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シナリオ詳細

<大乱のヴィルベルヴィント>誰が為の贖罪なりや

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「アルブレヒト。貴方の力を貸してちょうだい」
 慌ただしくなりつつあるギアバジリカの情勢の中、リア・クォーツ (p3p004937)は1人の青年に声をかける。
 難民キャンプにて子供達に文字を教えていたらしい青年――アルブレヒトが顔を上げる。
「シスター、それにシキ・ナイトアッシュさん……でしたか?」
「うん。アルブレヒトにもルベン攻略を手伝ってほしいのさ。
 リアと2人で考えてね」
 シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)が言えば、アルブレヒトは直ぐに頷いた。
「力仕事ですか。分かりました。
 元よりどんな仕事でもお断りする気はありませんが、戦場であればなおさらです」
 アルブレヒトがそう言って立ち上がる。
 アルブレヒト・アルトハウス――リアとシキは他6人のイレギュラーズと共に彼が引き起こした事件とその後ろにいた元凶を打ち倒したばかりだ。
 アルブレヒトには更正の余地と贖罪に向き合う精神性があると考えたリアは、彼を革命派に連れてきていた。
 贖罪の機会を与える一方、罪から逃れないように監視するためには自分が身を置く革命派が最適と考えての事だ。
「あんちゃん、どこか行くの?」
 そう言って首を傾げる少年の頭を優しくアルブレヒトが撫でて宥めている。
「子供に好かれやすいんだね」
「そうね、アリカが……妹がいるってのもあるんでしょうけど」
 小声で話し合う2人に気付いて、アルブレヒトが不思議そうに見てくる。
「子供達の世話が上手なのねって話。さぁ、行くわよ」
「――はい」
 こくりと、青年は深く静かに頷いた。
「リアちゃん、アルブレヒト君を戦場に連れて行くって本当?」
 そんな声と共に炎堂 焔(p3p004727)が姿を見せる。
 事件後のアルブレヒトの事を気にかけていた焔は、リアから話を聞いて訪れていた。
「アルブレヒト君、 将来の夢も出来たんだよね?
 アリカちゃんのためにも、無茶はしちゃだめだよ?」
「――もちろんです」
 念のために焔が忠告すれば、青年は静かにそう頷いた。


 革命派の進む先は帝都スチールグラードより東方、『鉄道施設ルベン』である。
 高度に高められた技術力を背景に歯車兵達を探索、敵性存在の排除にそれぞれ3割ずつ動員していた。
 それ以外の歯車兵に関しては難民キャンプへの防備に残す形である。
 リア、焔、シキ、アルブレヒトに5人のイレギュラーズを加えた面々はルベンへの突入に成功していた。
「アルブレヒトを同行させるかどうか、少し悩んでいたんだよね?」
 戦闘用の歯車兵達の戦闘支援を受けながらシキはリアへと問いかけるように言う。
「えぇ、私達が出払ってる間、戦える人が傍にいた方が難民キャンプの人達も安心できるでしょうから」
 共に支援を行使しながらリアは肯定する。
「なら、アルブレヒト君を同行させるって決めたのは彼の意思ってこと?」
 焔の問いかけに、リアは小さく首を振る。
「いいえ。これはあたしの独断よ。
 留守番でも真面目にやってたでしょうけど、
 あたしがこの国でやることに着いてくるようにっていうのは以前に話したことだから。
 それもあいつの贖罪に通じる道でしょう」
 ルベンは鉄道網としての存在意義以外にも、その地下に古代兵器が存在している。
 そこに眠るものはもしかしたら役に立つものかもしれず、得られた技術力は巡り巡って難民キャンプの改善にもつながる可能性があった。
 一行が目指す倉庫の密集した場所は、そんな地下へと通じる道が存在しているという。
「――誰か、います」
 先行していたアルブレヒトが立ち止まり、声をあげる。
 イレギュラーズ達も直ぐにその存在に目がいった。
 それが何者であるのか、イレギュラーズは直ぐに悟った。
「――オースヴィーヴル軍」
 新皇帝派の謀略により、革命派を『自分達を虐殺し物資を奪う集団である』と誤認してしまっている旧ヴィーザルの勢力である。
 かつて数多の犠牲の果てに鉄帝へと降伏したかの領土は更なる挙兵の為に古代兵器の確保を狙っているとリークがあったが。
「――何者だ!」
 赤茶毛の男が声をあげる。彼がリーダーだろうか。
「その兵器――革命派か!
 探索を停止、まずはこいつらを退けるぞ!」
 男が言うのに従って、周囲で活動していたオースヴィーヴル軍が一斉にこちらに向かって構えた。
 ――これでは落ち着いて話などできまい。
 ひとまずは説得(はなしあい)の前に冷静になってもらうしかなさそうだ。

GMコメント

<大乱のヴィルベルヴィント>早速始めましょう。

●オーダー
【1】フリートヘルム隊の撃破
【2】フリートヘルムの捕縛

【2】は努力条件です。

●フィールドデータ
 ルベン内部、倉庫のような施設が乱立するエリア。
 多くは普通の倉庫ですが、その中の1つが地下道に繋がっているらしく、
 倉庫の本当の目的はこの道をカモフラージュする事だったようです。

 どうやらまだオースヴィーヴル軍側に地下道へ通じる道は発見されてないようです。
 とはいえ普通に地下鉄道を目指さず、この地に隠された道があることを彼らはどこで知ったのでしょうね……

 戦場としては倉庫類が乱立しているために遮蔽物は多めです。
 中の物に被害が出ないように保護結界も検討した方が良さそうです。

●エネミーデータ
・『棘朱の剣』フリートヘルム
 フリートヘルム隊の隊長です。
 よく言えば素直で真っすぐ、悪く言えば思い込みが激しい馬鹿。
 性格が災いして革命派がオースヴィーヴルを攻撃していると本気で信じています。
 その癖に本能的な戦術センスは持っている、そんな赤茶色の髪の青年です。

 獲物は剣身に多数の棘が着いた朱色の剣。
 相手の武器をひっかけたり、
 斬った所をずたずたにしたりとかなり厄介そうに見えます。

【出血】系列、【致命】などの傷を受ける可能性がある他、
 その剣によって斬られた部分は【火炎】系列を受けたような火傷のような激痛を負うでしょう。

 また、【多重影】、【邪道】の攻撃も考えられます。

・フリートヘルム隊×20
 フリートヘルムの麾下戦力です。
 クレイモア兵や斧兵、槍兵など近接系が10人。
 ドルイド風の魔術師や猟師のような銃兵が10人。

・不明戦力×???
 謎です。皆さんはどことなく嫌な感覚を覚えますが、
 今回は手を出してくる可能性は無さそうです。

●友軍データ
・『優心雷火』アルブレヒト・アルトハウス
 ラドバウの闘士。善良で正々堂々とした戦いをする模範的武人と評されていました。
 下記2つの依頼にて焔さん、リアさん、シキさんらと交流を持ちました。
 今回は贖罪の一環としてリアさんに同行しました。

 ステータスはHP、物神攻、命中、防技などがやや高め。
【痺れ】系列、【火炎】系列を使う近接~中距離レンジのアタッカーですが、
やろうと思えばタンクの真似事も出来そうなスペックではあります。

 ラドバウ闘士だけあり、ほっといてもある程度の戦果をあげるでしょう。
 何かあれば指示を与えてください。

【参考シナリオ】
<総軍鏖殺>きみが生きてくれればそれでいいのだからと
(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/8441)

<総軍鏖殺>この命が生きるのならばそれがいいのだからと
(https://rev1.reversion.jp/scenario/detail/8653)

・戦闘用歯車兵×20
 機械仕掛けの自動人形です。一般の兵と同等の戦闘力を持ちます。
 とはいえまだまだ試作運用段階です。
 機敏な退避行動、複雑な戦術展開は任せきりでは難しいでしょう。

 主に機銃による遠距離攻撃、ドリルのように回転する腕での近接攻撃を行います。

●特殊ドロップ『闘争信望』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
 闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <大乱のヴィルベルヴィント>誰が為の贖罪なりや完了
  • GM名春野紅葉
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年12月08日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)
優しき咆哮
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
リア・クォーツ(p3p004937)
願いの先
ンクルス・クー(p3p007660)
革命の用心棒
一条 夢心地(p3p008344)
殿
ハリエット(p3p009025)
暖かな記憶
ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
後光の乙女
ガイアドニス(p3p010327)
超合金おねーさん

リプレイ


「ふふ、それじゃあ仲間のみんなが回り込めるよう、おねーさん達はばっちり目立っちゃうのだわ!」
 小さくそう呟いて、『超合金おねーさん』ガイアドニス(p3p010327)は一気に前に向かって走り出していた。
「その通り! おねーさん達は革命派よ!
 さあ歯車兵のみんな、やっちゃいなさい!」
「近寄らせると拙い、撃てぇ!」
 多数の歯車兵を統率して飛び込んだガイアドニスに応じるようにフリートヘルムが叫び、合わせて後方のドルイドや猟師が砲撃せんと構えを取る。
(まるで話を聞いてくれない……
 こりゃあ、最初に殴り合いをするしかありませんか。困ったなあもう)
 盾の方の腕を立てるようにして『後光の乙女』ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)はフリートヘルムたちを見据えていた。
(あの剣当たったら痛そうだし、鍔迫り合いは危険そうなのですよ)
 握られている独特な形状をした剣を観察し、ブランシュは一気に飛び込んでいった。
 ガイアドニスに続ける圧倒的な速度による吶喊はフリートヘルムの表情を驚愕に揺らすに余りある。
 他の兵士など目もくれず、独特な形状の剣を叩き落とすように突っ込んでいく。
「うぅ、話を聞いて貰いたいのに戦わなくちゃならないなんて!
 鉄帝の人達ってこんな人達ばっかりなの!?」
 割かし――というかかなり物分かりのいい憧れの人物とは違い、どうにも頭の固い敵へ『炎の御子』炎堂 焔(p3p004727)は思わずそう漏らしていた。
 ひとまず神域を展開しつつ、焔は迂回を始めている。
 倉庫の乱立する戦場は身を晒さざるをえない倉庫の間を通るとき以外、身を潜めるのは容易い。
 フリートヘルム自体が突撃の対処に気を取られざるを得ないのも大きい。
 敵陣の背後まで回り込み、焔は一気に飛び出した。
 カグツチの出力を上げて、圧倒的な速力で猟師風の兵士を吹き飛ばす。
 そいつは前衛の兵士を巻き込んで倒れこみ、驚いた様子でこちらを見た。
 混乱は混乱を呼ぶものだ。
「うむ、うむ。血気盛んなのは実に結構。
 熱き血潮こそが、己が運命を切り開く剣となるからの。……じゃが」
 すらりと愛刀を抜いた『殿』一条 夢心地(p3p008344)は焔の奇襲じみた攻撃に合わせるようにしてフリートヘルム隊へと突っ込忍で行く。
「その意気……向ける矛先を違えるでないぞ、オースヴィーヴルの者よ」
 開始された戦闘に押し出されるように動き出そうとするフリートヘルム隊の剣士へ夢心地の刀が振り下ろされる。
「この赤毛の分からず屋! 話を聞けって言ってんでしょうが!」
 星鍵を握り締めて突撃を仕掛けた『願いの先』リア・クォーツ(p3p004937)の言葉は鋭く降り注ぐ。
「うるさい! そうやってこちらに剣を降ろさせてから斬るつもりか! そうはいくか!」
 そう叫ぶフリートヘルムの返答に少しばかり苛立つ気持ちはないわけではないが。
「アルブレヒト、不殺の戦い方……得意技でしょう? だから任せるわ」
「ええ、不殺であれば問題ないです。任せてください」
 こくりと頷いてアルブレヒトが両手の籠手に力を籠めるのを見た。
「危なくなったらちゃんと言いなさいよ! 守ってあげるから!」
「ええ、無理はしません」
 どこか真剣な面持ちで青年が出力を上げる。
(むぅ……革命派が悪いことしてるって認識は誤解なのに……
 早々に誤解を解きたいところだけどまずは落ち着いて貰わないといけないかな?)
 そうむくれたい気持ちを抱く『鋼のシスター』ンクルス・クー(p3p007660)はようやく動き出したフリートヘルム隊を見据える。
「まぁ私個人的に言うなら肉体言語は嫌いじゃないよ!
 それに正々堂々と戦いあえば友情が芽生えるって言うしね!
 皆に創造神様の加護がありますように……だよ!」
 祈りを捧げ、真正面からンクルスは立ち塞がる。
「私は革命派のンクルス!
 私が相手になるよ!!! かかってこーい!!!」
 堂々と名乗りを上げれば、兵士達の視線がンクルスへと向いた。
 混乱しつつも、幾つかの前衛の兵士達がこちらに向かってくる。
「この人たち、倉庫の物資を強奪するとかそういう目的でここに居るんじゃないんだね」
 敵の様子を見て『暖かな記憶』ハリエット(p3p009025)はぽつりと呟いた。
 ざっと戦場を見るに、強奪された物資があれば見えるはずだが、そんなものはない。
 なれば目的はそこにはないのだろう。
 ヒット&クライに弾丸を装填して、一気にぶちまけた。
 放物線を描いて飛んだ弾丸はハリエットの高度な狙撃コントロールによってフリートヘルム隊だけを撃ち抜いていく。
「アルブレヒト、 手伝ってくれるのはほんと助かるけど、無理はしないようにねえ。
 君が帰らなかったら、悲しむ人がいるでしょう。
 ほら、わかったら生きるために戦うんだ」
「そうですね……無茶はしません。
 アリカのためにも、俺にこの機会を与えてくれる人たちのためにも」
 隣に立つアルブレヒトへと『優しき咆哮』シキ・ナイトアッシュ(p3p000229)がいえば、彼は小さく頷く。
「フリートヘルムは素直でまっすぐ、本能的な戦闘センスあり、と。
 そんな隊長には強い部下がつきそうだしね、油断せずに行こう」
「――はい、もちろんです」
 シキが走り出すのに続けてアルブレヒトが走り出す。
 戦陣へと突っ込んだシキは持ち前の防御技術で前衛を無理矢理押し通っていく。
「――見えた」
 握りしめる宵闇の刀が美しき黒き軌跡を紡ぎ出す。
 その横で雷光が迸り、眩しさに眼を眩ませた兵士の鳩尾が拳に撃ち抜かれていた。


 戦いはイレギュラーズの優位より始まっていた。
 元々幾らかイレギュラーズの方が数の有利を持っているというのもある。
 それ以上に、圧倒的な速度で流れを作ることが出来たのは大きかった。
(これ以上時間をかけると流石にバレちゃうかしら?)
 その中でも第一手となり、歯車兵による先制突撃を為したガイアドニスは直感的ながらもこちらに上手く対応してくるフリートヘルムを見て考えていた。
「歯車兵さん達、よろしくね!」
 よく統率された歯車兵達はガイアドニスの指示に合わせて機銃による銃撃を見舞って押し上げて行く。
「止めはおねーさんに任せてね!」
 押し上げる戦線の前衛に立ち、ガイアドニスは倒れそうなフリートヘルム兵を殴り倒して気絶させていく。
「その意気や良し! 麿の刀が相手じゃ!」
 歯車兵達の攻撃から零れ落ちる、あるいは迂回せんと試みるような動きを果たす兵士を見据え、夢心地が刀を振り下ろす。
 当たるはずのない距離より放たれた太刀筋は剣気を纏い斬撃となって戦場を駆け抜ける。
 不殺を描く剣は煽られた兵士に死を思わせ、ぱたりと気絶させるにとどめるものだ。
「大丈夫、私は決して挫けない。
 私は――鋼のシスターさんだから!」
 迫りくる兵士たちも攻撃を受けながらンクルスは顔を上げ、両手を組んでいる。
 只管、無心の祈りを捧げるその姿に兵士達が怯もうが怯むまいが、不撓不屈の祈りはそこにある。
 循環させるその意思が力を振り絞らせてくれる。
「……あれ?」
 倉庫を見回りながら狙撃ポイントを変えつつ戦闘を継続してハリエットは、違和感に顔を上げた。
(……きのせいかな?)
 首を傾げつつ、視線を戦場に戻して、引き金を弾いた。
 放たれた弾丸は幾つもの跳弾を生みながら戦場を駆け抜け、幾つもの傷を生む。
 健在だったその兵士達は思わぬ角度からの弾丸に驚いたようにこちらを見た。
「これはいわゆる戦争ってやつだ。わかってるけど。
 フリートヘルムだけ生かして捕縛して、部下は殺すってなんか寝覚め悪いじゃん」
 そういうシキはドルイド風の兵士へと刀の柄頭を叩き込んだ。
 鳩尾を突いた一撃に唸りながらドルイドが倒れていく。
「後衛を守りながら後退する! 敵に後ろを取られるな!」
 そんなフリートヘルムの声が背後から聞こえてきた。


 戦況は目まぐるしく変化していた。
 圧倒的な先制攻撃より始まった撹乱と形勢の確保は、多少の動きはあれどそのままに決していきつつある。
「勝敗は決したわ! 武器を納めなさい!」
 リアはフリートヘルム目掛けて声をあげる。
 兵の数は減り、けれどフリートヘルムは剣を構えたままだ。
「だ、だとしても、武器を納められるか!
 そうやって無防備なところを殺す気なんだろ!」
「あのねぇ――」
 その発言に一つ呼吸を置いて、リアは星鍵をそっと地面へ置いた。
 目を瞠る彼の方へ、両手を広げて一歩ずつ向かっていく。
 驚きつつも丸腰でも攻撃される可能性を警戒しているのか、剣を構えたままの男へ、一歩ずつ。
「よく見なさい、貴方の仲間は誰一人死んではいないわ。
 最初から言っているでしょう、あたし達……革命派は殺戮を行わないって。
 だから……話をしましょう」
 フリートヘルムと至近距離まで近づいて、リアは真っすぐに視線を合わせた。
 この位置からであれば、リアが攻めかかるよりも前に斬り伏せられる。
 そんな位置取りであると気づいたのか、彼がそっと剣を下げた。
「――ッ」
 だがその刹那、リアの脳裏に不協和音が響く。
「倉庫の上!」
 それはハリエットの声で――飛び出したのはブランシュだった。
 思いっきりフリートヘルムへと突撃をかませば、脚に激痛が走る。
「なっ!?」
 驚いた声をあげたフリートヘルムがブランシュの足をじんわりと赤く染める弾丸に目を瞠る。
「頭を下げるのですよ!
 ブランシュ達が庇っておくので大丈夫ですよ!
 だからじっとするのですよ」
 そうフリートヘルムへ言いながら、視線を射線上に向ける。
「……逃げられたみたい」
 周囲を見渡したハリエットが戻ってきてそう告げるまで、張り詰めた緊張が支配していた。


 戦闘の終了後、ガイアドニスは歯車兵と共に治療を行っていた。
「肉体言語で語り合ったおねーさん達は、虐殺・略奪するような集団に思えたかしら?
 君達が自分の目で見て、感じたものを信じて欲しいのだわ」
 兵士達はおっかなびっくりながらも歯車兵の治療を受けている。
「歯車兵さん達も手伝ってくれてありがとう!」
 致命傷が少ない分、高度な道具が必要ないこともあって歯車兵の動員は簡単だった。
「これで少しは落ち着いてお話を聞いてくれるかな?
 実はボクがいるラド・バウも革命派を名乗る元囚人の人とかに襲撃されてるんだ。
 アナタ達に酷いことをした革命派っていうのもそういう人達かも。
 だから、1回革命派の人達のお話をちゃんと聞いてあげてくれないかな?」
 焔は神の子のカリスマ性を以ってフリートヘルム隊に声をかけて行く。
「……元囚人だって?」
 そう驚いた様子を見せるフリートヘルムに焔は頷いてみせる。
「その辺りの細かいことはボクじゃなくてリアちゃん達に任せちゃうことになるけど……」
 そう言って視線をリアの方に向ければ。
「アミナさんや革命派の人達は悪い事してないよ!
 悪いことをしてるのは革命派を名乗ってる新皇帝派で偽物なんだよ!」
 そういうのは同じく革命派たるンクルスである。
「あんた達の言ってることは新皇帝派の謀略よ。
 あたし達はいくつかその阻止にも成功してるけど……」
 そういうと、リアはこれまでの事を説明していく。
「……俺は馬鹿だからよく分かんねえよ。
 けど、確かにあんたらの言う通りなのか?
 死んでる兵がいないってのは良いことだけどさ……わかんねえよ」
「此度の戦、『結果として殺さなかった』のではなく、
『やろうと思えばもっと楽に全滅させることができたが、
 それをあえてしなかった』というのは分かったであろ?」
 夢心地の言葉にフリートヘルムは唸るばかり。
「なにより、そなたを撃ち殺さんとした者から護ったのはブランシュじゃ。
 それだけでも十分と思わぬのかえ?」
「そ、それはそうだけどよ……」
「さて、正体不明の敵もいらっしゃったけど、今日は何しに来たんだろね」
 シキはそれをフリートヘルムへと聞こえるように呟いていた。
「君達を真っすぐに狙っていたみたいだけど」
 シキが今度は明確にフリートヘルムへ問えば。
「さっき、『探索』って言ってた。
 ここに何かあるって、誰が教えたの?」
 続けるようにハリエットが言えばフリートヘルムは言い淀む。
「アミナ様はお優しい方です。
 そんな少女が突如、親しかったオースヴィーヴルの民を虐殺して物資を奪えなど考えますでしょうか?
 少し思考を解してみましょう。我々イレギュラーズの者がそれに加担した話は聞きましたか?」
 ブランシュはどこか聖女めいた語り口でフリートヘルムへ話しかけて行く。
 あの優しい少女を片隅に真似るようにして、語り続ける。
「わかんない、知らないが……けど、そんな話は聞かない……」
「全ては新皇帝派による策略なのです。
 さあ、英雄に戻りましょう。
 真に革命の旗を仰ぎ、共に新皇帝を討ち倒す英雄として!」
「ほんとうにそうなのか? じゃあ、なんだよ。
 俺らにここに地下鉄の通路があるって教えてくれた連中は誰なんだよ」
 警戒を解いて武器を降ろしたその瞬間――正しく、最も無防備な刹那だった。
「……この間も、新皇帝派の情報をバラそうとした軍人が消されたのを見たばかり。
 口封じのタイミングとしてはばっちりだったのですよ?」
 続けるブランシュの言葉に、フリートヘルムは力なく首を振った。

成否

成功

MVP

ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)
後光の乙女

状態異常

ブランシュ=エルフレーム=リアルト(p3p010222)[重傷]
後光の乙女

あとがき

お疲れさまでした、イレギュラーズ。
フリートヘルム隊は投降しました。
恐らく、革命派の難民として取り込まれるでしょう。

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