばす!
「テネムラス・トライキェン!」
 ぶっ飛ばす!
「トライキェン!」
 ぶっ飛ばす!
「イルミナパンチ!」
 ぶっ飛ばす!
「イルミナキック!」
 ぶっ飛ばす!
「イルミナコレダー!」
 ぶっ飛ばす!
「ふう、ふう……いい感じに敵も減ってきたッスね!
 え? もう減ってきたッスか? お代わりは?」
「ええと、そろそろ打ち止めですかね……」
 アキラ君が言った。
「えー……需要と供給のバランスがおかしいッスよ」
「あ……すんません……」
「いやまぁ、あまりわがままを言うものじゃないだろう」
 ベルナルドが言う。
「まぁ……堪能させてもらったが……。
 結構その……いいストレス解消になったというか……」
 こほん、とベルナルドが咳払い。
「そうだな。楽しかった……そういっていいのかはわからないが。楽しかったよ」
 エーレンが、そういってほほ笑んだ。ちなみに、アキラの頭にはニャンタルがさっきから延々とゴールデンケツバットをぶつけている。
「ほれほれ、もう逃げんのか?
 諦めたのか。諦めんなよ。まだ走れるって。走れ。ほら走れよう」
 強制鬼ごっこの相手である。アキラも泣きそうだ。
「なぁアキラ、もっと自分に自信を持てよ。お前すげぇって。
 俺が今まで会ってきた致命者は、全員マトモに会話できなかったんだぜ?
 お前はやれる。超できる」
 ベルナルドが言った。
「え……そう、ですかね……?」
 アキラが苦笑する。
「うむ……なんだかんだしっかりと楽しませてもらったのは事実じゃ」
 ゴールデンケツバットでアキラの頭をガンガン殴りながらニャンタルも笑う。
「ああ。自信を持っていいと思う。
 ちゃんとお前は、クソ雑魚どものボスになれたんだ」
 エーレンが、にこやかに笑った。
 ぐ、とアキラが涙ぐんだ。
「おれ……やってけますかね? 致命者として――ちゃんと……」
「やっていけるよ」
 エーレンが言った。
「お前は立派な致命者だ」
「イレギュラーズさん……!」
 アキラが、一筋の涙をこぼした。男泣きである。男にも、泣きたい時がある。箪笥の角に足の小指をぶつけたときとか、ヒレカツだと思ってかじったカツがシイタケのカツだったときとか。色々あるよ。
「満足したか、アキラ?」
 ニャンタルもにこやかに笑った。ベルナルドも笑った。
「じゃあ、そういうわけで。ここで討伐させてもらうな」
「えっ」
 アキラが目を丸くした――と同時に。
 三名のまさに一撃必殺の攻撃が、アキラをぶっ飛ばしていた。
 げふ、とアキラが倒れる。ぎりぎり生きていた。たぶんEXF判定に成功したんじゃないですかね。
「大丈夫?」
 とアルテミアが声をかける。アキラにとって、アルテミアは女神のように見えた――!
「あ、はい、ありがとうございます……あの」
「あの、大丈夫? いっそ目的も何も投げ出して、逃げてもいいんじゃないかしら……?
 ほら、いろいろと大変でしょうし……」
「あの、ありがたいんですけど、その……」
 アキラが意を決したように言った。
「なんで一方的に無双してたのに、ドレスがいい感じにボロボロになってるんですか? 趣味ですか?」
 そう、恥ずかしげに言ったので――。
 アルテミアは、自分の姿に気付いた。それから瞬間的に顔を真っ赤にして、
「何処見てるのよこのムッツリスケベの変態ッ!!!!」
 全力で、アキラ君を焼却したのでした。
 めでたしめでたし――。

「で、この船って改造してもよいのか?」
 ニャンタルがそういう。
 クソ雑魚どもは去った。今は豪華な船だけが残っている――。
「というか、今日は絵筆のノリがいい。このままこの船をアートに染めてやるとしよう!」
 ベルナルドが興奮冷めやらぬ様子でそういった。
「ま、とりあえず、料理はできそうだなぁ。港に着くまで、ちょっとしたパーティと行くか!」
 パーティ内で一番ダメージを受けているゴリョウがそういうのへ、皆は嬉しそうに返事をした。
「いやぁ、いいバカンスだったねぇ」
 にこにことルーキスが笑う。
 バカンスか。
 バカンスだったのかなぁ。
 たぶんバカンスだったのだろう。
 おしまい。

成否

成功

MVP

ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク

状態異常

なし

あとがき

 皆さん、程よくストレス解消となったものかと思われます――!

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