シナリオ詳細
<フィクトゥスの聖餐>寒神降りし
オープニング
●<フィクトスの聖餐>寒神降りし
天義首都『フォン・ルーベルグ』より離れた海沿いの独立都市『アドラステイア』。
異神『ファルマコン』を心奉せしかの都市は、イレギュラーズ達の侵攻『上層攻略作戦』によって攻め入られられる。
その侵攻により、アドラステイアの神『ファルマコン』とイレギュラーズ達は接触する。
しかしイレギュラーズ達の接触に対して『ファルマコン』は。
「わたしはわたしを愛する者にわたしの血肉を分け与え、導くことが赦された。それこそが、終焉へと向かう方舟の主であるわたしのすべてである」
その言葉を残すとともに、彼女の力に寄りてアドラステイアは突如として、激しい猛吹雪に包まれる。
その吹雪により街中は雪が降り積もる。
『これは……ファルマコン様が怒っていらっしゃる。ファルマコン様を怒らせた者達には、死あるのみ……!!』
その吹雪を神の怒りと認識し、アドラステイア上層においてはイレギュラーズ討伐作戦が大々的に展開開始。
しかし、今ここでイレギュラーズ達は逃げるわけには行かない……アドラステイアを雪と吹雪が覆い隠す前に、幼子達を愚弄し続ける彼女と、彼女に連なる『力』を打ち砕かねばならないのだ。
●
「……という訳です。皆さん……このアドラステイアに降り注ぐ雪は、ファルマコンの力が具現化されたものの様です」
アドラステイア近くの町で、寒そうにする『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174) は目をつむる。
アドラステイアを襲う吹雪はその周りの町や村にも雪を巻き起こしている。
そして……そんな吹雪を合図として、殉教者の森へと出かけている少年少女たちが、すぐに撤退し町に戻るよう指示を受けているという。
もちろん、彼ら子供たちがアドラステイアに戻ってくれば……非道い羽目に逢わされるのは間違いない。
さらにファルマコンの力が強く及ぶ上層部においては、その特殊能力により死した命は糧となる呪いがかけられているのだ。
「アドラステイアに住まう聖銃士の子供たちや、プリンシパルの子供たち……さらにはティーチャー、マザー、ファザーなど、今回はアドラステイアに住まう誰しもが皆様に抗戦する相手であり、殺せば贄になる被害者でもあります……できる限り殺さないで倒すという……なかなか難しい形なのですが、どうか皆様の力で、一人でも泣く人を減らせるよう……どうか、よろしくお願いいたします……」
子供たちが苦しむ姿を見たくない……そう思うのは、彼女だけではないはず。
アドラステイアの最後に向けて、イレギュラーズ達は上層へと急ぐのであった。
- <フィクトゥスの聖餐>寒神降りし完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年01月19日 22時10分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●雪の中
天義フォン・ルーベルグより離れた海沿いの独立都市『アドラステイア』。
降り注ぐ雪は足音を掻き消し、その視界に映る光景は極寒を彩る。
「……いや、この雪はファルマコンの力ではないはずなんだが? これでファルマコンがお怒りって言われてもなぁ……」
そんな寒空を見上げながら、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)は肩を竦める。
彼の言う通り、かの雪は隣の国、鉄帝の大寒波が影響しているのは間違いないだろう。
だが、そんな隣国の状況を詳しく知っている訳がなく、ある意味ファルマコンらアドラステイア上層部がそれを上手く利用しているだけ、とも言える。
とは言え真実を知らぬ者達は盲目的にそれを信じる……そしてイレギュラーズ達らが街に潜り込み、それを討伐する必要が有るとの話も、信じてしまう事だろう。
「そうね……それにしても、大変なことになっちゃったわね……」
「ああ。アドラステイアの上層の人間達がまるっと敵……ということは、説得している時間は無さそうだね」
そして『白き寓話』ヴァイス・ブルメホフナ・ストランド(p3p000921)の言葉に、『オリーブのしずく』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)が瞑目。
イレギュラーズとして、人として……勿論一般人達を助けたい気持ちがあるだろう。
しかしながら一般人達にとっては、イレギュラーズはこの諍いを止める為に必要な犠牲であり、盲目的に信じるファルマコンがそれを指示しているのだから……万が一にも説得する事は難しいであろう。
「本当、どれだけ美辞麗句を重ねて、内に潜む醜さを欺瞞したところで、全てが剥がれ落ちてしまえばこんなものよね? 子供達を洗脳して、好き放題にやってきた結末がこれだってんなら、自業自得という他にないわよね」
「そうだな。神様を盾にしてもらえて、ボクらに守って貰えるそうじゃないか? 今回の標的は随分と幸運だな。ファルマコンはきっと戦争にでもしているつもりなんだろう。吹雪は攻め入る者の行軍を阻害する天然の盾だからな。その考え方は至極真っ当だが、何も学んじゃいない。冒険者がわざわざ戦争なんてする訳ないだろうし、な」
「そうだね。或いは、彼等自身は熱狂の幸福の中に眠った方が幸せかもしれない。けれど……そうはさせられないね。筋違いな献身なんて、僕らの心情としても、依頼としても絶対に阻止しなきゃ。死を力とする神が生者を救う訳もなし、だからな」
『高貴な責務』ルチア・アフラニア(p3p006865)、『性別:美少年』セレマ オード クロウリー(p3p007790)、『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)三人の会話に、『黒鉄守護』オウェード=ランドマスター(p3p009184)も。
「そうじゃな。殺さずに倒すと言えば……アドラステイアでいつもやっている事じゃ。今回はその対象にティーチャー達が増えただけ……まぁ、ファルマコンの挑戦とやらを受けて立つとするかね!」
ぐぐっと拳を握りしめたオウェードに、小さくくすりと笑うフラーゴラ。
「大丈夫。ワタシは速いんだから……だから、大丈夫」
そんなフラーゴラの言葉を聞きつつ、『ネメシス司祭』楊枝 茄子子(p3p008356)は目を閉じ。
「……何であれ、私達に課せられた使命を果たしましょう。それこそが、私達がやるべき事なのですから、ね」
手を合わせる茄子子……その内心においては、天義に仇成すアドラステイアに対する怒りがふつふつと沸き立つ。
そして、ヴァイスが。
「まぁ……出来る限り、早めに終わらせましょうか。どう転んでも楽しい話にならなそうだし、ね。少しでも、悲しみが減ればいいのだけれど……」
と言うと、セレマが。
「そうだね。取りあえず、今回は市街戦だ。この吹雪で視界が遮られるのは街の人間も同じ。そう、通常の視界ならば、ね……特異な能力を身につけた者が居る可能性は十分に高いだろう」
「うん……色々な敵が居るけれども、確実に倒して行くとしよう」
二人頷き愛、そしてイレギュラーズ達は暗雲渦巻くアドラステイア上層へと足を踏み入れるのであった。
●死を糧に
『ぅ……うぅ……』
アドラステイア上層に響きわたる、呻き声。
その呻き声と共に地に臥す人もいれば、悲鳴が遠くから聞こえてきたり。
雪が降り注ぎ、傍から見れば幻想的な雰囲気……しかし漂う死臭や血の香り。
死気漂うアドラステイア上層で目を光らせているのは、ターゲットであるイレギュラーズ達を捕まえようと目を光らせている聖銃士やティーチャー達。
……そんな光景を身を潜めながら、潜入するイレギュラーズ。
「……中々に警戒が厳しいようですね」
と茄子子がぽつり零す。
勿論彼等彼女等だけでなく、数隊のイレギュラーズ達が同時にこの上層に同時に攻め込んでいる訳で……場所によってはその戦いの音もこちらに響きわたる。
「取りあえず、アドラステイア上層が厳戒態勢……というのは揺るぐことのない事実の様だな。となれば、少なくとも索敵の目は一つでも多い方がいいか……」
「そうね……セレマさん、アレ、宜しく頼めるかしら?」
「ああ、分かった」
ルチアに頷きつつ、セレマはファミリア二体を召喚し、高空に飛ばす。
そして空のファミリアーの視線で以て、上層の何処にティーチャーやら聖銃士達が居るのか、どこで戦っているのかを捜索。
更には温度視覚を踏まえての温度分布を見る事で、人なのか、獣なのか……もある程度目星を付ける。
そんなセレマの情報を共有した上で、オウェードも敵の動きと、他の仲間達の動きを地図の上で予測し。
「先ずはワシらでこちらの方に行くとするか。恐らく聖獣はここに居るとの事じゃから……こっちの方から仕掛けてくる筈じゃよ」
「うん、分かったわ! それじゃ、早速だけど始めましょう!」
何処か嬉しそうなヴァイスは己の限界を突破するコードを用いて加速。
そしてアドラステイア上層、市街地へと足を踏み入れるイレギュラーズ。
……暫し歩いているだけで、遠くの方から戦いの音が響く。
ただ、その音は大きく響き渡る事は無く、ある程度近づかない限りはほんの微かな音になっていて。
「あっちの方でも戦いが始まったようだ。しかしこの雪のせいで、そこまで大きく響き渡る事は無い様だな。戦いの音も雪が消してくれるだろう……神に感謝だな」
「ああ……ま、ファルマコンに感謝したくはないが、な」
セレマの言葉に肩を竦めるイズマ。
ともあれ、イレギュラーズ達の進軍の足音は降り積もる雪に多少は掻き消されていた。
……しかしながら、上層をそのまま歩いて行けば……自ずと遭遇率は高まっていく。
『……む? お前達、見ない顔だな……もしかして、イレギュラーズか!?』
先の角の曲がった先で、警戒していたティーチャーと、幹部候補生(プリンシパル)の一団。
「早速見つかった様だな。取りあえずこの場にいるのは……聖獣は居ない様だ」
「その様だね……出来る限り、彼等は倒さないようにしないと……ね」
「ああ。彼等を倒せば、敵が強化されてしまうからな……注意しよう」
カインとフラーゴラの会話、そして一歩前にイズマが進み出て行くと共に。
「貴方達が信仰する存在が導くのは、救いじゃなくて終焉だ。ファルマコンは何も救いやしない。現実を見ろ!」
声高らかに、彼等の心奉するファルマコンは救済しない、と宣言。
当然ながらティーチャー達は。
『その様な事はない! お前達……あのファルマコン様の偉大なる救いを知らぬからだ! お前達の様な巫山戯た考えを持つ者は、必ずや此処で死を与えねばならん!! 子供達よ、これは負けられぬ戦い、聖戦だ! 例え殉死したとしても、ファルマコン様が導いて下さるぞ!』
『うん、わかりました、ティーチャー!』
ティーチャーの言葉に純真無垢なプリンシパル達と、聖銃士達は疑うことはない。
そして子供達は。
『さぁ、ファルマコンさまのために、おまえたちをたおす! イレギュラーズをたおすのが、ぼくたちのしめいなんだから!!』
槍や剣を手にし、ティーチャー達よりも前に出て積極的に攻撃を嗾ける。
そんな子供達の攻撃を、イズマは毅然たる盾となり、その攻撃を受け止める。
子供達の攻撃が一巡した所で、入れ替わるようにセレマが。
「全く……その様に盲目的に神を信じるとは、な」
微笑みの中に、彼等を誘う魔性の笑みを浮かべて、子供、更には後方のティーチャー達の怒りをかき乱していく。
『くっ……ふざけやがって……!』
そうティーチャーは叫ぶと共に、胸元の笛を強く吹く。
すると、その笛の音が聞こえた聖獣が少し離れた位置にて。
『グガァァァ……!!』
と声高らかに咆哮を上げる。
そして雪の上をズサッ、ズサッと踏みしめる音を上げながら、その影は急接近。
「……来るぞ!」
とオウェードが叫び、仲間達に注意喚起。
そして隣家を踏み越えて、上方から飛び込み攻撃一閃。
咄嗟にその攻撃をカインがカバーし、その攻撃を一旦弾き返す……が、更に別の方角から聖獣の次なる襲撃。
「っ……!」
「……任せて」
咄嗟にカバーする様フラーゴラがその一閃をカバー。
二体の聖獣たちの攻撃をどうにか耐えるが、聖獣はグルゥゥゥと唸り声を上げる。
そんな聖獣を指さしながら、イズマは子供達に向けて。
「あの偽神は命を喰らうだけの悪意の獣、偽神を駆るまで俺達は引き下がらないぞ! そして偽神に捧ぐ死など一つも無い!」
と更なる戦線布告。
そして後衛に配するヴァイス、ルチア、茄子子の三人は。
「聖獣は倒し、子供やティーチャー達は不殺……という事よね?」
「そうね。攻撃の方はヴァイスに任せてもいいかしら? 私と茄子子で、皆の回復を担うわ」
「ええ、ええ。私が居る限り、この場の誰も落ちることはありません。安心して戦って下さい」
「分かったわ。それじゃ……私の神の光で削ってあげる!」
後衛三人頷き合い、ヴァイスは神の光を放ち子供達を削り、一方ルチアは聖女の心で放つ神意の祝福。
更には茄子子も言霊の号令にて仲間達を回復。
そんな後衛陣の強力なバックアップを受けて、前衛に立する者達は体力の心配をする事もない。
次の刻となり、子供達を相手にするのはイズマとセレマ。
二人は敵陣の怒りを交互に引き受ける事でダメージの分散を行う。
そして二人に加えヴァイスも加わり、子供とティーチャー達を殺さぬよう細心の注意を払いながら一人ずつ、確実に気絶させていく。
一方、聖獣に向けてはカイン、フラーゴラ、オウェードの三人が対峙。
決して理解することない、獣である聖獣が左右に分かれているが、逃がさぬ様に注意を払いつつ、こちらは容赦する事無い最大限の火力で灼き尽くす。
攻撃を受けた獣たちは、時折。
『ウグゥォォォォ……!』
と苦悶の咆哮を上げ、その声を聞いたティーチャーと子供達が。
『聖獣様が……神の代理を傷付ける等、決して許される事ではないぞ!』
『そうだそうだ! いれぎゅらーずたちなんて、てきだてきだ!!』
と、非難の言葉を口にして勢い尽く。
……流石にそんな言葉を聞くと、多少心に傷を負いそうにも感じるのだが。
「ワシらイレギュラーズはファルマコンを超えるッ! じゃから聖獣は確実に倒すのじゃ!」
揺れる思いを強い言葉で振り払う。
そんな強い想いと共に聖獣へ集中砲火を繰り返し……数刻。
『グギャァァゥゥゥゥ……!!』
悲しげな断末魔の叫びを上げて倒れた聖獣。
地に臥した身はまるで煙りの如く蒸発……だが、それによって今迄周囲に漂っていた死臭は変わる事は無い。
「うむ……確かに聖獣を倒す分には大丈夫の様だ。ならば、聖獣は速攻で倒すとしよう!」
「うん、分かったわ……傷の手当ては、心配しないで」
カインの掛け声に頷くルチア……そして、襲い掛かってきた聖獣を数刻掛けて仕留めたイレギュラーズ達。
『そんな……かみさまが……!』
と、子供達が不安気に言葉を紡ぎ、それを声を掛けて励まそうとするティーチャー達。
そしてその胸元の笛を再び吹くが……近くから聖獣の鳴き声は響かない。
『っ……』
唇を噛みしめたティーチャー……それにヴァイスが。
「さてと……これでもう、おしまいよ。大人しくしていて頂戴ね?」
との言葉と共に、神の光で一網打尽。
それでも倒れぬティーチャーに対しては、茄子子が一言。
「ファルマコン様、ですか。笑えますね。偽物の神に縋るなんて……ごっこ遊びは楽しいですか?」
と辛辣な言葉。
『う……うるさいっ!!』
と顔を激昂させるティーチャー達は、反撃を嗾ける。
だが……軸の攻撃手である子供達が戸惑い、攻撃しにくい状況下ともなれば……イレギュラーズ達を上回る作戦を採ることも出来ない。
「悪いがそう簡単にファルマコンの贄にはさせぬ! それもワシらのやり方じゃからな!」
「ああ。死あるのみだなんて間違っている! 俺達だろうがアドラステイアの民だろうが関係無い。信仰は『自らがどう生きるか』を導き出す為にあるんだ!」
オウェードとイズマの強い訴えの言霊。
その言霊が届いたかどうかは分からない……だが、イレギュラーズ達に非殺により倒された者達は、どこか……安心したような表情で臥していった。
●風を切りて
そして……。
「はぁ……なんでこんな輩を生かす必要が……おっと。いえ、何でもありません」
倒れ、気絶しているティーチャー達を一瞥し、零す茄子子。
慌てて表情を取り繕いながら、倒れた人々の状況を観察する。
一応不殺で倒したとは言え、ここの様な雪の降る野晒しな場所に放置すれば、いつかは死に至るのは先ず間違い無いだろう。
「……全く、面倒な仕事だ」
と溜息を吐くセレマに、ルチアが。
「そうね……ま、このままじゃ不味いわね。当たり所が悪かったりする人がいなくもないと思うし、必要に応じて応急手当をしましょうか」
と進んで倒れたティーチャーと子供達の状況を確認。
呼吸や脈を診た上で、弱くなっている人が居れば応急手当や治療を行う。
更に倒れた人々を軒下まで運び、雪で体温が奪われないように対処する事で……気絶という命をすぐにでも失いかねない状態からの救出を行う。
……その一方で、倒れ消えた聖獣が居た所には、フラーゴラ。
「……」
その手には、小振りではあるが……弔いに向けた花束。
その花束を亡きし場に置き、手を合わせる。
……それにオウェードが。
「む……フラーゴラ。何をしているんじゃ?」
と声を掛けると、フラーゴラは。
「聖獣も元は人だったんだ。だから、せめて手向けに花を……」
「ふむ……」
フラーゴラの言葉に、少し考えるオウェード。
……確かに聖獣は、このアドラステイアにおける、子供達の成れの果て。
望まれずに信仰を進め、いつしか盲目的になり……姿を変えてしまった者達。
その話をラケシスから聞いていたオウェード……彼等を弔いたいという気持ちは分からなくもない訳で。
「……既に戻れぬ故に、倒す他になかったのじゃな……だが、このままで良い訳でもない。だからこそ、ワシらがこの事態の解決に奔走している訳じゃ」
「……うん」
こくりと頷くフラーゴラ、そしてカインも。
「……どう転んでも良く無い気分だよな。こんなの、早く終わらせないとね……」
と、ぐっと拳を握りしめる。
聖獣と、ファルマコンに絆されたアドラステイアの者達。
彼等を救う為には、彼等を倒さなければならないのは、色々な葛藤が湧き出てくる。
……だが、もはやその刻を止める事は出来ない。
「……いいでしょう。まだまだ他にもいる様ですし、ここだけにかまけている暇もありません。次の場所へ向かいましょう……彼等も運が悪くなければ、死ぬ事もないでしょうし」
茄子子の言葉。
それに皆も頷き、イレギュラーズ達はアドラステイア上層の作戦を続けていくのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
アドラステイア上層作戦にご参加頂き、ありがとうございました。
色々と皆様も思うところがあるのを、プレイングから感じさせて頂きました。
聖獣となってしまった者は救うことが出来ない、しかし子供やティーチャー達はファルマコンを盲目的に信じており、話を聞いてもらう可能性が少ない……と言う状況。
そんな中でも皆様の動きで、一人でも多くの被害者が少なくなる方策で進められたと思います、ありがとうございます。
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
アドラステイアをめぐる事件も最終章……今回は倒さずにして倒さなければならない、と二律背反な戦況を進めなければなりません。
●成功条件
アドラステイア上層部において、イレギュラーズ達を殺すべく躍起になっている敵陣を『倒す』ことです。
ただ『倒す』には、『殺さずに倒す』ことを含みます。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●周りの状況
アドラステイア上層部が今回の部隊です。
美しい街並み……だったはずなのですが、ファルマコンの力により今雪が降り積もり、さらにファルマコンの特殊能力によって、アドラステイアで死した命はファルマコンの糧になってしまうというフィールド効果が発動されています。
そのため敵を倒すことが目的ですが、倒せばファルマコンの贄にもれなく化してしまいます。
そうしないためにも、倒さずにして倒す……という作戦が必要となります。
●討伐目標
・アドラステイア上層に点在する『聖銃士』や『幹部候補生(プリンシパル)』、ティーチャー、マザー、ファザー達。
ファルマコン様がお怒りになっている、その怒りを鎮めるためにもイレギュラーズを殺さねばならない……という強い責務感で突き動かされている者たちになります。
彼らはイレギュラーズを見つけ次第、ただただ殺すだけに集中します。
当然ながら容赦することなく攻撃の手を強めてきます。
ただ、彼らは命を普通に落としてしまえば、それがファルマコンの贄となる事態につながってしまいますので、『殺さずに倒す』を徹底しなければなりません。
・正気失いし『聖獣』
子供たちの成れの果てとなった『聖獣』です。
彼らは生かさず殺さず……としてしまうと、驚異的な再生能力で再度復活する可能性があります。
また、聖獣とほかの死にかけ、もしくは気絶までにとどめておいた上層の者たちが近くにいると、彼らを食らってしまう(聖獣が殺してしまう)可能性がありますので、注意してください。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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