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シナリオ詳細

覇竜で餅をつく。なお、餅は襲ってくるものとする

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●餅は生きている
 新しい年の始まりに餅を食う。それは然程珍しい話でもないだろう。
 しかし同時にこう聞いたことはないだろうか?
 餅は危険だ、気をつけなければならない……と。
 そしてそれは事実だ。餅を食べる時には喉に詰まらせないように注意しなければならない。
 万が一詰まってしまった場合は、適切な方法による処置が大事だ。
  腹部突き上げ法と背部叩打法については、覚えておいた方がいい。さておいて。
 餅が危険というのは当然のことだ。美味しいものには罠がある。
 そして……覇竜の場合は、それに加えてもう1つ気をつけなければならない。
 何に気をつければいいのか? それは、餅そのものに……だ。
 どういう意味なのか? それは、見れば分かるだろう。
 ぺったんぺったんと、何かが跳ねる音。
 そう、それは餅が跳ねる音なのだ。
 意味が分からない? そんなはずはない。
 今この場では、餅が跳ねている。
 そう、そうなのだ。覇竜においては餅つきとは餅を特製の杵でついて倒して食べるものなのだ……!
 なお、ちゃんと普通の餅もあるので安心してほしい。
 覇竜全部がそんなだとは思わないでほしい。
 たまに変な風習が混ざっているだけなのだ、信じてほしい。

●お餅のために
「あけましておめでとう。今年は良い年になるといいのう」
 『フリアノンの酒職人』黒鉄・相賀(p3n000250)は集まった面々に、そう新年の挨拶を贈る。
 新年といえば餅。
 フリアノンで餅を食べるなら当然相賀のところ……だが、杵と臼はあってもモチ米がない。
 一体どういうことなのか?
 その理由は、相賀がニヤリと笑ったことで何となく察せられた。
「さて、此処に来たということは餅を食いに来たのだと思うが……見ての通り、各種の調味料は此処にある」
 醤油に海苔、きな粉に餡子、大根おろしまで……各種の調味料が用意してあるのが見える。
 しかし、餅がない。餅がないのだ。
「餅じゃがな……この杵と臼を使い、狩ってきてほしいんじゃよ」
 買ってくるのではない、狩ってくるのである。
 そう、覇竜にはご存じ「覇竜餅」がある。知らない? これを機に知ってほしい。
 大人が両手に抱える程の大きさの丸い覇竜餅は、この季節になると何処からか現れて跳ね回るのだという。
 どういう理屈か、覇竜餅は丁度良い大きさの臼を見つけると着地する性質がある。
 そこを特製の杵でついてついてつきまくると、ついた分だけ美味しい覇竜餅に仕上がるのだという。
 勿論、そこに至るまでには普通に戦って弱らせなければいけないのだが……後で食べることを考えれば、あえて最初から杵で戦うという選択肢もアリかもしれない。
 そうしてつけばつく程美味しくなるのだから、その辺りはメンバーの選択次第……といったところだろうか?
 幸いにも覇竜餅は倒すまでは不思議な力で汚れの類は一切つかないらしい。
「と、いうわけで……旨い餅が食えるかどうかは、お主らにかかっておる……というわけじゃの」
 早速行ってくるとええ、と。相賀はそう言って杵を差し出すのだった。

GMコメント

お餅をついて食べようぜ! ってお話です。
いやあ、あけましておめでとうございます!

今回の手順はとっても簡単。
特製の杵と臼がありますので、トドメを刺す瞬間は覇竜餅が臼に嵌まったその時です!
弱らせるまでにどういう風に戦うかは皆様次第。
臼を仕掛ければ覇竜餅は勝手に着地したり逃げたりするので、コンビ技でぺったんぺったん突くも良し。
追いかけながら最後に臼でトドメを刺すも良し。

お餅が出来上がったらフリアノンに(臼ごと)持って帰って、美味しく食べましょう!
新年なので相賀が甘酒も用意してくれてます。

●今回の敵
覇竜餅×8
大人が両手で抱える大きさのお餅……お餅モンスターです。
倒すと美味しいお餅になりますが、杵でついた数だけ美味しくなるそうです。
攻撃技は体当たりオンリーです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 覇竜で餅をつく。なお、餅は襲ってくるものとする完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年01月11日 21時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
メイメイ・ルー(p3p004460)
約束の力
エリス(p3p007830)
呪い師
リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)
花でいっぱいの
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘

リプレイ

●そうして慣れていく
「餅モンスターがいることに何の疑問も持たなくなってきているあたり本当に混沌に馴染んでいるというか染まっているというか……」
 『優穏の聲』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)が僅かに遠い目になっているが、きっと馴染むのも染まるのも良い事である。たぶん。
「まぁ、それはさておき新年といえば、やはり美味しい餅は欠かせないだろう。しっかり杵でついて美味しい餅にするのだ」
 そう、今日の相手は餅モンスター……覇竜餅である。
「ぶはははッ、餅相手の依頼は3度目! 臼を戦場に持ち込んだ依頼は2度目! よもやこんな経験が役立つたぁ思わなんだ!」
 それはそうだろうな、としか言えないことを『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)が言っているが、もしかすると世界的に見ても極めて一般的な話なのかもしれない。
「……餅がエネミーになった? 混沌に召喚される前に一度だけ遭遇したことはあるが……この世界にもいるのか。しかもゴリョウはそんな奴との戦闘経験が複数回あるのか。前々から思ってたが半端ないなこのオーク」
 『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)も中々にファンキーな経験があるようだが、そういうこともあるだろう。たぶん。
「やあやああっち(ROO)といいこっちといい。年明けは餅の依頼に縁があるねぇ。しかし襲ってくる餅が実際に居るとは、流石未知の土地! しっかり持って帰って美味しい餅パーティーにしないとだ。さ、頑張ろうか!」
 いや、『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)は襲ってくる餅相手は初めてのようだ。やっぱり変なのかもしれない。
「みなさん、明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いしますっ」
「新年おめでとう、ござい、ます……わ、わ……覇竜にもおモチがいるのです、ね。でも微妙に地域性、があるのでしょう、か…不思議、です」
 そう『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)と『あたたかい笑顔』メイメイ・ルー(p3p004460)は挨拶をしあうが……どうもメイメイは別の国でも動くモチと対峙した経験があるようなので……うん、やはり動く餅はそれなりにいるのである。たぶん。
「飛び跳ねる餅とはこれまた変わった餅ですね……杵でつけばつくほど美味しくなるみたいですし、杵でつきまくるしかないですね! きなこをつけてたべたりお汁粉にしたり、どういう風に食べるか楽しみです!」
「美味しいおモチのために、ひと狩り行きま、しょう。ふふー……おモチ、楽しみ、です。えい、えい、おー」
「おー!」
 『呪い師』エリス(p3p007830)とメイメイが仲良く声をあげ、その前をゴリョウと『お師匠が良い』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)が力を合わせて臼を運んでいく。そう、今日はこの臼がキーアイテムだ。
「さて、新年初仕事ですね。襲ってくるお餅……覇竜ではお餅まで襲ってくるんですね……覇竜以外でのお餅はもち米を蒸したり下拵えをして杵と臼でつくって聞いたんですけど、覇竜餅はどうやってここまで成長……発生……? するんでしょうか」
 おっと、ここにきてユーフォニーが思考の迷路に嵌まってきている。考えるのはよろしくない、感じるんだ。
「あ、あれ? 私、至近距離で攻撃……お餅つきなのに攻撃……? するのっていつぶりでしたっけ。プロレスをした時や相撲をとった時以来……? 要領よくできるかわからないですけど、とにかく頑張りますね!」
 そんなユーフォニーを契約に従って淡々と業務を遂行してくれるミステリアスなイケメンである万能遠距離攻撃係長『今井さん』が黙って見守っていた。
「あ、あれ? 私、至近距離で攻撃……お餅つきなのに攻撃……? するのっていつぶりでしたっけ。プロレスをした時や相撲をとった時以来……? 要領よくできるかわからないですけど、とにかく頑張りますね!」
 ユーフォニーの職業は格闘家か何かだっただろうか。さておいて。
 そして、肝心の臼だが……ルーキスのドレイク・チャリオッツによって運搬されていた。
「臼はちゃんと餅の数だけあるみたいだけど……専用の臼はまともに一つ一つ運搬すると重そうだし時間もかかるからね。道中や帰りの運搬の際はこうやってドレイクチャリオッツに乗せて運ぶとしましょう」
 体力の消耗も防げるし、まさに良い案であるのは間違いない。
「ハイヨー亜竜達! 今日は大仕事だぞー!」
 さておき、覇竜餅はすぐそこにいる。さあ、餅つき(覇竜)の開始である!

●餅つき(覇竜)
「こういうのは腕で持ち上げようとすると腰に来る。出来るだけ身体に密着させ、背中と腰が一体になったイメージで姿勢を保ったまま、スクワットの要領で持ち上げるんだ!」
 ゴリョウの指示が飛び、臼の設置が進んでいく。
 覇竜餅は臼があれば入ってくるし、杵でつけばつくほど美味しくなる。
 ならばどうするか。出した答えは杵班と臼班に分かれることであった。
 運んできた臼の初期設置は終わったが、此処からが本番である。
 そう、そこにもう一手加えようというのだ。
「き、きました……おモチ、です……!」
「ゴリョウさん、準備オッケーです!」
 メイメイとエリスが叫べば、仲間に追い込まれてきた覇竜餅たちが跳ねてくる。
 その追い込み班の接近と同時にゴリョウは鎧の腹部分に臼を装着する。
 そう、臼を装着したのだ!
「運搬性能も合わさって違和感なく動けるが、このままだと臼に餅が入らねぇ。ならどうするか? こうするのさ!
 そうしてゴリョウがとるのは有名な筋トレの1つ「レスラーブリッジ」のポーズだ。
 グッと持ち上げた腹にそびえる臼の、その目立ちぷりったるや。
「さぁ、来い餅ども!この魅惑の臼に!!!」
 そう、ゴリョウは餅にアピールしているのだ。
「こうして腹の臼を天に向け、『招惹誘導』で俺だけでなく周りの臼が餅を呼んでいるかの如き存在感を発することで魅力的な臼の群れを演出しよう! 臼の群れってなんだよ!」
 セルフツッコミである。そしてそこに迫るのは臼を目指す覇竜餅、そして覇竜餅を目指す杵を構えたリコリスである。
「ほんと、オークって何だろうね! ダンジョンの番人であり、姫騎士の大敵であり、料理人であり、臼であり……はっ……! オーク(概念)の変幻自在さは正しく餅ッ!! これは餅(概念)同士による餅の頂点を決める戦いなんだ!! ならボクも負けてはいられないよっ! 敵の喉につっかえて離れない白い二頭身の獰猛な餅枠として、跳ねるだけの生きの良い餅をぎゃふんと言わせてやるんだ!」
 気合を入れて走ってくるリコリスを感じ取りながら、ゴリョウはフッと笑う。
「問題は餅はともかくそこに杵を持った面子が止めを刺さんと渾身の一撃を加えてくることだ! 多分俺は死ぬ!」
「一気に叩き込むよ!! がーーおーーー!たべちゃうぞ〜〜〜!! [いちめんのあか]も使って、てい! 餅だからちょっと焼を入れておいた方が美味しくなるでしょ? ついでにボクのもちもちぼでぇに魅了されるがいい! しつこく満遍なくぺたぺたぺたぺたぺたするよーっ! いっけー! ボクの杵捌き!!」
「グワーーー!!!」
 エリスがハッとして穢サレシ天使ノ口ヅケを発動させるが、つくリコリスとつかれるゴリョウが変なコンビネーションになって止まらない。燃える炎がとても綺麗だね。
「あれ……? ゴリョウさん? おーーーい! ゴリョウさん……しっかり焼きも入ってこんな姿になってしまって……( ;ᾥ; ) ゴリョウさんの勇姿、お正月の三ヶ日くらいは忘れないでおくね……」
「いや生きてるけどな」
「あっ! よかったゴリョウさん生きてた!」
 そんな一幕もあったが、エリスの献身的なサポートもあり基本的には安全な餅つきであると言えるだろう。
 ゲオルグも、それをしっかりと感じ取っていた。
「杵でつけばつくほど美味しくなる……ということは高威力の技を使うより杵で何度もぺったんぺったんついた方が美味しくなるということ。どうせ食べるなら美味しい餅を食べたいに決まっているのでここは時間をかけることになっても丁寧に杵で覇竜餅をついていこう」
 リコリスがゴリョウの尊い犠牲(?)の下についたお餅は美味しそうに仕上がっている。
 ならばゲオルグも、それに勝るとも劣らぬものをつきあげるのみだ。
(普段は普通に杵でつくだけでよいのだが、とどめは必ず臼に飛び込んだ状態の覇竜餅を杵でつかないといけないらしい。覇竜餅が弱った様子を見せたら仲間で協力して臼へと追い込むのだ。臼を見かけたら思わず着地してしまうらしいのでそこまで難しくはないはず)
 そう考えていたゲオルグだったのだが……一旦覇竜餅をつけば、杵でつき続ける限りは臼から逃がさずにつけるのだ。
「確か、覇竜餅は倒すまでは汚れたりしないとか。だがそれはつまり、倒した後は汚れるし時間が経てば固くなったりしてしまうということなのでは? 予備の杵も用意しておいて倒した後の餅も隙を見て杵でつくようにしておこう。倒した後の餅は砂埃とかで汚れないようにしっかり防護しておかなければ」
 その辺りの気遣いも餅のつき方も流石ゲオルグ、いぶし銀である。しっかり突き上げたお餅は、美味しそうに仕上がっている。
 となればルーキスも、懸念は何もない。
「しかしうーん動く餅かぁ。体当たりされても攻撃力はそこまで高くなさそうだし、地道に杵で叩いていこうかな!」
 今のところもっちもちになったのはリコリスに満遍なくつかれたゴリョウだけであるし、覇竜餅自体は強くもない。
「どちらにせよやらないと終わらないからね! 覚悟を決めて杵片手に突っ込むとも! 地道に叩いて削って、臼に着地した餅にはエダークスという名の杵アタック! よし、これだ!」
 エダークスで純粋な破壊力を餅の餅体に直接叩きつけたら臼を粉砕しやしないだろうか。大丈夫かもしれない。
 ともかくルーキスもメイメイと協力しながら、ぺったんぺったんと覇竜餅を間断なくついていく。
「よ、よいしょ……! はい、どうぞ」
「そろそろ十分と見た! 慣れない重労働は後々足腰にくるんだ、ぞ!!」
 そんな中、エーレンもしっかりと餅を追い込んでいる。
「まあともあれ。ついてついてつきまくれば美味しい餅になるというならお望み通りつきまくってやろうじゃないか」
 臼に追い込んだ餅に向けて、エーレンは杵を構える。
 なに、俺は普段から両手サイズの得物だ。杵に持ち替えたところで動きに違和感はほぼない……とはエーレンの言葉だが。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。お前たちの命は余さず美味しくいただくぞ」
(このまま一気にトドメをさして美味しい餅に生まれ変わってもらわなくてはな)
 ぺったんぺったんと餅をつくエーレンの動きに、一切の容赦はない。もっちもちである。
「8個の覇竜餅に対し、臼担当がいる以上杵担当の方が少ないです。ということで今井さんも今日は協力してください。身体を張って引き付けてくださる方もいるんです。尊い犠牲は無駄にはしません……!」
「死んでないからなー?」
 お空にでっかいゴリョウを幻視したユーフォニーに、ゴリョウ(本物)からツッコミが入りつつも、ユーフォニーは臼に収まった餅目掛けて杵をつきいれる。
「絶対美味しいお餅を作りましょう! いつも一緒に戦っているんですから、コンビ技だって完璧なはず……ですよね? あっ、遠距離攻撃係長だからって杵を投げてお餅に当てるとかはダメですからね……?!」
 まあ、結果から言うと大丈夫だったようなのだが。そんなお餅を持って帰れば、いよいよ実食タイムである。
「いよいよ、おモチパーティーです、ね」
「ボクこっからは食べるの専門ね! 覇竜餅、ボクはバターとお砂糖をたっぷり塗ってこんがり焼いたやつが食べたいな! あっ……! お餅を乗せたピザとか、お汁粉もいいなぁ」
 羊耳をピコピコさせるメイメイと楽しそうなリコリスだが、お餅も食べ方は色々だ。
「料理に関しては基本的にはゴリョウに任せるとしよう。ゴリョウの腕ならばそれはそれは美味しい餅料理の数々が出来上がるだろうからな。とはいえ、その間に何もしないというのも勿体無い」
 ゲオルグは早速、自分に出来ることからと始めていく。
「あんことかは作ってくれるみたいだからそれを使わせてもらおう。つきたての柔らかい餅ならば作れるかもしれない……そう、まんまるボディのにゃんたまの姿を模したにゃんたま餅だ」
 つきたて餅だからこそ出来る造形。そこにゲオルグの愛が加われば、出来ないはずがない。
 そうしてにゃんたま餅……途中でリコリスが混入させたリコリス餅も混ざったが、出来上がりである。
「では私はお汁粉を作ります!」
 ユーフォニーはお正月スイーツの定番、お汁粉に挑む。
「こし餡とお水を混ぜて火にかけ、塩を少し。一煮立ちさせたら食べやすい大きさにした覇竜餅を入れて完成です! 好みで柚子や桜の塩漬けをトッピングしても風味が良くなるって聞きました」
 お汁粉があれば、当然お雑煮もある。それを担当するはゴリョウとエーレンだ。
「ゴリョウほどではないとはいえ俺も料理は得意な方だ。彼の手伝いくらいはできるだろうし俺は俺で違う味付けの雑煮を作って皆に振舞ってみよう。相賀翁の甘酒もいただくと体が温まる。寒い冬はどうか餅で力を付けて乗り切ってもらいたいな」
 エーレンはそう言うが、元々お雑煮とは各ご家庭で味が異なるものだ。エーレンのお雑煮もゴリョウのお雑煮も、どちらも素晴らしいのだ。
「まずは干し覇竜シイタケを水で戻しておき、その間に覇竜ダイコンと覇竜ニンジンをそれぞれ太めの千切りに切る。シイタケも戻ったら千切りだ。この戻し汁に覇竜コンブでだしを取り、ダイコンニンジンシイタケを餅と煮る。柔らかくなったら取り出して醤油で味を調えるんだ。覇竜クルミをほぼペーストから食感が残るまで砕いて水・砂糖と併せて、上で柔らかくなった餅と絡めて雑煮に戻す。甘さとしょっぱさがベストマッチ、旨いぞ」
 そしてゴリョウ、本日の鉄人料理人である。
「早速料理の腕を振るわせてもらうぜ! 千種調味料から厳選した醤油や海苔、みたらし、きなこ砂糖や醤油砂糖、はちみつバター、あんこといった甘味類を『料理』して出すぜ! そしてメインはお雑煮だ! 今回はシンプルに醤油ベースの根菜、鶏肉、そして覇竜餅を使った代物だ。とろとろにしても良いし、軽く焼いた焼餅で香ばしくいただくのもいいだろう!」
 そう、餅の状態にも気を配る気遣いの出来る料理人ゴリョウのものも出揃って。
「フリアノンのみなさんを呼んでお餅パーティーですね♪ もし参加できないひとがいたらドラネコ配達便がデリバリーしますっ」
「食べるのはいいけど、喉には詰めないように気を付けてねー」
 ユーフォニーとルーキスの声掛けで皆が集まり、実食が始まっていく。
「餡子に磯辺、みたらしもきな粉も味わい深いです、ね……ひと通りいただきたいものです。べ、別腹、というやつ、です。ゴリョウさまの、お餅料理にも期待大です。ふぅ……お雑煮は温まります、ね」
「妹たちの分をお土産にしてもらっちゃいましたし……ふふ、楽しいですね」
 メイメイとエリスもそう笑いあう。お正月にお餅を思う存分頂く。
 それはもちもちした幸せをもたらしてくれる、素敵な一時であったのだ。



成否

成功

MVP

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲

状態異常

なし

あとがき

なお、リコリス餅は人知れず何処かに消えていたという……(悲鳴SE)

はい、新年初の戯言です。ご参加ありがとうございました!

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