PandoraPartyProject

シナリオ詳細

教えてイレギュラーズ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 君は、世の中にどんなギフトがあるか知ってる?
 俺は色んなヒトを見てきたけどさ、てんでバラバラで面白いよね。
 常時発動してるようなものもあれば、ここぞという時だけ発動させるものもある。
 自分で意識して発動させるものもあれば、無自覚のうちに発動してるものもある。
 まさしく十人十色、三者三様ってやつ。
 でも、他人のギフトってよく分からないようなものもあるよね。
 自分にだけ影響するものであれば、閉じた世界で完結するから良いとして、気が付いたら他人のギフトにかかってた……とか。実際あるかもしれないよ。
 ――そこで、今回のお仕事。
 とある雑誌の社長さんが、今度はギフトに焦点を当てて取材したいんだって。
 自分のギフトはどんな風に使えるだろうかと悩んでるヒトの参考になるかもしれないし、断る理由もなさそうだから。
 それに、自分のギフトを知って貰えば、もしかしたら仕事が舞い込んでくるかもしれないよ。
 俺なんかは、夏祭りの夜に雨が降らないか聞かれたり――……まあ、これはいいか。
 ともかく、話題性もあると判断して、世の中にはこういうギフトを持ってるヒトもいるんだって喧伝したいみたい。
 互いのギフトを知る事で、より有効な使い方を思い付くヒトもいるかもしれないし。
 自分のギフトは仕事では使えないと思っていても、活用の仕方では役に立つ……なんてこともあるだろうし。
 自分のギフトについて、今一度向き合ういい機会になるんじゃないかな。
 ま、考えておいてよ。気が向いたら、連絡はココね。


 一通り説明を終えた『勿忘草』雨(p3n000030)は名刺を差し出すと踵を返した。
 名刺には連絡先と、出版社の代表の名前が載っている。見た事がある人はあるかもしれない。以前にも似たような雑誌を作っていたようだ。
 今回もまた、人数が多い場合は抽選となる。おみくじ感覚で登録しても良いかもしれない。

GMコメント

こんにちは、祈雨と書きましてキウと申します。
今回は日常系依頼です。自身のギフトに対するアツい思いを聞かせてください!

●依頼内容
 「ギフトってどんなものがあるの?」というささやかな疑問にお答えして、現役イレギュラーズのギフトに焦点を当てて取材します。
 この依頼では、各々のギフトを中心に描写します。是非ギフトに詰め込んだ思いを教えてください。
 プレイングでは、ご自身の想像するギフトはこんな感じという主張であったり、ギフトを使用して役に立ったシーンであったり、ギフト関連の情報を詰め込んで頂ければ嬉しいです。
 戦闘描写が必要な方は雨が模擬戦という形で手合わせをします。ただし雨は強い方ではないので、思い切り攻撃するとすぐにへばってしまいます。
 また、ギフトは戦闘を有利にするようなものではなく、フレーバーやアドベンチャーで役に立つものという前提があります。
 このことから、戦闘が伴う場合は「実戦ではうまく使えないが、こういう使い方も考えられる」といった扱いになります。ご了承ください。
 参加者内で一緒に取材を受ける事も可能です。その場合は、プレイングに互いの名前とIDをご記載ください。一方通行の場合は別々となります。

プレイング例
例:いつでもどこでも快適に寝れます!例えば今もスヤァ……
例:材料があれば、カッコいい演出付きでアイテム作成できちゃうぜ!

●取材班について
 基本的には「同性の記者」が一人につき一人同伴しますが、取材というシチュエーションに影響しない範囲であれば、「見た目」「性格」「性別」を選ぶことが可能です。
 こういう人が良いという希望があればプレイングにご記載ください。
 また、参加者内でグループとなって取材を受けるという場合には、取材班は一組につき一人という形での対応になります。

指定例
例:優し気なナイスバディのお姉さん
例:超イケメンなイイ感じに渋いおじさん

●お願い
 ギルド内部の掲示板等の情報の参照は致しません。出来るだけプレイング内で完結するように構成して頂ければ幸いです。
 ギルド名やアイテム名をあげる、特定の人物(感情欄に限ります)の名前をあげる程度であれば大丈夫です。

  • 教えてイレギュラーズ!完了
  • GM名祈雨
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年09月23日 13時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フェスタ・カーニバル(p3p000545)
エブリデイ・フェスティバル
清水 洸汰(p3p000845)
理想のにーちゃん
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
トート・T・セクト(p3p001270)
幻獣の魔物
ヴァージニア・ドーンブレイズ(p3p001326)
黒紫の魔剣士
パティ・ポップ(p3p001367)
ドブネズミ行進曲
ハイゼル=フォージ(p3p001642)
機械狂
高千穂 天満(p3p001909)
アマツカミ

リプレイ


 それじゃあ、今回も宜しくお願いします!
 通信越しに聞こえる元気な声は、それぞれ8人のイレギュラーズに届いた。


 カランカラン、とカフェの扉の鈴が鳴れば、お待ちかねの人が来訪だと『エブリデイ・フェスティバル』フェスタ・カーニバル(p3p000545)は気が付いた。
「記者さん、こんにちはー♪」
 挨拶を交わした後は、本題に入る前にご注文。
 シフォンケーキが絶品というフェスタの勧めもあり、紅茶と抹茶のシフォンケーキセットをふたつ。
 おっとりした記者の女性は早速と話を切り出した。
「私のギフトは『ハピネスキス』! キスをした人に、幸せが訪れるってゆーギフトだよ」
 どうやら効果は名前の通りで、ハピネス――幸せをもたらす口付けらしい。
「シンプルな感じだけど、条件とかが色々あるんだー」
 それだけ聞けばとても便利なもののように感じられるが、流石に無条件とはいかないようだ。
 自分自身に効果はないこと。地肌にしないといけないこと。効果は1日だけで、効果中に重ねても無効になること。
 幸運の内容も分からないが、絶対に訪れているということだけはわかっている。
「もし良かったら、記者さんも試してみる?」
「それじゃあ、お願いしますね」
 そっと手を差し出した記者の手の甲へ、掬い上げたフェスタがキスを落とす。
 ふわりと暖かな熱が広がって――というような事はないので、本当に効果が発揮されているのかは本人にもフェスタ自身にも分からない。
 それでも、なんだか特別な気分になるのは『ハピネスキス』のお陰だろうか。
 ささやかなでも幸運が訪れるというキスが齎す特別感は、何も記者だけではない。
「私はウォーカーで、もともとはギフトみたいな不思議な力を持ってなかったんだー」
 フェスタは力を授かった時の事を思い出して、懐かしさと共にくすくす笑う。
 あの日、自分は確かに特別になれた気がした。フェスタもまた、ギフトによって幸せが齎された一人なのかもしれない。

「よろしくお願いしまーす!」
 コンセント端末のような尻尾をうねうね揺らして、『空き缶』ヨハン=レーム(p3p001117)は元気に記者へと挨拶した。
 軽くお辞儀をした記者の男は、ふらふら揺れるヨハンの尻尾が気になるよう。それでもしっかりお仕事のお話を。
「僕のギフトはー……『セントエルモの火』」
 火とは言葉ばかりで、実情は雷がばちばちっと閃くようである。
 どういう原理なのかを詳しくは説明できないが、身体の先端からという制約付きだ。
 指先、髪先、爪先、あるいは尻尾の先――凹凸の多い人間の身体で、先端と呼べる箇所は割と多いのではないだろうか。そこに自由に動かせる尻尾も付随してあれば、弱点と言えるほどのものではない。
 そして、雷は立派なエネルギーだ。
 何もないところからギフトの力で雷を起こせるという事は、照明がない所で視界を確保できることにもつながる。
 目を引く雷は、相対する敵にとっても目に付くものではあるが、合図の為に使うことだって可能である。
「意外性はそんなにないんですけど、地味に使えますねー」
 ぱちぱちと『セントエルモの火』で生み出した雷を放電しながら、ヨハンはギフトの説明をする。そしてあっと声をあげ。
「電気マッサージなんかもやった事あるですね。そこまで強い電気じゃないから痛くないですよ!」
「えっ、わっ」
 ばちばちと放電しながらえーいとヨハンは記者にじゃれつく。しびびびび。
「……あっ気持ちいいねコレ」
「でしょー?」
 しびびびと電気マッサージをしながら、お客さん凝ってますねーなんてごっこ遊びをしながら、ヨハンは意気込んで。
「まだまだ扱い方にお勉強が必要ですが、お仕事に一役買えるよーの頑張ります!」
 そしてゆくゆくは雷帝(サンダーロード)ヨハンとか呼ばれたい!
 なんて語るヨハンを、マッサージされながら二回りぐらいも年上の記者は暖かく見守るのであった。

 ブースごとに区切られたこぢんまりとしたカフェで、『黒紫の魔剣士』ヴァージニア・ドーンブレイズ(p3p001326)は取材を受けていた。
「私のギフトは……『自分に向けられた感情を肌で感じてしまう』というものよ」
 あらゆる感情の先にヴァージニアがいれば、それをヴァージニア自身が肌で感知できる。できてしまう、ともいえる。
 上手に利用できるのならば、身を潜めている敵が、例えば殺意であったり敵意であったりを向けた瞬間に肌で察知して、ある程度の方向を把握する事も出来る。もしかしたら奇襲すらも防げてしまうかもしれない。
 しかし、感知できてしまう、というのは面倒事でもあった。
 使いたい時にギフト『感情反応触覚』を使える訳ではなく、常時発動している状態なのだ。服を着こめば軽減できるとはいえ、日常生活では多様な感情が向けられる。
「……それに、感じ方が相手の感情によって変わるから、それ次第では……その……」
 ぽそぽそと恥ずかし気に声を潜めるヴァージニアは、聞こえるか聞こえないかの声でいやらしい気持ちとか特になんて呟くのだが、そんなヴァージニアを気にせずに、記者の女はじーっとヴァージニアを見つめていた。
 感じ方が感情によって変わる、というのはなんとも珍妙で。
「ひゃっ!? そ、そこで何考え、んううっ!?」
「わ、すみません! でも気になっちゃって」
 思わず変な声をあげたヴァージニアはきょろきょろと周りを気にする。
 幸いにも目撃者は少ないようだった。――が、やはり肌に感じられる感情は未だに残っている。
「……こ、こういう風に苦労も多いのよ……」
 もそもそとコートの前を手で閉じながら、顔を赤くしたヴァージニアは溜息を吐いた。

 『機械狂』ハイゼル=フォージ(p3p001642)が待ち合わせ場所に到着したのは30分前だった。そこから10分遅れた記者がぱちくりと目を丸くさせ、時計を見て、またハイゼルを見る様はなかなか見ものだっただろう。
 お待ちしておりましたという文言を準備していた記者は、多少言葉を詰まらせながらお早いですねと声をかけ、時間前であることを前置きしてから取材に入る。
「僕のギフトは所有物を飛行機の形に組み立てる事でドローン……あー、要は機械仕掛けの使い魔のようなものにするギフトだ」
 動力をギフト『安息のための労働』に頼るドローンと言った所だろうか。このドローンにアームを付ければ物の持ち運びができたり、ちょっとしたギミックの解除もできたりする。
 一番の問題となるであろう動力をギフトで補えるのはかなりのメリットではなかろうか。ハイゼルの持ち物であれば、材料を問わないというのも便利な点である。
「例えばほら、さっきからそこで飛ばしてたドローンを見てみなよ」
 ハイゼルが示した先へと記者が視線を向ければ、確かに飛んでいる何かが見える。
 丸い物体にプロペラをくっつけただけという、飛びそうにもない物が浮いている様はなんだか妙だ。どこかへ行くわけでもなく、ハイゼルの指示通りに周回し続けている。
「あぁ、材料を言ってなかったね。じゃあカウント5秒でよろしく」
「えっ」
「――3、2、1」
 ボン、と音を立ててドローンが爆発したかと思えば、空に一輪の花が咲いた。花火だ。夜空に大輪が上がり、取材とは関係ない通行人からも驚きの声があがった。
 利用方法次第では、戦闘にも使えそうではある。しかし、その脆さや速さを考えれば実戦的ではないだろう。
 一通り説明したハイゼルは記者に向き直り、軽く会釈して。
「とまぁ、僕の紹介はこの程度だね。記事の方、楽しみにしてるよ」


「オレのギフトは、誰が呼んだか『童心の伝道師』!」
 ばばーんと効果音が付きそうな勢いで『雲水不住』清水 洸汰(p3p000845)が記者へと宣伝した。
 二人は今河川敷の道を歩きながらギフトについての話をしていた。記者は器用に歩きながらメモをとる。
 洸汰はギフトの説明をしながらも、それがどういった効果をもらたしているのかをきちんと把握していないようだった。
 ギフトという不定形なものではあるから、皆同じかもしれない。
「平たく言えば、『子供に対する第一印象を良くする』的な……?」
 洸汰のギフトは初めて出会うような少年少女にも受け入れられやすいという。
 既に内輪が出来上がっているような場所ですら、だ。
 ただし第一印象、と洸汰が言うように、以降の関係性は洸汰の努力やふるまいに依存するので長期的な効果は期待できないそう。
 とはいえ、仕事で子供向けのおもちゃを売る時や、意外と周りを見ている子供から話を聞く時など使えるシーンは多いだろう。
「大人には使えないんだなあ。ちょっと不便じゃないかい?」
「んー、オレはめちゃめちゃ気に入ってるー!」
 ウォーカーたる洸汰が昔いた世界では、大人達は昼夜問わずあくせく働き、深夜に寝る為だけに帰宅しては朝を迎えてまた仕事へ、なんていう人も多く見られた。
 そうして、皆幼心を忘れていく。本気で遊ぶなんて格好悪い、なんて理由をつけて。
 一人でいるのは嫌いではないけれど、一人で遊ぶより皆で遊ぶ方が楽しい。
 お互いに干渉しあって、予想のつかない出来事が起こって、話し合ったり協力したり、たまには喧嘩したりして――。
 洸汰の抱く気持ちが、もしかしたら召喚された時にギフトに反映されたのかもしれない。
 歩みを進める二人の前に、ボール遊びをしている子供が見えた。じゃあちょっと行ってくる、ぐらいの軽い調子で洸汰がそこへ混ざりに行く。
 幼い子供たちに混ざり遊ぶ洸汰はお目付け役の様にも見えるが、本人は大変楽し気で、しばらく様子を見守っていた記者もそっとメモを胸ポケットへしまえば声をかけるのであった。

 『幻獣の魔物』トート・T・セクト(p3p001270)が待ち合わせ場所につくと、パッと見てあの人だろうなという男が佇んでいた。周りから少し浮くような顔面の良さにトートは少しにんまりする。
 当の記者はトートに気が付くて片手をあげて、合流してから例をした。
「今日は宜しくお願いしますね」
 軽い挨拶と雑談を経て、二人は早速ギフトの話にはいる。トートのギフトは『追跡調査』だ。
 ギフト名の通り、物を探したり誰かを追跡したりすることに使える。囮調査等にも役に立ちそうなギフトだ。
「一度触る必要があるけどな。一回触れば大抵いけるよ」
 ギフトは便利なものではあるが、手放しで便利だというものはあまり多くない。
 トートのギフトも条件があり、一度触れたものという制約がつけられていた。
「やっぱり囮作戦とかになるのかな? 戦闘に使えないのが難点なんだけどな」
 自分たちで用意したものならまだしも、敵が所持する品だったり、敵そのものだったり、ギフトの干渉を妨げるものもこの世界には存在する。
 自由に好き勝手に追跡できるというようなものではないようだ。もう少し幅が広がればなあと悩むトートは、それは置いといてと記者を見た。
「お兄さん、良ければ今度俺の歌聞きに来てよ? 俺、結構人気だからさ」
 くるりとトートがステップを踏めば、オニューの衣装がふわりと膨らむ。
 赤をふんだんに使い派手めな衣装ではあるが、よく言えば遠くからでも視認性が良くステージに登るに相応しいものだ。背中についている大き目なリボンがチャームポイントでかわいらしい。
 記者より一歩二歩先へ進み、にっと自信満々にトートは笑んで。
「俺の歌、聞いて行ってな♪」
 取材ついでに、しっかりと宣伝も。

「どもども、あちし、パティ・ポップでち、よろちくでち」
 ぺこりとお辞儀をした『ドブネズミ行進曲』パティ・ポップ(p3p001367)は自己紹介と、自分についての説明を終える。
 スケイブン――本人は「チュケイブン」になっていた――という種族の生まれで、紆余曲折あり路地裏暮らしをしていたところ、勇者ロイに拾われて現在に至る。
 冒険者の宿で落ち合ったパティは記者を見上げ、首を傾げる。
「ところで、ネズミはちゅきでちか?」
「んー、好きでも嫌いでもないかなあ。パティさんを前にしてこんなこと言うのもなんだけど……」
 随分と素直な記者に頷き、パティは場所を変える。好きであれば路地裏にでもと思っていたが、今回は森へ。青々とした木々の下を進み、パティは立ち止まった。
「あちしのギフトはげっ歯類を呼ぶものなんでち」
 げっ歯類と言えば、ネズミを始めハムスターやリス、あまり見ないものではビーバーやカピバラあたりも挙げられる。そういったげっ歯類の仲間をパティのギフトは呼びよせる事が出来た。
「今からギフトをちゅかうでち。『みんなー、ここにおいでー、ちゅー、ちゅー、ちゅうううううううう!!』」
 ギフトの発動の文言を交えて、パティは『小さな友達』を呼んだ。しんと無言の時間が過ぎた後、どこからともなくかさかさと草木をかき分け進む音が響く。
 それはひとつだけではなく、四方から、あるいは上方からも聞こえて思わず記者は息を呑んだ。
 ひょこ、とリスが顔を見せる。どうしたのーとでも言いたげだ。
 そうして次々と野ネズミの群れが顔を見せ、近くに川場でもあったのか、億劫そうにのしのしとビーバーも顔を見せた。
「わあ、すごいですね」
「まー、このように、げっ歯類を呼ぶ能力を持っているでち」
 わらわらと集まったげっ歯類たちに囲まれ、パティはそのうちの一匹に手を伸ばす。ちゅーちゅーと人には分からぬ鳴き声でも、パティには理解出来た。
「まー、こんなところでち」
「ちゅー」

 天津神の子孫を自負する『アマツカミ』高千穂 天満(p3p001909)は記者に向けて朗々と語ってみせる。この取材で存在を知らしめ信仰を得てみせるのだ。
「余のギフトは、二択の選択であれば、無根拠に選んだ選択が正しい選択である確率があがるというものである」
 言葉だけでは分からぬだろうと、天満は実際にギフト『天神様の言う通り』を実践してみせる。記者に小石を握らせ、左右どちらに入っているかを当てるというものだ。確かにこれならば根拠は得られない、無根拠の選択となる。
 実際、記者が頭を捻らせ、次は右、また右、左と見せかけてまた右、などと挑戦してみるが天満は次々と石の在処を当ててみせる。
「余は神であるのだから、余が間違いを起こすことなどない。いや、むしろ、余の選択こそが正しい」
 そう天満が自信満々に言うものだから、記者も段々信じたくなってくるというもので。
「事実、余は今まで一度も選択を間違えたことはないっ!」
 そう天満が断言するものだから、記者の心にはもう信仰心なるものが生まれ始めていた。
 ギフトについて、様々な憶測が飛び交っている。
 しかし天満は、このギフトが「神である」という事を端的に体現している物だと解釈していた。そこから出される結論は、ギフトとは各々の自己固有性や核心を体現したものではないだろうかという事である。
 卵が先か、鶏が先か。そんな話にもなりうるイレギュラーズとギフトの関係性ではあるが、唯一分かる事はこの二つは切っても切れぬ存在であるということ。
「さて、少し話がややこしく成ったが、何が言いたいかと言うと……」
 ギフトと言うものについて語る天満はふうと一息吐く。懸命にメモを取る記者の前で、つまりとまとめの接続語を言ったかと思えば。
「『余は神である』という事である!」
 などと、胸を張って豪放磊落に述べた。


 取材、どうだった?
 ギフトっていう題材って、なかなか面白いよね。俺も発売されたら見てみるよ。
 それじゃあ、また機会があったら宜しくね。
 数日後、そんな電話と共に一冊の雑誌が手元に届いたのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

プレイングお疲れさまでした!
色々なギフトがあるのだなあと書いていて楽しかったです。
そして、ギフトに詰められた短い説明文の中にも、たくさんの思いが詰められているのだなあと思いました。
また機会があれば、たくさんのギフトに触れてみたいなあと思います。
ご参加ありがとうございました!

PAGETOPPAGEBOTTOM