シナリオ詳細
ケモ耳の皆~! 温泉に行こうね~!(in動物病院)
オープニング
●引っ掛かったなァ――温泉アイコンは嘘だ!!
『ハハハ。この前は悪かったね――安心してくれ。
今度は再現性東京にある温泉に行こう!』
そんな事をギルオス・ホリス(p3n000016)は言っていたのに――!!
『立て籠もりを続けているケモっ子達に告ぐ! こちらは動物病院『DAMASHITE・WARUIGA』のドクターである! 君達は既に包囲されている! 無駄な抵抗は止め、人質を解放して大人しくでてこーい!」
「うわー――!! まただー! また大人の卑劣な罠が仕込まれてたよ――!!」
「おのれギルオスゥゥゥ!! 一度ならず二度までも騙し、我々を予防接種という外道極まりない道に引きずり込むとは……絶対に許さんぞおぉぉぉぉ!!」
「だからって僕を人質に病院の一室に立て籠もる奴がいるか――!」
叫んでいるのはリコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)に仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)、そしてそんな彼女らに捕らえられているギルオスだ――そう。皆さんもうお分かりだろう。温泉に行こうなんて真っ赤な嘘。
ホントはケモ耳達の予防接種の為に病院に来たのだ――!
何か前にもこんな事があった気がするが、一度ある事は二度あっても不思議はあるまい? ともあれ、まんまと再び乗せられた汰磨羈達は――しかし大人しく注射を受ける様な者ではなかった!
病院の気配を即座に嗅ぎ取った彼女らはギルオスを人質に取り、病院の一角にバリケードを築いたのである。
要求はただ一つ――我々の即時解放である! 要求が受け入れられない場合、この人質にして主犯であるギルオスがどうなると思う! ええと、まぁ、えーと……まあ後でなんかとんでもない事に巻き込むぞ!
「やれやれ、まさかこんな事になるとは……おっと? どうやら外ではバリケードを破る為のチェーンソーの準備を進めているようだ――どうやらガチ目の対応だね。今の内にどうにかこうにかしなければ、この部屋にも雪崩れ込まれそうだ」
「お師匠~! お師匠パワーでなんとかしてよー!」
しかし病院側は人質の被害を無視して突入する目算の様である、と。気付いたのはリーディア・ノイ・ヴォルク(p3p008298)だ。足元に涙ながら擦り寄ってくるリコリス――そんなに注射がイヤなのか。可愛い弟子(リコリスさん)の頼みなら仕方ない。
「バリケードが破られるまで少し時間があるだろう。
その隙に……おや、こんな所にダクトがあるね。
ここから別室へと脱出できそうだ――いくかい?」
「むぅ、或いは此処で徹底抗戦を繰り広げるのも一つの手か……!?
散々暴れれば連中も諦めるかもしれんな――!」
脱出か、徹底抗戦か。リーディアと汰磨羈が思案を巡らせ――と、その時。
「だけどさ、なんかおかしいよね。こんなにも突入までの判断が早いなんて……ハッ、まさか!?」
名探偵リコリス。その時電流走る――あ、尻尾がコンセントの穴に触れてる。ホントに電流走ってる! ともあれ、彼女の直感が告げていた――
この中で……ギルオス以外に裏切り者がいるのではないかと……!
その者が内部の情報をなんやかんやして漏らしているのではないか? 或いはその者が背後より我々を崩さんと目論んでいるのではないか――?
「いやまさかそんな筈は……! そんな筈はない! この中に裏切り者がいるなど……一見、獣にしか見えない剣でもいるとでも!? いたとすれば一体誰なのだ――!」
「分からない……少なくともオレは違うぞ。オレは裏切り者じゃないぞ」
思わず疑心暗鬼になるケモ耳達。汰磨羈が視線を巡らせれば、そこには紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)の姿もあったか……よしケモっ子だな。通れ。
クソ、一体誰が内通者だというんだ――!? だがじっくりと考えている暇はない。
だってバリケードの向こう側で破砕用チェーンソー音が響いているのだ。
捕まれば残虐非道たる予防接種を受けさせられるに相違あるまい!!
あぁ――ケモ耳再び震えて総毛立つ!
なお、犯人は紫電ちゃん! よろしくね!
- ケモ耳の皆~! 温泉に行こうね~!(in動物病院)完了
- GM名茶零四
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2022年11月30日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●
「( ;ᾥ; )やだぁ――っギルオスさん騙したなぁ――っ!!
ああああやだよおおおお師匠―っ! お師匠――!!」
「やってくれたものだね。やれやれ……二頭身になってしまっているじゃあないか。私と愛弟子を裏切った罪は重いよ、イレギュラーズでなければ地獄の底まで追いかけて頭に穴を開けていたところだ」
ひぃ! 人質になっているギルオスへと『牙隠す赤ずきん』リコリス・ウォルハント・ローア(p3p009236)をあやしながら視線を向けたのは『赤頭巾の為に』リーディア・ノイ・ヴォルク(p3p008298)である――あまりの恐怖に愛弟子は師匠にべったりだ。あ、背中に張り付いてる!
うう、ボク、ここを出たら美味しいお肉を食べるんだ……!
リコリスちゃん、それはフラグって言うんだよ?
「ちがうでしょ。ねぇギルオスちがうでしょ。分かってるでしょ? 僕は違うって」
と、周囲の状況を確認しておかんとリーディアが視線を巡らせた先。ギルオスに詰めよっているのは『帝国軽騎兵隊客員軍医将校』ヨハン=レーム(p3p001117)であった! ガチだ。ガチ顔だ。そうして詰め寄って紡いでいるは――一つの事実。
我、鉄騎種ぞ? これはケモ耳ちゃいまんねん。見たら分かるやろ? おぉん?
「ギルオスが関わるといつも何かボディブローしてる気がするので今回は関節技で勘弁してやる。おらくらえショタ固めだおら! いやショタじゃねえわ20歳だぞ20歳。あっ? 誰が全く見えないショタじゃオラァ!! 祝えオラ!!」
「ぐああああおめでとおおおおおギブギブギブ!!」
「おのれ、一度ならず二度までも! そんなに予防接種をしたいのか貴様ッ! そういうお前たちの勝手な行動があるから、世の猫達はキャリーに入れられるのを嫌がるんだぞ!! 分かってるのか!! 自分の大罪を理解しろ――!」
「結局ソレって『注射イヤ!』以上の主張じゃないよね!?」
えぇい黙れギルオス! ばちーん!
更にヨハンに続き人質に暴力(狸パンチ)を振るう『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)! 騙して連れてきたギルオスに不満全開だ。だが、しかし同じ手で二度もやられると思うなよ――?
「今の私は――猫になれるのだからな!」
ぽふっ。そんな擬音の音が鳴ると同時、彼女が二又尻尾の白猫に至る――!
「な、なに!? ……でもここは動物病院でもあるんだよ? 白猫でも打たれるだけでは?」
「ふっ。馬鹿な。このプリティキャットの姿に誘われない者などおるまい。はーはっははは!」
凄まじい勢いでフラグを建築していくたぬきち。間違えた、汰磨羈。
さてしかしギルオスボコってる場合ではない!
扉の奥ではバリケードを破り突入せんとしてきている音がもう間近だ!
「芳゛も゛注゛射゛イ゛ヤ゛ニ゛ャ゛ア゛!!
こんなに可愛い芳を虐めるなんて正気とは思えないニ゛ャ゛ア゛!!」
ハッ! もしかしたらドクター達の方こそ芳を虐めるウイルスに掛かっているのでは!? 自信満々ふっくら体型の『(自称)ぬくもりの精霊種』芳(p3p010860)の心境はそんな事を考える程に絶望に染まっていた。
だからこそ一足早く芳はダクトより逃亡を開始するものである――!
「イヤにゃ! こんな薬の匂いが充満している所ニャんて……
だけど芳たち猫ちゃんは頭さえ通ればどこだって抜けられるのニャ。
猫は液体だからニャ! そーれそれそれ~!」
「偉大な神とは輝いて見えるものじゃよ。そう、例えダクトの中であろうとも、の」
であれば当然『神様の十戒』バステト・ラー・アヌビス(p3p006633)も続くものである――何も知らない神様(紀元前1000年生まれ)は気付いたら病院に誘導され、気付いたら注射を打つ流れになっていた――我神ぞ? 我神ぞ?
ダクトの中を自らの神性による後光で照らしながら進んでいこうか。神様、偉大なる後光ってその使い方であってます!?
――と、その時。ドクター率いる部隊が部屋に突入して来た。
内部に対象がいない事を確認――くっ。ダクトから逃げたか!
「……しかし。『内通者』の方はまだ機能されているようですね」
状況を見据えるのは『白秘夜叉』鬼桜 雪之丞(p3p002312)だ――メカニカルウサミミがぴこぴこ動いているが、これは果たしてケモ判定だろうか。うーん、いややっぱり生身じゃないとね……!(by動物過激派)
ともあれなーす服を借り受けた彼女は見た。
ダクトの方に明らかに『印』が付けられているのを。
これは内通者からの合図だ。そう――
(――やるなら徹底的にやらせて貰うぞ、前と同じようにな)
こっそりケモ耳メンバーに混ざっている裏切者『紫閃一刃』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)からの情報であったのだ。
●
――偽りの温泉、失礼しました。あなた方にはここで果てて頂きます。理由はお分かりですね?
――どうせ(注射が嫌で逃げるのは)確信犯なんだろ? 話しても仕方ない。
――所詮は獣(種)だ。人の言葉(予防接種の重要性)も解さんだろう。
そんな感じのチャイム通達があった気がする様なしない様な。いずれにせよ紫電の目的はケモメンバーに紛れながら一人ずつ消す事であった。しかしまさか事前に接種してたからと言って偽の温泉と依頼を用意して、オレに『協力してくれ』だなんて……
(まったく刀使いが悪いったらありゃしねえ)
紫電が成すは、こっそりと情報を残し続ける事だ。
故に紫電はドローンを用いてドクターと思念の力が結びつくようにする――
そう。ハイテレパスによる無言通信である。この刀、対応がガチだ!!
「しかし……どこを見ても厳重に固められているね。
ここって実は病院とかじゃなくて元・監獄とかだったりしないかい??
アルカトラズ島とかそういう……」
お師匠~~ ( ;ᾥ; )と、泣きながら頭まで登ってこようとするリコリスと共に在るのはリーディアだ。どこかに脱出口がないかと探しているのだが、マジでない。なんで? 病院ってこんなに厳重なのいる??
ともかく動き続けねば見つかってしまいそうだと逃走は続行中。
物陰に幻影を置いてデコイとするのだ――狙撃手が好む高所や身を隠せる所なら動かない幻影の私がいても差程違和感は無いはずだ、と。しかし……何故か。幻影にドクター達が引っ掛からない。まるで『これは幻影だと情報が伝えられて』いるかの様に――
「むむむ! どこからか不心得共の気配がするぞ……
然らば神の力をもってして、分からせてやらねばな」
と、その時だ。なんとなしバステトは感じた――ナース達が迫ってきていると。
故にバステトは動く幻影をもってして攪乱せんと試みる。
いやそれだけではない。壁を透視した先で安全を確認し透過して入り込むのだ。ふふふこれほどの偉業を成せば、如何なる者であろうと追いつけるはずが……あれー? なんか包囲されてる気配を感じるが!?
「ニャッ先回り……!? おかしいニャ! どうして芳達の行動が筒抜けニャ!?」
「むぅ……これはやはり、僕達の中に内通者がいるとみるべきか……」
バステトの潜んだ部屋にドクター達が突入しようとしている――その様子を見て恐怖に震え上がる芳。同時にヨハンは思考を巡らせるものだ……一体誰が内通者なのかと。然らば卓越した頭脳はすぐ様に解決策を導き出す――!
脳内のゼシュテル悪魔『推理は面倒くさいよ! ギルオスをぼこぼこにして内通者を吐かせた方が良いよ』
脳内のゼシュテル天使『推理は面倒くさいよ! ギルオスをぼこぼこにして内通者を吐かせた方が良いよ』
――ダメだこいつ頭ゼシュテルかよ!
「しかし毎回ハイルールに違反しない程度にギルオスを痛めつけるのも加減が難しいんだよな。いざというときにギルオス・ホリスに奇跡を起こしてもらうべく下準備にしても」
「何か恐ろしい事考えてないかい君!!?」
「いかん。うっかり聞かれてしまった。ちょっと記憶なくなるまでボコすか」
あ、ちょっと待ってやめろ。あー!
何はともあれ阿鼻叫喚。その内疑心暗鬼になってくるケモ耳達――!
「ケモ耳無いヤツは離れるニャ! ん、皆あるニャ。と言う事は……ネコ耳じゃにゃいヤツも怪しく見えてきたニャ……えっ犬っぽいけど猫? 狐っぽいけど猫? にゃ~~~んだ、にゃら信頼できるニャ! ネコ耳同士に悪い奴はいないニャ!」
「はっはっは――そうだろうそうだろう」
紫電。芳判定をあっさりクリア。騙されるな芳! ソイツだ――!!
「猫の為にゃら芳はいっくらでも頑張るニャ、頼ると良いのニャ~!
いざとなればダクトに逃げた後、芳が身を挺して足止めす……んニャ!!?」
刹那。アニキカゼを吹かせていた芳の御尻に痛みが走った――こ、これは。
「麻酔……!? ふ、不覚にゃ……!!」
「うわあああ! 芳! 寝るな、死ぬぞ――! 捕まるぞ――!」
「――皆さま。最早逃がしませんよ。大人しくお縄に付いて頂きましょうか」
芳の意識が沈まんとしたのを汰磨羈が支える――と同時。
紡がれたのは雪之丞の声であった……! その近くにはドクター達もいる!
くっ。注射を避けたい助けを求める声を感知されたというのか! 卑怯だぞ雪之丞!
「皆さま、予防接種というもので病が遠ざかるなら、必要でしょう。
いかな豪剣を誇った武士も、肺を患えば、あっという間だったと聞き及んでいます――
これは皆様の健康の為、必要な事だとご理解ください」
「ほーぅ。ちなみに本音は?」
「ええ。実は捕獲をお手伝いすれば秘境の湯の情報を頂けると、お話を頂きまして。なんでも疲労回復、肌の健康、その他諸々多くの効能が見込まれるとても素晴らしい湯なのだとか……ですので。温泉のため、皆様の健康のため。ぷす、っと。ここはお一つ」
「温泉の為に仲間を売るのか――! おのれ――!!」
「雪之丞ちゃんのばかー! あほー! ( ‘ᾥ’ )―!」
汰磨羈にリコリス。雪之丞に壮絶に抗議するが――彼女はただ穏やかに在るだけだ。
まずい。あの目、本気だ……! 絶対『怯える皆様の顔を見るのも愉しい』――とか思ってるドS雪之丞モードだ! く、こうなったら!
「ほーら、見るがいいナース達。これが真のねこ、真のかわいさというものだぞ!」
汰磨羈。白猫モードでヘソ天だ! ほら。撫でても良いんだぞ? 今だけだぞ猫の腹を撫でられるのは……いや待て? なんか目つきが凄いぞ? え、何? 只管にモフり倒しながら刺す? えっ? 正気か?
「――これだから動物病院はッ!」
「さて。ここが正念場だな――タダで捕まる訳にはいかない。抵抗させてもらおうかな」
汰磨羈、脱兎! 同時にリーディアはワイバーンに騎乗して乱射する――!
え? ガチすぎる? そちらがガチならこちらもガチにならざるを得ないんだよ解ってくれ。いざとなったらワイバーンと共に空に飛んで逃げ――えっ? この病院、どこも外や空に逃げれそうにないって?
「大丈夫。君ならいけるよ――いい子だ、愛してるよ」
「ふぅふぅ! 僕も! 僕もお師匠の為に頑”張”れ”る”も”ん”!!」
刹那。リーディアがワイバーンをあやす様に言を紡げ――ば。
リコリス、覚醒。サブクラス『猛獣(使い)』モード――ッ!
お師匠の頭部分から胸部分に一回回ってお師匠成分補給してから――地に降り立ちて!
「( ‘ᾥ’ )ぬわ――っはっはっはっはぁ! この病院は既に狂気によって支配されているッ! これ以上正気を失いたくなければ僕達の要求を速やかに……あっ、ちょっと! うわー! せめて話だけでも聞いて――!!」
ナース達を噛む! うぉー! きょうきだ! きょうきが巡るぞー!
でもナース達、恐れない。こ、こいつら歴戦のナース達だ!!
その内ドクターの麻酔銃がリコリスの頭にぷすっと――うきゅ~!
「( ‘ᾥ’ )ってなんだよ。予防が必要なのかよ( ‘ᾥ’ )。ゾンビものか? ゾンビものなのか?」
「さて……しかしそろそろ佳境だな。この戦いも」
「そうだな――ところで紫電、内通者は紫電だろう?」
「ほう。どうしてそう思う」
「依頼書(オープニング)に書いてあった」
こら! 次元の壁を越えた認識をするんじゃないよ、ヨハン!!
皆に聞こえぬ影で語らう二人。紫電は仕上げにと、最後の念話を飛ばすものだ――
《ファ○チキください》《オレが内通者だ》
《ナース達を連れて指定地点に誘導してくれ》《あ、ファ○チキやっぱり二個ください》
――実に的確な念話の使い方だ。ファ○チキはないけど。
「う、うう……うぉー! 紫電! おみゃーが内通者だったのかニャ!
芳はまだ戦えるニャ! 皆逃げるニャ!
これが芳の……最後の力ニャ――! ギャー! この黒板ヤベーニャ!!」
「芳、よせ! もう無駄な抵抗は……ぐあああッ!」
「その意気や良し――偉大な神もまた救いの手を伸ばして進ぜようぞ」
刹那。力を振り絞り芳が抗う――! 直後に行うは必殺壁ひっかきでの騒音アタック! 一番近い芳が一番ダメージ受けてるが、死なば諸共――! うおおおバリバリ――! 更には捕まったと思われていたバステトが、魔眼によってナースの一部を洗脳して参戦!
神様一人なら逃げきれるかもしれなかったけど。
流石に一人で逃げるのは――忍びないしなぁ。
頑張る猫がいるのなら、助けて進ぜようぞ。捕まりそうだけど。
……そして紆余曲折の末、戦いはようやく収束に向かう。
最後の抵抗は鎮圧され、そして……
「……ごろにゃ~ん」
「ふふ。汰磨羈様も正直ですね」
芳が引き起こした混乱の最中に白猫状態で逃げ出した汰磨羈であったが――
しかし。何故か病院に縁側があって。
そこに雪之丞が座り込んで、お茶を飲みながら手招きしていたのだ……
日向、ぽかぽか、ゆきのじょーがひざをぽんぽんしてよんでる……
そしたら気付いた時には――雪之丞の膝の上で丸くなるキャットがそこに居た。
縁側+日向ぼっこ+膝の上……
「これは抗えぬ最強コンボだな……あぁ、とても眠く……な……(ぷすっ)」
刹那。汰磨羈の尻に――痛みが走る――こ、これはまさか……
\ふぎゃぁーーーーーす!?/
「おのれ、謀ったな雪之丞……! 私を売るのか、雪之丞……!」
「いいえ――これも汰磨羈様の為ですので」
にっこり微笑む雪之丞。えぇ。狩人として呼ばれましたが医療の心得がないとは、語った覚えもありません。痛み一つで不治の病を遠ざけるなら、易いものでしょう――
「命とは、灯火のように儚いですから」
どこか遠くを見据える様な雪之丞の瞳。
汰磨羈の意識が途絶えたのは――その直後であったろうか。
●
と言う訳でお注射タイムです。
「い”や”だ”あ”ぁ”っ”お注射だけはご勘弁を〜っ!」
こうなったら最終手段『ギルオスさんの腕を身代わりにする作戦』!
あっ避けられた!? 躱すなんて卑怯だ! あっ……あ〜〜っ………!!
リコリス、ワクチン接種完了――お師匠であるリーディアの腕にしがみついて離れないので、やむなくそのまま注射した、ら。
「( °ᾥ゜)イヤーッ!
( °ᾥ,)副反応で顔が文字化けしちゃったよー!!
(・ᾥ。)これいつまで続くのーっ!?」
「副反応は大体三日ぐらいですね」
そんなー! なんだかリコリスに凄い反応が出てるけど好転反応でしょ。OK!
次いで他の面々もお注射タイム。バステトさんも一応しましょうね~
「いやじゃいやじゃ人の薬など接種しとぉない……そもそも太陽神でもあり月と豊穣の神でもあり死者の神でもある、死者の神である神にワクチンというのは聊かナンセンスではありませぬか? あ、よせ我神ぞ? 我神ぞ? あーッ!!」
「はぁ……仕方ない、か。リコリスさんおいで……うん。尻尾もありがとうね」
「うう。お師匠……格好がつかない時はこれで顔を隠しても良いからねっ!」
更にリーディアも済ませておこうか。弟子がしたなら己も、と。
「待つニャ! 天上天下唯猫独尊(ルビ:ねこ)が注射されるのにゃら、狼も犬もたぬきもギルオスも全員注射されるべきニャ! それが平等ってやつニャ! 引きずり込んでやるからニャ!」
「ははは。ほら頑張った芳にはご褒美のオヤツだよ~~」
「え、ホントニャ!!? わーいニャ!!
芳は寛大な猫ちゃんだからニャ~~~! 許しちゃうニャ~~!!」
芳、チョロい! ギルオスから渡される猫用オヤツ『さゅ~るぅ』をペロペロ。うまニャー! 芳イヤーは助けを求める声絶対キャッチするが、オヤツを差し出されるとジャミングされちゃうんだニャあ、これが。
……さて。それはそうと、だ。
「ところで。紫電よ、御主は何故に打たれていない?」
「何故――? ハッ。残念だったな、密偵はオレだよ。
楽しかったぜ……お前らとの友達ごっこ……」
「……ほう、なるほど。なぁ、紫電。御主も立派なケモ耳娘。本体が刀であろうと知ったこっちゃない感じで打つべきではないか? この予防接種を? 恐れるな。皆通った道だ――お前の所為でなァ!」
「えっ。あっ待って下さいこれには深い訳gア――ッ!」
にがさん、おぬしだけは。
紫電、リタイア――やれやれだぜ。
これから風邪の季節。皆も予防接種、早めに受けておこうね!
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
予防接種は大事ですからね!! ありがとうございました!!
GMコメント
リクエストありがとうございます! 本作は『旅館に行くと聞いていたのに(動物)病院の看板が見えてきた』と若干の繋がりがありますが、必ず読んでおく必要はありません。ご縁があればよろしくお願いします!
●依頼達成条件
予防注射を受けろ~~!(適当に過ごせばOKです!!)
●フィールド・シチュエーション
練達にしては珍しい、大自然の山奥。
川のせせらぎすら聞こえてくる自然豊かなその地の奥にあるのは秘境の温泉地――
ではなく。動物病院『DAMASHITE・WARUIGA』です!!
動物+獣種を中心に医療を進めている山奥の病院で、今の時期予防接種も行っているみたいなんですね~~だから皆さん予防接種の注射受けましょうね~~~あっ、逃げるな――!!
と言う訳で現在、病院の一角にバリケードを築き立て籠もっています! ですがバリケードの向こうからはなんかチェーンソーの音も聞こえてきてます。バリケードが破られるのは時間の問題でしょう! 対応がガチすぎ? 動物や獣種が暴れると危険だからね。それを抑えるドクターやナースの対応はガチになるよ。
ともあれ、皆さんは脱走側と追跡側に分かれてプレイングを仕掛ける事が出来ます。
脱走側は徹底抗戦するなり、なんか都合よく見つかったタグトを通って別の部屋や通路へと逃げ出しても構いません。でも壁はやたら堅いし、窓には格子が付いてたりして外に逃げ出すのは難儀しそうです……! なんでこんな厳重なんだ!
追跡側の皆さんは後述のドクター達と一緒に脱走者を捕縛しましょう!
――ちなみに紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)さんは脱走側に潜む内通者です。
他にも内通者がいたりするかも……?
●ギルオス・ホリス(p3n000016)
予防接種は大事だからね。って事で皆さんを騙――いえ、言葉巧みに誘導して――動物病院へと連れてきました。でも前回と異なり、ドクターへの引き渡し時に失敗して人質として捕らえられています。盾にするなりなんなりどうぞ!!
●病院のドクターやナース達
動物病院のドクターやナース達です。え、ケモ耳達が逃走した……? ハハハ、そんなのウチじゃ日常茶飯事ですよ――と言う事で追跡のプロです。沢山追ってきます。捕まったらお注射タイムなのでお気を付けを!
ナース達はクソデカ網で捕まえようとしてきます。
ドクターは歴戦の麻酔銃使いです。狙撃されるかも。
ちなみに予防接種はケモ耳(獣種)以外も受けて大丈夫です。
なんの予防接種かって?
まぁ流行りの風邪用とか、( ‘ᾥ’ )ワクチン(効果不明)とか色々……
●備考
攻撃スキルとか使ってもいいです(コミカルな抵抗として描写します。安心だね!)
ドクター達はケモ耳達の抵抗なんて慣れっこなので!
●情報精度
この依頼の情報精度はAです。
想定外の治療方法はありません!!!! 予防接種は飲み薬では代用出来ないのです!! 絶対に、絶対に注射を打ってもらう!!
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