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シナリオ詳細

<総軍鏖殺>悪の跳梁、許すまじ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●難民の移動
「この先に本当に安全な場所があるのか?」
「そういう話だ。なんにせよ、動かなきゃどうしようもねえよ」
 群れ、人の群れ。
 荷物を背負い、台車を引いて。人の集団がサングロウブルクへと向けて進んでいく。
 彼等は誰なのか?
 その問いに答えるならば「難民」が一番正しい答えになるだろう。
 そう、彼等は自分の住んでいた村を捨て安全な場所を目指す難民たちだ。
 途中で別の村からの難民も合流し、それなりの数になっていたが……まあ、それでも50人前後だろうか?
 新帝の勅令後、様々な悪党どもが活動を激しくし、また新たな悪党どもが旗揚げをした。
 官憲が居ないというただそれだけの……けれど大きな理由が悪党どものタガを外したのだ。
 結果として頻発した各種の襲撃は鉄帝に「力こそ全て」という風潮が強まったことを示すものだったが……そうしたものが生んだのが、今此処にいる彼等のような難民だった。
 サングロウブルグならば安全なのではないかと、そんな不確定……あくまで彼等にとっては不確定な情報を頼りに移動するその姿と表情からは、隠しきれない疲れが見えている。
 微かな希望だけが頼りなのだろう。少なくとも彼等の瞳には今未来は、映っていないようですらあった。

●大きな流れの中で
 帝政派。それは行方知れずとなっている前皇帝ヴェルス・ヴェルグ・ヴェンゲルズの復権を狙う勢力である。
 今回は帝位が魔種、それも『冠位憤怒』に奪われたため、皇帝が変わったことを……少なくとも暗黙下では認めていない。また最悪でも『魔種ではない者』が帝位にあるべきと考えているのだ。
 そんな帝政派の中心人物は鉄宰相バイル・バイオン。
 立場上、新皇帝バルナバスとは交渉どころか、従う余地すらないため、混乱の渦中にあるスチールグラードからの撤退を余儀なくされた状態でだ。
 現在は近隣の街『サングロウブルク』に仮の拠点を構え、残念ながら一方的な防戦を強いられている。
 これは、そんな帝政派からの依頼であった。
「サングロウブルグに向けて難民の一行が向かってきているとの報告がありました」
 鉄宰相バイル・バイオンからの使者は集まった面々……『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)たちを前にそう切り出した。
 どうにも自警団が比較的小規模の村の住人たちが不安に耐えかね、大きな町へと移動しようと考えたようだが、途中で盗賊たちに潰された村の住人も加わり、現在は50人程の集団になっているという。
 ただそれだけの話であれば受け入れ態勢を整えればいい、という話になるのだが……どうやら、1つ大きな問題があるようなのだ。
「難民の移動の話を何処から聞きつけたのか、盗賊団が動いている気配があります」
 全財産を持って動いている難民が宝箱にでも見えているのか、途中で待ち構えて一気に襲う手はずのようだが……そんなことをさせるわけにはいかない。
 盗賊どもを打ち倒し、難民をサングロウブルグに迎え入れる必要がある。
「守るべき民の安全を……どうぞよろしくお願いします」

GMコメント

サングロウブルグに向けて避難してくる難民を盗賊団から守りましょう。
恐らく襲撃場所は森の間を抜ける通りで行われることでしょう。
襲撃しやすい地形です。そこに盗賊団は潜んでいると思われます。
どのタイミングで難民の皆さんと合流するかは皆様次第です。

●盗賊団×40
名前はないようです。これを機にでっかく名を上げる予定です。
各種の武器で攻撃してきますが、全員が銃も持っています。中々金満ですね。
とにかく難民を逃がさないように優先的に攻撃してきます。

●難民×50
心が折れかけた難民たちです。特に武装はありません。
何かあったらすぐ死んじゃいます。

●特殊ドロップ『闘争信望』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争信望』がドロップします。
 闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <総軍鏖殺>悪の跳梁、許すまじ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年11月18日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
志屍 志(p3p000416)
密偵頭兼誓願伝達業
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
武器商人(p3p001107)
闇之雲
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)
天下無双の貴族騎士
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

リプレイ

●避難民のために
「性懲りも無くまた盗賊かよ。『冠位憤怒』をぶっ倒さない限りこの混乱が続くってことか……全くもって面倒くさい話だ。分かってるよ。この盗賊をどうにかしない限り、難民達を救う手立てがないんだろ」
 『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)は、言葉通りに苛立ちに満ちていた。
 かの新帝の勅令より始まったこの事態は、未だ収束する気配を見せてはいなかった。
 官憲の不在による犯罪は未だ止まらず、止まった流通は更なる犯罪の目覚めにもなっていたのだ。
 そんな中、難民の存在は当然だとすら言えるだろう。誰だって、安全が欲しい。誰だって、安心が欲しい。
 そういう意味では鉄宰相が代表として立つ都市サングロウブルグに難民が集まるのは、ある意味で求心力の高まりを示しているのかもしれなかった。
 帝政派の求心力の高まりは立ち上げ当初と比べれば大分高くなり、その噂も鉄帝の村へ届き、その庇護を求める声が増える。
 ……つまりはそういうことであり、それ故にサングロウブルグへの道に「張る」盗賊団がいるというのも、なんら不思議なことではなかった。
「数が多く儲けも多いということで山賊が狙うのも理解できます。その人数と計画実行能力は、できれば他の形で生かして頂きたかったですねえ。もしも次があったら考えて頂きたいものです。次があればの話ですが」
 『遺言代行業』志屍 瑠璃(p3p000416)もそう言いながら、仲間が乗る馬車の高いところに見張り用のファミリアーの黒猫を、後ろの荷台の中に自在絡繰・黒貂を配置して、この後は瑠璃自身は森の奥、山賊の背面をとるように進んでいく予定だ。
 そう、難民を守りながら戦うのは無理があると早々に判断は出来ていた。
 庇うにも限度はあり、流れ弾の類まで考慮すればあまりにも手が足りない。
 だからこそやるべきことは難民を連れていくことではなく、まずは難民を危険から遠ざけることだと、そう決まったのだ。
 そうして森に入る前に難民たちと合流できたジェイクたちだったが……難民の数は50人。不安もあってか表情には確かな疲れが見えており、『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)はその状況に色々と思うところもあった。
「また賊絡みの依頼ですか。近頃は賊が多過ぎます。囚人が解放された事と無関係ではないでしょう。しかし、今はそんな事を考えても仕方がありません。果たすべき依頼があるのです。サングロウブルグまで、何としても守り切ります」
「なんというか、帝政派の依頼はどうも難民絡みの者が多いな……大変な依頼ではあるが、こういったことをしていくことで人々の信頼を勝ち取れるからこそ、今回もしっかりやっていこう」
 『先導者たらん』シューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)もそう呟きながらも、難民たちをまずは遠ざけるべく説得を開始する。
 その先に行けば盗賊に襲われることは分かり切っているのだから、行かないよう説得しようというのだ。
 説得を始めるにあたって、つかみとして発光で注目を集め、そこからは信仰莵集や統率能力をフルに使って難民たちを説得していく。
「ふむ、50人の難民かい。サングロウブルグは帝政派の膝下だからね、頼る者も多いのだろう。我(アタシ)としても無関係ではないししっかり送り届けたいところだね」
「難民50人とは、随分と多いな。しかし誰一人として取りこぼすわけにはいかない……! 数で数えるのは簡単だが、その一人一人がかけがえのない人命なのだから」
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)と『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)もそう言いながら、シューヴェルトの説得を手伝っていく。
「俺達はイレギュラーズだ。サングロウブルクから皆さんを迎えに来た。急ぎたくはあるが、この先に盗賊がいるとの情報がある。俺達が安全を確保してくるからここで少し待っててほしい」
 そんなイズマの声に応えるのは喜びと、不安の声。当然だろう。盗賊がいると聞いて不安に思わない者はいない。
 それも難民だ……「此処に来てまで」という気持ちは、当然ある。
 だからこそ『魔法騎士』セララ(p3p000273)も、努めて明るい声をあげてみせる。
「大丈夫。ボク達に任せて。なんたって、ボク達は色んな人達や国を救ってきたイレギュラーズだからね。キミ達の事も絶対に守ってみせるよ!」
 武器商人も手作りのクッキーを姉力を発揮しながら配っていく。
「はぁい、此処までお疲れ様。サングロウブルグまで着けば一安心だから、もう少しだけ頑張ろうねぇ」
 とにかく安心させなければならない。気休めであってもクッキーは、その役にたっているように見えた。
 その様子を見ながら、『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)も囮用の馬車の準備を進めていく。
 説得と誘導は、得意な仲間に任せればいい。適材適所だ。
「さて今回の仕事は、難民を襲う盗賊どもを打ち倒す事だ。盗賊どもにとっちゃ難民たちは狙い目だろうが、堅気の皆さんを襲って名を上げようとするその心根が気に入らねぇ。思う存分殴り倒させてもらうぜ」
 言いながら義弘は太い笑みを浮かべる。此処から先は、文字通りのバイオレンス。それは幸いにも、義弘の得意分野の1つでもあったのだ。

●盗賊をやっつけろ
 森の中を、馬車が行く。勿論難民の馬車ではなく、ジェイクたちの操る囮の馬車だ。
 難民の……それも利鞘の大きそうな商人の馬車に偽装したものだ。
(何せ俺達は囮だ。敵が俺達を追ってこないと意味がない)
 敵の位置を把握した上で、自分達の姿を見せる事で注意を引き、で馬車を巧みに操り、付かず離れず盗賊の誘導を試みようと……そうジェイクたちは考えていた。
 勿論ジェイク自身、2体のファミリアーで難民側とこちら側の警戒を怠っていない。
「難民側に敵が多数来たのなら、もう一羽の目を通じて視認もできるのでイザとなったら引き返そう」
「だな」
 護衛の傭兵役を演じている義弘も、そう頷く。
 ハイセンスを駆使して、盗賊たちの足音や火薬の匂いに気を付けているが……護衛役だからこそ、そうした真似をしていても怪しまれない。
 怪しまれない、のだが。盗賊に無用な警戒をさせないよう、演技のスキルを使用してガチガチに緊張している風を装ってもいた。
 こちらに手を出させるのが目的だからということで、まさに抜かりがない。
 そして馬車の外から見える場所に腰掛けて脚をぷらぷらさせているセララは、難民の、のんきな子ども役だ。
 これも「襲いやすい相手」を演出するための一助であったりする。
 商人本人を演じている武器商人も、ギフト「菫紫の魔眼」も使い周囲をじっくりと監視していた。
 そんな彼等を隠れた瑠璃たちが追う。
 瑠璃は集団の端のほうに居て、倒したとしても他の山賊に気づかれないくらい離れた者や、馬車を越えて難民が待機している方に進む者を、音もなく静かに仕留めるつもりだったが……今のところ、そういった気配はない。
 もし見つかったら気絶して動けなくなるまで攻撃するがとどめを刺す気はない。命を保証する気も、当然ないのだが。
 ハイテレパスで囮とそれ以外のチームで無言の連絡を取り合っている現在、隙はない。シューヴェルトも戦略眼で囮班や盗賊の動きも見逃さないように、盗賊たちとの戦闘に備えている。
 そして……馬車の行く手に盗賊たちが立ち塞がったのは、それから少し後のことだった。
 ちょうどジェイクが馬車の車輪が脱輪したと思わせたその瞬間。盗賊たちがバラバラと行く手に現れる。
「ハハハ、何処に行こうってんだい? そんな馬車になんか乗ってよぉ」
「大変そうだし手伝ってやろうか?」
「つーかよぉ、持ってるもん全部置いてけや」
「勿論命もだけどな」
「ハハハハハハ!」
 実に邪悪だ。邪悪極まりない。武器はそれなりに使いこんであり、軍用グレードではないものの銃も所持しているのが見える。
 盗賊団の武装としては「凶悪」に充分すぎるほどに分類されるレベルであり、こんな連中に難民が襲われてはひとたまりもなかっただろう。銃の流れ弾だけで、致命的なことになりかねない。
 しかし、だからこそ……待ってもらっていたのは正解だったと、誰もが思う。
「大人数相手には慣れている。袋叩きにされようが俺は潰れない!」
「ほー、そうかい。じゃあさっさと死ぬんだな!」
 イズマに盗賊の1人がそう叫び銃を向けるが……そこに変身バンクを使用したセララが飛び出す。
「輝く魔法とみんなの笑顔! 魔法騎士セララ、参上!」
 難民の少女から、あっという間にセララの服を纏い聖剣ラグナロクとラ・ピュセルを構えた魔法騎士の姿へ。
「悪い盗賊さんはやっつけちゃうんだから。降参するなら今のうちだよ」
 セラフインストールで自己強化する姿に盗賊たちがざわめく。
「なんだ!?」
「こいつらまさか、イレギュラーズか⁉」
「くそっ、嵌めやがったな!? なんて汚ねえ奴等だ!」
「え、そっちがそれ言う?」
 思わずセララがそう突っ込んでしまうが、こういった手合いは責任転嫁だけは凄いのだから仕方ない。
「ま、どっちが悪いかはさておきだ」
 義弘も演技はやめて、拳を固く握る。
「一度食いついた魚をリリースしてやるつもりはねえだろ。そういうことだ。ここで全員打ち倒す」
「そういうことだ。隠れても無駄さ、1人も逃がさない」
 大型拳銃『狼牙』と凶銃『餓狼』をジェイクが引き抜き、ジャミル・タクティールでいきなり盗賊を撃ち倒す。
「げはっ⁉」
「うおおおお!? 畜生、アイツ強ぇぞ!」
「撃ち返せ!」
「中々良い銃を持っている……だが!」
 イズマが名乗り口上をあげ、SSSガジェット3.0bを発動させる。
 そしてこうなれば、もう隠れている理由もない。
 瑠璃のジャミル・タクティールが炸裂し、戦いながらも逃げる盗賊がいないかを常に確かめる。
「まあ、逃がさないけどねぇ」
 武器商人の破滅の呼び声が響き渡り、オリーブのジャミル・タクティールが放たれる。
「後方には守るべき方々がいます。ここで全ての賊を相手取り、抜けようとするような奴は追ってでも始末し、食い止めます。傍を離れる以上は1人も通せません。必ず止めましょう」
「そういうことだな」
 シューヴェルトのDDが凄まじい音を響かせ、義弘の八岐大蛇が盗賊を薙ぎ倒す。
 セララも超聴覚を使って隠れてる敵や逃げそうな敵を察知できる態勢を整えているが……連中が逃げる気配はない。
 面子の問題とかそういうものなのかもしれないが、それならそれで仕事が楽になるというだけの話だ。
 セララのジャミル・タクティールが盗賊たちに命中し、銃撃を木を盾にして躱していく。
「く、くそっ! こいつ等強すぎる!」
「なんなんだ畜生!」
「自分勝手に奪うだけのお前達の名など知る必要は無いし、渡せる物も無いな」
 イズマはそう宣言し、仲間たちも同様の気持ちだろう。特に手加減の必要もないクズだ。
 すべて倒し切ると……その場に生き残った盗賊は1人もいない。
「放っておいてもその内何かに処理されるだろうよ」
 義弘がそんな冷徹な……しかし盗賊に投げかけるにしては比較的穏当なことを言う。
「周囲に他の盗賊も無し。あとは難民の皆を送っていけば任務完了だな」
「その途中で新しい盗賊が出ないといいけどねぇ」
「……ないとは言えませんね」
 ジェイクと武器商人に、オリーブもそう答えざるを得ない。
 治安の低下は如何ともし難いが、少なくともオリーブの目の黒いうちは目の前の簒奪など許しはしない。
「可能であれば盗賊団の一部も捕まえておいて、どういうルートでこの移動を聞きつけたか尋問もしておきたいところではあったが……そんな大した理由はないのかもしれないな」
 シューヴェルトも、今の帝政派の求心力を考えながらそう呟く。人々が帝政派の助けを求めての難民、それを察しての盗賊。
 なんとも嫌な連鎖だが、それを否定できる状況は何処にもない。
 だからこそ、より気を引き締めていかなければならないのだろう。
 難民たちの待っている場所へ辿り着くと、セララは「お待たせ!」と声をあげる。
「待たせてすまない、もう大丈夫だ。街まで一緒に行こう」
「安心しな、俺達が目的地まで送っていくからよ」
 イズマとジェイクに言われ、難民たちはホッとしたような表情を見せる。
 この状況の根本を解決する手立ては、今はない。ないが……1つずつでも、解決していく。
 それが、きっといつか大きな力になるだろう。

成否

成功

MVP

イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

状態異常

なし

あとがき

難民の一行をサングロウブルグに迎え入れました!

●運営による追記
 本シナリオの結果により、<六天覇道>帝政派の求心力が+10されました!

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